横須賀市の自殺対策の弱点を克服する為に
ちょうど1年前、2022年2月28日の本会議で、フジノは上地市長に自殺対策で新たな提案をしました。
NPO法人が実施している全国規模のSNS相談と横須賀市が連携してリアルでの支援につなげる具体的な方法についてです。
提案を受けて、上地市長はその実現をめざすと約束してくれました。
全国の傾向とは異なって、横須賀市はコロナ禍1年目こそ犠牲者が増加してしまったものの、翌年から現在まで自殺を減少させてきました。
また、もう1つ全国と異なるのは、こども・若者の自殺が増えていないことです。
けれども、横須賀市の自殺対策をゼロから作ってきたフジノにとって、こども・若者からのSOSを受け取る体制があまりにも手薄であることが横須賀市の最大の弱点だと考えてきました。
同時に、こども・若者への相談支援の弱さは日本全国に共通の課題であることから、フジノは横須賀市からその弱点を克服するきっかけも作りたい、と強く願ってきました。
そこでNPO法人あなたのいばしょの大空幸星理事長にご相談して「横須賀市とあなたのいばしょで連携をしていただけないか」とお願いをしました。
『あなたのいばしょチャット相談』とは、24時間365日誰でも無料かつ匿名で相談できる、わが国唯一のチャット相談窓口です。年間30万件ものご相談を受けています。
横須賀市保健所の精神保健福祉相談や、学校のスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーや、横須賀こころの電話などには相談ができないこどもたちや若者たちも『あなたのいばしょチャット相談』には頼っているかもしれません。
そこで『あなたのいばしょチャット相談』につながった横須賀にお住まいの方を、横須賀市の自殺対策チームにつなげていただきたいとお願いをしたのです。
チャットでの相談にはとてもつながりやすさがある一方で、限界があります。
「今すぐ死んでしまいたい」という相談者の方に、必要なサポートを一刻も早く提供できるのはやはり横須賀市の自殺対策チームの方です。多職種で包括的に支援ができますし、機動力があります。
だから、両者が手をつないでお互いの強みを活かしあえば良いと考えたのです。
上地市長はすぐに実現に向けて動き出してくれました。
それから1年が経った今日、ついに横須賀市とNPO法人あなたのいばしょが連携協定を結びました。
今日から連携はすでにスタートしています
この全国初の連携がどのような意味を持つのか、上地市長と大空理事長がそれぞれに語ってくれました。
よろしければぜひ動画を御覧いただきたいです。
これから横須賀市は24時間体制で、あなたのいばしょチャット相談から連絡があった時には早朝であれ深夜であれ土日祝日であれ、支援に動くことになります。
この連携体制は、すでに本日からスタートしました。
命を守る為に、この取り組みは必ずうまく機能するとフジノは確信しています。
そしてもう1つ、この取り組みは、横須賀市だけでなく全国のあらゆる自治体へと広がっていくと信じています。
上地市長もフジノも、横須賀市民の命だけが守られれば良いとは考えていません。
全ての命が守られることを心から願っています。
今日この協定から、日本の自殺対策が大きく変わるとフジノは信じています。
たとえフジノがいなくなっても
フジノはこの国に法に基づいた自殺対策が存在しなかった20年前から、必死に活動をしてきました。
2006年には、自殺対策基本法の制定を叶えることができました。
自殺対策を推進する地方議員有志の会(自殺対策議連)の代表も務めてきました。
そして20年前は過去最悪だった横須賀市の自殺犠牲者数を、2019年には50%も減らすことができました。
コロナ禍1年目の2020年には増加に転じてしまったものの、さらに対策を徹底して、この2年間はほぼ過去最少で推移しています。
全力で自殺を減らす為に寝食を忘れて取り組んできた20年間でした。
4年間という任期に限りのあるフジノが居なくなっても横須賀市の自殺対策を後退させない為に、4年前に『第1期横須賀市自殺対策計画』の策定を提案して、実際に策定されました。
この計画の目標も無事に達成される見込みです。
そして再びフジノの任期は終わりを迎えます。この後、政治家としてのフジノがどうなるかは誰にも分かりません。
改めて、フジノが居なくなっても良いように、取り組みを進めてきました。
この4年間の集大成が今日実現した、あなたのいばしょとの連携協定です。
4月からはさらに『第2期横須賀市自殺対策計画』を横須賀市は新たに策定します。
新たな計画にも高い目標値を掲げるようにすでに予算議会で提案をし、上地市長も前向きな答弁をしてくれました。
やがて自分が居なくなっても良いように、フジノは横須賀市の自殺対策に推進装置をしっかりと埋め込んできました。
この先、フジノがどうなったとしても必ず横須賀市は前に進んでいきます。孤独や孤立の末に自殺へと追い込まれる人を、横須賀市は絶対にひとりにさせません。
どんなことがあったとしても、この街に暮らしている限りは生きていかれる・生きていきたいと感じられる、そんな街に必ず横須賀は変わっていきます。
実現に向けて尽力してくれたスタッフに心から感謝です
最後に、実現に向けて動いてくれた現場のみなさんに心から感謝しています。
コロナ対策に追われながらも常に全力でがんばって下さった健康部保健予防課長をはじめ、全てのスタッフのみなさまに感謝しています。ありがとうございました。
そして、決断をして下さった上地市長、本当にありがとうございました。
また、NPO法人あなたのいばしょ理事長の大空幸星さんをはじめとするみなさま、地元出身のスタッフSさん、ありがとうございました。これからもどうかよろしくお願い致します。
横須賀市はこんな心強いスタッフが居ますから、必ず良い方向に向かっていきます!