藤野英明委員
環境部に質問です。
議案第76号一般会計補正予算の内容について質問します。
まず、繰越明許費として提案されている測量調査設計委託料の中身についてなのですが、事業地測量、搬入路地質土質調査、建設計画地基盤整備基本設計と、それぞれ事業地、搬入路、建設計画地というのはどこを指しているのでしょうか。
環境部長
長坂を予定しております。
藤野英明委員
基本的には長坂を前提としている、ということだと思います。
そこで伺いたいのですが、減額補正ではなくて繰越明許にした理由というのは何でしょうか。
環境部長
減額ではなく繰越明許にしたのは、地元の御理解が得られたときに、いつでも業務にかかれるように、年度をわたって調査ができますように繰越明許費としました。
藤野英明委員
繰越明許にした理由として今語られたことを聞いていると、やはりなし崩し的に「長坂ありき」で進んでしまうのではないか、という懸念が残ります。
先ほどから指摘がありますように、バイオガス取りやめの話が町内会に説明されていないことなどを考えると、繰越明許では「いつでも説明会が終ったら取りかかってしまう」と受けとめられるのです。
それはなし崩しではないかと考えてしまうのですが、いかがでしょうか。
環境部長
予算議会の時の『附帯決議』を重んじてやらせていただいております。
その中で「長坂ごみ処理施設建設地に関しては」というただし書きがついて、地元住民に対する説明と理解を最優先として、今言われたような調査とか測量とか地質調査とか、そういう執行に当たっては慎重を期すことというように附帯決議をいただいております。
それに従って丁寧に説明している中で御理解いただけましたら、すぐにでも業務に取りかかりたいと、そういう姿勢が明許繰越費だと思います。
藤野英明委員
補正予算で一部のものは減額補正を行って、残りのものは繰越明許費というのは、これは片方では地元住民に理解を示しているように見えて、片方では理解が得られたらすぐに取りかかる、という、やはりこれもどちらにもいい顔をしているような感じに受けとめられるのです。
いつでも取りかかれるということは、「結局はスケジュールを優先する」と率直に感じられるのです。
スケジュールがまずありきで、附帯決議とは逆に、地元住民への理解というのは後回しにされているのではないかと感じるのです。
スケジュールがまずありきなのではないですか、これは。
環境部長
当然、地元の住民の方の御理解が優先です。
ただ、今年度減額にしたのは、今予算をいただいていても、今年中に完成することはもう明らかにできません。
アセスの計画書があって、できてその後に調査のほうに入るわけですから、そういう明らかにできないものは今の時点で減額とさせていただきました。
藤野英明委員
僕が申し上げたいのは、繰越明許をかけるというのは「行なうという前提での措置」です。
そうではなくて本当に御理解を得られてから行なうのであれば、「来年度予算に新たにのせる、今回は減額補正のみにする」というのが、姿勢としてあるべきではないかと思うのです。
その点についてはいかがでしょうか。
環境部長
確かに来年度に送るということもあろうかと思いますが、私たちは平成31年に新たな焼却施設を完成させようと思っています。
これが来年に送ることによって、1年、2年とどんどん遅れることになります。
そうしますと、南処理工場の維持修繕費は年間数億円かかっておりますので、それがさらにかかるようになります。
結果として市の持ち出し、市全体のお金の使い道が南処理工場のほうにさらなる修繕費が必要となりますので、今は目標に向かって平成31年に新しい焼却施設を稼働したいと思って、今はこの計画でおります。
藤野英明委員
修繕費やバグフィルターの費用が年間7億円近くかかるということを、今挙げてスケジュールを優先したいというふうに聞こえたのですが、一方で、長坂を建設地にした場合は民有地の取得であったり、南処理工場の解体費用が20億円かかると一般質問でもありました。
そういうことを考えていけば、住民への理解を最優先にするのであれば、コスト面での比較を単年度で考えた場合は、そう大きく影響するとは考えられないのですから、来年度予算案に新たに出し直して、そこでの議論を待って、つまりバイオガス化をやめてからの説明を再度行ったり、現在の時点での情報をきちんと出した上で、来年度予算議案の審議を待つというのが姿勢として正しいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
環境部長
今の20億円の解体費用なのですが、解体費用は必ずかかるものでして、長坂だから解体費用20億円が新たにふえるわけではないと思っています。
また、バイオがなくなっても焼却施設自体は当然あります。
そういうことで、今必要なのは、長坂の候補地の理解を一日でも早く得て、早く取りかかることが一番いいことだと思っていますので、来年度にその議論を回すことなく、今年度御理解を得られましたら、すぐにでも調査に入りたいと思っています。
藤野英明委員
この件については基本的な候補地の選定について、どうしても賛成をすることはできないので、意見は平行線をたどらざるを得ないのですが、今回の補正についてのみ述べるとしても、この測量調査をなぜ長坂だけに行って、そこの結果だけをもって説明をしなければならないのかというのも納得はできません。
こうした測量調査などを全部の箇所に行った上で、比較検討をして長坂だというのならば理解できるのですが、やはりスケジュールありき、建設計画地決定ありきですべてが動いているようにしか受けとめられません。この点を指摘させていただいて、議案第76号については質疑をこれで終わりにしたいと思います。