藤野英明です。よろしくお願いします。
1.本市の自殺対策は、国・県の動向に左右されずに、今後も市の責任において継続していくと市長は明言すべきではないか
自殺対策基本法が成立してからも、全国の市区町村では自殺対策に充てる財源も人員もノウハウも無く、対策が進まない状況がしばらく続いてきました。
そこで、国は新たに『地域自殺対策緊急強化基金』をつくり、市区町村はそれを財源に充てることでようやく取り組みを少しずつ拡大してきました。
けれどもこの基金は今年度末をもって終了する為、全国の関係者は「来年度以降は事業を継続できないのではないか」と不安視しています。
本市でもこのスキームを利用して補助金交付を受けた上で実施している事業がある為、当事者や自死遺族を始め、関係者の間にはせっかく構築された本市の自殺対策が廃止されてしまうのではないかとの声があります。
しかし、横須賀は他のまちとは異なっています。
何故なら、行政のあらゆるまちづくり計画の根っこである『横須賀市第2次実施計画』の中に自殺対策を位置づけているからです。
「いのちを守るプログラム」を掲げ、自殺による死亡者数を70人未満に減らすとの目標と、自殺対策推進事業の実施を明記している以上、廃止することはありえません。
しかし、みなさまの不安を解消する為にも市長にあえてお聴きします。
【質問1】
「本市の自殺対策推進事業は、国や県の基金及び補助金の動向に左右されることなく、市の責任において、たとえ財源が「市単独」になろうとも、継続的に実施していく」と市長は明言すべきではないでしょうか。
お答え下さい。
(→市長の答弁へ)
2.市内4小学校に配置された スクールカウンセラー2名中1名が昨年度末に退職したまま、現在まで半年間にわたり欠員が続いている状況を緊急に改善すべきではないか
本市では、平成25年度から小学校4校にスクールカウンセラー2名を配置しました。
臨床心理の知識と経験を備えた専門職として、児童生徒・保護者のカウンセリングや教員等への助言を行ない、早期教育相談の充実を通して、いじめや不登校、問題行動等の予防的な取り組みを進めていくはずでした。
本来であれば僕は、今回の一般質問においてスクールカウンセラー導入から1年間の成果をもとに
「来年度以降はさらに他の小学校にも配置を拡大していくべきではないか」
と教育長に提案したいと考えていました。
しかし、実際には、2校を担当するカウンセラー1名が退職し、半年間にわたり欠員が続いている、極めて残念な状況です。
これでは「いじめ解消率100%」を目標に掲げた『支援教育推進プラン』が1年目から破綻しかねないと僕は受け止めています。
そこで教育長に伺います。
【質問2】
(1)スクールカウンセラー不在の半年間、誰が子どもたちの心理的ケアを行なってきたのでしょうか。
『ふれあい相談員』の勤務を増やすなど何らかの代替措置はとったのでしょうか。
(→教育長の答弁へ)
【質問3】
(2)当該スクールカウンセラーが退職に至った理由は何だったのでしょうか。
(→教育長の答弁へ)
【質問4】
(3)半年もの長期にわたって、後任を選任できないでいる理由は 何故でしょうか。
(→教育長の答弁へ)
【質問5】
(4)この事態を一刻も早く打開すべきですが、具体的にどのような対応策をとるのでしょうか。
お答え下さい。
(→教育長の答弁へ)
3.福祉サービスの多くには年齢制限が設けられているが、要介護度の高い「若年性認知症」の方々も、同じ要介護度の高齢者の方々と同じ支援を受けられるようにすべきではないか
認知症は高齢者だけの疾患だと受けとめられがちですが、実際には若くして発症するタイプがあり、10代後半から65歳未満で発症した場合には『若年性認知症』と呼ばれています。
調査によれば、平成23年1月現在、全国で3万8,000人、神奈川県内だけでも約2,700人に上ります。
働き盛りの方が発症する為、ご本人の症状そのものの困難だけではなく、配偶者や子どもたちの心理、経済問題をはじめ、社会生活にも大きな影響を与えてしまいます。
また、世間の認知度も低く、公的な支援もいまだ十分ではない現状があります。
国としては、平成25年度に策定した『認知症施策推進5か年計画』(通称オレンジプラン)において、ようやく「若年性認知症」への取り組みを明記しました。
一方、本市ではすでに数年前から当事者・家族団体と連携しながら、様々な活動に取り組んできました。
そのような実績を持つ本市ですが、1つ、とても残念なことがあります。
多くの福祉サービスには「65才以上が支給対象」との年齢制限が設けられています。
そのせいで、「若年性認知症」の方々には受けられない、サービスがあるのです。
要介護度は高いのに、65才以上か65才未満かで受けられる福祉サービスに「格差」があります。
「65才以上」という区切りは、かつて「若年性認知症」の存在が知られていなかった頃に設定されたもので、「オレンジプラン」をはじめ「若年性認知症」支援の重要性が理解されつつある今、本市は「若年性認知症」の方々も等しく同様のサービスを受けられるように即刻、改善すべきです。
そこで市長に伺います。
【質問6】
(1)「65才以上で要介護認定を受けておられる方々」が受けられる福祉サービスのうち、「若年性認知症」の方々が現在は受けられないサービスにはどのようなものがあるのでしょうか。
(→福祉部長の答弁へ)
【質問7】
(2)こうした福祉サービスを「若年性認知症」の方々が受けられない「合理的な理由」はあるのでしょうか。
(→福祉部長の答弁へ)
【質問8】
(3)これまで「若年性認知症」への支援に積極的に取り組んできた本市だからこそ、年齢制限ではなく「要介護度の重さ」によって「若年性認知症」の方々も同じ福祉サービスを受けられるよう、即刻改善すべきではないでしょうか。
お答え下さい。
(→市長の答弁へ)
4.市民病院の院内助産廃止問題について、第2回定例会での一般質問以降どのように対応したのか。また、今後、院内助産を継続していくためにどのように体制を充実させていくのか
市民病院の院内助産について、第2回定例会での一般質問に続いて市長の考えをお聴きします。
【質問9】
(1)前回の議会での一般質問後、院内助産廃止問題について本市はどのような対応を取ったのでしょうか。
同じく、市民病院の指定管理者である『公益社団法人地域医療振興協会』は、どのような対応を取ったのでしょうか。
(→市長の答弁へ)
【質問10】
(2)「市民病院で院内助産ができますか」というお問い合わせは、今年、市民病院に対して、何件あったのでしょうか。月別の件数でお答え下さい。
(→健康部長の答弁へ)
【質問11】
(3)市民病院の院内助産における今年の出産件数は、どのように推移しているのでしょうか。月ごとの件数をお答え下さい。
(→健康部長の答弁へ)
さて、現在の勤務体制や病棟のあり方は、院内助産を継続していくにはふさわしくない環境にあると僕は考えています。
本市と指定管理者は、今後も本当に院内助産を継続していくならば、現在の在り方を改善すべきです。
まず、「勤務体制」です。
【質問12】
(4)オンコール体制の構築やそれに伴う増員も検討していくべきではないでしょうか。
お答え下さい。
(→健康部長の答弁へ)
次に、「病棟の在り方」です。
院内助産と新生児室がある市民病院の西4階病棟には、ご高齢の方々や認知症の方々も入院しています。
助産師の皆さんも助産業務だけではなく、こうした患者のみなさまの看護業務も行なっています。
そもそも高齢者の一般的な感染症であるMRSAやインフルエンザはどれだけ衛生面で注意を払っても発症し得るものです。
抵抗力の弱っている妊婦・新生児が、こうした感染症に容易に感染し得ることが想定されます。
【質問13】
(5)したがって、院内助産を本気で継続する意思があるならば、現在の病棟の配置を改善すべきではないでしょうか。
お答え下さい。
(→健康部長の答弁へ)
5.地域包括ケアを実現する為に、高齢者の「住まいと住まいのあり方」の視点を「第6期介護保険事業計画(高齢者保健福祉計画)」にしっかりと位置づけていくべきではないか
地域包括ケアを実現する為には高齢者の「住まいと住まいのあり方」の観点を『介護保険事業計画』に位置づけねばならないと、僕はこれまで繰り返し訴えてきました。
特に、市の福祉部だけではなく、
- 住宅政策や都市計画マスタープランを担当する市役所内の他部局
- 『高齢者居住安定確保計画』を策定している神奈川県
- 民間の不動産事業者などの専門家
などと連携しながら策定作業を行なうべきだ、と、本会議・委員会で繰り返し指摘してきました。
答弁を聴く限り、市長、歴代の介護保険課長も基本的にその方向性には賛同していたはずです。
昨年度から市役所内で『高齢者の住まいに関する情報交換会議』を開催してきたのも、僕の指摘を受けてのことと思います。
つい先日、9月12日のことですが、厚生労働省「医療介護総合確保促進会議」が策定した「地域における医療及び介護を総合的に確保するための基本的な方針」においても
市町村は、地域包括ケアシステムの実現の為に高齢者の居住に係る施策との連携等の実施が求められています。
しかし、『第6期介護保険事業計画(高齢者保健福祉計画)』の事務局案を読んで、残念ながら、僕はとても失望しました。
計画づくりの議論を行なっているのは、本市の社会福祉審議会福祉専門分科会ですが
9月11日に開催された本分科会で示された事務局案の「住まい」に関わる第6章・第7章にはこれまでの指摘が盛り込まれていないと感じました。
そこで市長に伺います。
【質問14】
(1)「第6期計画」の事務局案の作成に当たって、これまで僕が繰り返してきた指摘は具体的にどのような形で反映されたのでしょうか。
(→福祉部長の答弁へ)
(2)社会福祉審議会福祉専門分科会や介護保険運営協議会の場に、高齢者の福祉政策と住宅政策との連携を目指して専門知識を有する方の参加を求めるとの趣旨の市長答弁がありました。
【質問15】
しかし、「第6期計画」の策定が終盤に近づいているにもかかわらず、何故いまだに実行されていないのでしょうか。
(→福祉部長の答弁へ)
「地域包括ケア実現」という花を咲かせる為の「鉢植え部分(住まいと住まいの在り方)」が不十分では土を入れても種を植えても大きな花は咲かないのではないのでしょうか。
計画づくりが終盤に差しかかった今、ゼロからやり直せとは申しませんが、せめてこれは計画に加えるべきだという点を提案します。
【質問16】
(3)都市部所管の事業ではありますが、高齢者の「住まいと住まいのあり方」の観点と深い関係にある、以下の指標等を「第6期計画」に盛り込むべきです。
- 高齢者住まい探し相談会の相談件数
- 住まい探し相談会によって住みかえが実現した件数
- 住まい探しサポーターの人数
- 高齢者等の住まい探しに協力する不動産店の数
これらの指標等の現状と目標値を『第6期計画』に記載すべきではないでしょうか。
お答え下さい。
(→福祉部長の答弁へ)
6.「第6期介護保険事業計画(高齢者保健福祉計画)」の実施によって、「看取り難民」を生まない居場所づくりは実現するのか
また、「第6期計画」の事務局案ではアフォーダビリティ(適正な規模の住宅に適切な負担で住むこと)の問題への対策が不十分ではないか
厚生労働省の推計データに基いて、2025年から2030年に向けて全国で「看取り難民」が増加する、と僕は指摘してきました。
亡くなる時に、病院・施設・自宅のどこにも居場所がない、死に場所さえない、という事態が起こり得るのではないか、特に「低所得の方」は「看取り難民」となる可能性が高いのではないかと僕は懸念しています。
高齢者のアフォーダビリティの問題については、前回、平成24年第2回定例会でその対策を僕は市長に質しましたが
市長は、市営住宅の活用や様々な福祉施策で対応すると答弁しました。
しかし、今回の事務局案の第7章では、公営住宅について、
「構造上バリアフリー化が難しい建物も存在し」「高齢者世帯の入居が増加する中で、建物の上層階から下層階への住み替え希望に対応しきれない状況も発生しています」
と記し、公営住宅での対応の限界を自ら指摘しています。
また、事務局案によれば、2017度末までに、特別養護老人ホームなどの介護保険3施設は90床の増床、グループホームは54床の新規整備と示されました。
混合型特定施設は「第5期計画」から建設が進んでおらず、仮に全てが実現すれば、455床の新規整備となります。
つまり、合計599床の増加となります。
これに加えて、全国の先進事例として知られている本市の進める在宅療養の取り組みによって、ご自宅で暮らし続けることができる方を増やしていく。
ただ、事務局案では「在宅看取りの目標数」は示していません。
現在は約20%の「在宅看取り」の割合を今後、どこまで増やせるかは分かりません。
2012年の横須賀の死亡者数は4,400人でしたが、2025年にはさらに900人増え、死亡者数は約5,300人にのぼると推計されています。
果たして2025年に間に合うのでしょうか。
そこで市長に伺います。
【質問17】
(1)「第6期計画」に掲げた整備目標等を全て実現すれば「看取り難民」を発生させずに2025年~2030年を迎えられると市長はお考えでしょうか。
お答え下さい。
(→市長の答弁へ)
次に、『低所得世帯』におけるアフォーダビリティの問題についてです。
事務局案では「低所得高齢者の為の住まいについて研究していきます」との記述があるだけで、具体的な施策は記されていません。
また、先ほど指摘したとおりで、市長がかつて答弁した市営住宅での対応にはすでに限界がきている、と僕は考えています。
一方、僕は対案としてアフォーダビリティへの対応策としては、低廉な価格で入居できる「サービスつき高齢者向け住宅」の誘致などをこれまで訴えてきました。
そこで伺います。
【質問18】
(2)「低所得世帯」におけるアフォーダビリティの問題に対して、市長ご自身はどのような対策をお考えでしょうか。
お答え下さい。
(→市長の答弁へ)
7.本市独自の「子どもの貧困対策計画」を策定すべきではないか。
また、現在策定中の「(仮称)横須賀市子ども・子育て支援事業計画」において、「子どもの貧困対策法」の理念や「子供の貧困対策大綱」で示された指標などを反映していくべきではないか。
「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が今年1月に施行され、8月には「子供の貧困対策大綱」が閣議決定されました。
都道府県とは異なり、市町村には「子どもの貧困対策計画」策定の努力義務はありません。
しかし、栃木県小山市ではすでに独自に「子どもの貧困撲滅5カ年計画」を策定する方針を明らかにしました。
そこで市長に伺います。
【質問19】
(1)本市においても子どもの貧困対策は極めて重要な課題であり、本市独自の「子どもの貧困対策計画」を策定すべきではないでしょうか。
(→市長の答弁へ)
独自の計画を立てないのであれば、現在策定中の『(仮称)横須賀市子ども・子育て支援事業計画』に「子どもの貧困対策」を明記すべきです。
現在示されている計画の事務局案では貧困対策に関連する部分は、5つの重点施策のうち「特に支援を必要とする子どもとその家庭への支援の充実」にあたります。
具体的には、
①児童虐待防止対策の充実
②ひとり親家庭の自立支援の推進
③障害児施策の充実
④社会的養護体制の充実
の4つの施策を掲げています。
しかし、『子どもの貧困』への対策は子ども・子育て支援の根幹に関わる問題であり、より明確に貧困対策を施策として記すべきだと僕は考えます。
そこで市長に伺います。
【質問20】
(2)「(仮称)横須賀市子ども・子育て支援事業計画」の中に「子どもの貧困対策法」の理念を強く反映し、「子供の貧困対策大綱」で示された指標の本市版を盛り込むなど「子どもの貧困対策」を強く打ち出すべきではないでしょうか。
お答え下さい。
(→市長の答弁へ)
市長の答弁
御質問ありがとうございました。
【答弁1】
まず、本市の自殺対策推進事業の継続について、御質問をいただきました。『横須賀市第2次実施計画』に目標として掲げている70人未満を達成する為には、自殺対策事業の取り組みをこれからも継続していく必要があると認識しています。
次に、『市内小学校に配置されたスクールカウンセラーの欠員が続いている状況を改善する必要性』については、教育長から答弁をいたします。
教育長の答弁
私からは、まず「小学校スクールカウンセラー不在の半年間、誰が子どもたちの心理的ケアを行ってきたのか」との御質問をいただきました。
【答弁2】
昨年度は2名のスクールカウンセラーが小学校4校で勤務をしてまいりました。そのうちの1名が3月下旬になり、個人的な事情で急に退職することになりました。
その結果、4校のうち2校にスクールカウンセラーが配置できないまま平成26年度がスタートし、現在まで不在が続いてしまいました。
この間、『ふれあい相談員』の勤務日数を増やすなどの方法で対応しています。
【答弁3】
次に、当該スクールカウンセラーが退職に至った理由は何かとの御質問をいただきました。当該スクールカウンセラーの退職理由は、専ら個人的な事情によるものでございます。
【答弁4】
次に、半年もの長期間にわたって後任を選任できないでいる理由はなぜかとの御質問をいただきました。教育委員会としても全力を挙げて後任選びに奔走いたしましたが、すでに新年度が始まっており、本市の小学校に勤務していただける方を見つけることが困難でした。
【答弁5】
次に、この事態を一刻も早く打開すべきだが、具体的にどのような対策をとるかとの御質問をいただきました。欠員の2校につきましても、候補者がほぼ決まり、今月中には対応ができる予定です。
市長の答弁
次に、要介護度の高い『若年性認知症』の方々への支援のうち、受けられない福祉サービス及びその合理的な理由については、福祉部長から答弁をいたします。
福祉部長の答弁
まず、若年性認知症の方々が受けられない福祉サービスはどのようなものがあるかという御質問をいただきました。
【答弁6】
本市の高齢者福祉サービスのうち、若年性認知症の方々やその御家族が受けることができないサービスは、- 紙おむつの給付
- 寝具丸洗いサービス
- 出張理容等サービス
- 家族介護慰労金の支給
- シニアリフレッシュ事業など
です。
【答弁7】
次に、こうした福祉サービスを若年性認知症の方々が受けられない合理的な利用はあるのか、という御質問をいただきました。福祉サービスについては、高齢者施策や障害者施策の枠組みの中で事業を実施してきました。
『若年性認知症』の方々の実態が十分に把握できていなかった為、サービスの対象として検討されなかったところがあった、と考えています。
市長の答弁
次に、若年性認知症の方々が高齢者と同様のサービスを受けられるよう改善すべきではないかという御質問をいただきました。
【答弁8】
『若年性認知症』の方々は、働き盛りの年齢で発症することから、経済的にも厳しい状況に置かれている現状は理解をしています。施策を行う上では、必要に応じて見直しを行っていますので、『若年性認知症』の方々の実態を把握するとともに、家族会等の意見を聞きながら福祉サービスの充実について検討していきたいと考えています。
【答弁9】
次に、市民病院における院内助産について、前回の一般質問の後の対応を御質問いただきました。前回の一般質問の後、市からは院内助産廃止について御質問があったことを指定管理者側に伝え、指定管理者からも「やめるつもりはない」という回答を得ています。
次に、市民病院における院内助産の可否に関する問い合わせ件数から、西4階病棟での院内助産のあり方までの4問の御質問については、健康部長から答弁いたします。
健康部長の答弁
私からは4点の御質問についてお答えさせていただきます。
【答弁10】
まず、院内助産の問い合わせの件数について御質問をいただきました。今年のお問い合わせ件数は、1月10件、2月6件、3月6件、4月7件、5月5件、6月10件、7月3件、8月4件で、計51件でした。
【答弁11】
次に、院内助産の出産件数について御質問をいただきました。今年の院内助産の出産件数は、1月、4月、5月、7月、8月に各1件で計5件でした。
【答弁12】
次に、院内助産継続のために、オンコール体制の構築やそれに伴う増員を検討していくべきとの御質問をいただきました。現状、助産師の産休により、これまでどおりのオンコール体制をとることが困難な状況にありますが、指定管理者では助産師の求人を行ない、確保に努めているところでございます。
【答弁13】
次に、西4階病棟での院内助産のあり方を改善すべきではないかとの御質問をいただきました。西4階病棟を産婦人科専用病棟として運用することは理想であると思いますが、現状の院内助産の件数からは困難であると考えます。
市長の答弁
次に、高齢者の『住まいと住まいのあり方』の視点を『第6期介護保険事業計画』に位置づける必要性については、福祉部長から答弁をいたします。
福祉部長の答弁
【答弁14】
次に、「高齢者の住まいのあり方の視点について、『第6期介護保険事業計画』の中でどのように反映させるのか」との御質問をいただきました。『第6期介護保険事業計画』の策定に当たり、福祉部と都市部が合同で『高齢者の住まいに関する情報交換会議』を平成26年1月から開催し、検討を始めたところです。
こうした会議での議論を踏まえ、駅に近く利便性の高い共同住宅等への住みかえや谷戸対策について、計画案への反映を行いました。
【答弁15】
次に、審議会の場に高齢者の福祉施策と住宅施策との連携を目指して、専門知識を有する方の参加を求めることについて御質問をいただきました。高齢者施策を考える上で、都市計画の考え方を持つことは大事だと考えています。
その為、8度にわたって福祉部と都市部が協議してきた中で、十分に意見を聴取することができたと考えています。
【答弁16】
次に、「『高齢者住まい探し相談会』の相談件数等の目標値も計画に記載すべきではないか」との御質問をいただきました。『高齢者住まい探し相談会』の相談件数等については、相談される方の意思や希望によるところが大きく、目標値を定めることはなじまないと考えています。
市長の答弁
【答弁17】
次に、「『看取り難民』を発生させずに2025年から2030年を迎えられるか」という御質問をいただきました。『第6期計画』の中で、医療・介護等の関係者の連携を深め、在宅・施設での看取りについてさらなる取り組みを進めて、2025年以降も看取りを希望する方々が安心していただけるような取り組みを進めていきたいと思っております。
【答弁18】
次に、『アフォーダビリテイ』の問題について御質問をいただきました。低廉な価格の『サービスつき高齢者向け住宅』が整備されることは望ましい、と考えています。
しかしながら、多くの『サービスつき高齢者向け住宅』は、『有料老人ホーム』より面積要件が広く設定されている為、必ずしも『有料老人ホーム』と比べて低廉な価格設定となっているわけではありません。
現在は、『市営住宅』の活用や福祉施策による取り組みを進めていますが、引き続き低所得者向けの住まいのあり方について研究をしていきたいと思います。
【答弁19】
次に市独自の子どもの貧困対策計画を策定すべきではないかというご質問を頂きました。法律や大綱の理念は尊重すべきものと考えていますが、本市に『子ども貧困対策計画』の策定義務が無く、神奈川県の計画策定の動向も不明な為、現在のところ、本市独自の計画を策定する考えはありません。
【答弁20】
次に、現在策定中の『(仮称)子ども・子育て支援事業計画』において、子どもの貧困対策法の理念や『大綱』で示された指標などを反映していくべきではないかとのご提案を頂きました。現在策定中の『(仮称)横須賀市子ども・子育て支援事業計画』において、『大綱』で示された指標等を利用し、できるかぎり考え方を盛り込んでいきたいと考えています。
フジノの再質問【こどもの貧困対策】
まず、『こどもの貧困対策』について、市長と質疑を交わしたいと思います。
本市独自の計画づくりについては、「県の方向性も見えない為、考えていない」ということでしたが、県議会で黒岩県知事が「『こどもの貧困対策計画』を作る」と御答弁したことはご存知でしょうか。
市長の答弁
県が策定の意向があることは承知しています。
フジノの質問
そうすると、「意向は分かっているが、方向性が見えないので作らない」ということかと思うのですが、確認させてください。
市長の答弁
基本的に法律で都道府県にも『努力義務』という形で、計画策定は位置づけられてます。
「市町村については、特段の記載が無い中で、この『貧困対策計画』というものまでを作る必要が無い」という認識です。
フジノの質問
計画を独自には作らないけれども、『こどもの貧困対策の重要性』については市長も深く感じておられるというふうに考えてよろしいですか?
市長の答弁
そう考えて頂いてけっこうです。
フジノの質問
そこで数点、市長に伺いたいことがあります。
これからお聴きすることは、ほとんどの方が多分答えられないことだと思うので、市長も一般的に正確さは求めませんので、お答えを頂ければと思うんですが
市長は『相対的貧困』と『絶対的貧困』と、この違いというのはどのように受けとめておられますか。
市長の答弁
『絶対的貧困』というのはまずその本人が感じることなんではないかなと。
『相対的貧困』というのは、以前もこの議会で議論がありましたが、様々な基準値等をもとに把握する客観的なデータなんじゃないかなと、そのように思います。
フジノの質問
ありがとうございます。
本当に正確さについては真偽はそういったものは問わないのでそのままお感じのとおりにお答え頂きたいんですが、いわゆる『絶対的貧困』というのは、例えば、発展途上国のスラム街で、まさにその日ゴミを拾って、なんとか食べ物を食べれるかどうかという状況を表しています。
一方の『相対的貧困』というのは、日本であれば、日本全体の所得、その平均値を出して、その平均値よりも下をもって『相対的貧困』というふうに呼んでいる訳です。
では、その『相対的貧困』にあたる世帯に暮らしている『子どもの貧困』、これは全国で何万人ぐらいいらっしゃると思いますか。
市長の答弁
分かりません。
フジノの質問
これは300万人もいらっしゃるんですね。
この300万人中、児童養護施設に入所している児童は何万人ぐらいいると市長はお考えでしょうか。
市長の答弁
それも分かりません。
フジノの質問
市長が就任してから本当に熱心に取り組んできていただいた児童養護施設への施策、僕も大変感心しているところなのですが、
これは300万人のこどもの貧困の状態にあるこどものうち、わずか3万人しか児童養護施設には入れていないんですね。
ですから、市長と先ほど「『相対的貧困』『絶対的貧困』ってどんなものか」という話をしましたが、
6人に1人が『相対的貧困』にあって、300万人もいて、そのうちのわずか3万人しか児童養護施設には入所できていないという。
つまり、1%のこどもだけしか、児童養護施設には入所できていない、というような状況にあります。
『相対的貧困』のこどもたちというのは、日本のこども全体の人数の16%にあたるんですが、このうち16%の相対的貧困のうち、一体何%が生活保護を受けていると思いますか。
市長の答弁
分かりません。
フジノの質問
これは、わずか2%しか受けていないんですね。
つまり残りの14%のこどもたちには、他の一般世帯同様に課税がされていて、保険料も取られている。もちろん負担軽減はじゃっかんはあるかもしれませんが、多くの社会的養護の施策というものも届いていない現状があるんです。
市長が熱心に取り組んでいただいている児童養護施設のような社会的養護の取り組みは、ほとんどの『相対的貧困』のこどもたちには届いていないんです。
この現状を市長は率直にどうお感じになりますか。
これ全国の数字ですから、市長のお考えを率直にお聴かせ下さい。
市長の答弁
数字だけみればですね、やはり何らかの対策というのが国においても取られるべきではないかとそのように思います。
フジノの質問
さらに本市の『子ども・子育て支援事業計画』に盛り込んでいただきたいという質問に対しては前向きな御答弁を頂きました。
そこでもう少しお聴きしたいんですけれども、『相対的貧困』の中でひとり親世帯のこどもというのは何割ぐらいいると思いますか。
市長の答弁
ちょっと分かりません。
フジノの質問
市長、決して恥ずかしく思わないで下さい。
これはもう僕も本当にデータを初めて観て知った本当に意外な数字でした。
相対的貧困のこどもたちの中でひとり親世帯というのは、わずか3割しかいなんです。
ひとり親世帯のほうが貧しく思われがちなんですけれども、ですから今回のこども育成部の事務局案にも『ひとり親世帯への支援』は明記されているのですけれども、実は『相対的貧困』の中でひとり親世帯というのは3割しかいない。
だから、残り7割の世帯はふたり親世帯、もしくはおじいちゃんおばあちゃんのサポートも受けられているかもしれない、そういう世帯なんです。
つまり『相対的貧困』のこどもの7割は、ひとり親世帯ではないんです。
ですからこう考えると、今まで我々がやってきた『こどもの貧困対策』というのは、『相対的貧困』の中でも極めて少ない、言うならば『絶対的貧困』のこどもたちにだけしか、そのごく一部にしか、生活保護の話もしましたけれども、ごく一部のこどもたちにしか貧困対策が届いていないという現状があるというふうに、僕は今回市長への質疑を考えている間に実感しました。
そこでぜひ先ほどご答弁いただいているのですけれども、改めて『横須賀市子ども・子育て支援事業計画』に、子どもの貧困対策、あるいは子どもの貧困対策法の理念、『子供の貧困対策大綱』の指標など横須賀バージョンの指標などをぜひ盛り込んでいただきたいというふうに申し上げましたが
改めてこの質疑を通して市長の決意をお聴かせ下さい。
市長の答弁
理念については1問目の質問の中でおっしゃられたとおり、大柱の中に位置づけられていますのでその目標数値についてはですね、大綱に示されているものなどを参考にぜひ盛り込んでいきたいとそのように思っております。
フジノの再質問【自殺対策】
ありがとうございます。では、続いて、順番どおりに質問を続けてまいりたいと思います。
まず、自殺対策についてです。
市長の決意を伺うことができました。
9月10日、『自殺対策の街頭キャンペーン』を市長と一緒に行いました。
その中でも市長はマイクを久々に握られた。その中で、横須賀市は自殺がゼロになるまで対策を必ず続けていくのだという決意を最後に語られておられました。「横須賀は自殺がゼロになるまで必ずやり続ける」と。
その責任をぜひ果たしていただきたい。私としては自殺がゼロになっても、さらに自殺未遂もなくなるまで、とにかく生きやすい社会になるまで続けていくべきだというふうに考えています。
改めて市長に確認をしたいと思います。
本市の自殺対策の中でも、特に全国から注目されている自殺未遂者への支援があります。
この取り組みが特に国・県の交付のスキームを生かして、人件費を確保していますので、非常に効果が高いにもかかわらず、継続ができるのかという不安の対象になっています。
つい先日は、横浜市大病院の平安先生らの研究が発表されて、「自殺未遂者支援を行えば、6カ月は再企図はしない」という研究結果も明らかになりました。
特にこの未遂者支援については、財源がどうなるかわからないけれども、たとえ市単独でも続けていくと市長にお答えいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
市長の答弁
自殺対策関連の事業については、当然何年かやってきた中で、内容については見直すべきものもあるかもしれませんが、この10分の10のキーがなくなったとしても、この『自殺対策推進事業』ということについては、しっかりと継続をしていきたいと思っています。
フジノの再質問【スクールカウンセラーの欠員問題】
では、教育長、質問を交わさせていただきます。
スクールカウンセラーの欠員の問題です。
青木教育長にとっては、率直なところ、前任者の方の懸案ということで、大変申しわけない質疑になるかと思いますが、お答えいただければと思います。
「欠員が続いている間、どなたが児童・生徒や保護者、教員等への助言を行ってきたか」という質問については、「ふれあい相談員の勤務日数などを増やした」ということでしたが、「など」にはその他にはどのようなものがございますか。
教育長の答弁
スクールカウンセラーが配置されていた学校には、ふれあい相談員が(週)1日の勤務でございました。
それを欠員の間は、週2日勤務をさせることで対応してございました。
申し訳ございません、ふれあい相談員の対応で対応してということで、「など」はございません。
フジノの質問
僕はその対応を実は事前に伺っていたのですが、それが果たして十分であったのか。
そもそも配置した4校というのは、具体名挙げませんが、『やはりスクールカウンセラーの方に行っていただきたい拠点校』だった訳です。
ですから、「ふれあい相談員の勤務日数を2倍にするだけで、果たして足りたのかな」という思いが率直にあります。
では、「次善の策としてどのようなことができただろうか」というのを考えたときに、中学校にはスクールカウンセラーが配置されていますから、そういった中学校のスクールカウンセラーを派遣するというようなことも考えて良かったのではないかと思うのですが、いかがですか。
教育長の答弁
議員御指摘のように、現在市立中学校には全校にスクールカウンセラーが配置されております。
特段この欠員があった学校で、「『中学校ふれあい相談員』を派遣して相談に応じるように」というような要請はございませんでしたので、この対応で継続をしてまいりました。
フジノの質問
「要請は無かった」ということなのですが、ぜひ今後は担当地域の中学校のスクールカウンセラー等にも事態を早急に説明して、「必要があれば」というよりも、今回の事業の目的は『早期の取り組み』『早期の介入』、予防が取り組みですから、『ふれあい相談員』から要請があるということは、多分トラブルが発生した時に派遣をするということになりますから、中学校のスクールカウンセラーも県費の職員ということもありますが、ぜひ要請がなくても小学校にこういった事態があった時には派遣するようなことも考えていただきたいと思いますが、いかがですか。
教育長の答弁
『県費』で中学校のカウンセラーを配置していただいている県の意向というのは、「中学校のスクールカウンセラーが周辺の小学校にも援助の手を差し伸べるように」ということで、この事業を実施しておりますので、そのようなことは行なえるように、中学校のスクールカウンセラーとも相談を重ねてまいりたいと思います。
フジノの質問
続いて伺いたいのは、『退職した理由』についてです。
「個人的な事情」とお答えせざるを得ないと思うのですが、やはり責任ある仕事。
当然採用に当たっても、面接をしっかり行なって、子どもたちと継続的にかかわっていくことを念頭に採用したはずです。
それが実際にはお辞めになってしまった。
「同じ心理学を学んだ人間として、こういうお辞めの仕方というのは許せない」という気持ちも正直あります。
ただ、一方で、賃金のあり方、専門家として十分業務できるような体制が、今回初めての事業ですから、あったのか。
その点について悩みの相談などをスクールカウンセラー、退職された方から受けたことはありますか。
教育長の答弁
特段に御本人から勤務についての相談があったということは聞いておりません。
フジノの質問
個人的には、「臨床心理士の待遇、スクールカウンセラーの待遇、もう少ししっかりと腰を据えて、御自身が働いていくことへの不安を感じないような待遇で、雇用をしていただけるほうが仕事がしやすいのではないか」というような感想を予算の段階から持っておりました。
お辞めになっていただいていないもう1名の方にも、そういった待遇面についてはぜひヒアリングをして、新年度以降はこのような欠員が生まれないように、そして、再来年度には教育長に「これ拡大してください」とまた質問できるようにさせていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
教育長の答弁
教育委員会としても、目標としては「増員をしたい」と思っております。
なかなか臨床心理士の資格を持った方は、小学校で働くということも難しいようでございますけれども、目標に向かって努力をしたいと思っております。
フジノの質問
そして、今回お辞めになってしまった方の後任が決まらなかった理由は、新学期スタートのいろいろな業務の中でなかなか後任が見つけられなかった。
しかし、候補者が決まって、今月には対応できるとのことです。
これは少し矛盾した答弁に聞こえたのですが、新学期が始まってしまって、忙しかったから見つけられなかったけれども、今は新学期がスタートしているけれども、見つけて、年度中だけれども、雇用するということでよろしいのでしょうか。
僕は「すぐ入ってほしい」と考えているのです。
この対応でいいと思うのですが、今年度中から勤務していただけるということでよろしいのでしょうか。
教育長の答弁
私の答弁が不十分で申し訳ありません。
年度初めにいろいろな神奈川県の臨床心理士会、あるいは県立保健福祉大学の先生方等のいろいろつてを当たって探したのでございますけれども、すでに新年度でほとんどの方がすでに新しい、あるいは継続で仕事についていて、すぐに横須賀市の小学校に来ていただける方が見つからなかった。
その後もさまざまなつてを使って探した結果、この時期に勤務をしていただける方が見つかったということでございます。
今月末には決まりますので、雇用ができ次第、働いていただきます。
フジノの再質問【若年性認知症への支援の在り方】
続いて、また市長と質疑を交わしたいと思います。
若年性認知症への支援の在り方についてです。
福祉部長から『受けられないサービスの現状』についてお聞きいたしました。
そして「合理的な理由はあるか」という質問に対しても、「これまでは、やはり若年性認知症という存在自体が十分知られていなかった。そんな中で仕組みのあり方についても、十分な検討が若年性認知症支援のあり方がされていなかった」という御答弁だったと受けとめています。
そこで、再度市長に確認をしたいのですが、「御本人・御家族の実態を把握し、検討していく」とのことでした。
具体的にはどんな形でヒアリングをし、そして、検討されていくのでしょうか。
そして、もしその成果が生かされるのであれば、それはいつぐらいからなのか。
僕はできるだけ早くに、これを実施してほしいと考えているのですが、ヒアリングの仕方、そしてその反映の仕方、スケジュールなどをお示しいただければと思います。
市長の答弁
この家族会のようなものが今立ち上がりつつある中で、その方々を中心にぜひヒアリングを重ねていきたいと、そのように思っています。
今の段階で、今日御質問いただいての答弁でしたので、スケジュールをお示しすることはなかなか難しいですが、ただ、御家族の皆さんのことを考えれば、遅くする必要はないなとは思います。
フジノの質問
ぜひヒアリングの場を設けていただきたいと思います。
今回この質問を行なうきっかけになったのは、やはりある御家族からの御相談がきっかけでした。
現在、横須賀市では『家族向けの相談会』も開催しているのです。これ他のまちではやっていないすばらしいことです。
でも、そこでは制度についてはやはり話せないのですね。
御家族としての困り感やピア、仲間同士の悩みは話せるけれども、「こういった制度がどうも高齢者、65 歳以上の認知症や要介護度の高い人は受けられるようだけれども、自分は受けられていない。福祉部に聞いてみたら、やはり65歳で受けられなかった」というような相談から始まっているのです。
ですから、『家族の相談会』の場ではなくて、こういった制度も必要だとか、そういうニーズの把握の場を、困りごとをお開きするのは当然ですけれども、介護の苦労を家族相談の場で話し合う場ではない場で、ヒアリングをぜひしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
市長の答弁
そのようにしたいと思います。
フジノの再質問【市民病院の院内助産の在り方】
続いて、市民病院院内助産のあり方について伺いたいと思います。
市の対応については承知しました。
指定管理者のあり方について、再度伺いたいと思います。
横須賀市は院内助産を大事にしてきました。ですから、指定管理者にも大事にしてほしいというのが私の考え方です。市は廃止するつもりはないと市長から答弁を明言していただいていますし、指定管理者も「やめない」と答えた。
では、具体的に指定管理者はこれを病棟に帰って、市民病院に帰ってどのように助産師の皆さんに。
前回お伝えしたとおり皆さんが内部告発してきた訳です、「廃止されるのではないか」という危機感を持って、「辞職してもいい」という覚悟を持って僕に訴えてきた訳ですが、指定管理者は助産師の皆さんや病棟でどのような対応をとったとお聞きになっていますか。
市長の答弁
健康部長から答弁させます。
健康部長の答弁
久保院長から9月4日に病院長、それから、看護部長、それから、助産師でミーティングを開きまして、病院長から直接、要するにやめるつもりはないというメッセージを伝えたということでございます。
フジノの質問
久保院長については、横須賀市の職員として尽力をしてきていただいて、そして、指定管理者にも移っていただいた。
どちらかというと、『市の院内助産の大切さを共有するマインド』を持っている方だと思うのです。
ただ、院長もやはり定年がある訳です。
久保院長の後も指定管理者はこれを必ず継続していっていただけるという担保というのは、横須賀市には何かあるのでしょうか。
市長の答弁
担保と言われるようなものはありませんけれども、市としては「やめないでほしい」という意向は、病院長がたとえ変わることがあっても伝えていきたいと思っています。
フジノの質問
実は前回の質問の際には、市民病院の受付の電話対応の方に「院内助産の問い合わせがあったら、やんわりとお断りしなさい」という指示が出ていたと僕は聞いています。
今そういったことは決してないと言い切れる状態になったでしょうか。
市長の答弁
そもそもそういった事実を承知していませんし、そうではない状況でこれからもあるべきだと思います。
フジノの質問
ちょうど院内助産の問い合わせの件数を伺った時、僕が議会で質問した時というのは6月なのですけれども、6月10件で、1月10件で、1月と6月が一番多くて、院内助産について市民病院、姿勢を変えたから増えたのかと感じてしまったのがこの統計でした。
51件しか問い合わせがありませんが、今後もっと問い合わせが増えるように、ぜひ取り組みを指定管理者に働きかけていただきたい。
また、横須賀市としても院内助産の積極的な取り組みをどんどん伝えていってほしいと思うのですが、いかがでしょうか。
市長の答弁
ぜひ院内助産、せっかく開院していますから、現状少し体制がなかなか整わないような課題はありますけれども、市としてもそういった広報には協力していきたいと思います。
フジノの質問
市長、言葉尻を捉えて申し訳ございません。
広報に『協力』をするのではなくて、「『市』としても広報してほしい」と思うのですが、いかがですか。
市長の答弁
市としても広報していきたいと思います。
フジノの質問
続いて、助産師の態勢について伺います。
現在、休職中の方がいらっしゃるため、求人を継続しており、確保に努めている。それが叶えばオンコール体制が復活し、そして、助産師の皆さんの増員というか、定員がもとに戻るということですけれども、実現するということでよろしいのでしょうか。
市長の答弁
健康部長から答弁させます。
健康部長の答弁
現在、助産師の数は常勤換算で11.2人という状況でございます。その中で3名が産休・育休に入っているということで、その方たちが戻れば、そういった体制がまた取り戻せるということでございます。
フジノの質問
産休・育休明けたら体制が戻るのでしょうか。
それとも、先ほどおっしゃった求人を継続していると。求人もしていて、求人の結果、もとに戻るのか。
それとも産休・育休明けを待つのか、その辺はどうなのでしょうか。
健康部長の答弁
言葉が足りずに申しわけございません。今、人員募集もしておりますので、体制が整えば戻せるということでございます。
フジノの質問
西4階病棟のあり方については、ぜひ市長、議論させてください。
経営の観点や、これまでの市立病院経営改革をずっと見てきましたので、理想であるけれども、「現状の出産件数を考えると対応は困難、休床している病棟もある中で困難」ということは理解はします。経営上の問題も理解はします。
けれども、やはり子どもが主役のまちである横須賀のまちづくりは、理想を追求すべきではないですか。いかがですか。
市長の答弁
理想としては、そういう状況がいいというのは私も認識していますが、やはり助産の件数がどれだけふえるかによりけりだと思います。
フジノの質問
その院内助産を希望する方は、やはり事前に病棟を見学される訳です。
市長に全部の場所を見てほしいとは思わないのですが、西4階病棟へ行くと分かる訳です。「ここは婦人科、女性全科を受けているのだ」と。
高齢者の方もいて、いろいろな方がいて、そして、助産師は看護師の資格も当然持っていますから、助産業務だけではなくて、下の世話もすれば、あらゆることをしてから自分のところにいる。
院内助産新生児室は和室もあったりして、個室できれいです。
でもやはりどれだけ衛生状態に気をつけている病院であっても、こういう感染症というのは起こり得るものなのです。
ですから、やはり理想としては階を違くするか、あるいは壁で仕切るか。
カーテンなどではなくて、病棟の行き来もやはり違う空間であるべきだと私は思うのです。この点については再考していただきたいと思うのですが、いかがですか。
市長の答弁
理想としては持ちたいとは思いますが、やはり看護師業務、助産師業務、それぞれ形状の観点での配置ということも考えなければいけませんので、なかなかその空間をあけるということも、その看護師の行き来、助産師の行き来も含めて難しい状況だと思います。
フジノの再質問【看取り難民の問題】
ぜひそこは指定管理者と議論を交わしていただきたいと思います。議論をぜひしていただきたいと思います。
最後に、看取り難民の問題について伺います。
先ほど僕は「『第6期計画』を全て実現すれば、やがて来る2025年から30年、看取り難民を発生させないで迎えられるか」と質問しました。
「『看取り難民』を発生させないでいかれるのだ」と市長はお考えでしょうか。
お答えください。
市長の答弁
数字的な根拠はなかなか持ちづらいものです。
ですから、意気込みとしても受けとめていただきたいですが、この『看取り難民』を来るべき多死化社会の中で発生させずに頑張っていきたいと、そのように思います。
フジノの質問
これから病床は減っていきますし、亡くなる方は増えていきます。
ですから、あとは在宅での看取りを増やしていく。
そして、同時に市長は『サービスつき高齢者向け住宅』にはやや否定的ですが、今では低廉な住宅も大変『サービスつき高齢者向け住宅』は増えています。
そうしたものをフル活用して、「絶対に横須賀には看取り難民を生まないのだ」と市長にはぜひ取り組みを進めていただきたいと思います。
以上で質問を終わります。
ありがとうございました。