自殺防止SNS相談にとりくむNPOライフリンクと横須賀市が連携協定を結びました!/フジノの提案、実現しました

全国規模の自殺防止SNS相談と横須賀市がタッグを組みます

市民のみなさまにとても大きなお知らせがあります。

2月28日の予算議会の本会議で上地市長に提案した

「NPOによる全国規模のSNS相談と横須賀市がタッグを組んで生きる為の包括的な支援にのりだすべき」

が実現することになりました。

3月15日、NPO法人自殺対策支援センターライフリンクと横須賀市は、正式に『自殺対策SNS等相談事業における連携自治体協定』を結びました。

コロナ禍にある為、座間市(下の記事参照)や江戸川区のように、上地市長と清水ライフリンク代表がじかにお会いしての締結は叶いませんでした。

2月8日にライフリンクと座間市が協定書を締結したことを報じる朝日新聞2月17日記事より

ライフリンクとの連携協定は全国3番目となるはずです。

すでに郵送で両者の正式な協定書が交わされています(協定書は後日掲載しますね)。

ライフリンクのLINE相談から横須賀市のリアルな支援へ「つなぎ支援」がスタートします

はたして市民のみなさまにはどんなメリットがあるのか?

これをぜひご説明させて下さい。

まず最大のメリットは、これまで行政に相談したことがない・行政とつながったことが無い方々(特にこども・若者世代)に横須賀市がアプローチできるようになることです。

予算議会で市長へ質問した際に掲載したフジノのイメージ図をまずご覧下さい。

全国規模のSNS相談やLINE相談に届いたご相談のうち横須賀市民の方から同意が得られた場合、横須賀市に情報提供がなされ、リアルな支援を提供していきます
全国規模のSNS相談やLINE相談に届いたご相談のうち横須賀市民の方から同意が得られた場合、横須賀市に情報提供がなされ、リアルな支援を提供していきます

20年にわたって自殺対策に取り組んできた横須賀市の自殺対策はあらゆる生きる為の包括的な支援メニューがあるものの、残念なことに自前の自殺防止SNS相談・LINE相談だけは持っていません。

(現在、福祉に特化したLINE相談『よこすか福祉LINE相談』がありますが、こちらでは「死にたい」というご相談は受けておりません)

その為、『横須賀こころの電話』等をはじめ、子ども・若者からのご相談は極めて少ない現状があります。

一方、全国規模でLINE相談『生きづらびっと』を運営しているNPO法人自殺対策支援センターライフリンクには、子ども・若者からのご相談も毎日たくさん受けています。

ライフリンクが運営するLINE相談「生きづらびっと」
ライフリンクが運営するLINE相談「生きづらびっと」

SNS相談といってもその場だけの一過性のやりとりではありません。

やりとりは何百往復にもわたったり、数ヶ月続くこともあります。その中で、はじめは匿名のやりとりだったものが、お住まいの地域をお話して下さる相談者の方もいらっしゃいます。

LINE相談に相談をして下さった方々の中にはもちろん横須賀市民の方もおられます。

そこでご本人が同意をしてくれた場合に、相談者の方の情報を横須賀市に提供していただきます。

SNSで「死にたい」という想いを伝えて下さった相談者の方に、横須賀市はその人その人に合った生きる為の包括的な支援を全力で行なっていきます。

(あくまでもご本人の『同意』が無ければ情報提供は行なわれませんので安心してLINE相談をなさって下さい)

そして、横須賀市は頂いた情報をもとに、相談者の方に連絡を取り、リアル(=SNSではない)な生きる為の包括的な支援を提供していくのです。

これまで横須賀市の自殺対策の弱みであった、子ども・若者世代へのアプローチがこれによって1つ前進することになります。

コロナ禍で増えてしまった子ども・若者の自殺の犠牲者を横須賀市は減らすことを目指します。

世代ごとに異なるコミュニケーションの手段をとりいれて行政の支援に必ずつなげていきます

この協定締結の実現は、本当に画期的な取り組みとなります。

数年前から議会でもブログでもお伝えしてきたことですが、2022年の今こどもたちは行政の窓口や電話相談には絶対に相談しません。

これは行政の努力不足の問題では無くて生活様式が完全に変化したのです。

統計データでも明らかになっていて、そもそも固定電話は全く使いませんし、スマホを持っていても音声で通話しません。

現在では、ふだんの生活の中のやりとりも、また「死にたい」という相談もSNS(特にLINE)でのチャット相談がメインなのです。

そこで、フジノは全国的にもこども・若者世代にもよく知られている『あなたのいばしょ』『ライフリンク』の2つのNPOとタッグを組むことを提案しました。

かねてから『ライフリンク』の電話相談ではすでに同じ取り組みを行なってきました。

つまり、『ライフリンク』の電話相談にご相談をして下さった方々の中には横須賀市民の方もいらっしゃいます。そして、ご本人が同意をして下さった場合、横須賀市に『ライフリンク』から情報提供をしていただき、横須賀市の生きる為の包括的な支援を提供してきたのです。

今回はこのしくみをSNS相談まで拡げた形になります。

フジノとしてはぜひ横須賀市と関わりの深いもう1つのNPO法人である『あなたのいばしょ』とも同じ取り組みをスタートさせていただきたいと願っています。

引き続き、フジノが責任をもって横須賀市と『あなたのいばしょ』の橋渡しをしていきます。

世代が異なればコミュニケーションは異なります。

横須賀市は全ての世代ごとに対応したコミュニケーション手段を積極的に取り入れて、『誰もひとりにさせないまち、横須賀』を必ず実現していきます。

協定の内容は3つです

今回の協定書の連携内容は下の3つです。

(1)つなぎ支援事業の実施(新規)
「自殺対策SNS相談事業者であるNPO法人自殺対策支援センターライフリンクからつながった横須賀市の相談者に対して、相談者が抱える課題の解決を市役所内外の支援機関と連携して支援を行なう」
→上でご説明した内容です。

(2)自殺対策相談窓口カードの送付(新規)
「支援が必要な横須賀市民で、面接や電話につながらない方に、相談窓口が記された名刺大のカードを届け、支援につなげる」
→こちらのカードはNPOライフリンクが作成するとのことです。枚数や配布先も含めて詳細はまだ決まっていません。横須賀市と接点が無い方に『カードを送付する』というのは現実的に不可能なので担当課にも詳しく訪ねたのですが、4月以降に具体的な内容が固まるようです。

(3)相談支援の質の向上(継続)
「自殺対策SNS相談事業者と連携自治体担当者の意見交換会や研修会等を行ない、相談支援の質の向上を図る」
→この取り組みは現在もすでにライフリンクと横須賀市の間で実施しています。

以上です。

コロナ禍以前に横須賀市の自殺対策の弱みであった、子ども・若者へのアプローチの弱さについてフジノはずっと悩んできました。

横須賀市独自でSNSを立ち上げることもずっと提案してきました。

しかし今回の提案が実現したことで、より良い形で弱みをクリアできることになりました。

本当に提案して良かったです。

そして、その提案を即実現につなげてくれる上地市長、担当課長には心から感謝しています。

絶対に、コロナ禍であろうと新たな波が来ようとも、子ども・若者・女性の自殺の犠牲者を増やさないという想いをさらに強くしました。

NPO法人自殺対策支援センターライフリンクと横須賀市が連携協定を締結、フジノの提案実現しました

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