事故原因の究明に第三者機関による調査の実施を横須賀市が発表しました
2022年4月23日(土)に起こった、くりはま花の国でのフラワートレインによる事故。
本日、横須賀市から議員宛てに新たな報告がありました。
指定管理者とフラワートレインの整備会社による調査の結果、「事故原因は不明」との結論になったとのことです。
このままでは12年前の事故と同じです。
しかし、同じ場所・同じ車両で12年前と同じ事故を起こしていることから横須賀市では事態を重く受け止めて第三者機関による事故原因の究明を行なうことを決定しました。
フジノはこの決定を高く評価しています。
12年前は「原因を明らかにするまで運行を再開しない」と約束したのに原因不明のまま、当時の吉田市長は運行を再開してしまったからです。
フジノはこの問題を議会で取り上げたことから、記憶にハッキリと残っています。
ここでしっかりと原因を明らかにしなければ、また数年後に同じ事故を起こすはずです。
第三者機関がどういうメンバーでどのような調査を実施するのか、どのような結論になるのか、これからもしっかり注視していきます。
12年前の事故後、原因不明のまま運行を再開を決めた市長に対する質疑
12年前、2010年12月3日の本会議でフジノが当時の吉田市長に行なった質疑を掲載しておきます。
1.「くりはま花の国」のフラワートレイン事故に対して、事故原因が特定されないままの再開がなされたことについて
9月26日、『くりはま花の国』の園内を運行しているフラワートレインコスモス号がコンクリート製のさくに衝突する事故を起こして、8名の方々を負傷させてしまいました。
翌27日に市議会議員あてに出された土木みどり部長からの報告では、「今後の対応として、事故原因の究明までフラワートレインの運行を休止します」とされていました。
しかし、この11月30日から事故の原因が特定されないままに運行が再開されてしまいました。
負傷した方々の治療と対応、車両の点検、安全対策の強化、神奈川県警への報告などは終わりました。けれども、事故の原因が明確には特定されないままです。
今回の事故では、被害はたまたま軽症で済みましたが、大きな事故の発生を防ぐには、小さな事故を徹底的に防止することです。それなのにこんな対応で再発を防ぐことができるのでしょうか。
『くりはま花の国』は、1年間に30万人以上もの来園者があり、横須賀市にとって集客促進の拠点となっております。また、今月から『ウィンターイルミネーション』も始まり、来園者が新たにふえる時期です。今後絶対に大きな事故を起こさないためにも、万全の態勢で臨まなければいけないはずです。
そこで、市長に伺います。
【質問1】
(1)なぜ原因が特定されないままに再開に踏み切ったのでしょうか。
【質問2】
(2)原因が特定されないままで、再発を防止できるのでしょうか。
【質問3】
(3)事故の調査はどのような体制で行ったのでしょうか。
【質問4】
(4)なぜ事故の原因が特定できなかったのでしょうか。
以上4点についてお答えください。
吉田市長の答弁
【答弁1】
まず、『くりはま花の国』のフラワートレイン事故に対して、なぜ原因が特定できないのかについて御質問をいただきました。
現場検証及び事情聴取や車体検査及び走行動作検証を実施しましたが、警察としては事故原因の特定には至りませんでしたので、調査を終了しました。
しかし、これらの原因究明作業を踏まえ、運転手のブレーキ操作と想定以上の客車の荷重が牽引車にかかったことの2つの要因が重なり、発生したと考えられるという報告を指定管理者から受けています。
【答弁2】
次に、事故の調査はどのような体制で行ったのかという御質問をいただきました。
平成22年10月7日に、市の担当職員、神奈川県警察、警察本部そして浦賀警察署、指定管理者及び車両製作会社が現場において現場検証、車体の確認とブレーキの動作確認、運転手及び車掌への事情聴取を実施しました。また、車両の点検については、事故車両であるコスモス号を大阪にある製作会社工場で調査を行なって、牽引車両の分解調査を実施しました。
また、事故車両以外のポピー号とハーブ号については、公園内で製作会社による点検を実施しました。なお、点検の結果、すべての車両に異常はありませんでした。
【答弁3】
次に、なぜ原因が特定されないまま再開に踏み切ったのかという御質問をいただきました。
警察による事故原因の特定はなされませんでしたが、考えられる2つの要因を解消することで、さらなる安全対策を行い、運行再開の準備を進めてまいりました。
運転手のブレーキ操作、これの安全策としましては、指差し呼称の完全実施、制限速度の遵守、危険箇所での注意運転及びいったん停止の徹底を行ないました。
想定以上の荷重の改善策としましては、客車の乗車人数を1列4人がけから3人がけに変更することで、荷重の軽減を図ります。これらの安全対策を実施することで、11月30日に運行を再開いたしました。
【答弁4】
次に、原因が特定されないままで再発を防止できるのかという御質問をいただきました。
今後、このような事故が2度と発生しないよう、指定管理者が中心となって安全対策を実施していきます。
1つ目には、乗務員及び関係者に対する研修を実施して、ミーティングの充実を図りました。
2つ目に、客車の乗車人数を抑制することで、牽引車にかかる荷重の軽減を図りました。
3つ目に、フラワートレイン管理規程の改訂や緊急時対応マニュアルの作成等を実施いたしました。
現場では、これらの取り組みにより再発防止に努めるとともに、行政としても安全対策の履行を毎月のモニタリング等で確認をしてまいります。
フジノの質問
まず、明確な原因が特定できなかった理由について確認します。
すでに、10月7日には神奈川県警の立ち会いのもとで車両製作会社にも来てもらって、点検を実施し、10月14日には製作会社工場で点検も実施したということで、細かく調査はしておられるようです。
ただ、残念ながら県警としては原因を特定できなかったということです。
ただ、これが仮に交通事故などであれば、もっとはっきりと調べると思うのですね。これが今回特定できなかったというのは、どんな理由があるのでしょうか。
もしそのあたりの事情をお聞きになっていれば、お答えいただきたいと思います。
吉田市長の答弁
あくまで警察の調査の中では、原因を特定できなかったという結論になりました。
ですから、警察の判断というのはどのような判断に基づいているものなのか、私は承知していません。
ただ、市としてはこうした原因究明の作業を踏まえて、運転手のブレーキの操作と客車と牽引車の間に想定以上の負荷がかかったことということが原因なのではないかと、そのようにとらえています。
フジノの質問
1点確認したいのですが、8名の負傷した方々の治療費、費用負担というのは指定管理者が行なったということでよろしいですか。
吉田市長の答弁
そのとおりです。
フジノの質問
そうすると、この指定管理者である『横須賀・西武パートナーズ』、これは新体制になって1年ですかね、2年ですかね。
新体制になってスタートしたと思うのですけれども、費用負担が指定管理者であったということは、これは一定程度、指定管理者も責任を認めているということで費用負担をしていただいているということでしょうか。
吉田市長の答弁
保険の中で支払いをしていると聞いています。
フジノの質問
このフラワートレインの事故が起こる前から
「実は指定管理者、このフラワートレインに定員以上のお客様を乗せているのではないか」
ということを何度も市民の方からお話をいただいていました。
定員が何名かというのは市長、ご存じですか。
市長の答弁
53人です。
フジノの質問
僕の認識では45名と受けとめていたのですが、その45名という定員の中で、仮に53名乗せてしまっているのであれば、当然この客車と牽引車の間で想定以上の荷重がかかるのは当然のことかなという思いがあったのです。
定員53名で今回の事故のときも53名乗せていたということでよろしいのでしょうか。
市長の答弁
今回こうした事故がありました後に、先ほど答弁で申し上げたとおり、一列の座席に4人座っていたところを、これからは3人にすると申し上げたと思うのですが、3人にする場合の定員は45人になります。
ただ、今までは4人乗っていたわけですから、この4人乗った形での定員は53名であったということです。
フジノの質問
今回1列に乗れるお客様の数を3人と限定されて、これで大分荷重も減るのかなと。
そもそもこれ本当に人気のある乗り物ですし、その人気があるからこそ台数も増やしてきたのだと思うのです。
これからもさらに乗られる方というのは増えていくと思うのですね。特にこの12月にしても、イルミネーション物すごく人気ですし、そこで再発防止が今回の質疑の目的ですから、お願いしたいことがあります。
それは、やはり定期的な検査のほかに、時に抜き打ちでそういう姿を見ていただきたい。
指定管理者のホームページにしても、土木みどり部のホームページにしても、見ると、毎月必ずきちんと調査に行っておられて、その対応状況なども詳しく記してあって、定期的なモニタリングというのは万全だなというのは感じるのです。
ただ、市民の方から「多く乗り過ぎているのではないの」という問い合わせが以前からあった。
それは他の議員の方も問題意識として持っていた訳です。
今回さまざまな再発防止策がとられました。これ自体は評価しております。
ただ、やはり大きな事故に結びつけない為にも、結局今回、原因の特定には至っていない訳ですから、やはり安全対策をさらに万全にしていく為にも、特にこの抜き打ちでの調査というか、見ていただくということはやっていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
市長の答弁
抜き打ちでの調査というのも今までもやっていますし、これからも、今回再発防止策を幾つも講じていますので、それがそのプランどおり行なわれているかどうかということも含めて、定期的なモニタリングや抜き打ちでの検査ということはしっかりやっていきたいと思っています。
この質疑から12年、残念ながら事故は再び起こってしまいました。
3度目は絶対にあってはなりません。