まもなく横須賀市議会の新年度がスタートします
横須賀市議会の1年間は、5月にスタートします。
これは統一地方選挙が4月末に行なわれて、新しい議員の任期が5月から始まるからです。
ほとんどの民間企業や官公庁の年度は4月にスタートするので、この1ヶ月のズレが原因で起こる問題がいくつかあります。
けれども他のまちとは違って横須賀市議会は2017年から『通年議会』という仕組みを導入していますので、起こりうる問題もクリアできています。
また、コロナ禍のような自然災害の発生にも機動的に対応できるのが『通年議会』の長所でもあります。
横須賀市議会の場合、5月に議会が招集されると翌年の4月末までずっと1年中いつでも会議を開くことができます。
一方、他の市区町村の議会の場合、3・6・9・12月の年4回、それぞれに1ヶ月間程度の『会期』があります。
その期間中だけ会議が開ける期間、という意味ですね。
他のまちの場合は、会期のあいまに緊急に補正予算を組む場合、市区町村議会での議論を省略して首長(市区町村長)が独自の判断で予算を執行するという『専決処分』を行なわざるをえません。
首長が専決処分を行なった場合、その直後の市区町村議会に首長は報告して承認を受けねばなりません。
けれども実際には不承認となっても、使った予算を取り消すことはできません。
つまり『専決処分』を使用すれば、税金の使いみちは首長の独断で決められるようになります。市民代表である議会の議論をスルーできることになってしまうのです。
日本の地方自治の原則である、議会と首長という二元代表制が損なわれてしまい、とても危険だと思います。
一方、横須賀市議会では1年間ずっと『会期』となります。
本会議や委員会などの会議を必要に応じていつでも開くことができるので、目の前の状況の変化に機動的に対応することができます。
このコロナ禍でまさに『通年議会』の長所が活かされたと感じています。
上地市長は状況の変化に対応した補正予算案を提出し、議会側もそれを受けてしっかり議論した上で可決し、正当な手続きを経て横須賀市として予算や事業を執行することができました。
フジノは通年議会を採用する前の横須賀市議会も体験しているので、はっきりと評価することができます。
東日本大震災(通年議会は未導入)、コロナ禍(通年議会を導入後)を経て、やはり横須賀市議会は通年議会を採用して正解だったと考えています。
招集議会を5月13日に開きます
さて、2022年度の横須賀市議会をスタートさせる『招集議会』を5月13日に開きます。
招集議会の役割は大きく2つあって
- 1年間の会期をスタートさせる
- 新年度の議会の体制を決める
ことです。
さて、その招集議会の事前準備の為に『議会運営委員会』を開きました。
年度のスタートに応じて、議会運営委員会、広報広聴会議、議会ICT化運営協議会などの会議、常任委員会のメンバーがリセットされます。
フジノは2021年度は生活環境常任委員会の委員メンバーでしたが、2022年5月13日から別の委員会に所属することになります。
また、慣例によって副議長も交代することとなります。
これらは毎年の恒例行事なので、市民のみなさまからしたら、まどろっこしく見えるかもしれません。
けれどもロシアによるウクライナ侵略など世界的に民主主義の理念が危機にある今、正当な選挙によって選ばれた市民代表の集まりである議会において、正式な手続きを経て様々な決定がなされていくことで、初めてフジノたち政治家は市民のみなさまの代表としての正当性をもって働くことができるのだと受け止めています。
民主主義は時間がかかって時に馬鹿らしく見えることがあっても、こうした手続きを経ずに物事が決まる社会ほど恐ろしいものは無い、と感じます。
5月13日には、2022年度の新たな体制の横須賀市議会をご紹介いたしますね。