横須賀市は休日開庁による相談支援を2023年度も継続します
昨日の本会議で行なった市長への質問で、フジノの提案に対して上地市長からは前向きな答弁が返ってきました。
ひとつずつ、ブログでご紹介していきたいと思います。
まずは、2021年度から続けてきた『休日開庁』の取り組みについてです。
コロナ禍に入って全国で自殺が増加する中で、横須賀市は初年度だけ増加に転じたものの、その後2年連続で犠牲者が減少しています。
そこに大きく貢献したのがこの『休日開庁』による相談支援だとフジノは分析しています。
まだコロナ禍の収束もみえず、物価高騰も終わりが全く見えません。
引き続き来年度も『休日開庁』の取り組みを続けていくべきですし、さらに使いやすい形にバージョンアップしていく必要があります。
そこで以下の質疑を上地市長と行ないました。
フジノの質問
●365日対応の相談支援体制の実現を目指して取り組みを検討する必要性について
本市は2021年度から毎週日曜日、大型連休、年末年始などの休日に市役所ほっとかんをオープンし、生活に困難を抱えている方々の相談支援、食料などの提供、生活保護の申請の受理に取り組んできました(この取り組みを以下、休日開庁と呼びます)。
一部の自治体では繁忙期だけ土日に一般的な窓口だけオープンしていますが、本市の休日開庁はお困りの方の為に必要な支援を行うべくオープンしている全国でも稀有な取り組みです。
特に、生活保護の申請受理まで実施している自治体は、本市の他にはほぼ存在しません。
その為、生活困窮の支援に取り組む民間団体から、またSNS上でも全国から本市は評価されています。
当初、休日開庁は「コロナ禍での生活困窮と自殺の増加への対策」という課題からスタートしました。
しかし、今後は「誰もひとりにさせないまちを実現する為に365日のきめ細かなセーフティネットを提供する」という、より大きな視点で取り組むべく、新たな検討が必要だと僕は考えています。
(1)休日開庁の取り組みを来年度も継続する必要性について
コロナ禍も物価高騰も完全な収束はいまだ見通せないことなどから、休日開庁のニーズは引き続き高いと考えています。そこで伺います。
【質問1】
現在の休日開庁の取り組みを来年度も継続して実施すべきではないでしょうか。
市長の答弁
まず、休日開庁についてです。
これまでも福祉の相談窓口としてほっとかんを開設し、困った時に休日に相談できる体制を充実させてまいりました。
ほっとかんで実施している日曜日の生活困窮相談につきましては、平日に相談に来ることができない市民の生活を守る重要な役割を担っており、来年度も継続して実施してまいります。
フジノの質問
(2)来年度の休日開庁の実施に際して、曜日や時間帯などを再検討する必要性について
休日開庁の相談実績を平日と比較すると、残念ながら低いと言わざるをえません。
さらに利用しやすくする為の工夫が必要です。
【質問2】
そこで、現在の日曜・午後のみ、という曜日・時間帯の設定について再度検討すべきではないでしょうか。
市長の答弁
次に、再検討についてです。
市民の方にとって行政サービスを利用しやすくすることは、非常に大切であると考えています。
様々な曜日や時間帯で生活困窮相談等を実施してほしいというニーズがあることは当然に推測できるので、どのような実施方法の工夫ができるか検討していきたいと思います。
フジノの質問
(3)休日開庁における生活困窮への相談支援体制を、新たに行政センターも含む全市で展開し、かつ保健・医療・福祉の総合相談として対応できる体制を検討する必要性について
現在の「本庁」での「生活支援課と生活福祉課の2課」による「生活困窮への相談支援体制」では、限定的な対応しかできません。
人のお困り事やお悩み事には複雑かつ多様な背景が存在していて、生活困窮というアプローチだけでなく、その背景に応じた多面的な支援が必要なものです。
つまり保健・医療・福祉の総合相談を受けられることこそ望ましいと僕は考えています。そこで伺います。
【質問3】
休日開庁を生活困窮への相談支援体制から保健・医療・福祉の総合相談として対応できるように検討すべきではないでしょうか。
また、街頭で休日開庁をお知らせしてきた中で、本庁地区以外にお住まいの方から「わざわざ市役所まで行かずに身近な行政センターで相談したい」とご指摘もいただきました。
来年度から地域生活相談が全ての行政センターへと拡大されますが、休日開庁についてもほっとかん、つまり本庁だけでなく、地域の行政センターでも実施できれば、市民の方の大きな助けになるはずです。
【質問4】
休日開庁を本庁だけでなく行政センターも含む全市展開できないか、検討すべきではないでしょうか。
市長の答弁
次に、休日開庁と行政センターに関する相談支援体制についてです。
休日の生活困窮相談を行政センターにおいて実施する為には、人員の確保に加え、システムを各行政センターに配備しなければならないなどハード面での課題もあります。
また保健・医療・福祉の総合相談には介護・障がい・困窮・保険など関連する庁内各課の連携が必須であり、それ相応の体制を組まないと、結果として平日に改めて来庁いただくことになりかねず、相談者の期待に応えることができない可能性があります。
これらの課題を一気に解決することは難しくて、とりわけ行政センターではクリアすべき課題が多い為に、まずは本庁において、例えば予約制による時間外の相談などどのような対応が可能か民生局内で検討してまいります。
フジノの質問
それでは一問一答で質問をしてまいります。
365日対応の相談支援体制の実現を目指したい。こういう願いが僕の中には強くあります。
そしてこの数年間休日開庁を行なってきて下さった。本当に全国に誇る取り組みだと思います。
来年度も実施していただけるということ、またニーズが潜在化している状況もあり、曜日や時間帯の設定などについても検討していく、というお答えをいただきました。
来年度以降の検討課題かなと思っていたんですが、あえて質問させていただいた、保健医療福祉の総合相談の位置付け。
地域全体でやっていけないか、という点については本市全体で今後の検討が必要であるということ。
人材の問題、システムの課題など、クリアしていかなければならない課題についてもご答弁いただきましてありがとうございます。
市長にご確認したいことがあります。
この取り組み、コロナ禍においてスタートをしたという経緯があるので、もしかしたら市役所の中にはコロナが収束したら終わるんじゃないかと受け止める向きもあるという風に感じています。
ただ市長と最初に意見交換させていただいたのは、市役所は本来1番近い場所であるから365日開いていてしかるべき、少なくとも相談支援窓口は開いていてしかるべきというお話の中からスタートした。
このことは今もお変わりないですよね?
その確認をさせて下さい。
市長の答弁
全く変わりが無いし、コロナが終わったら休日開庁が無くなるなんて誰も思ってないし。
365日にしたい。
これは議員とお話をした通り、全く変わってないし、職員みなさんそう思ってると思いますよ。
以上が『休日開庁』についての質疑応答でした。
フジノがそもそもこの取り組みを提案したのは
市役所は市民のみなさまに最も身近な相談窓口であり、365日年中無休でオープンしているべき
という長年の信念からでした。
4人の歴代市長に提案してきましたが、上地市長だけが呼応して実際に取り組みをスタートしてくれました。
コロナ禍だから始めて、コロナ禍が収束すれば終わってしまうのか、とあえてフジノは問いました。上地市長はそうではない、365日相談体制があるべきだから続けていく、と改めて考えに変わりは無いと答えてくれました。
ただ、フジノが市役所本庁だけでなく地域の行政センター全てに拡大してほしいと提案した点については、ソフト・ハードの両面から現時点では難しいとの答弁でした。
まずは2023年4月からも引き続き休日開庁による相談支援体制は継続されることになりました!
究極の目標である自殺犠牲者ゼロをめざすフジノにとって、休日開庁は『福祉のまち、横須賀』を実現する大切な取り組みの1つです。
上地市長の英断に感謝しています。