横須賀市議会は2016年度から年2回、収支報告書を提出することになりました
ここ数年間、政務活動費に対する信頼が全国的に地に落ちています。
そんな中、横須賀市議会では議会改革のひとつとしてこれまでは年1回(年度末)の提出だった収支報告書を、年2回(前期・後期)の提出に変更しました。
少しでも早く情報を公開することで、市民のみなさまが政務活動費の支出についてチェックできるようにしたいという考えからです。
ただ、民間企業では四半期決算(3か月ごとに決算)が当たり前になっています。
いずれ、横須賀市議会でも公開時期がさらに増えていくことになるかもしれません。
ここ数年間繰り返されてきた犯罪行為による「政務活動費」のネガティブなイメージについて
ここ数年、世間のみなさまにとって『政務活動費』はネガティブなイメージにまみれていると思います。
『第2給料』とか『政活費=生活費』と批判的に呼ばれることもあります。
けれども本来は、会社勤めのサラリーマンや自営業などどの職業にも必ず存在している『必要経費』のことです。
どんな仕事であっても、活動していく上では『経費』が必要です。
移動すれば交通費がかかりますし、電話をかければ電話代がかかります。こうした『必要経費』のことです。
その『経費』のことを、政治家の場合はわざわざ『政務活動費』と呼んでいますが、特別なものでもなんでもありません。
政治家として真剣に仕事をすればするほど当然ながら経費は増えますが、ここ数年の風潮から節約することが世間受けするので実際は支出していてもあえて自腹を切っている政治家もいます。
『政務活動費』そのものに良いも悪いもありません。
使う人の意識によって、それが良いものにも悪いものにもなります。
ここ数年間報道され続けている、この『必要経費』の領収書を偽造して『裏金づくり』や『私費』として懐に入れているのは政治家であるかどうか以前に『単なる犯罪行為』です。
号泣した元・兵庫県議のような多くの犯罪者たちや、それらを連日おもしろおかしく報道することで作られた残念なイメージで歪められてしまっていますが、『政務活動費』は『第2給料』というような存在では決してありません。
仕事をしっかり行なうには必要なコスト=『経費』なのです。
どの職業にでもある当たり前の『経費』が政治家の場合だけ特別視される現状は、その使い方や運用やチェックの仕方がいまだ企業などに比べて緩いのが原因のひとつです。
そうした『緩さ』を改善していくことで、政務活動費という『経費』の在り方を市民のみなさまにご理解いただけるように努力をしていきたいです。
しっかりと仕事をして成果を出していきます。
一方で、ふつうの会社の経費ともだいぶ違う「政務活動費」のルール
その一方で、他の職業であれば当たり前に『経費』として計上できる内容であっても、『政務活動費』では計上が認められないルールもたくさんあります。
例えば、名刺。
裁判の判例集などを読むと、「名刺は政務活動以外にもあらゆる目的に使うから、政務活動費として計上して良いのはあくまで2分の1だけ」、といった内容が判決として書かれています。
フジノの知る限り、ふつうの民間企業では名刺は会社が支給します。しかもその名刺を日本の会社員の多くがプライベートの場面でも自己紹介の場面で配っていますよね。
だからといって、名刺作成にかかった費用の2分の1をあなたは会社に支払っていますか?自己負担をしておられますか?
政治家の場合は、名刺作りにかかる費用の2分の1しか経費として認められません。残りの2分の1は自腹=私費です。とてもおかしなルールだと思います。
そんなルールへの抗議もこめて、フジノは名刺を作るのをやめました。
もう10数年、フジノは名刺を作っていません。
かつてはじめて『政務活動費』の支出のルールが作成された『目的』は、善意に基づいたものだったのだと思います。
でも、今では『現実的に必要な経費』とはかなりかけ離れたルールも多いです。
その結果、「政治家という職業は基本的に自腹を切って仕事をしなければならないことが多くて大変だ」とフジノは感じています。
『地方自治法』がもっと現実的なものに改正されて、政治家がふつうの会社員や自営業のみなさんと同じように、ふつうに働けるようになることを望んでいます。
2016年度・前期分の使いみちを報告します
前置きがすっかり長くなってしまいました。ごめんなさい。
2016年4月1日~9月30日までの半年間でフジノが使った『政務活動費』を報告します。
上の画像が、議会事務局に実際に提出した収支報告書です。
さて、合計額は、下の表のとおりです。
2016年前期分の政務活動費 | |
---|---|
支給された額(*1) | 83万4,000円 |
支出した額(*2) | 95万0,375円 |
残額 | ▲11万6,375円 |
(*1)経費として、市から市議会議員に渡された半年分のお金のこと。
(*2)経費として、半年間でフジノが実際に使ったお金の合計額。
差し引きは、マイナス11万6,375円でした。マイナス分は『後期』に繰越されます。
科目ごとの内訳はこちらです
95万0,375円をどのような内容に使ったのか、横須賀市議会のルールごとに分けたのが下の表です。
科目 | 合計額 | 内訳 | 領収書 |
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研究研修費 | 11万4,458円 | こちら | こちら |
研修費 | 8万1,310円 | こちら | こちら |
広報費 | 0円 | なし | なし |
広聴費 | 0円 | なし | なし |
要望・陳情活動費 | 0円 | なし | なし |
会議費 | 0円 | なし | なし |
資料作成費 | 1万5,984円 | こちら | こちら |
資料購入費 | 23万5,700円 | こちら | こちら |
人件費 | 0円 | なし | なし |
事務所費 | 50万2,923円 | こちら | こちら |
*交通費(電車・バスなど)は領収書をもらうのが困難なので 『支払確認書』と『交通費計算書』の2つの提出をもって領収書のかわりとなります。
以上です。