経緯
横須賀美術館では、2012年、(株)電通に企画を実施させるという『試行事業』を実施しました。
これは、所管する教育委員会や現場である美術館の学芸員を一切介在させずに、経済部が暴走するような形で実施にこぎつけたものです。
試行事業は2つあり、『L’Arc~en~Ciel 20th L’Anniversary EXHIBITION』と『70’s バイブレーション!』というものです。
しかし、そもそもフジノは「試行事業を実施すべき」という立場でしたが、その強引な手法をはじめ、美術館という極めて高い専門性が求められる現場において、学芸員を現場に立ち会わせようとしなかったなどの非常識な方法に怒りを覚えました。
例えば、『L’Arc~en~Ciel 20th L’Anniversary EXHIBITION』は開催期間中も終了後も、全国の『L’Arc~en~Ciel』ファンの方々からの多くのご批判を頂きました。
『試行事業』が終了した後、電通から横須賀市に対して報告書が出されました。
しかしこの内容が極めて薄く、フジノは怒りの気持ちがさらに強くなりました。
2013年10月2日・教育福祉常任委員会での質疑より
委員会で行なった質疑より、該当する部分のみ抜粋して紹介します。
フジノの質問
今回教育福祉分科会に出ているわけではないのですが、総部分科会に提出された『株式会社電通』から提出されている『平成24年度横須賀美術館特別企画展報告書』というのがあります。
これは教育委員会も受け取っておられるのでしょうか。
美術館運営課長の答弁
経済部から資料はいただいております。
そのものかどうか確認はできておりませんが、経済部のほうからの特別企画展に関する結果報告は拝見させていただいております。
フジノの質問
それと同じ内容のものだと思うのですが、先ほども分析をぜひ続けていっていただきたいと申し上げました。
特に『試行事業』というのが平成24年度というのは特に重きを置いたと思うのですね。
その分析をする上で、こういった『報告書』というのは非常に重要だと思っているのですが、教育委員会として、美術館運営課として、この報告を読んでどんな印象を持たれたか、その点だけお聞かせいただきたいと思います。
美術館運営課長の答弁
確かに結果からも言えますが、集客に効果は非常にあったのかなと思っています。
一方で、施設を管理する側、あるいは運営する側から見ますと、やはり少し現場の理解、あるいはここでどういう形でやっていくかという視点が欠けているのではないかというのが率直な感想でございます。
フジノの質問
今の課長の御答弁のとおりだと思うのですね。
ざっと読んだ印象だけでも、日本の広告業界1位の会社にしては、誤字も脱字も非常に多くて、本当に我々に協力しようとしてくれたのかなという、非常に残念な感じがします。
それで、そういう点を差し引いて読んでも、運営上の課題ですとか、最後についてを読んでも、美術館の現状について全く理解していただけていない。
「大変実施しにくかった」とか、「自由度が非常に狭い」とか、なぜ我々がこのように批判されるのかという、非常に残念だなと思いました。
それでも、ただ貴重な『試行事業』であること自体に変わりはないので、ぜひ今後の美術館のあり方に反映させていっていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
美術館運営課長の答弁
私どもがふだん考えてやることとは違う内容であったことは事実ですので、そこから得ることはあろうかと思います。
その辺で次に生かせるものにつきましては、研究しながら取り組んでいきたいと思っております。
(以上です)