2014年12月議会・一般質問

藤野英明です。よろしくお願いします。

一般質問に立つフジノ



1.美術館改革の1つとしての「教育委員会から市長部局へ来年4月から移管すること」を断念せざるを得なくなった問題について

集客力をアップし、経費削減と収入増加を実現する為に、美術館を市長部局へ移管する。

この改革は「正しい」と僕は考えています。

人口減少・少子超高齢・多死社会において、ハコモノが垂れ流す「赤字」を無くして、こどもたちの健やかな成長や市民のいのちと暮らしを守る為に必要な社会保障の「財源」にまわすことが僕の信念だからです。

したがって「移管の延期」はとても残念です。

2014年11月19日付・神奈川新聞記事より

2014年11月19日付・神奈川新聞記事より


けれどもこの4カ月間、教育委員会・社会教育委員会議での議論の全てを追いかけてきた僕には、「教育委員4名の判断は正しかった」と言わざるを得ません。

「移管に賛成」の僕でさえも、結論ありきの進行方法には強い怒りを感じました。

市長・教育長らトップの方針である以上、それに従わざるをえなかった現場の職員のみなさんはあまりにも可哀想だとも感じました。

今回の失敗の理由は3つです。

第1に「十分な議論ができない強引なスケジュール設定だったこと」

第2に「移管後の収支改善の具体的な目標値を全く示さなかったこと」

第3に「市長・教育長のトップ2人が教育委員の皆さんとの十分な意思疎通をしてこなかったこと」

だと考えています。

市長・教育長ともに素直に反省し、そして「延期した移管」をゼロから仕切り直し、ハコモノ改革を着実に行なわねばなりません。

【質問1-1】
(1)市長・教育長は今回の失敗の理由をそれぞれどのように分析しているのでしょうか。

お答え下さい。


(→市長の答弁へ)

(→教育長の答弁へ)


(2)市長・教育長と教育委員の皆さんの十分な意思疎通を図る為の意見交換について

ア.市長は、教育委員4名の方々と「教育政策」をはじめ、「本市の現状と課題、今後の目指すべき姿、その実現の為の政策」について、どれだけ意見交換や意思疎通をしているのでしょうか。

「子どもが主役になれるまち」を掲げている市長のあらゆる政策は、教育委員の皆さんの理解なしに進めることはできません。

【質問1-2】
担当部局の職員ではなく、市長ご自身が教育委員の皆さんと電話やじかにお会いして、意見交換をする等の対話をこれまでどれだけの頻度で行なってきたのでしょうか。

【質問1-3】
それは十分だったとお考えでしょうか。

【質問1-4】
また、今後はどのように対話の機会を持っていこうとお考えでしょうか。

お聞かせ下さい。

(→市長の答弁へ)


イ.市長への先の質問と同じ趣旨で、教育長はその就任後、現在に至るまで、教育委員の皆さんとの対話をどれだけ行なってきたのでしょうか。

【質問1-5】
それは十分だったとお考えなのか、また、今後はどうしていこうとお考えなのか、教育長の考えをお聞かせ下さい。

(→教育長の答弁へ)




(3)何故「移管後の収支改善の目標」について、市長は自ら語らなかったのか

社会教育委員・教育委員のどちらの議論の場でも「市長部局に移管することで赤字が具体的にどれだけ減らせるのか」という質問が毎回、繰り返し出ました。極めて当然のことだと思います。

そうしたデータを得る為に実施したはずの過去2回の試行事業は、事業者から出された報告書があまりにもいいかげんな内容で、全く参考にならなかったはずです。

それでも担当部局は何とか回答すべく、他都市の「市長部局が所管する美術館」のデータを集めるなど推計値を出そうと懸命に取り組んでいました。

しかし、改革後の姿は担当部局が示すのではなく、市長が「政治的な目標」として示すべきものだと僕は考えています。

市長と僕はこれまで「ハコモノ3兄弟」の改革について、何年間も質疑を交わしてきました。

「長井海の手公園ソレイユの丘」に関しては、「指定管理料を半減させたい」といった答弁などで改革後の姿を明確に示してきました。

【質問1-6】
それにもかかわらず、「美術館の移管後の収支改善の目標」を、何故、市長は自ら示さなかったのでしょうか。

お答え下さい。


(→市長の答弁へ)


一般質問を行なうフジノ




(4)今後の「美術館改革」のあり方について

ア.「美術館運営改革プロジェクトチーム」が今年8月に唐突に「中間報告書」を教育委員会に提出したのが今回の騒動の始まりでした。

ですからプロジェクトチームもきちんと今回の失敗を総括し、今後もしっかりと議論を継続していかねばなりません。

しかしその一方で、市長の「政治的な決断」として今後のスケジュールは示していくべきです。

【質問1-7】
プロジェクトチームの「最終報告書」はいつ提出するのでしょうか。

【質問1-8】
また、いつまでに改革の結論を出すのでしょうか。

お答え下さい。

(→市長の答弁へ)




イ.そもそも「市長部局への移管」は、「美術館」を「指定管理者制度へ移行する為の第一段階に過ぎない」、と僕は考えてきました。

そこで伺います。

【質問1-9】
市長は美術館の「指定管理者制度への移行」に向けた検討を継続していくのでしょうか。

お答え下さい。


(→市長の答弁へ)



2.学童保育が直面している様々な課題に対して、「選ばれるまち」を目指す市長が取るべき本市の「公的責任」を果たす具体的な取り組みについて

(1)学童クラブへの補助金のあり方を、人件費を積み上げる形に改善すべきではないか

本市の学童クラブの保育料は「全国で1番高い水準」で、「保護者」はとても高い保育料を支払っています。

それでも大半の学童クラブでは、「指導員」の給与は最低賃金と同じかそれ以下、社会保険には加入できていない、という極めて劣悪な労働条件にあるとお聞きしました。

その理由は、本市の補助金が少ないからです。

さらに、本市の学童クラブは「民設民営」である為、そのほとんどが「保護者」らによる「運営委員会方式」を取っています。

仕事や様々な理由からこどもと過ごす時間を取れないので、学童クラブにこどもを預けているにもかかわらず

会社やパートのあいまをぬって、「経営」には全くの素人である「保護者」の方が学童クラブの「経営者」にならねばならない。

そして、あらゆる実務や法的責任を引き受けねばならないのが、「保護者」による「運営委員会方式」です。

したがって、「指導員」の契約上の雇用主は「保護者」です。

この現状を放置しつづけていれば、時間外勤務の多さ・勤務体制・雇用形態・賃金など労働基準法違反などで、「保護者」が訴えられるリスクが存在しています。

昨日、市長は「民設民営の文化がある」とおっしゃいましたが、このような異常な状況が「民設民営」の名のもとにずっと放置されてきました。

しかし今こそ、こうした事態を改善すべく学童クラブへの補助方法を見直すべきです。

【質問2-1】
具体的には、横浜市が行なっている「指導員」の人件費を積み上げる形で補助する方式に変更すべきだと僕は考えています。

市長の考えをお聴かせ下さい。


(→市長の答弁へ)




(2)「保護者」の訴訟リスクをなくし、帳簿作成などの補助をできる体制を作るべきではないか

また、「運営委員会」の「保護者」の方々に極めて大きな労苦を強いているのが「会計帳簿等の作成」です。

現在は「担当の保護者」の方が仕事を終えた深夜や有給休暇を取ってまで帳簿類を作成している、とのことです。

他の保護者の深刻な家庭事情や所得などの個人情報も、同じ「保護者」が扱わざるをえません。

こうした様々な問題を解消する為にも、社会保険労務士や税理士などの専門家を学童クラブに配置すべきだ、と僕は考えています。

すでに市内のある学童クラブでは「試行的」に専門家を入れるべく実質的な取り組みを開始しており、大きなメリットが得られそうです。

しかし、専門家を雇用するコストは保護者負担にはねかえる為、「本格導入は難しい」、とのことでした。

そこで市長に伺います。

【質問2-2】
実務を担当し支援する専門家を、市の「公的責任」として学童クラブへ配置すべきではないでしょうか。

【質問2-3】
また、財政的に1学童クラブに1人ずつの配置が難しければ、近隣地域の複数の学童クラブをかけもちする形とし、最終的には、全ての学童クラブをカバーできる体制を作るべきではないでしょうか。

お答え下さい。


(→市長の答弁へ)




(3)今後さらに小学校内に学童クラブを移設していく上で、学校側と学童クラブ側の相互理解を進めていくべきではないか

ア.すでに市長もご存知のはずですが、小学校の教室を利用しているある学童クラブの関係者に対して、その学校の教職員が「学童保育なんて無ければ良いのに」という趣旨の発言をしました。

そこで市長と教育長に伺います。

【質問2-4】
教職員からこのような発言が出た背景を、どのようにお考えでしょうか。

お聴かせ下さい。


(→市長の答弁へ)
(→教育長の答弁へ)




イ.市長は「実施計画期間内に小学校の教室を利用する学童クラブを25クラブとする」と施政方針で述べました。

しかし、こうした教職員の発言から見えた本音は、単に学童クラブを学校内に「物理的」に移すだけでは駄目だということを表しています。

学校と学童クラブが相互に理解を深める必要があります。

【質問2-5】
教職員の皆さまにも学童保育の重要性を理解していただく為に、具体的な取り組みを行なっていくべきではないでしょうか。

お答え下さい。


(→市長の答弁へ)
(→教育長の答弁へ)


(4)開発に伴う学童保育ニーズの急激な増加への対策が必要ではないか

ア.マンションをはじめとする中規模以上の開発の際は、必ずその地域に乳幼児・児童生徒数の増加が見込まれます。

例えば、中央地区に大規模なマンションが完成すれば、確実に保育・学童保育の量的な不足が起こります。

ニーズの急増を生み出す企業側にも教育・保育への協力を求めるべきだと僕は考えています。

【質問2-6】
開発に当たる企業や事業体に対して、例えば、

「建物内への保育所・学童保育の設置を努力義務として課す」、

あるいは

「本市の教育・保育に対する指定寄付を努力義務として課す」

など、実効性ある具体的な協力を求めるべきではないでしょうか。

市長の考えをお聴かせ下さい。


(→市長の答弁へ)


一般質問を行なうフジノ


イ.開発の結果、学童保育の急激な量的不足が実際に起こっている具体例が、浦郷小学校の隣地の大規模なマンション建設です。

小学校の隣地に大規模マンションが建設されました

小学校の隣地に大規模マンションが建設されました


これにより、『浦郷学童クラブ』には来年度新たな利用希望者がすでに27名もあります。

現在の施設規模では受け入れは不可能です。

「保護者によって運営されているのだから、抽選や所得状況などで選別するなど学童クラブ自身で判断すべき」

という対応は、絶対に許されません。

僕は、現実的に「実行可能な選択肢」として浦郷小学校の第2校庭に本市が責任を持ってプレハブを建て、全ての希望者の受け入れに対応すべきだと考えています。

【質問2-7】
市長・教育長はこの学童保育希望者数の急増にどのように対応するのでしょうか。

お答え下さい。


(→市長の答弁へ)
(→教育長の答弁へ)



3. 「アルコール健康障害対策基本法」の施行を受けた本市のさらなる取り組みの必要性について

不適切な飲酒が引き起こす問題は多く、「健康上の問題」としては、依存症をはじめ、未成年や妊婦の飲酒による健康問題、生活習慣病の原因にもなります。

また、依存症であるか否かを問わず、飲酒によって自殺のリスクが大きく上がることも研究で明らかになりました。

「社会的な問題」としては、一気飲みやアルコールハラスメントによる急性アルコール中毒の被害、飲酒運転、暴力行為、駅ホームからの転落など非常に多岐にわたっています。

そこで『アルコール健康障害対策基本法(以下、法)』が今年6月に施行されました。

法では自治体の責務も新たに定められました。




(1)本市の「健康増進計画」を改定すべきではないか

【質問3-1】
法の基本理念に照らして、『本市健康増進計画(第3次)』を改定し、アルコール健康障害対策に関する記述をさらに充実させるべきではないでしょうか。

健康・食育推進プランよこすか

健康・食育推進プランよこすか


お答え下さい。


(→市長の答弁へ)


現在の「健康増進計画」での記述

現在の「健康増進計画」での「飲酒」の記述




(2)法の理念を全庁的な取り組みで実現すべきではないか

アルコール関連問題は単に「健康障害」に留まりません。

【質問3-2】
そこで、健康を担当する部局以外も、法の理念に基づいた取り組みを業務に組み込むことを全庁的に検討すべきではないでしょうか。

現在の「健康増進計画」に記された「具体的な取り組み」

現在の「健康増進計画」に記された「具体的な取り組み」


お答え下さい。


(→市長の答弁へ)


再質問に立つフジノ


(3)民間団体への支援をより一層充実させていくべきではないか

本市においてアルコールや薬物等の依存症からの回復の為に先駆的な取り組みを進めてきて下さった『GAYA(我舎)横須賀』という民間団体があります。

しかし、市の補助金では運営が成り立たず、来年度は「家族相談」を廃止せざるを得ない状況に追い込まれています。

「家族相談」は依存症の本人への対応や医療へのつなげ方をはじめ、誰にも打ち明けることができない悩みなどを電話・メール・対面での相談を受けてきた大切な取り組みです。

これを廃止せざるを得ないとすれば、法に逆行する事態で大きな問題です。

そこで伺います。

【質問3-3】
こうした民間団体への支援をより一層充実させていくことこそが、法が施行された今、本市の果たすべき責務ではないでしょうか。

お答え下さい。


(→市長の答弁へ)



4.「危険ドラッグ」をはじめとするあらゆる薬物に対する本市の早急な対策の必要性について

脱法ハーブ・リキッド・パウダーなどの『危険ドラッグ』をはじめ、処方薬や市販薬など、合法・違法を問わず、あらゆる薬物の濫用とその依存症が、全国で急速に蔓延しています。

特に『危険ドラッグ』は、破格の安さで入手できることから、中高生にまで蔓延しつつあります。

この市役所のそばのビルでも、『危険ドラッグ』とみられる薬物の売買がなされていることは関係者の多くが知るところです。

市役所のそばには小中学校や公園もあります

市役所のそばには小中学校や公園もあります


メディアでも連日報道されていますが、薬物使用者によって引き起こされた交通事故や暴力事件も起こっています。

本市内でも11月には『危険ドラッグ』に関わる殺人事件が発生してしまいました。

神奈川新聞記事より

神奈川新聞記事より

神奈川新聞以外の各社も一斉にとりあげました

神奈川新聞以外の各社も一斉にとりあげました


こうした全国的な事態を受けて、国会では11月19日に改正薬事法が成立し、『危険ドラッグ』への「規制」が強化されました。

神奈川においても、黒岩県知事が『危険ドラッグ』を「規制」する条例制定を明言しています。

しかし、国・県ともに対策は「規制」がメインです。

「規制」と「それを逃れる為の製造・売買方法の変更」という「いたちごっこ」はこれからもずっと続いてくだろう、と僕は考えています。

「警察」による検挙だけでは、限界があります。

また、仮に薬物使用者が決心をして「医療」につながろうとしても県内で『危険ドラッグ』に対応できる『せりがや病院』「初診まで3ヶ月待ち」の状態だと伺いました。

人の決心は脆く、3ヶ月待ってまで受診する人は極めて少ないと僕は思います。

一問一答方式で再質問に立つフジノ


一方、本市も取り組みを行なってはいますが、『啓発活動』がメインで、今起こっている危機に対応できているとは思えません。

本市の現在の取り組みは「啓発パンフレット配布」「窓口での募金」「自生している大麻の除去」「DVDの貸出」です

本市の現在の取り組みは「啓発パンフレット配布」「窓口での募金」「自生している大麻の除去」「DVDの貸出」です


「警察」でも「病院」でも無い。しかし、「最も住民に近い存在」である本市にはやるべきことがたくさんあります。

例えば、本人やまわりの人々が少しでも「相談をしたい」と感じたその瞬間を逃さずに相談に乗れる体制を作ることです。

「警察」に相談したり「病院」に行けば逮捕されてしまう、という誤解が広く蔓延しています。

薬物を使用している本人や、インターネットなどで購入しているのを知った家族や友人など気づいた人からの相談を受ける窓口を本市は作るべきです。

「匿名で良いから相談して下さい」と訴えるべきです。

そして、『危険ドラッグ』等に1度でも手を出したことがある人々が依存に陥る前にストップさせること

依存状態にある人を一刻も早くダルクやNAをはじめ信頼できる機関につなぐこと、これこそ本市が成すべきことです。

そこで市長に伺います。

【質問4-1】
(1)「危険ドラッグ」等薬物に関する「包括的な相談先」を、本市は設置すべきではないでしょうか。


(→市長の答弁へ)




【質問4-2】
(2)本市は県の条例制定の動向を注視し、県と連携しながらも、関係機関(例えば「GAYA横須賀」など)と協力して、本市独自の取り組みの実施を検討していくべきではないでしょうか。

お答え下さい。


(→市長の答弁へ)



5.米海軍横須賀基地と市民との交流が様々な形で行われている本市において、エボラ出血熱をはじめとする感染症発生時の米軍との情報交換体制の確立について

エボラ出血熱を防止する為にわが国では「空港」での検疫体制を強化しましたが、発症までの潜伏期間が約20日間もあるので、検疫をすりぬける可能性は十分にあります。

そこで大切なのが「二次感染対策」です。

保健所や医療機関を中心に、市民のみなさまが適切な知識を共有することで感染の可能性を極めて小さくすることができます。

しかし、本市には他のまちと大きく異なる事情があります。

米軍基地の存在です。

11月6日に開催された『横須賀市保健医療対策協議会』においても、議題としてエボラ出血熱がとりあげられました。

保健医療対策協議会の議事次第より

保健医療対策協議会の議事次第より


その中で、米軍基地内で米軍人がエボラ出血熱等に感染もしくは擬似症状が見られた場合、「その対応は国外の扱いとなる」と保健所長は説明しました。

しかし、地理的にはひとつながりの米軍基地と本市です。

従業員数は約5000人、市内居住の軍人・軍属等数は約1万3000人。出入りしている日本人の人数は一体どれほど多いかデータを見つけられませんでした。
きちんとした体制が無ければ、いざという時に市民の安心・安全を守れません。

そこで伺います。

【質問5-1】
(1)「国内での扱いとは異なる対応」とは、具体的にどのような対応がなされるのでしょうか。


(→市長の答弁へ)




【質問5-2】
(2)そもそも米海軍横須賀基地の中には、日本の「特定感染症指定医療機関」もしくは「第一種感染症指定医療機関」と同様のエボラ出血熱等に対応できる病院施設はあるのでしょうか。


(→市長の答弁へ)


わが国の特定感染症指定医療機関・第一種感染症指定医療機関(厚生労働省のホームページより)

わが国の特定感染症指定医療機関・第一種感染症指定医療機関(厚生労働省のホームページより)






(3)米海軍横須賀基地で働く日本人従業員をはじめ、キニック・ハイスクール市立横須賀総合高校との交流など、多くの市民が日常的に基地内に滞在しています。

【質問5-3】
もしも基地内で感染もしくは擬似症状が発生した場合、米軍から本市に速やかに情報提供はなされるのでしょうか。




(4)『横須賀市新型インフルエンザ等対策行動計画(第2版)』では、米軍との情報交換についての記述は、数行しかありません。

横須賀市新型インフルエンザ等対策行動計画(第2版)で米軍に触れている箇所はここだけ

横須賀市新型インフルエンザ等対策行動計画(第2版)で米軍に触れている箇所はここだけ


【質問5-4】
具体的な対応の方法や連絡体制など、米軍と本市との間でガイドラインやマニュアルなどは整備しているのでしょうか。


(→市長の答弁へ)




以上4点について、お答え下さい。



6.新型インフルエンザ等感染症に対する危機管理体制の早期確立の必要性について

夏以降『デング熱』の国内発症が大きな話題となりましたが、もっと身近で、多くの人が感染する可能性の高い基本的な感染症への対策こそより重要だ、と僕は考えています。

冬になると必ずインフルエンザが流行しますが、特に『新型インフルエンザ』は数年おきに必ず発生し得るものです。

本市は今年5月に「新型インフルエンザ等対策行動計画(第2版)」を策定しました。

横須賀市ホームページより

横須賀市ホームページより


いざという時に市民の健康被害を最小限に食いとめる上で、「計画」に記したことを1つずつ実施して体制整備をしていくことが重要です。

そしてこの体制は本市や保健所だけではなく身近な診療所・病院の取り組みも不可欠です。

その為、『新型インフルエンザ等対策特別措置法』に基づく『新型インフルエンザ等対策政府行動計画』において、全ての医療機関には『診療継続計画(以下BCP)』の作成が求められています。

医療機関の役割

医療機関の役割

しかし、市内医療関係者の方々から、「残念ながら『BCP』の作成は現状では進んでいない」とのご指摘を受けました。

そこで市長に伺います。

【質問6-1】
(1)本市は、市内の診療所および病院の『BCP』作成状況を把握しているのでしょうか。

把握しているのであれば、具体的な数値をお示し下さい。


(→市長の答弁へ)


【質問6-2】
(2)作成が進んでいないのであれば、医師会の協力も得ながら、市としても作成支援の取り組みを進めるべきではないでしょうか。


(→市長の答弁へ)

以上2点についてお答え下さい。



市長の答弁

ご質問ありがとうございました。



【答弁1-1】

まず、美術館の市長部局への移管を先送りせざるを得なくなった理由の分析についてご質問いただきました。

私は今回の移管の先送りについては失敗だとは思っていません。

教育委員会ではさらに検討が必要であるという議論がなされている報告を受けましたので、今回の議会への条例改正議案の上程を見送り、引き続き教育委員会で議論した方が良い、と判断をいたしました。



教育長の答弁

私からは5点について、お答えをさせて頂きます。

【答弁1-1】
まず美術館の市長部局への移管を先送りせざるをえなくなった理由をどのように分析しているかについてご質問を頂きました。

美術館移管について教育委員会への提案後の期間が足りずに十分な議論をしていただくことができなかったこと、また移管による明確なメリットを示せなかったことにあると考えています。

その為、教育委員会での議論の経過を市長に報告し、移管の延長を教育委員会にご提示して、さらに議論を重ねて頂くことといたしました。



市長の答弁

【答弁1-2・3・4】

次に、教育委員会委員のみなさんとの意見交換の機会についてご質問を頂きました。

これまで教育委員会委員のみなさんと私が、直接、意見交換をする機会はほとんどありませんでした。

ただ、今回の美術館の件に関しては、今年の8月に1回、11月に1回、教育委員会委員のみなさんとお会いして、話をさせて頂いております。

法律も改正され、首長と教育委員会委員による『総合教育会議の設置』が規定されたこともありますので、これからは教育委員会委員のみなさんと直接話し合いをする機会を増やしていきたいと思います。



教育長の答弁

【答弁1-5】

次に、私自身と教育委員会委員との十分な意思疎通をはかる為の意見交換の機会について、ご質問を頂きました。

私自身は毎月1回行なっている教育委員会会議での審議以外でも、会議前後の時間で部課長とともに教育委員会委員のみなさんに教育行政の懸案事項や市議会からの指摘事項などについて適宜、ご報告ご相談をさせて頂いています。

特に今回の美術館の件では、教育委員会委員のみなさまには定例の教育委員会会議でお越しいただく以上に、何度かお越しいただき意見交換をさせていただきました。

私としては、今回の件について時間をかけて意見交換を行なってきたと考えていますが、教育委員会として意見がまとまらなかった場合には今後共拙速にことを進めること無く、時間をかけて教育委員会委員のみなさんと議論を深め、結果を出していきたいと考えております。



市長の答弁

【答弁1-6】

次に、『移管後の収支改善の目標』についてご質問を頂きました。

開館以来、美術館の収支は徐々に改善していますが、これ以上の支出の削減をすることは難しいと考えています。

その為、観覧者数の増加などによる収入を増やしていきたいと思います。

今後、美術館の運営改革の検討を進めていく中で、目標値を定めていくことも必要かと考えています。



【答弁1-7・8】

次に、美術館運営改革プロジェクトチームの最終報告書の提出はいつを目指すのか、というご質問を頂きました。

来年度の早い段階から、教育委員会において十分な議論が開始されることを見定めて、プロジェクトチームの報告を行なう時期を見極めていきたいと思います。



【答弁1-9】

指定管理者制度への移行に向けた検討についてご質問を頂きました。

まず、美術館への市長部局への移管は、指定管理者制度への移行の第1段階とは考えていません。

さらなる集客や文化振興の可能性を探る為に、十分な議論をして頂きたいと考えています。



【答弁2-1】

続きまして、学童クラブへの補助金の在り方を横浜市のように人件費を積み上げる方式に改善することについて、ご質問を頂きました。

学童クラブへの運営費の補助については、基本的には国の補助要綱に基づいた対応を考えていますので、『横浜方式』への転換は考えていません。



【答弁2-2,2-3】

次に、帳簿作成などの補助をできる体制を作ることについてご質問を頂きました。

運営に携わる保護者の訴訟リスクを無くすことや過剰な負担となっている帳簿作成などの負担の軽減について、支援をしていくことは重要なことと認識をしています。

これまでも労務管理に関する研修などを実施してきましたが、今後は行政内部のノウハウを活用した相談体制や支援体制を強化し、運営者が必要とする様々な支援を行なうことで、訴訟リスクを解消すると共に、事務負担の軽減を図っていきたいと考えています。



【答弁2-4】

次に、学童クラブの関係者に対する当該学校の教職員の発言についてご質問を頂きました。

そのような趣旨の発言があったとすれば、深刻な事態であると捉えています。

私は、学童クラブが学校の教室を利用することについては、何よりも学校と学童クラブの双方が十分な理解を深め、連携を進めていくことが最も重要であると考えています。



教育長の答弁

次に、学童クラブの関係者に対する当該学校の教職員の発言について、ご質問を頂きました。

そのような発言がなされたことについては承知をしておりませんが、事実とすれば、本市の子育て支援に関する行政の方針を理解していない教職員が存在していることになり、大きな問題であると考えます。

学童クラブが学校の施設を利用するにあたっては、学校と学童クラブの双方の十分な理解がはかられていることが大前提であると考えています。

教職員に対しては再度子育て支援に関する重要性を伝えていかねばならないと考えています。



市長の答弁

【答弁2-5】

次に、『学校と学童クラブが相互に理解を深める為の具体的な取り組み』について、ご質問頂きました。

学校施設利用に対する学童クラブの保護者会への理解を促すと共に、学校の教職員が学童クラブについて理解するよう、こども育成部と教育委員会が協力して取り組むことが大事であると考えています。

学校と学童クラブの双方が相互理解を図る為のルール作りを進め、それが十分に周知されるよう進めていきたいと思います。



教育長の答弁

次に、学校と学童クラブが相互に理解を深める為の具体的な取り組みについて、ご質問を頂きました。

教育委員会としては学校の教職員に対しては学童クラブの意義やその活動について周知徹底をはかってまいります。

学校施設が学童クラブに適切に活用され、放課後の児童の健全な保育がなされる為の具体的な取り組みとして現在学校と学童クラブとの間でのルールづくりを進めているところでございます。



市長の答弁

【答弁2-6】

次に、開発に伴う学童保育ニーズの急激な増加への対策の必要性について、ご質問を頂きました。

マンションなどの中規模以上の開発に際して、急激に増加する学童保育のニーズに対応する為に、開発にあたる企業等に対して何らかの義務を負わせることは難しいもの、と判断しています。

しかしながら、学童保育のニーズに対応することは、市の責務の1つと認識をしています。

その為、小学校の教室や公共施設の利用の促進、新規学童クラブの開設に対する支援などを強化することで、新たに生じる学童保育のニーズに対応していきたいと考えております。



【答弁2-7】

次に、学童保育希望者数の急増に対して、どのように対応するのかというご質問を頂きました。

多くの児童が学童保育の待機児童になることは、児童の健全育成の観点から回避しなければならない事態であると認識していますので、他の公共施設等の利用なども含めて検討していきたいと考えています。



教育長の答弁

次に学童保育希望者数の急増に対して、どのように対応するのかについてご質問を頂きました。

希望者の急増にあわせて学童クラブを希望する全ての児童を受け入れることは難しい面もあると考えておりますので、今後そのようなことに対しては、こども育成部と調整して検討してまいりたいと思っております。



市長の答弁

【答弁3-1】

続きまして、アルコール健康障害対策基本法の施行を受け、横須賀市の『健康増進計画』を改定すべきではないかというご質問を頂きました。

飲酒が引き起こす問題は多く、アルコール健康障害対策の重要性は認識しています。

『横須賀市健康増進計画』には、生活習慣病予防など健康づくりを目的とした計画となっていまして、アルコール健康障害対策基本法に示されたアルコール関連問題の予防をする為にも啓発活動等に取り組んでまいります。

【答弁3-2】

次に、法の理念を全庁的な取り組みで実現すべきではないかというご質問を頂きました。

アルコール健康障害対策基本法の理念に鑑み、必要に応じて関係部局と連携をはかってまいります。


【答弁3-3、答弁4-1,4-2】
次に、民間団体への支援をより一層充実させていくべきではないか、およびあらゆる薬物に対する対策の必要性に関する2問、計3問のご質問については健康部長から答弁をいたします。



健康部長の答弁

私からは7つのご質問についてお答えをさせて頂きます。

【答弁3-3】

まずアルコール関連問題について、民間団体への支援をより一層充実させていくべきではないか、とのご質問を頂きました。

『家族相談』についての相談支援の重要性は認識しております。

保健所においても、本人および家族の相談支援を実施していまして、今後も継続してまいります。

→この市長・健康部長の答弁に対するフジノの再質問はこちら



【答弁4-1】

次に、『危険ドラッグ』をはじめとする薬物に関する包括的な相談先を設置すべきではないかとのご質問を頂きました。

保健所において、電話やメールによる相談をはじめ、面接相談などを実施しています。

また、必要に応じて、他の専門機関への紹介を行なっていきます。



【答弁4-2】

次に、『危険ドラッグ』にかかる本市独自の取り組みについて関係機関と協力して検討していくべきではないかとのご質問を頂きました。

『危険ドラッグ』についての取り組みは、『神奈川県薬物濫用防止指導員協議会横須賀支部』と協力して、啓発活動や薬物濫用防止教室などを行なってまいります。

市長が答弁したのは、2014年度予算にも計上されている「横須賀市唯一の薬物対策予算」で8万円の補助

市長が答弁したのは、2014年度予算にも計上されている「横須賀市唯一の薬物対策予算」で8万円の補助




(→この市長答弁に対するフジノの再質問はこちら)



市長の答弁

【答弁5-1】

次に、エボラ出血熱をはじめとする感染症の発生時における米海軍基地内での具体的対応について、ご質問を頂きました。

『在日米軍と日本の衛生当局間における情報交換に関する日米合同委員会合意』に基いて、相互に通報することを確保しています。

また、米軍は日本側と問題意識を共有していまして、万全を期しているとした説明を外務省が受けていると聞いています。




【答弁5-2、5-3】次に、米海軍横須賀基地内の感染症指定医療機関について、および米海軍横須賀基地内での感染症発生事案の際の対応については、健康部長から答弁をいたします。



健康部長の答弁

【答弁5-2】

次に、米海軍横須賀基地の中には、日本の第一種感染症指定医医療機関等と同様の病院施設はあるのか、とのご質問を頂きました。

基地の中には、感染症患者を隔離できる施設があると聞いております。

【答弁5-3】

次に、基地内でエボラ感染もしくは疑似症が発生した場合、米軍から本市に速やかに情報提供はなされるのか、とのご質問を頂きました。

米海軍横須賀基地内でエボラ出血熱の患者や疑似症患者が確認された場合には、日米合同委員会合意に基づき、ただちに通報が行われることになっています。



市長の答弁

【答弁5-4】

次に新型インフルエンザについて、米軍と本市の間でガイドラインやマニュアル等整備しているかとのご質問を頂きました。

今後、米軍との具体的な対応方法や連絡体制関係を含めたガイドラインを整備していきたいと考えています。




【答弁6-1】次に、新型インフルエンザ等感染症に対する危機管理体制の早期確立の必要性についての2問のご質問については、健康部長から答弁いたします。

私からは以上です。



健康部長の答弁

【答弁6-1】

次に、市内の診療所および病院の『診療継続計画』作成状況を把握しているのか、とのご質問を頂きました。

市内の診療所および病院の診療継続計画作成状況についてですが、昨年度末までに市内医療機関及び薬局等の191ヶ所の診療継続計画を作成しています。

【答弁6-2】

次に、診療継続計画の作成状況が進んでいないのであれば、医師会の協力も得ながら、市としても作成支援の取り組みを進めるべきではないか、とのご質問を頂きました。

平成25年12月には、医師会のご協力を得て、医療関係者向けに診療継続計画作成に関する説明会を実施しましたが、今後も医師会のご理解とご協力を得て、実施してまいります。

以上でございます。



*ここからは一問一答方式での質疑となります*




フジノの再質問:エボラ出血熱等に対する米海軍横須賀基地の対応

市長・教育長、ご答弁ありがとうございました。

では、順番はバラバラにお願いします。

まず、『エボラ出血熱』について議論をしたいと思います。よろしいでしょうか?

まず「米軍基地内は国外である、という扱いになる」というふうに伺いましたが、これは本当にそうですか?



健康部長の答弁

はい、あくまでもこちら側が立ち入りを行なっていくというのではなくて、『日米合同委員会』の合意に基いて相互に情報を交換するということでございますので、国内と同じ取り扱いではございません。



フジノの質問

そうすると、米海軍横須賀基地内には『第一種感染症指定医療機関』にあたる、神奈川県内で言えば、横浜市立市民病院と同じような施設がある。その中で対応する。

それでも対応できなければハワイに移送する、ということでよろしいんでしょうか?



健康部長の答弁

まず、施設については「感染症の方を収容する施設がある」というふうに聞いております。いわゆる「陰圧に維持ができるというような施設がある」と聞いております。

ただ、『治療』につきましては、なかなか国内と同じレベルに行けるかどうかというのは分かりませんので、その状況に応じて、また連絡を取り合って、場合によっては神奈川県の『第一種指定感染症医療機関』である横浜市立市民病院の方に移送することもありえるかと思います。



フジノの再質問

健康部長もすでにご存知かと思うのですが、在日米陸軍基地キャンプ座間においてはエボラ出血熱の疑い患者の発生をが想定した情報伝達および実動訓練をすでに行なっております。

フジノが「神奈川県感染症対策協議会」を傍聴して入手した資料より

フジノが「神奈川県感染症対策協議会」を傍聴して入手した資料より


『キャンプ座間』において、在日米陸軍医療局と神奈川県・厚木保健福祉事務所・相模原市保健所・神奈川県警本部・横浜市立市民病院、そして民間救急サービス、と。

「平成26年度キャンプ座間エボラ出血熱対策患者搬送訓練実施結果」→この資料を市には事前にフジノは教えてあげなかったから市長は知らなかったかもしれません。

「平成26年度キャンプ座間エボラ出血熱対策患者搬送訓練実施結果」→この資料を市には事前にフジノは教えてあげなかったから市長は知らなかったかもしれません。


横須賀は、これはやらないんですか?

練習も情報伝達の訓練も行わないんでしょうか?



市長の答弁

現状そのような話はございません。



フジノの質問

今回の問題でハッキリさせたいのは、『保健医療対策協議会』の場でも出たんですが、「米軍は世界最強の軍隊だから何でもできるだろう」という『思い込み』で対応してしまっている。

でも、ひとつの陸続き。そしてその基地の中にはみんなが日本人も外国人も関係なく日常的に交流をしている。

その中で、繰り返し申し上げましたが、二次感染の対策こそが必要な訳で、症状もしくは疑似症状が出た場合には即刻情報提供がなされなければならない。

その情報提供については安心がまずできました。

「必ず情報を頂ける」ということ、それから、「ガイドラインも整備しつつある」ということが分かりました。

ただ、移送状態等が「国外と同じ扱い」と言いながら、同じ在日米軍で、まあ陸軍と海軍の違いはありますが、すでに陸軍の方では国内のフロー図と同様にどのような形で、キャンプ座間の場合は横浜市立市民病院に運ぶ想定で訓練をしております。

「エボラ出血熱の国内発生を想定した対応フロー図」神奈川県感染症対策協議会・資料より

「エボラ出血熱の国内発生を想定した対応フロー図」神奈川県感染症対策協議会・資料より


横須賀基地からであっても、やはり先ほど健康部長がおっしゃったように「治療のレベルはよく分からない」と言うことなので、もしかしたら米海軍基地から保健所に通報があり、保健所から神奈川県あるいは横浜市立市民病院、国立感染研を通して厚生労働省に連絡が行って、最終的には民間救急サービスで横浜市立市民病院に運ばれるかもしれない。

しれないならば、やっぱり訓練も必要じゃないかと思うのですが、そういう話は一切出ていないんでしょうか。



市長の答弁

今の段階では出ていません。



フジノの質問

ぜひこれは必ず神奈川県の健康危機管理の担当部署と協議をぜひして頂きたいと思います。問い合わせだけでもぜひして頂きたいと思います。

我々、素人ですから…陸軍はどこかのエボラ出血熱の出る国へ派遣されているのかもしれない、ただ、在日米海軍についてはそうじゃないのかもしれない、だから訓練はいらないと思っているのかもしれない。

いずれにしても現状ではそういう『事実』は分からないままに、こちらで勝手に想像して「まあ大丈夫だろう」という形に専門家的になんとなく安心してしまっている。

でも、素人である市民のみなさまからしたら、在日米軍、かたや座間では訓練を実施している、かたや横須賀では何もやっていない上に「国外と同じ扱い」だという言いっぱなしのやり方では、安心は決して得られないと思うんです。

在日米海軍横須賀基地についてはどうしていくのか、ガイドラインも作っているところですし、日常的に協議の場があると思うんです。

どういうふうに対応するのか、神奈川県を通して、あるいは基地対策課を通じて、横須賀市と米海軍横須賀基地の感染症対策、特にエボラ出血熱などの具体的な対応、フローを再度確認して頂きたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。



市長の答弁

ぜひ確認をしてみたいと思います。



フジノの質問:新型インフルエンザ等対策

ありがとうございます。

続いて、新型インフルエンザ等感染症への対策についての質問に移ります。

健康部長から、市内191ヶ所が…これは診療所・病院・薬局というふうに伺いましたが、作成をしているというふうに伺いました。

これは何機関中の191ヶ所にあたるんでしょうか?

ご答弁お願いします。



健康部長の答弁

内訳はですね、診療所が318ヶ所中75ヶ所、病院が11ヶ所中11ヶ所、薬局が181ヶ所中100ヶ所、その他として訪問看護ステーション5ヶ所が作成済みだというふうに聞いております。



フジノの質問

これは、作成率は何%にあたりますか?



健康部長の答弁

約37%というふうに思います。



フジノの質問

『BCP』作成が『政府行動計画』で定められてからもうだいぶ時間も経っています。

日本医師会による「作成例1.無床診療所における診療継続計画」より

日本医師会による「作成例1.無床診療所における診療継続計画」より


実際の『BCP』っていうのは、A4用紙1枚おもてうらぐらいで大丈夫。

日本医師会ホームページより

日本医師会ホームページより


日本医師会のホームページを見れば、作成の為のアドバイスキットもアドバイスマニュアルも出ている。

日本医師会ホームページの「新型インフルエンザ等発生時の診療継続計画手作りの手引き」のコーナー

日本医師会ホームページの「新型インフルエンザ等発生時の診療継続計画手作りの手引き」のコーナー


もう1度今まで自分たちがやってきたことを確認する」っていう、そういう意味合いで決しておおがかりなものでは無い訳です。

それがまだ37%しかできていないというのは、じゃっかん不安を感じます

先日情報を出していただきましたが、インフルエンザはすでに横須賀も『流行期』に入ったという報告を受けました。

神奈川県全体でも同じように流行の兆しありということで昨日報告を受けました。

前日の神奈川県によるプレスリリースより

前日の神奈川県によるプレスリリースより


今回の流行は通常のインフルエンザかと思いますが、県では鳥インフルエンザの検体の検査を昨日行なったという発表もあります。

新型インフルエンザはいつ起こってもおかしくない、というふうに僕は考えています。

ですから、一刻も早くこの作成率を上げていく必要があると思うんですが、今後の見通しどんなふうにお考えですか?



健康部長の答弁

実は、この『診療継続計画』というのは、まず新型インフルエンザの発生した時にワクチンを接種するということで『特定接種』というものがございまして、病気にかからずに従事していかねばならない優先度の高い人たちに対して接種をしていくというものがございます。

これとのいわゆるセットといいますか、申請する上で出さなければいけないということにまずなっています。

そういう意味で、医療機関の診療科目によっては発生時には『休診』してしまうというような所もございまして、なかなか高まっていないということもございます。

その申請についてですね、厚生労働省の方で今年度、受けることになっているのですが、それがまだちょっとハッキリ進んでいないという状況がございます。

これと併せてまた医療機関に対して指導をしていきたいというふうに思っております。



フジノの質問

診療科目との関係で休診してしまう所もあるということで分かりました。

お聞きしたいのは、まぁ、「リハビリを専門にしている病院にBCPを今回お願いするというのはちょっと違うな」と思っています。

また、そういう所に通っているご高齢の方々でインフルエンザが見つかるということもあるかもしれません。

ただ、まず一般的な内科やかかりつけ医については、全てクリアする、と。

これを1~2年以内にクリアする

そういったある程度の重要な所については優先的に進めていって頂きたいと思うのですが、いかがでしょうか?



健康部長の答弁

今、藤野議員がおっしゃいましたようにですね、やはり内科とかそういった所が一番重要になってくると思いますので、状況を見ながら指導していきたいというふうに思います。



フジノの質問

ありがとうございます。

今インフルエンザは本当に広まっていますので、市長も昨日お風邪を引いておられたようですし、ぜひみんなで手洗いうがいするだけでだいぶ防げるものですから、予防を進めていきたいなというふうに思っていますし、一緒に啓発活動を頑張っていけたらなと思っています。

新型インフルエンザではなくともインフルエンザは非常に重篤なものですので、感染症対策を一緒に頑張っていけたらなと思います。よろしくお願いします。



フジノの質問:危険ドラッグ対策

続いて、『危険ドラッグ』について伺います。

残念ながら「(市長と)危機感はあまり共有できなかったな」というのが正直なところです。

「もしかしたら今回の僕の質問っていうのは『問題提起』で終わってしまうのかなぁ」と非常に残念な想いでいます。

あえてですね、刺激的な言葉に聴こえたかもしれないのですが、

  • 横須賀市の市役所のそばのビルで売買している可能性が極めて高い
  • そのビルに済んでおられる方は、横須賀警察署にも連絡をして、防犯カメラを自分たちで設置をしている
  • けれどもその防犯カメラの向きも変えられてしまったり、あるいはタオルをかけられてしまっている
  • 今の法律の中では、警察にしてもなかなか検挙する訳にはいかない
  • そのマンションの前に車が横付けにされて、その車内で『危険ドラッグ』を使われて交通事故でも起こされて巻き込まれたらたまらない

そういう想いの市民の方から今回ご相談を頂きました。

それに加えて今回非常に深刻なのは、ふつうの覚せい剤や大麻であれば、カンタンに若者には買えない金額なんです。

しかし『危険ドラッグ』については千円札1枚持っていれば買えてしまう。本当に安い。

ですから、先日も『国立精神・神経医療研究センター』薬物依存研究部の心理社会研究室長の嶋根卓也さん。

一番わが国で『危険ドラッグ対策』について詳しい方だと思うんですけれど、親しくさせて頂いているので勉強させて頂いているところなんですが

『中学生に行なった調査』で「危険ドラッグ利用率が果たしてどれくらいあるだろうか」という調査を行なったものがあります。

「国立精神神経医療研究センター薬物依存研究部」のウェブサイトより

「国立精神神経医療研究センター薬物依存研究部」のウェブサイトより


パーセンテージが出ているんです。

飲酒・喫煙・薬物乱用についての全国中学生意識・実態調査

飲酒・喫煙・薬物乱用についての全国中学生意識・実態調査


市長、ごめんなさい。クイズ形式はお嫌いだと思いますが(前回9月議会でフジノは市長をクイズ形式で質問攻めにしました)

中学生のだいたい何パーセントが『危険ドラッグ』に手を出したことがある、というふうに自己申告をした、とお考えになりますか?



市長の答弁

分かりません。



フジノの質問

信じられない数字なんですけれど、0.2パーセントにも及ぶんですよ。

報告書より

報告書より


つまり、500人の学校であれば1人は『危険ドラッグ』に手を出している。

しかもこの調査のやり方というのがものすごいやり方で、学校の教室の現場でホームルームの時間に学校の先生が「匿名で良いから書きなさいよ」と。誰が本気で書きますか?「『危険ドラッグ』をやっている」という選択肢に生徒が自分で丸を付けるんです。

先生が見ている前で、よく0.2パーセントも正直に丸を付けてくれたなと思うんです。

だからもしも、もっとフリーな状況で調査をしていれば、調査は本当に難しいと思うのですけれど、やったならば0.2パーセントじゃ済まないんじゃないかなというふうに僕は思うんです。

いろいろな角度からこの問題を取り組まなければならないと思うんです。

中高生への蔓延を絶対に防ぐ。

それから『防ぐ』だけではなくて、もう手を出している、もうこれだけ蔓延しているのだという前提で、『規制』や『検挙』、それから『治療』は病院とかに任せましょうと。

じゃあ、「私たち横須賀市は何ができるか」と言ったら、やっぱり『逮捕』とか一切関係ない状況で、「匿名でいいから」「1回手を出してしまった、もう1回やりたい」という相談を聞ける窓口をぜひ作るべきだと思うんです。

先ほどの答弁で「今も保健所健康づくり課の中に相談窓口がある」という話があったと思います。

僕もその存在を知っていますが、どれだけその存在をアピールできているでしょうか。

「横須賀」「危険ドラッグ」とGoogleで検索した結果

「横須賀」「危険ドラッグ」とGoogleで検索した結果


「横須賀」「危険ドラッグ」とインターネットで検索すると、出てくるのは『相談窓口』とは全く関係ない話ばかりです。

「横須賀」「危険ドラッグ」とYahooで検索した結果

「横須賀」「危険ドラッグ」とYahooで検索した結果


11月の殺人事件の話ばかりです。

一体どうやったら、保健所の相談電話番号にたどりつけるのか?

だから、やはり横須賀市は『危険ドラッグ』の相談を受けているならば、「『危険ドラッグ』の相談を受けています」とドンドン宣伝する

「匿名で結構です」「逮捕されることはありません」「ぜひうちに相談に来て下さい」と。

たぶん、共通の誤解があるのですが、『危険ドラッグ』とか薬物・アルコール依存症の治療って医療機関がやっても効果はあまり無いんです。

正直、ダルクとかNAの方がいい。

さらに、これは『SMARPP(スマープ)』というせりがや病院で開発したワークブックなんですけど(*市販しているので誰でもAmazonで買えます)、これを、自分で4週間書いたりしながらやるだけで、それだけでもかなり効果があるんです。

SMARPPに自分で取り組めるワークブック

SMARPPに自分で取り組めるワークブック


ですから、依存症からの回復って『GAYA横須賀』さんとか『横浜ダルク』さんに、医療機関も投げてるんですよ、正直なところ。

「医療機関の役目っていうのは、『ダルク』や『NA』につながるまでの『間つなぎ』だ」

ということを、わが国の薬物依存研究のトップが言っている。

そんな状況なんですよね。

だから、警察の『規制』なんてのはイタチごっこが永遠に続くと思います。これからも残念ながらも続くと思います。県が条例を作ったとしても同じだと思います。

ですから、県の精神保健福祉センターと連携をしながら。そこにも相談窓口はあります。せりがや病院に行こうとしても初診3ヶ月待ちで行かれないならば、

「相談したい」と思った瞬間に絶対に逃さない、絶対につなげる、というような形を横須賀市でやってほしいんです!

僕らが思っている以上に『危険ドラッグ』は蔓延している。

その危機感を共有して、横須賀市でできることは一体何かっていうことをぜひ検討していただきたいと思うんです。

少なくとも『GAYA横須賀』あるいは『横浜ダルク』の横須賀の状況に詳しい人の話を聴いて、今のままで良いのかということだけは一緒に検討していただきたいと思うのですが、市長、いかがでしょうか?



市長の答弁

この薬物の濫用は、年齢の低い世代にも蔓延をしてしまう。

特に、義務教育の年齢にも広がっていくというのは大変憂慮すべき事態である、と思っていますので、基本的には『神奈川県薬物濫用防止指導員協議会』の『横須賀支部』を中心に、その横須賀市の相談窓口等も周知を図っていきたいと思います。



フジノの質問

もう1つだけ文章をご紹介させて下さい。

『危険ドラッグ』を包括的に規制する条例案を全国で最初に提案した鳥取県知事のお言葉なんですけれども

「全国に先駆けて条例案を提案しましたね」というインタビュアーの問いかけに対して、「国からは何やってるんだというような言葉もあった」と。

「けれども、やはり目線をどこに置くか」と。

「小さい自治体での現場での常識・価値観に立って、机上で作られた制度を変えていこう、活力を生み出していこうと本気で話しあえば、霞ヶ関の官僚にも負けません」と述べているのです。

僕、横須賀にも全く当てはまると思うんです。

横須賀が生み出した政策が、例えば『こんにちは赤ちゃん事業』にしても、全国に広がっていったことがたくさんあると思うんです。

『危険ドラッグ』の対策・支援についても『横須賀モデル』が市区町村レベルの自治体の全国モデルになってほしいと思っているんです。

ですからぜひ取り組みを強く進めていただきたいと思います。

これは指摘にとどめますので、ぜひお願いします。

続いて、『啓発活動』については今も十分やっては頂いている、と思います。

「ダメ!絶対!」というスローガンでやっているけれども、今、日本の『危険ドラッグ』に限らず、アルコール依存症についても薬物依存症についても「ダメ!絶対!ではダメ、絶対」というふうな方針転換が行われつつあります。

決して皮肉ではなくて、アイドルが「ダメ!絶対!」と言っているポスターを観て、誰が薬物やるのやめますか?

っていうことをやっと国も気付き始めた。

だからもっと実効性ある対策をやっていっていただきたいと思うんです。

今まで一生懸命街頭に立って「ダメ!絶対!」のキャンペーンをやってきて下さったみなさんには本当にこころから感謝を僕は申し上げたいと思います。

でも、目の前の危機に対応するやり方は、『啓発』の他にもあるんだ、ということを僕はあえて申し上げたいと思います。

市長のご感想をお聴かせ下さい。



市長の答弁

薬物、特に依存ともなれば、「ダメだ」と分かりながらも手を出さざるをえない状況が生まれてしまうと。

そういう中で、キャッチフレーズひとつではありますけれども、確かに訴求力は薄いかもしれないなというふうに思いました。

このキャッチフレーズを広めることが目的ではなくて、やはり適切な相談機関につなげるということが一番大事なことですので、啓発の際には意識してやっていきたいと思います。



フジノの質問:アルコール関連問題への再質問

続いて、アルコールについて伺います。

「必要に応じて連携する」とか「保健所の相談窓口も継続していく」というご答弁がありました。

しかし全庁的に連携をするのが「必要に応じて」って、『法』が施行されたので「まさに今が必要な時だ」と思うんですけれども、違うんでしょうか?



市長の答弁

この『アルコール健康障害対策基本法』という中で、市として今、『健康増進プラン・食育推進プラン』の中でも『飲酒』については重点目標として『知識の普及』ではありますが、定めながら行なっておりますので、まずはその活動を積極的に進めていきたいと思っています。



フジノの質問

ここに『健康増進プラン』の現物がありますけれども、やっぱり『健康教育事業』『青少年教育相談事業』『学校保健関係指導事業』『周産期支援事業』、これだけでしか対応を現在していないんですね。

『アルコール健康障害対策基本法』で指定しているのは、もっと広い範囲なんです、社会問題も含めた。

『横須賀市保健医療対策協議会』の今後のスケジュール案を頂いたんですけれども、どこにも『アルコール健康障害対策基本法』についての記述が無いですね。

「必要に応じてメール等ワーキング開催」とありますので、まさに「今が必要な時」だと僕は考えていますので、『保健医療対策協議会』の俎上に議題としてあげていただきたい。ぜひ検討して頂きたいと思いますが、いかがでしょうか?



市長の答弁

ぜひ内部でよく議論したいと思います。

(これ以降の市長・教育長の答弁、フジノの再質問などは後日掲載いたします)