2011年12月議会・一般質問(2011年11月29日・本会議)

*後日談 2012年予算議会において、質問1(3)と同じ想いを持つ市民の方々から請願が出されました。こちらをご覧下さい。




藤野英明です。よろしくお願いします。

1.放射能からこどもたちの健康と安全を守る為の本市の様々な取り組みの必要性について

(1)高い濃度の放射性物質を含む側溝汚泥等が学校敷地内に放置された問題の原因究明について

本市は6月末から市立学校の空間線量を測定しましたが、いずれも線量が低く安心していたところ、実はその影で大きな問題が起こっていました。

ねぎしかずこ議員が市内の放射線量を測定して回っておられたのですが、10月25日、鶴久保小学校の道路に面した校庭から、毎時0.75マイクロシーベルトの高い線量が測定されたのです。

このねぎし議員の測定によって発覚したのが、夏休みの学校清掃後に側溝汚泥などが野ざらしにされていた問題です。

8月25日に教育委員会から出された通知に基づいて、各学校は放射性物質が集まって溜まりやすい側溝や雨どい等の清掃を行ないました。

しかし、発生した汚泥等の処理方法の周知が十分でなかった為に、放射性物質に関する基礎的な知識の研修の機会も無いまま、用務員の方々はいつもの清掃の延長として行ない、鶴久保小学校をはじめとする複数の学校において、放射線量の高い汚泥や落ち葉などが集められて、ブルーシートなどをかけられることも無いままに、校庭のすみやビオトープの中など、こどもたちが日常的に接触しうる場所に2ヶ月にわたって野ざらしにされていました。

この過ちによって、本来ならば避けることができた被曝(外部内部とも)をこどもたちが受けた可能性があります。

放射性物質に関する対応の主管課は市民安全部ですが、市民安全部と教育委員会が連携して、正確な知識に基づいた対応を指示していれば、このような事態は起こらなかったのではないでしょうか。

そこで市長に伺います。

【質問1】
再発防止の為には原因を必ず検証すべきですが、どこに問題があったと市長は分析しているのでしょうか。

お答え下さい。




(2)放射性物質・測定機器・除染などに関する正確な知識を学ぶ機会を設ける必要性について

放射性物質などの基礎的な知識が無いままに行動することで、例え善意に基づいた行動であっても、逆に被曝リスクを高めてしまうことが起こりえます。

例えば、公園や道路の側溝などを清掃して下さる町内会やボランティアの方々が、放射性物質の特性や適切な除染の方法を理解していなければ、今回の鶴久保小学校で起こったことと同じ事態を起こしえます。

したがって、放射性物質の基礎的な知識をはじめとして、測定機器の使い方や適切な除染の方法などについて学ぶことができる機会を市として設ける必要があります。

保護者や児童生徒をはじめ、広く市民のみなさまを対象にした講演会の開催などはもちろん、市民安全部だけでなくあらゆる部局の市の職員の方々への研修、学校の教職員、用務員をはじめ、学童保育や市民開放している体育館の利用者の方々、地域スポーツチームなどの学校関係者などに対しても広く啓発を行なうべきです。

地域での清掃などに協力してくださっている町内会の方々やボランティアの方々にも啓発が必要です。

そこで市長に伺います。

【質問2】
このような正確な知識を学ぶ機会を設けてあらゆる関係者に広く啓発すべきではないでしょうか。

お答え下さい。





(3)市が行なっている除染の基準値を引き下げる必要性について

市立学校での放射線量の再測定では、地表高1cmで毎時0.59マイクロシーベルトを超える線量が検出された場合には、除染を行なっています。

この除染の基準値を設定した理由は、市長が10月27日付けのブログで説明をしていますが

「1日8時間校庭での活動を210日間続けた場合に1ミリシーベルトに達する線量」

という計算に基づいている、とのことです。

そして、0.59を下回った場合は、そこで0.3、0.4といった値が検出されても除染対象から外しています。

しかしこれではこどもたちの被曝リスクを完全には減らせていません。

1年間で1ミリシーベルトを超えないようにするというのは、校庭での210日間だけではなく、給食から体内に取り込むものや毎日の暮らしの全てから取り込んだ放射線量の積み重ねです。

1年間は365日ですから365日で積算すれば、被曝量は年間1ミリを超えてしまいます。

また、これは外部被曝の場合しか想定していません。

側溝汚泥などが野ざらしになって放置された結果、乾燥した土ぼこりになってこどもたちがそこを歩いたり走ったり、泥だんごを作って遊んだりすれば、口や鼻から吸い込んでしまいます。

その時に起こることは外部被曝ではなくて内部被曝です。

外部被曝と内部被曝による影響の強さの違いは、もはや説明するまでもありません。

つまり、こどもたちの内部被曝リスクを考えれば、検出された値が0.1違うだけで除染をしないという現在の対応では不十分です。

そこで市長に伺います。

【質問3】
毎時0.59マイクロシーベルト以上の値が検出された場合には、その地点を含む一連の側溝土砂や落ち葉なども、例え0.59マイクロシーベルトより低い値であっても一括して除染の対象とすべきではないでしょうか。

お答え下さい。




(4)除染により埋設した土などを学校敷地内から早急に移動させる必要性について

11月18日現在で36小・中学校・ろう学校の再測定と除染を終えていますが、除染の方法は、最終的な処分先が決まるまでの処置として、学校の敷地内に埋設しています。

けれども、そもそも学校の敷地内に埋設することに保護者の理解は全く得られていません。

また、埋設するまでの保管場所や埋設した場所についてその対応は各学校によってバラバラです。

立入禁止の表示やロープを貼ってこどもたちが入らないように対応しているのは『市の指示』ではなく、危機意識の高い『校長先生の独自の判断』によるものです。

8月26日に原子力災害対策本部が発表した『市町村による除染実施ガイドライン』では

「埋め立てた場所が不明にならないよう、市町村において埋め立てた土地の位置や保管の方法を記録するとともに、覆土が掘り返されることが無いよう、土地の所有者などに対する注意喚起をお願いします」

と注意が促されているにも関わらず、本市では実施されていません。

この問題について3点うかがいます。




ア.学校敷地内への埋設は「仮置き」であることの確認

市民のみなさまからの問い合わせに対して、教育長は「処分先が決まるまでの仮置きだ」と明言していますが、一方、市長は公的な場でそのように発言したことはありません。

【質問4】
敷地内への埋設はあくまでも「仮の対応だ」と市長にも明言していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

お答え下さい。

イ.埋設場所の統一的な管理対応を取る必要性について

8月26日に文部科学省と日本原子力研究開発機構が発表した『学校などにおける放射線測定の手引き』において

「当面の対策として囲いや作を設けて立ち入りを制限する等の措置をとることは、被曝を抑制する観点から有効である」

と記してあります。

しかし、先程も申し上げたとおりで、現状では対応が学校ごとにバラバラです。

【質問5】
主管課である市民安全部が教育委員会と連携して、埋設場所へこどもたちや近隣の方々が立ち入ることの無いように、全ての学校で統一的な対応を取るべきではないでしょうか。

お答え下さい。

ウ.埋設した土のう袋を早急に学校敷地外に移す必要性について

2008年に日本原子力研究開発機構が発表した『埋設処分における濃度上限値評価の為の外部被ばく線量換算係数』によれば、埋設するにあたって土をかぶせる覆土が30cmになれば98%の放射線を遮蔽する効果があるとされています。

しかし、研究でそう報告されていても保護者・教職員をはじめとする学校関係者の方々の本音の想いは最終的な処分場が決まるまで学校敷地内へ埋設しておくことでは無く、こどもたちが決して接触する可能性が無い学校の外の別の場所に一刻も早く移すことです。

例えば、高い放射線量が検出されている下水焼却汚泥を下町浄化センターに保管していますが

「学校で出た土の量はこれだけしか無いのだから下町センターへ移して欲しい」

という声がとても多いです。

不安の気持ちが消えない、という想いに僕たち政治・行政は寄り添って応える必要があるはずです。

しかし、この問題は教育委員会だけで決められることではなく、上下水道局や市長部局の部局を超えた判断が必要です。

そこで市長に伺います。

【質問6】
仮置きとして学校敷地内に埋設されている土のう袋を早急に学校敷地外へ移す為に市長の決断が求められていますが、市長はどのようにお考えでしょうか。

お答え下さい。




(5)可能な限り全ての情報をオープンにする必要性について

市長は8月10日付けのブログにおいて、このように記しています。

私は、原発事故による「安全」の基準や原因の解決は、国や東電の仕事だと考えていますが、市民の皆さんに的確な情報提供を積極的に行うことで「安心」をお届けすることはできるのではないかと考えています。

かねてから市長は

「安全は届けられないが安心は届けたい」

「的確な情報提供が安心を届ける最善の策だ」

と繰り返してきました。

それにも関わらず、鶴久保小学校から始まった一連の市立学校での再測定・除染のスケジュールについては一切公表せずにきました。

再測定の場に立ち会いたい、除染の現場に立ち会いたい、という保護者の願いを無視して、いきなり市職員が学校に再測定に現れたことを知った保護者の方々が、携帯やメールで必死に連絡を取り合って知らせ合う状況になってしまいました。

まるで何か都合の悪いことを隠そうとしているのではないかとあらぬ不信感を市民のみなさまに持たせてしまいました。

何故あらかじめ発表できないのか、全く理解できません。

市長ご自身がおっしゃってきたように市民のみなさまの不安を拭い、信頼を高める為には事前に可能な限り全ての情報をオープンにすべきです。

昨日28日本市が出したプレスリリースでは、「市内公園33ヵ所の放射線量の再測定を始めた」と発表されましたが、これについてもスケジュールが事前に全く発表されていません。

また、これから本市は全ての幼稚園・保育園についても再測定と除染を行なう訳ですが、再測定にあたっては可能な限り、必ず事前に情報を公開すべきです。

そして、希望する方の立ち会いを認めるべきです。

そこで市長に伺います。

【質問7】
市民のみなさまに「安心を届けたい」と市長が本気で考えているならば、スケジュールを含めたあらゆる情報をオープンにすべきではないでしょうか。

お答え下さい。



2.市民自らの手で測定できる体制づくりへの支援の必要性について

(1)放射線量測定機器の市民への貸出の必要性について

すでに全国の多くの自治体で、市民向けに操作法の研修を行なった上で、放射線量測定機器の市民への貸出が行なわれています。

その目的は2つあります。

第1に、市民のみなさまがご自宅やご近所の身近な気になる場所を自ら測定することで、放射線量の正確な実態を把握できるようになります。

実態を把握できれば現実的な対策も取れるので、無用な不安を解消することができます。

第2に、市職員による測定だけでは広大な面積に対応するマンパワーとして限界がある中で、市民のみなさまの協力を得られれば実態把握がよりスピーディーにできるようになり、きめ細やかな放射線量の監視体制の強化ができるという大きな効果が得られるのです。

だからこそ、全国で測定機器の貸出が広がっているのです。

そこで市長に伺います。

【質問8】
本市でも早急に放射線量測定機器を市役所や行政センターに増台配備して、市民のみなさまへの貸出を行なうべきではないでしょうか。

お答え下さい。




(3)食材などを持ち込んで測定ができる市民放射能測定所の設置の必要性について

9月議会で僕は、食物を介した内部被曝からこどもたちを守る対策として『給食用食材などの放射性物質を毎日測定できる体制づくり』を提案しました。

それを受けて本市では、東京大学大学院・早野龍五教授の『給食一食まるごとセシウム検査』方式を全国に先駆けて実施しました。

本当に教育委員会はよくがんばってくれました。

本市の取り組みは政府に大きな影響を与えましたし、今では多くの自治体が『横須賀方式』を取り入れるようになりました。

改めて申し上げますが、その量はともかく、放射性物質はいずれ必ず検出されるだろうと申し上げてきましたが、やはり、実際そのとおりになりました。

11月27日に行なった最新の検査では、11月21日から25日の4日分の提供給食の測定結果において放射性セシウム137が0.48ベクレル/kg検出されました。

教育委員会は政府が出荷停止措置を取っていない食材のみを使ってこどもたちに給食を提供しているにもかかわらず、実際には、給食食材にも汚染があることが明らかになりました。

しかし、こうしてしっかりと測定を行ない続けることで内部被曝の実効線量を把握することができると共に、原因をすぐに追及して対策を取ることができることから長い目で見れば、必ず内部被曝予防につながります。

そこで、次に横須賀市が取り組まなければならないのは学校給食以外の食材についても、その汚染の実態を市民のみなさまが測定できる仕組みを作ることです。

スーパーや八百屋・肉屋などで食材にベクレル表示を行なっている所は、僕が知る範囲では市内にはまだ存在していません。

一方で全国を見ると、NPOや自治体が測定器を設置して市民のみなさまが食材を持ち込んで測定できる市民放射能測定所が増えてきました。

「毎日食べているお肉や野菜や飲料水などからどれくらいのベクレル摂取をしているのかを知る為には使用料を支払ってもかまわないので、食品の放射線量を測定できる場所を身近に設置してほしい」と望む声が本市でも増えてきています。

こどもたちと、これからこどもたちを産むことになる方々の健康を守るためにも汚染の実態を把握できる仕組みが必要です。

そこで市長に伺います。

【質問9】
保健所や健康安全科学センターなど市民のみなさまにとって身近な場所で、市民が食材を持ち込んで放射性物質の測定をできる体制が必要ではないでしょうか。

お答え下さい。



3.東京電力に対して求める損害賠償の検討状況と今後の対応について

この質問は、先程ねぎしかずご議員への市長答弁において、県市長会による政府への意見書の提出をはじめ、安全確認費用を東京電力へ請求するという明確な方針が確認できましたので、割愛します。





4.市の在るべき姿勢として「現場を訪れること」の必要性について

9月1日に行なわれた山城議員の一般質問において、天然ガスコンバインドサイクル発電所に関する市長の答弁が実際の姿とかけ離れた内容の答弁に疑問を感じた僕は、9月20日の一般質問において、「市長及び担当部局は実際に現場を視察して答弁を作ったのか」と質しました。

市長は「敷地の外から眺めたのみ」との趣旨の答弁を行ないました。

現場を観ないでイメージで答弁を行なったことは、市議会での質疑への答弁作成の姿勢として極めて不誠実です。

それに加えて、原発事故以降の脱原発の短期的に効果の高い手段として全国的に注目されている天然ガスコンバインドサイクル発電所がすでに本市に存在しているという優位性にも関わらず、そこから学ぼうという姿勢が無いことは市の在るべき姿勢として極めて問題だと僕は指摘しました。

改めて市長に伺います。

【質問10】
9月議会での問題提起を受けて、その後、市長または担当部局はこの発電所を実際に視察に訪れたのでしょうか。

お答え下さい。



5.セクシャルマイノリティとされる方々への支援について

僕は9月議会での一般質問において、いわゆるセクシャルマイノリティとされる方々への理解と支援を求める提案を行ないました。

その中で、いわゆる性的マイノリティとされる方々が公的機関とNPOという信頼感のもと、同じ仲間が安心して集うことができるコミュニティースペースとして、NPOと神奈川県が協働して2007年に横浜に開設した『かながわレインボーセンターSHIP』を具体例として取り上げました。

それを受けて本市はさっそく11月16日に『かながわレインボーセンターSHIP』への視察を実施しました。

この迅速な対応を行なったことを僕は高く評価しています。

こうした研究成果をもとにして具体的な支援へと乗り出すことを期待しています。

そこで市長に伺います。

【質問11】
セクシャルマイノリティとされる方々への支援について『かながわレインボーセンターSHIP』への視察も含めたその後の検討状況はどのようなものでしょうか。

お答え下さい。

以上で僕の1問目の質問を終わります。



市長の答弁

御質問ありがとうございました。

まず、放射性物質を含む側溝汚泥などが学校敷地内に放置された問題究明について御質問をいただきました。

放射線や放射性物質の影響については、その時点時点で適切に対応してきたと考えています。

しかし、私からの指示が個々の施設にまで行き届かなかった点はあると考えています。

次に、放射性物質・測定機器・除染などに関する正確な知識を学ぶ機会を設ける必要性について御質問をいただきました。

放射能に関する正確な知識を持っていただくことは、日常生活上でも、また万が一の事態の際にも有効なことと考えています。

まず市民への周知については、訓練の場を活用した啓発や出前トーク、パンフレットの配布など幅広く行ってまいります。

また、学校については、中学校においては放射線に関する学習が行われているなど聞いていますので、これらの機会を活用して、より効果的な教育啓発に取り組んでまいります。




次に、市の除染基準を引き下げる必要性について御質問をいただきました。

本市の除染基準は国の基準よりもさらに配慮して設定をしています。

しかし、本市がこのように除染基準を定め、きめ細かく対応しているのは、市民の皆さんにより安心をしていただくためですので、今後も、どのように対応すればより安心していただけるのかを念頭に取り組んでまいります。




次に、学校敷地内への埋設は『仮置き』であることの確認について御質問をいただきました。

埋設は処分先が決まるまでの『仮置き』であり、国が処分先を定めましたら適切に処分をいたします。




次に、埋設場所の統一的な管理対応をとる必要性について御質問をいただきました。

埋立場所の管理については、図面上に位置を記録するとともに写真撮影をして、将来にわたって場所が特定できるようにし、市のホームページ上でその位置を公開してまいります。加えて、今後は定期的にその場所の放射線量測定を行い、安全性を点検をしてまいります。




次に、埋設した土のう袋を学校敷地外に移す必要性について御質問をいただきました。

国において保管場所を決め、そこに移すべきと考えていますが、そのような場所が決まるまでは現在国が示している保管方法に従い、各施設において仮保管するよりほかにないと考えています。




次に、可能な限り情報をオープンにする必要性について御質問をいただきました。

市立学校における放射線量測定スケジュールは天候や学校行事等の調整に左右されることから、事前に公表することは難しい状況です。

また、測定は各学校とも必ず校長、教頭などの学校関係者の立ち会いのもとで行なっていまして、その測定結果については、測定位置を含め詳細なデータを随時、市ホームページで公開をしています。今後も可能な限り情報をオープンにしてまいります。




次に、放射線測定機器の市民への貸し出しの必要性について、また放射線測定機器の学校、幼稚園、保育園などの配備の必要性について御質問をいただきました。

これまでは市民安全部が中心となって放射線測定を行ってきましたが、測定体制を強化するために市民安全部が関係部局の職員に測定機器操作の指導を行ったところです。

このように、より柔軟に市職員が放射線測定を実施できる体制としましたので、市民に放射線測定機器を貸し出したり、各施設に測定機を配備する考えはありません。




次に、食材などを持ち込んで測定ができる市民放射能測定所の設置の必要性について御質問をいただきました。

肉や野菜などの食材について全国で4万5,000件を超える検査が行われ、暫定規制値を超えた食材は出荷制限されています。

市にお問い合わせをいただいた場合は、県内の民間検査機関の御紹介に努めているところです。




次に、市のあるべき姿勢として現場を訪れることの必要性について御質問をいただきました。

本市浦郷町にある天然ガスコンバインドサイクル発電所は、長期のメンテナンスに入っていまして視察ができない状況であった為、10月に浦郷町と同等の施設である千葉県袖ヶ浦市にある東京ガスベイパワー袖ヶ浦発電所を環境政策部・政策推進部の職員で視察をしました。




次に、セクシャルマイノリティとされる方々への支援について御質問をいただきました。

人権の擁護を担当する市民部人権・男女共同参画課と精神保健福祉を担当する保健所健康づくり課の職員が『かながわレインボーセンターSHIP』を視察しました。

その際、相談を受けるには相談窓口職員がセクシャルマイノリティに関する知識を習得することが課題であると考えました。

したがいまして、支援については順を追った対応を考えています。

まず、ホームページに『かながわレインボーセンターSHIP』の紹介を行います。

次に、相談窓口職員にセクシャルマイノリティの方々に対する対応について研修を実施し、その後、相談を受ける体制を整えるように努めたいと考えています。

また、ホームページに相談窓口を明示し、周知に努めたいと思います。

以上です。




〜ここから一問一答方式での質疑になります〜



フジノの質問

市長、御答弁ありがとうございます。

質問順に再質問を行ってまいります。

まず、鶴久保小学校を初めとして市立の学校の校庭や学校敷地内に高い濃度の放射性物質を含む汚泥などが野ざらしの状態になってしまった、この問題について市長に原因をどのように分析しておられるかを伺いました。

「時点、時点で適切な行動をとってきた」というのは、僕もそういうふうに感じています。

何よりも3月11日以降に起こっていることは、誰も体験したことがないことばかり。特に原子力災害については全く初めてのことばかりだというふうに考えています。

市民安全部の方々も教育委員会の方々も、非常に御苦労されていると思います。

そして、市長は具体的な理由として、「市長御自身の指示が完全には行き渡らなかったのではないか」ということをお答えになりました。

ただ、ここで僕が申し上げたいのは、善か悪かとか、そういう価値判断をして、誰かを責めるという話をしたいのではありません。

市長の命令が行き届いていたかどうかということではないのではないかというふうに思うのです。

教育委員会は今回、学校管理のために必要と思って、よかれと思って通知を出した。そして、用務員たちも子どもたちのために一生懸命除染をした。掃除をした。

ただ、そこに正確な知識や正しいやり方というのが周知されていなかった。

そこには、やはり主管課である市民安全部が連携をして、あるいは教育委員会から声をかけて、ともにどのようにすれば一番よいやり方、あるいはベターなやり方になるかというのを探っていくという連携が必要だったと思うのです。

そこには市長の指示が行き渡ったかどうかではなく、この初めて遭遇する事態にみんなで相談しながら、よりよい方向を探していくといった姿勢あるいはやり方というのを新たに行わなければいけなかったのではないかなというふうに思っております。

市長の指示が行き届いていなかったということではなく、分析として、今後こういった新たな事態が起こったときにも同じようなことを起こさないための再発防止策としての原因分析をぜひお願いしたいと思います。



市長の答弁

日ごろから災害対策については全庁挙げて取り組まなければいけない課題であるという認識で、基本的な司令塔は市民安全部が担うわけですが、各部局ともよく連携をしなければいけないというのは御指摘のとおりです。

今回のことについても、その市民安全部と教育委員会との連携のあり方というものについて再度検証してみたいと思います。



フジノの質問

この市民安全部を主管課として、その他の部局との連携を行うというのは、これから幼稚園や保育園の再測定、除染を行うときにも必ず求められることだと思います。

また、現在は小康状態にありますが、福島第一原発で何らかの事態がまた起こった場合、あるいは新たな震災が起こって、ほかの原子力発電所に何らかの事故が起こった場合には、また新たな局面がやってくると思うのです。

その時に、ぜひみんなで一丸となって、細かいことでもぜひ相談をして、よかれと思ってやったことがリスクを高めてしまうというようなことは本当に残念なことですので、今後にどう生かしていくかということを改めて検証していただきたいと思います。

続いて、研修機会をつくるべきという提案に対して市長から答弁をいただきましたが、「防災訓練の場ですとか、パンフレットの配布などを市民に対しては行っている、また中学校では放射性物質に関する知識を与えている」というふうな御答弁だったかと思います。

ただ、率直に申し上げて、多くの方が、あらゆる立場の方々が本当に悩んで困っておられると思います。

あらゆる研究者がいて、それぞれの自説をテレビやインターネットで展開をする。

そんな中で、やはり一般質問のたびに申し上げているのですが、市という公的に一定の安心感や信頼感がある組織が最低限の基礎知識を皆さんにお届けする、そういう機会を積極的につくることが、特に今回のような原発震災については必要ではないかと思うのです。

僕は保護者の方々に対して、それから子どもたちに対して、それから市の職員の皆さんに対して、教職員の方々、用務員の方々、学童保育や地域の方々、あらゆる立場の方に研修をやっていただきたいというふうに申し上げました。

研修といっても、決して大げさなことをやる必要はありません。

先ほど僕が申し上げた文部科学省の『ガイドライン』にしても、除染の指針にしても6ページとか12ページしかないのです。

ぜひ市長が先ほど答弁なさったようなことに加えて、より多くの立場の方々に、あらゆる機会をとらえて最低限基礎的なことをぜひ啓発する機会や研修の機会をつくっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。



市長の答弁

市民の皆さんに向けて原子力災害に対する備えという意味での周知というのは、とても大事な観点だというふうに思っていますし、そもそも放射線などに対する学術的な素養というのを余りにも我々は持っていなかったというふうにも感じています。

そういう意味では、いろいろな局面でそうしたことを市民の皆さんにもお知らせしていくことの重要性は感じています。



フジノの質問

かつて自殺予防の総合対策を提案したときに、本当に精神保健福祉部門だけというふうに思われていた中から、横須賀市は総合対策としていろいろな部局に広げていっていただいた。

今では図書館もやっているし、生涯学習センターでもやっているし、それから消防局、救急課でも対応してくれているしというように、どんどん精神保健福祉分野だけと思われていたものが広がっていった。

今、自殺が非常に多いのと同じように、原子力災害への不安感とか恐怖感というのが非常に高まっている国民的な関心になっているわけです。

そんな中、自殺予防の総合対策と同様に、例えば生涯学習センター、市民大学を使う、あるいは消防救急の機会を使う、市民安全部が主催をして職員向けの研修を行う、学童保育であれば『横須賀市学童保育連絡協議会』に協力をお願いするとか民生委員の皆さんや、あらゆる立場の方々に、あらゆる機会をとらまえて、ぜひ研修の機会をつくっていただきたいと思います。改めて御答弁ください。



市長の答弁

今おっしゃっていただいたような団体等へのアプローチについては今後研究したいと思いますけれども、市民の皆さんへ原子力災害に対する備えは放射線に対する知識というものについては、市としても周知をしていきたいと思います。



フジノの質問

ぜひ、そうした機会をより広くつくっていっていただきたいと思います。

続いて、除染の基準値を引き下げてほしいという提案をいたしました。

市長は、「現在横浜市に倣って横須賀市が行っている基準値の設定というのは国の基準よりもかなり厳しいと。だから、これをもって市民の皆さんに安心をお届けできるのではないか」というふうに判断されているというふうに受けとめました。

ただ、市長がお考えになる安心、それから41万人いるこの横須賀市で多くの市民の方々が感じられる安心というのは、また個人差が非常に多くあります。

どこまで追求していけばいいのかという本当にモグラたたきのようになってしまうのかもしれないのですが、実際に鶴久保小学校に行って除染の場に立ち会って、目の前で0.59マイクロシーベルトを超えた土がある。

ただ、その一連のこの同じ土地の中に0.4マイクロシーベルト、0.3マイクロシーベルト、ガイガーカウンターが動くものを目の当たりにすれば、なぜこれを土のうに詰めるのに、こちらにあるのは詰めてくれないのだ、0.3マイクロシーベルトとはいえ、放射性物質で汚染されているものを子どもが口から吸い込んだらどうなるんだろうというふうに思うのが目の前にいた親御さんたちの当然の思いなのです。

当時、僕がそのことを、共産党のねぎし議員も現場にいてくださった訳ですけれども、「一くくりにしてください」と申し上げたところ、「今後、国の方針がはっきり示されて、国の最終処分場に持っていくことができるようになったとしても、汚染が低いものを一緒にしてしまったら引き取ってもらえないかもしれない。財政的な措置も得られないかもしれない。そういう理由で1つにはまとめられないのだ」というふうにおっしゃっていました。

では、それは単純に分けて、0.59マイクロシーベルト以上のものと0.4マイクロシーベルト以下のものを分ければいいだけの話だと思うのですが、目の前に御自身が立って、そして除染をしている場に立ち会えば、土の色が外から持ってきたから違うだけで、それから放射性物質が出ているかどうかというのはガイガーカウンターを通さなければ一切わからないわけです。

だから、0.59マイクロシーベルトなのか0.4マイクロシーベルトなのかというのは、ほとんど意味をなさないわけです。

だから、横須賀市が0.59マイクロシーベルトを1メートルの高さにしているとか、文部科学省よりも低くしているとか、そういうことは一定の安心感を与えるけれども、より多くの安心感を求めている方々にとって、まだ足りないのです。

だから、僕が申し上げたのは、これからもまだ幼稚園、保育園、やっていきますし、学校の再測定もあるでしょう。

そういう場で一定程度のこの基準をどこに定めるかで、またモグラたたきになってしまうのですが、一定程度の基準を超えるものが出てきたら、それは一くくりのものとして、一連なりのものとして除染してほしい、そういう提案をしております。

この点について市長、改めてお考えをお聞かせください。



市長の答弁

正直この安全基準というものは、市が具体的に決めづらいものだというふうに思っています。

今は国のほうから示されている1ミリシーベルトといったものについて、市としてそれよりもできるだけ厳しくやろうという趣旨で210日間、しかも8時間校庭にいた場合、被曝するだろう値という形で0.59マイクロシーベルトという数字を1センチメートルの地表のところで検出した場合はという線を引かせていただきました。

これ線を引かないことには除染活動が今後進んでいきませんので、まずはこの線の基準で除染活動を行っていくしかない、そのように思っています。



フジノの質問

先ほど、僕、質問の中で地表高1メートルで0.59マイクロシーベルトというふうに申し上げてしまいましたが、地表高1センチですね、失礼いたしました。

市長のおっしゃること自体は理解できます。

ただ、その現場に立って見ていただくと、本当に2度手間、3度手間になってしまう。

目の前で0.59マイクロシーベルト以上のものを集める。けれども、明らかに0.59マイクロシーベルトよりは低いけれども、目の前に汚染されている土はある。それについて不安を感じている方々がいる。

そして、学校の用務員も先生方も、保護者の方々に請われれば、自分の力でそれを土のう袋に入れて集めて、そして仮置きせざるを得ない。

こういう作業を保護者の方々や一定の指針のないままに-一定の指針というのはより低い意味でということなのですが、学校の教職員の方々や教育委員会の方々がやらなければいけないというのは、実は2度手間、3度手間になっていると思うのです。

袋を分けること自体は必要かと思うのですが、その基準値よりも低くても、一連なりでその空間の中に自分がいれば吸い込みかねないようなものは、やはり集めるべきだと思うのです。

原子力災害が起こってから、これから子どもたちに本当に小児がんが出るのか、甲状腺がんが出るのかとか、そういうことはまだだれにもわからないことです。市長にも僕にもわからないし、研究家の多くにもわからない未知の世界です。

だからこそオオカミ少年と言われてもいいから、将来やり過ぎだと言われるぐらいにしっかりと対策をとっておくことが安心感をもたらすのではないでしょうか。

それが市長のおっしゃる安全は届けられないけれども、安心感を届けられるということではないかと思うのですが、いかがでしょうか。



市長の答弁

多少繰り返しになりますけれども、このマイクロスポットと言われるような高い放射線量を示すような箇所が学校の敷地内にあるということについては、やはり除染という形でしか対応できないということで、除染活動を今後も進めていかなければいけないと思っていますが、やはりそのためには一定の基準値が必要で、その基準値についての議論というのを、どこまでいけば安心なのか、さらに自然界から放出される放射線量ということを考えればゼロということがあり得ない中で、どこまで下げればいいのかという議論というのは、今後も常につきまとう話だというふうに思っています。

そういう意味では、市としては一たんはこの0.59マイクロシーベルト、0.23マイクロシーベルトという数字を使って除染活動を行い、その後また学術的な見地等から、あるいは国からさらに厳しい基準が示された場合などについて対応していきたいというふうに思っています。



フジノの質問

市長、1点確認をしたいのですが、安全というのは学術的な見解から導かれるものだと思うのですが、安心というのは学術的な研究とは無縁だと思うのですが、その点少しお考えを整理していただきたいと思いますが、いかがですか。

市長の答弁

基準という意味で安全基準というのは、学術的な見地に基づいた国等の公的な機関がしっかり示すべきであるというふうに思っています。

『安心』というのとは違います。



フジノの質問

市長が提供したいのは、そして僕らも提供したいのは『安心』の部分です。

国が基準値などを示して、健康的に科学的に説明できる安全を提供するのは国の役割と。その基準値をもとにした対応しか市がとれないと安心は提供できないと思いませんか、市長。



市長の答弁

その基準値を示されても、例えば今回、除染活動を行っている自治体と、そうではない自治体などもありますし、調査すらしない自治体もある中で、そうした基準値は示されているかどうか、そしてさらにそれに基づいた行動をとっているかどうかということが大事なポイントだと思っています。



フジノの質問

市長、この場合は他都市と比較するのは適切ではないと思います。

市長が繰り返し述べておられるように、横須賀市としては市民の皆様に安心を提供する。

その立場に立ったときに、ほかのまちがどうこうというのは、僕は比較すべきことではないと思います。

そして、実際に今、基準値0.59マイクロシーベルトでも安心感を得られない方々がいる。

そして、この後も少し質問をしますが、市の情報のオープン化がなかなかいろいろな事情で難しい。

これを隠していることがあるのではないかと受けとめてしまうような心境に追い込まれているわけです。

僕はたびたび市長にこの問題で質疑を繰り返してきましたが、安全かどうかということよりも、精神保健福祉的な側面や、安心をもたらせるかどうかをずっと問題にしてきました。

だから、繰り返しになりますが、市民の方々が安心を求めるのであれば、そのたびに横須賀市はその思いに寄り添っていくべきではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。



市長の答弁

その今回、福島第一原発の事故を受けての不安感というのは、当然、市として寄り添わなければいけないものだというふうに思っています。

ただ、その数字的な基準ということになれば、0.59マイクロシーベルトが0.58マイクロシーベルトになったら安心していただけるのか、0.57マイクロシーベルトになったら安心していただけるのか、0.56マイクロシーベルトになったら安心していただけるのか。

そういったことについては、まずは除染活動を先に進めることのほうが全体的な安心感につながるのではないかということで、まずは0.59マイクロシーベルトという線を引いたというところです。



フジノの質問

大変しつこくて恐縮なのですが、除染の現場に行くと、その0.59マイクロシーベルト以上のものとそうでないものが同じスペースに同じようにあるわけです。

それを0.59マイクロシーベルトのものは詰める、そうではないものはそのまま。

これは子どもたちを毎日学校に通わせている方々からしたら心情的には納得ができない訳です。

そのときに、もし本当に大きな財政的措置が必要ならば僕も提案はしないと思うのですが、教育委員会の皆さんも鶴久保小学校の時も大津小学校の時も一生懸命対応してくれた。

公の形にはならなくても、もしかしたら0.59マイクロシーベルトより低いものも土のう袋に詰めてくれているかもしれない。

その場その場で不安を感じておられる方々がいたら、そのたびに対応していくのが市の姿勢ではないかというふうに思うのですが、財政的な措置というのも目の前で今やっている作業をもう一手間ふやす、そういうような話をしているだけのことですので、それで安心が得られるならば、ぜひやるべきではないかと思うのですが、いかがですか。



市長の答弁

先ほど藤野議員も『モグラたたき』という言葉を使われていました。

その言葉が適当かどうかは別として、その0.59マイクロシーベルトよりも0.58マイクロシーベルトのほうが、0.58マイクロシーベルトよりも0.57マイクロシーベルトのほうが安心いただけるかもしれませんが、一方で0.57マイクロシーベルトに線を引いたときに、今度は0.56マイクロシーベルトをどうするのか、0.55マイクロシーベルトをどうするのか、そういった議論にどうしてもなってしまうというふうに思っています。

そういう意味では、まずは線を引いて除染活動を進めることが大きな安心感をお届けする一歩であって、まずはその活動を一定の程度、めどを見た段階で、また今後のことについて考えていく、そういう段どりだと思います。



フジノの質問

本当に学校の教職員の皆さんも子どもたちのことを一番に考えて、一生懸命いろいろなことをやってくれている。

授業だけでも精いっぱいなのに、放射性物質の騒ぎがあって本当に御苦労されている。

福島から引っ越して来られた方々、避難して来られた方々の御家族のサポートも学校の先生方がやってくださっている。

そんな中で少しでも負担感や御苦労を減らすためにも、市として柔軟な対応というのはぜひ行っていただきたいと思います。

基準値を設けて作業するのは当然ですが、例えば目の前に保護者の方がいて、「0.59マイクロシーベルト以下だけれども、これを土のうに詰めてほしい」という時には断らないでほしい。

そういう人情としての対応も基準値は基準値としてありながらも、ぜひ行っていただきたいというふうに、これは要望として申し上げたいと思います。




続いての質問に移ります。

学校の敷地外に移してほしいという提案の流れの中で、まず『仮置き』と市長から明言をいただきました。ありがとうございます。

多くの方々がこれで不安感が少し取れると思います。こういう一言で人の不安感というのは大きく変わるものです。

そういう対応をぜひこれからも心がけていただきたいと思います。

さて、埋設した場所への一元的な管理対応を行なってほしいという点について御答弁をいただきました。「図面に記録したり、写真に撮ったり、定期的に放射線量を測定する」というお話でした。

ただ、学校によって現在の埋設場所や保管場所がまちまちになっているのは、これはぜひチェックしていただきたいと思います。

例えばある小学校では非常階段を上がった踊り場に、その土のう袋がそのまま置いてありました。

その非常階段は普段使っていないというふうに言うのですけれども、チェーンが1階部分にただつけてあるだけで、子どもはそれをくぐって上に上がる。触ることもできる。

市長、御存じないと思うのですが、1つずつ現場を見に行くと、かなり対応がばらばらなのです。

これはやはり統一的な基準を示して、そして埋設せざるを得ないなら埋設の方針をしっかりと決める。そして、その後の管理体制をしっかりする。特に厳重なやり方でしっかりするということが必要だと思います。

市長、今の僕の話を聞いて、どのようにお考えになりますか。



市長の答弁

その非常階段に置いてあった学校については私は承知していませんが、非常階段に置いておくという対応は、基本的に除染の対応としてはまずい対応であるというふうに思っています。

埋設をして覆土をするというのが基本的な除染で、少なく市としてはそういった方針で除染活動を行っていかなければいけないと考えています。



フジノの質問

そして、その覆土した後の埋設場所の対応なのですが、例えば鶴久保小学校の場合は道路に面している。

僕も本当に毎日通っている道路なのですけれども、毎日こうやって土ぼこりを吸っていたんだなと思いながら通るわけです。

そして、学校の中にはロープが張られているのですけれども、本当に柵は中が中空というか、普通に空気は通れる。普通の柵でしかないので、道路の側の人たちも何の説明もないままになっているので、もしかしたら被曝していたかもしれないと。

やはり埋設した場所に面したところは注意書きを出したり、鶴久保小学校は理想的な管理をしているのですが、とにかく子どもたちがまず入れないようにする。子どもたちに対しては入れないようにしていく。

これを校長先生が保護者の方から要望を受けて行なったというのでは、安心は生み出せない。

その時、市の職員の方々は学術的な根拠で安全だと言ってしまったのです。先ほど僕が申し上げたとおり、研究で30センチ以上『覆土』すれば98%遮へいできる。

でも、目の前のお母さんやお父さんは『覆土』したって不安なのです。だから、網をしてほしい、立入禁止にしてほしい。これをすべての学校に統一的にぜひやっていただきたいと思うのです。

この点についてはいかがですか。



市長の答弁

先ほど少し前の議論の中で、市民の皆さんに、やはり放射線とはどのようなものかという啓発をしなければいけないという答弁をさせていただきました。

市民安全部の職員がその場でするのが適当かどうかは別として、そういった30センチ以上埋めれば98%の遮へいができるというような知識をしっかりと市民に伝えるということはまず大事なことだと思いました。

市としては、その埋設場所についてはホームページ上で調べればいつでもわかるような状態にしてあります。

学校の校庭の形状や広さ等の理由によって統一的に今おっしゃられたような子どもたちが絶対に入ってはいけないような形で区域を仕切るということは統一的に行うことは難しいと思います。



フジノの質問

繰り返しになりますが、その判断を学校にゆだねるというのは、学校側にとって負担なのですね。

かなり厳重なやり方を市が示してあげれば、それは現場にとっては非常に楽になれる1つの案だと思うのですね。

そして、その思いの一つとして、ぜひ学校の敷地外に早期に移転をしてほしい。

よく上がっている声を先ほど僕は申し上げましたが、下町浄化センターに置いていただけないかと。

先ほど上下水道局長から既に海洋コンテナに保管せざるを得ない状況になっているという話がありました。246トンもある。そんな中にもう入れるのは無理だと、上下水道局は御判断されるかもしれませんが、学校で除染している土というのは本当に量はわずかなのです(注:7トンです)。

こういう土を学校の敷地外に移していただけないかというのが率直な保護者の思いなのですが、これについてはどのようにお考えですか。

市長の答弁

この今回土のう袋に詰めた土については、本来的には国において保管場所を決めて、そこに移されるべきものであるというふうに思っています。

では、それまでの間、学校の敷地外に移すべきという趣旨の御質問だと思うのですが、ただいろいろな場所でも、そういった場所がもしあるのであれば私としては考えたいとは思うのですが、現状そういった場所がないというふうに思っていますので、基本的には校庭の中に覆土するしかない、こういうふうに思っています。

国に対しては、早期にそういった保管場所を決めるよう積極的に要望はしていきたいと思います。

フジノの質問

全ての学校の総量を確認をしてから、コンテナに詰められるかどうかということを検討するというようなお話も、かつては教育委員会でありました。

実際に今、既にほとんどの学校の再測定が行われていて、除染されている土の量もわかっていると思いますので、本当にコンテナに詰め込むことができないのか、それほど財政負担が大きいのか、改めて検討していただいて、そしてそれが保護者の方の不安を取り除くのであれば、ぜひそうした取り組みも行っていただきたいと思います。

以上で質問終わります。