コロナ禍で現場見学できない小4の為に作った動画を一般公開してもらいました
横須賀市には国内最大規模のリサイクル拠点『リサイクルプラザ・アイクル』があります。
毎年アイクルフェアというお祭りも開かれてたくさんの人でにぎわいます。
また、海に面しているアイクルの建物の海側遊歩道を海釣りコーナーとして開放しているので釣り人に愛されていること、動物愛護センターの隣にあることなどから、横須賀市民の多くの方々が一度は目にしたことがあると思います。
でも、中に入ったことがある大人の方はどれくらい居るでしょうか?
そんなあなたにぜひご覧いただきたい動画があります。こちらです!
横須賀市では小学校4年生はみんな『リサイクルプラザ・アイクル』の現場見学に訪れることになっています。
自宅で排出したごみがどのように処理・リサイクルされるのかを幼い頃に観て知っていることは、とても大切です。リサイクル学習とアイクル見学には横須賀市もとても力を入れてきました。
けれどもコロナ禍で2年連続で現場見学ができなくなってしまいました。
それはとても大きなダメージでした。
そこで、資源循環部はあらゆる検討をした結果、新たに映像を作成して、見学できない小学生たちに観てもらうことにしたのです。
昨年2021年9月に完成した動画は、結果的にすごく良いものになりました。
ふだんの見学コースでは絶対に入ることができない場所にカメラを入れて撮影をしたり、長年議員をしているフジノさえ観たことが無かった場所を、映像におさめることができました。
市内全小学校にDVDとして配布して、リサイクル授業で使っていただいています。
小学生のアイクル見学はコロナ収束後に必ず復活させるとして、市民のみなさまにはアイクルのことがとてもよくまとまっているこちらの動画をぜひご覧いただきたいと願っています。
かねてから一般公開を提案してきました
実はこの動画、とても良い出来だと学校からもお褒めのお言葉をいただいてきました。
そこで、フジノは委員会質疑の場で
「一般の大人たちも観られるように公開してほしい」
と提案をしてきました。
まず、昨年2021年12月議会の場で。
2021年12月議会・生活環境常任委員会での質問より
小学生のリサイクル学習事業のうち、リサイクルプラザ見学コース案内映像作成委託料に関連して伺いたいと思います。
この取り組みに対する熱意の強さというのはずっとお聞きしてまいりましたので、「小学4年生の皆さんがアイクルに来ることができない。では、どうしたら良いだろうか」ということで、映像DVDを作成することで何とかその代わりにしたいという思いはとてもよく伝わってきました。
やはりこのリサイクルプラザを見るということは、先ほどから申し上げているSDGsの17の目標の内、リサイクルは目標12にそのまま直結するものなので、未来を担う世代にこうした身近なリサイクルの取り組みを見ていただきたいという資源循環部の思いというのはすごく伝わってきています。
(中略)
動画の持つ力というのはものすごく大きなものがあると思うのです。
先ほど、ふだんは絶対入れない側から撮影をしたということで、すごく迫力のあるものなのではないかなと推測をします。
ですから、この1年のためだけに使うというよりは、これからも定期的に使えるように、新興感染症はまた必ず起こりますし、また学校に来られない子どもたちの為にもこうした動画が提供されるというのは大切だと思います。
そして今年2022年3月8日の生活環境常任委員会の場で。
2022年予算議会・生活環境常任委員会での質問より
フジノの質問
コロナ感染対策とアイクルフェア等の体験型・参加型の啓発事業について伺いたいと思います。
コロナ禍で昨年度今年度中止せざるをえなかった小学校4年生のリサイクルプラザアイクルの見学について、関連して動画を作成いたしました。
この動画について新年度はどのように活用していくのかお聞かせ下さい。
資源循環施設課長の答弁
今年度DVDを配布したんですけれども、市内46校ある小学校の内、27校につきましてはDVDを使っていただきました。
配布したのが夏休み明けてからだったもので、すでにリサイクル授業というのが終わってしまった学校は今年度につきましては使えませんでした。
来年度につきましては引き続きこのDVDを使っていただきたいと考えております。
フジノの再質問
このDVDを作成した当時、横須賀市のホームページやYouTubeなどで全体的に公開してはどうかとお話しましたが、そうした取り組みはなされたんでしょうか。
資源循環施設課長の答弁
すみません、現段階ではまだ行なっておりません。
フジノの質問
きっと質の高い内容になっていると思いますし、日頃入れないところでの撮影も行なわれたとお聞きしていますので、かねてからやはり小学校4年生だけでなく、広く公開してはいかがかというご提案がありました。
僕もその意見に賛成です。
ぜひ多くの市民の方もご覧になれるような形で公開をしていただけないかと思うんですが、改めてご検討いただけないでしょうか。
資源循環部長の答弁
はい、私もビデオを観ました。なかなか手前味噌ながらうまくできているものだと思っております。
また、学校からもお褒めの言葉をいただいておりますので、せっかく作ったこともありますので、市民の方にも観ていただけるような形で検討していきたいと思います。
このように部長が答弁してくれて、3月8日の委員会が終わってすぐに資源循環部が広報課と調整して、わずか8日後に動画が掲載されたのです。
本当に良かったです!
アイクルの取り組み、動画の魅力など
実際にアイクル見学を何回もしているフジノですが、公開されたこの動画もすでに3回観てしまいました。
改めて「そもそもアイクルは何をしているところなのか」ということが、初めてアイクルを知った方にも分かりやすくご案内できていると感じました。
動画を観て、感じたことを少しメモしてみたいと思います。
あなたや僕が出した『容器包装プラスチック』『缶・ビン・ペットボトル』『ダンボール』は、単なるごみではなくて、リサイクルされる『資源』なのですね。
ガラスのビンは再びビンとしてリサイクルされます。また、ペットボトルは洋服に生まれ変わるなど、リサイクルができることは多くの方がご存知だと思います。
UNIQLOでもリサイクル製品が大きく打ち出されていますよね。でも、UNIQLOのように店舗で自社商品を回収している意識の高い企業もありますが、まだ極めて少数です。
やはり全国の自治体がごみを回収してリサイクルをすることが最も基本になります。
動画をご覧いただくと、スタートからワクワクします。
容器包装プラスチックをたくさん積んだ収集車がうしろのドアをあけて貯留ピットに流し込みます。
貯留ピットの内側は人間が入ることができない空間なので観ることができません。でもカメラは貯留ピットに入り、内側からの映像をうつしだしてくれます。
2トンのごみを掴める巨大クレーンも映し出されます。そしてそれを上手に運転している職員さんの姿も。まるでクレーンゲームのようですが、大切な意味のある作業です。
この壮大さだけはぜひリアルの場で、アイクルの現場でぜひ実物をご覧いただきたいのですが、すさまじい迫力です。
貯留ピットとクレーンの様子をみると必ずその大きさに驚かされるはずです。
これほどまでの大量のごみが毎日出されていることに驚かされますし、生きるということはごみが出るということなのだなと痛感させられます。
フジノ自身が初めて見学した時の衝撃を今でもよく覚えているのですが、僕は災害時にごみ収集がストップすると公衆衛生がひどく悪化してしまうということがリアルに理解できたことを覚えています。
缶・ビン・ペットボトルが運び込まれる103個のコンテナも迫力ある映像です。
そもそもアイクルの役割は、市民のみなさまが出したごみから『異物』を取り除いて、より純度の高い『資源』へと生まれ変わらせる場です。
現場は大半が機械化されてはいます。
ごみ袋を破く為の『破砕機』、金属をとりのぞく『磁選機』、風によって重さの違いでごみを分ける『風力選別機』、渦電流でアルミ缶だけ分けてくれる『アルミ選別機』などの機械があります。
けれども絶対に最後は人による「手選別」が必要不可欠なのです。
例えば、リサイクルの代表であるビンは色によって分ける必要があります。透明、茶色(ビール瓶がそうですね)などの色による選別は機械ではできないので、人による分別作業がどうしても必要です。
また、ごみの中にある危険物を取り除いたり、純度の高いリサイクルを実現する為に『異物』を取り除いたり。
これは本当にすさまじく大切な作業なので、コロナ禍においてもやはり人間による作業が不可欠でした。
なぜ二重袋はダメなのか、を知ってほしいです。
なぜ缶はつぶしてはダメなのか、を知ってほしいです。
昔は、缶をつぶす機械が学校にありましたよね。僕もつぶしていました。だから、缶はつぶして排出した方が良いと思っておられる方も今もたくさんいらっしゃいますよね。
でも今は缶はつぶさないようにお願いしています。
そして、危険なので絶対に乾電池・ライター・使い切っていないスプレー缶などはごみ袋に入れないでほしいとお願いする理由もご理解いただけるはずです。
現場で選別にあたる職員さんは三重に手袋をして作業をしているのですが、それでも割れたビンなど危険なごみによって大怪我をしてしまうことがあります。
僕やあなたが出すごみは収集から選別までたくさんの人が触れることになるものなので、どうか分別ルールに沿って安全なものとしてごみ出しを心からお願いします。
動画では描かれていない事柄なのですが、最後に・・・
『資源』に生まれ変わった『ごみ』は、質の高いものだと、実は横須賀市に高い収入をもたらしてくれます。
上の画像の通り、2020年度は2800万円もの収入となりました。
あなたの出した『ごみ』がリサイクルされて、横須賀市の新たな収入に生まれ変わったのです。
実はつい2年前まで、横須賀市のごみは純度が低く質が低い為に、収入ゼロでした。
けれども市民のみなさまのご協力と資源循環部の創意工夫があって、横須賀市に新たな収入を生み出してくれています。
市民のみなさまが排出したごみが、福祉サービスや教育など横須賀市の新たな財源に生まれ変わるのです。
その最前線は、市民のみなさまの、つまり僕やあなたのごみ出しなのです。
動画でご紹介しているアイクルの職員のみなさんのがんばりも不可欠です。でも、まずは僕やあなたのごみ出しがとても大切なのですね。
だから、どうかこれからもごみ出しをする時に、お力を貸していただきたいのです。
横須賀市のごみ全体の10%以上がリサイクルできる『資源』です。
この貴重な『資源』を大切に、純度の高い『資源』として生まれ変わらせていく為にも、どうか分別にご協力をお願い致します。
長文になってしまいました(汗)
まずはぜひ動画をご覧下さいね。よろしくお願い致します!
さらに知ってほしいこと
「アイクル」について語ると止まらないのですが、もう1つだけ知ってほしいことがあります。
実は「アイクル」で使用されている電気は特別なのです。こちらの記事もどうかご覧ください。