藤野英明です。よろしくお願いします。
1.自殺対策の徹底的な強化の必要性について
(1)2014年の本市の自殺による犠牲者数急増に対する市長の原因分析について
内閣府が自殺による犠牲者数の最新の速報値を発表しました。
その結果、2014年、「全国では5年連続減少」、「神奈川県でも3年連続減少」となったにもかかわらず、「本市」の場合は残念ながら前年比12名も犠牲者が増えました。
しかもこれは速報値の為、最終的にはさらに増加する見込みです。
これは2000年の犠牲者数と同じ値で、これまでの約10年間の努力が無に帰してしまったような深い失望感と怒りを覚えました。
【質問1】
本来ならば減少傾向にあったにもかかわらず、この大幅な犠牲者数の増加について、その原因を市長はどのように分析しているのでしょうか。
市長なりに丁寧に分析して、その具体的な見解をお答え下さい。
(→市長の答弁へ)
(2)本市自殺対策の効果をPDCAサイクルで検証可能とする体制づくりの必要性について
毎年の対策がどれだけ実施されどのような効果を上げたのか、本市では自殺対策の行政評価が全く行なわれておらず、『PDCAサイクル』が回せる体制になっていません。
一方、県内各市では取り組みの効果を検証可能とすべく、自殺対策の行政計画を作成し、評価の体制作りも行なっています。
【質問2】
本市もこれらを参考に、自殺対策推進の為の計画策定と共に明確な評価体制を新たに作るべきではないでしょうか。
(→市長の答弁へ)
(3)自殺に追い込まれた犠牲者の要因を把握し、有効な対策を取る為に「心理学的剖検」を実施する必要性について
保健所が持つ「死亡小票」と国から提供される自殺に関する統計データだけでは、犠牲者の方々が何故自殺へと追い込まれてしまったのか、原因が全く把握できません。
これまで何度も提案してきたにもかかわらず、本市は、具体的に何故自殺へと追い込まれたかの調査を現在まで何も行なっていません。
原因調査を怠っている本市の責任は極めて大きいです。
自殺の背景が全くわからないままに万人向けの対策を行なってきたこれまでの体制では、これ以上犠牲者を減らすことはできません。
【質問3】
したがって、本市の自殺による犠牲者の方々の生前の状況を正確に把握し、有効な対策に生かすべく、『心理学的剖検』を実施していくべきではないでしょうか。
(→市長の答弁へ)
(4)自殺に追い込まれる犠牲者をさらに減少すべく、司令塔である「自殺対策連絡会」のメンバーを大きく変更する必要性について
2006年にスタートした『自殺対策連絡協議会』は、2013年に名称を『自殺対策連絡会』に変更しましたが、「委員構成」はあくまでも「支援を提供する側」だけにとどめられ、変更は全くありません。
本市の犠牲者数を10年間で約2割程減少することには成功したものの、犠牲者70~80人台の壁を打ち破る為には、新たな対策が必要です。
これまでも提案してきましたが、実質的な司令塔であるこの『連絡会』のあり方をまず変えねばなりません。
【質問4】
ア 「支援を提供する側」に限定した現在の「委員構成」を変えて、新たに「当事者」「支援を受ける側」も委員とすべきです。
県・政令指定都市の自殺対策の会議には、こうしたメンバーが参加していますし、本市が僕の提案をかたくなに拒否し続ける理由はありません。
特に、自死遺族の方々やいわゆるサバイバーの方々を加えるべきではないでしょうか。
また当然ながら、公募委員として市民も入れるべきではないでしょうか。
(→市長の答弁へ)
【質問5】
イ 「支援を提供する側」にも新たな委員を加えるべきです。
具体的には、報道機関・宗教者・小中学校校長会・私立学校の関係者・鉄道事業者などを新たに加えるべきではないでしょうか。
(→市長の答弁へ)
(5)「横須賀こころの電話」開設時間帯の拡大に伴う、相談員及び相談者をケアする十分な対応の必要性について
本市の自殺犠牲者の減少に大きく寄与してきた『横須賀こころの電話』が10周年を迎えました。
これまでは平日17~24時、土日祝日9~24時を相談時間としてきました。
しかし、2015年度からは予算の増額も無いままに、新たに深夜から引き続き朝6時まで開設時間を拡大する日が毎月1回実施される予定です。
これは、現場の実態や相談員の負担を全く理解しない取り組みで、本市は極めて無責任です。
2010年10月に実施した『事業仕分け』でも指摘されたように、電話を受けるボランティア相談員の方々の心のケア体制を充実させること、もしくは専門家をスーパーバイザーとして配置することが無ければ、
単に長時間開設が1日実現するだけで、むしろ「電話をかける側」にも「電話を受ける側」にも有害なものになりかねません。
【質問6】
ア 本市は、僕の指摘や事業仕分け時の意見をどう検討し、2015年度の時間拡大の結論に至ったのでしょうか。
(→市長の答弁へ)
【質問7】
イ 本市は今後、毎月その取り組みの様子を委託先であるNPOから丁寧にヒアリングし、必要があれば、市は全面的に支援していくべきではないでしょうか。
(→市長の答弁へ)
(6)自殺未遂者支援に取り組む『生きる支援相談員』の増員及び常勤化の必要性について
2010年に横須賀共済病院の協力によってスタートした本市の自殺未遂者支援は、2014年12月から新たにうわまち病院を加えて2病院体制となりました。
このことは、高く評価したいものの、実際に自殺未遂者を訪問し、未遂者とそのご家族を支援する精神保健福祉士資格を持つ本市保健所の『生きる支援相談員』が1名のみ、かつ非常勤、という現在の体制は不十分だ、とかねてから指摘してきました。
【質問8】
2病院体制となったことも含めて、自殺未遂者とそのご家族に継続的かつ丁寧な支援を提供できる体制とすべく、『生きる支援相談員』を常勤化および増員配置すべきではないでしょうか。
(→市長の答弁へ)
(7)児童生徒の自殺予防教育として神奈川県が実施している『出前講座』を本市も積極的に活用する必要性について
県では教育委員会と私立中学・高等学校協会を通して、県内小中高校で自殺対策の「出前講座」を実施しています。参加者の感想を読むと非常に有効に機能しています。
2014年度は12月現在、県・川崎市・相模原市で合計14回735人が受講しましたが、本市の学校は1校も含まれていません。
【質問9】
ア なぜ、これまで本市教育委員会は、この『出前講座』を活用してこなかったのでしょうか。
(→教育長の答弁へ)
【質問10】
イ 本市教育委員会もこの『出前講座』を積極的に活用するよう、公立・私立を問わず市内の学校に求めていくべきではないでしょうか。
(→教育長の答弁へ)
(8)本市の「心の健康手帳」の活用状況、野比東小学校の先駆的な取り組みを全市に拡大する必要性について
2011年4月から『新学習指導要領』が全面実施となり、小中高校それぞれの発達段階において「心の健康」の単元化など体育科の保健領域を初め、取り組みがさらに充実されました。
こうした中、本市では野比東小学校が5年生から実施している冊子「心の健康手帳」「心もっとほっと!!」「ハートチェックシート」を活用し、こどもたち一人一人がみずからのストレスを見詰めるとともに、そのストレスへの対処を考えていく取り組みが大変に有効ですばらしいと僕は感じています。
児童生徒の心の健康を守る取り組みとして全市に広めていくべきだと考えますが、3点、伺います。
【質問11】
ア 「心の健康手帳」と同様の取り組みは、市内全ての学校が実施しているのでしょうか。
(→教育長の答弁へ)
【質問12】
イ 各学校は、どの程度の頻度で、「心の健康」に関する取り組みを実施しているのでしょうか。
また、その具体的な取り組みをいくつかご紹介下さい。
(→教育長の答弁へ)
【質問13】
ウ 野比東小学校の取り組みのように有効かつ先駆的な取り組みを、市内全域で積極的に実施していくべきではないでしょうか。
お答え下さい。
(→教育長の答弁へ)
2.性的な多様性を保障する為の更なる取組の必要性について
(1)「多様な性、知っていますか?」パネル展示の2年間の効果の分析と、2015年度における開催場所の拡大、特に児童・生徒の目に触れる学校への展示の必要性について
いわゆる性的マイノリティとされる方々のことを正しく理解していただくと共に、多様性が保障される社会こそあるべき社会なのだと広く市民の皆様に啓発する活動として、
本市は2013年度から「多様な性、知っていますか?」パネル展示を実施してきました。
【質問14】
ア 市役所北口玄関ホールと図書館において開催してきたパネル展示2年間の効果を、どのように分析・評価しているのでしょうか。
【質問15】
イ 2015年度は、さらに小中学校・高校・特別支援学校などこどもたちの目にじかに触れる場所にパネル展示を積極的に行なっていくべきではないでしょうか。
また、公共施設については、図書館だけではなく、行政センター・コミュニティセンターを初めとするあらゆる場所への拡大が必要ではないでしょうか。
(2) 10~20代を対象にした「性的マイノリティ当事者の交流会事業」の参加者をさらに増加させる為の、積極的な広報の必要性について
本市は、いわゆる性的マイノリティとされる方々のうち、特に10~20代の自傷行為・自殺未遂・自殺の多さを重要課題と認識し、自殺対策推進事業として2014年度から「当事者の交流会事業」をNPOに委託し、開催してきました。
この『CafeSHIPポートよこすか』は、参加者の満足度が極めて高い、事業効果の大きな、有効な取り組みだと確信しています。
けれども、現在の広報手段、広報よこすか・市ホームページへの掲載、ツイッターでの発信のみでは、対象である10~20代へ情報が届いていません。
どれだけ重要な取り組みを実施しても、知られなければ実施していないのと同じです。
これまでも何度も教育委員会と議論を重ねてきましたが、改めて広報手段について改善を提案します。
【質問16】
ア 参加対象である10~20代の方々にもっとじかに情報を伝える広報手段が必要ですが、市長はどうお考えでしょうか。
具体的には、青少年関係の取り組みを行なっている様々な団体への周知を初め、町内会・自治会の掲示板へのポスター掲示や、子ども会関係者に周知すべきではないでしょうか。
また、いわゆる性的マイノリティとされる方々の当事者活動や家族会活動をしているNPOなどに、積極的に広報の依頼をしていくべきではないでしょうか。
(→市長の答弁へ)
【質問17】
イ 市内学校の校舎内や保健室などへのポスター掲示や生徒・保護者へのチラシ配布の必要性を訴えてきた僕の提案をこれまでずっと教育委員会は拒否してきました。
就任から1年が経つ青木教育長は今、どうお考えでしょうか。
過去の不毛な答弁を繰り返すのではなく、子どもの命と心の健康を守ることが最重要だとの観点から、改めて実現可能性はないのか、ご答弁ください。
(→教育長の答弁へ)
【質問18】
ウ 教育長は、この取り組みが実施されていることを教育委員会委員・学校校長会・人権担当教諭に報告し、理解を求めたのでしょうか。
また、全ての教職員に対してこの取り組みが実施されていることをきちんと説明する機会を持ったのでしょうか。
(3) 2015年度における、全教職員に対する「性的な多様性への理解を深める研修」実施予定の有無について
これまで宝塚大学の日高康晴教授やNPO法人SHIPの星野慎二代表とともに「『性的マイノリティ研修』を全教員に実施してほしい」と重ねて要望してきました。
前問のような取り組みを学校で周知する為には、前提として、そもそも全教職員の正しい理解が必要です。
【質問19】
ア 2015年度は、教育研究所による研修や新たな機会を設けて実施する予定はあるのでしょうか。
(→教育長の答弁へ)
【質問20】
イ 「全教職員に対する研修実施」の必要性について、教育長はどうお考えなのでしょうか。
(→教育長の答弁へ)
(4)「同性パートナー(同性カップル)が現在被っている実質的な不利益や人権侵害をなくす為の対応策」に関するこれまでの検討状況と具体的な取り組みの有無について
渋谷区が『同性パートナー』を「結婚に相当する関係」と認める証明書を発行する条例案を区議会に提出する見込みとなり、全国で賞賛の声が上がっています。
また世田谷区も同様の取り組みの検討を開始、豊島区でも何らかの動きが見られること、東京都知事がこうした動きを歓迎していると記者会見で述べたことなどが連日報道されています。
横浜市のように、今後も追随する動きが全国で起こることでしょう。
本市では、これまで僕が複数回にわたって市長にこうした取り組みの必要性を訴えてきました。
ただ、多くの当事者の方々の声を聞いてきた僕の立場を述べれば、「証明書の発行」そのものよりも、「今この瞬間に受けている実質的な社会的不利や差別的な待遇を即刻解消すること」こそが最優先で求められていると考えています。
実際に生活をともにし、実質的には婚姻関係にある『同性パートナー』は、法的婚姻関係にある異性愛パートナーと比べて明らかに制度的な差別待遇を受けており、人権問題としても極めて深刻な状態です。
先日、本市が開催した『課長職向けの性的マイノリティに関する研修会』においても、講師から「こうした実質的な不利益や人権侵害を市の取り組みとして改善するように」とお話がありました。
【質問21】
ア これまで市長は、『同性パートナー』(同性カップル)が被っている実質的な不利益や人権侵害をなくす為の対応策をどのように検討してきたのでしょうか。
(→市長の答弁へ)
【質問22】
イ そうした検討の結果、2015年度に具体的に実現する見込みの施策や事業はあるのでしょうか。
(5) 本市における「同性パートナーシップ制度の導入」や「結婚に相当する関係を認める証明書の発行」に関する現時点での市長の考え方及び「人権施策推進会議」や「性的マイノリティ関係課長会議と当事者の意見交換会」などの場で検討する必要性について
過去に僕が市議会で提案した「横須賀市役所を訪れた『同性パートナー』を市長の名において祝福してはどうか」に対する市長の答弁は、他自治体や企業での取り組みなどを研究したいとのことでした。
僕の提案は、あくまでも現行の憲法と民法の枠の中においてすぐに実現可能な取り組みでしたが、提案から2年が経過しても何ら動きが見られません。
【質問23】
ア 現在に至るまで本市はどのような研究及び検討を行なってきたのでしょうか。
(→市長の答弁へ)
【質問24】
イ 現在の憲法及び婚姻制度のもとであっても、『同性パートナー』の方々の人権が異性パートナーと同程度に尊重される為に検討が行われるのは当然のことだと僕は考えていますが、市長はどうお考えでしょうか。
(→市長の答弁へ)
【質問25】
ウ 本市における「同性パートナーシップ制度の導入」や、「結婚に相当する関係と認める証明書の発行」の検討の必要性について、現段階では市長はどのようにお考えでしょうか。
(→市長の答弁へ)
【質問26】
エ 本市の「人権施策推進会議」や「性的マイノリティ関係課長会議」において、渋谷区・世田谷区などの先行事例を研究すると共に、定期的に開催している「当事者との意見交換会」で本件に関するご意見を伺うべきではないでしょうか。
3.貧困から子どもを救い出す為の教育を受ける権利を市が保障する必要性について
(1) 2015年度は「横須賀市奨学金」の増額と対象者の増が全く実施されなかった理由について
返済の必要がない給付型の『横須賀市奨学金』の増額と対象者の増を毎年繰り返し訴えてきましたが、2015年度は、金額も人数も増えず、現状維持にとどまりました。
大変に残念なことであると同時に「子どもが主役になれるまち」を標榜する本市の本気度が問われる問題だと厳しく批判せざるをえません。
【質問27】
ア 何故、現状維持にとどめたのでしょうか。
判断したのは教育長でしょうか、市長でしょうか、お答え下さい。
(→市長の答弁へ)
【質問28】
イ 教育委員会では僕の提案を受けて、『本奨学金』を給付された生徒たちの声を集めて分析したはずですが、それはどのような結果だったのでしょうか。
(2)生活保護基準の引き下げに伴う就学援助の2015年度の対応について
【質問29】
生活保護基準の引き下げに伴う就学援助の変更を2015年4月から実施するのでしょうか。
それとも前教育長が答弁したとおり、2015年度も変更せずに現行基準どおりに対応するのでしょうか。
お答え下さい。
4.米軍人・元米軍人との離婚・離別で泣き寝入りに追い込まれているひとり親世帯への支援の必要性について
2014年第4回定例会生活環境常任委員会において、
「本市では米軍人・元米軍人との離婚離別の後に養育費ももらえず泣き寝入りに追い込まれているシングルマザーが多く、
貧困や困難を背負わされていること」
を指摘しました。
市長は『施政方針』において『基地について』という項目をあえて設けて、
「市民の生命・財産を守る立場の市長として、市民生活の安全・安心の確保は当然として、財政的措置や地域振興策についても、今後も政府に対して強く求めてまいります」
と述べました。
この言葉が本心ならば、今すぐ対策をとるべきです。
【質問30】
(1) そもそも「米軍人・元米軍人との離婚・離別によって生活困窮に追い込まれているひとり親」の実態を、本市は把握すべきではないでしょうか。
(→市長の答弁へ)
【質問31】
(2) 本市は米軍に対して今よりも積極的な支援を行なう体制を取るよう要求すべきではないでしょうか。
(→市長の答弁へ)
【質問32】
(3) 2014年第4回定例会・生活環境常任委員会での提案後、本市は関係する部局において情報共有及び何らかの検討を始めたのでしょうか。
(→市長の答弁へ)
【質問33】
そうであれば、具体的に、いつ、どのような取り組みを行なったのでしょうか。お答え下さい。
(→市長の答弁へ)
5.美術館改革について
2014年度中の『美術館の市長部局への移管』は、市長の拙速な進め方が原因で失敗に終わりました。
けれども、2015年度当初予算に改めて「美術館のあり方の検討」が18万5000円計上されました。
その使途は「先進都市の視察、調査、庁内プロジェクトチームでの検討」とされていますが、すでにそれらは全て過去に行われたことばかりです。
【質問34】
(1) これ以上、重ねて一体何を視察し、調査し、検討を行うというのでしょうか。
(→市長の答弁へ)
【質問35】
(2) 市長・教育長は、この「検討のゴール」は具体的に何がどのようになることだと考えているのでしょうか。
明確にご答弁ください。
(→市長の答弁へ)
市長の答弁
ご質問ありがとうございました。
【答弁1】
まず、2014年の自殺による犠牲者数急増に対する原因分析について、ご質問を頂きました。
平成23年以降、自殺による犠牲者数が3年連続の減少となり、自殺対策の施策に一定の効果を実感していましたので、残念な想いでいます。
平成26年中の年代別の自殺者数を比較すると、特に40代が7人、60代が6人と大きく増加し、70代・80代も4人増加となっていまして、高齢者の自殺が増加をしています。
自殺の要因は、社会経済・環境など様々な要因が考えられますが、この結果を受け止めつつ、長期的な対応の視点を持って対応をしていく必要があると考えております。
(→フジノの再質問へ)
【答弁2】
次に、自殺対策の効果をPDCAサイクルで検証可能とする体制づくりについて、ご質問を頂きました。
『自殺対策連絡会』は、24人の構成員からなり、所属する機関の事業について、年2回、事業の実施内容を確認し、情報の共有化を図っているところです。
PDCAサイクルを回すには、明確な評価項目が必要になりますが、何を評価の対象とするか、まずは研究したいと考えています。
(→フジノの再質問へ)
【答弁3】
次に、『心理学的剖検』を実施する必要性について、ご質問を頂きました。
自殺の要因を把握することは重要であると考えています。
『心理学的剖検』の手法を用いた国レベルの調査として、『自殺予防総合対策センター』で実施されています。
本市においても、この結果を参考にした『自殺未遂者の為の介入支援』を行なっています。
この調査は自殺既遂者関係者への面接調査の為、デリケートなものであり、本市での実施の予定はありませんが、相談事例などを通じて自殺予防対策に役立ててまいります。
(→フジノの再質問へ)
【答弁4】
次に、『自殺対策連絡会』のメンバーを変更する必要性について、ご質問いただきました。
『自殺対策連絡会』は市内の関係機関が連携を強化し、現状や課題を踏まえ、自殺対策の情報を共有するため、年に2回開催しています。
今後は遺族や自殺未遂者の方などの話を聞く場を設けることを考えていきます。
【答弁5】
次に、『自殺対策連絡会』の『支援を提供する側』にも新たな委員を加えるべきではないか、というご質問をいただきました。
『自殺対策連絡会』は、平成25年度から新たに横浜弁護士会の横浜支部・神奈川県司法書士会横須賀支部・横須賀市薬剤師会を構成員に加え、現在年2回、24人のメンバーにより開催し、幅広い視野で検討を行なっています。
今後も構成員についてはどのような方々に加わっていただくことが効果的な自殺対策につながるか、検討してまいります。
【答弁6】
次に、『横須賀こころの電話』の開設時間帯の拡大について、ご質問をいただきました。
来年度には『事業者からの申し出』により、月1回、深夜時間帯の24時から6時までを増設し、夜間のニーズの有無や必要性などを検証していきます。
この結果も含めて、『横須賀こころの電話』の在り方について検討してまいります。
【答弁7】
次に、『横須賀こころの電話』の取り組みについて、必要があれば全面的に支援をしていくべきではないか、というご質問をいただきました。
実施状況については、委託事業者へのヒアリングを行ない、今後の取り組みについて検討していきたいと考えています。
【答弁8】
次に、『生きる支援相談員』の増員及び常勤化の必要性については、健康部長から答弁をいたします。
健康部長の答弁
私からは、自殺未遂者支援に取り組む『生きる支援相談員』の増員及び常勤化の必要性についてお答えいたします。
『生きる支援相談員』は、平成26年度までとする『地域自殺対策緊急強化事業』として、今年度まで10分の10の補助割合の中で、『生きる支援相談員』を非常勤として雇用しています。
来年度の補助内容が明らかになっていませんが、自殺未遂者対策を初めとする事業には専門職員が必要であるため、引き続き雇用していきたいと考えています。
以上です。
市長の答弁
次に、神奈川県が実施している『出前講座』を積極的に活用する必要性および『心の健康手帳』の利用状況、先駆的な取り組みを全市に拡大する必要性に関する計5問の質問については、教育長から答弁をいたします。
教育長の答弁
【答弁9】
私に頂きました御質問について、まず「何故、神奈川県教育委員会による出前講座を活用してこなかったか」ということについて、お答えさせていただきます。
自殺対策の『出前講座』については、今年度は6月17日に神奈川県教育委員会より関係する文書が届きました。
本市教育委員会では、6月19日付で市立学校全てに案内状を出し、『出前講座』の開催について周知をいたしました。
しかしながら、各学校では既に年間予定が決まっていることもあり、出前講座に対する申し込みはありませんでした。
【答弁10】
次に、「この『出前講座』を積極的に活用するよう市内の学校に求めていくべきではないか」とのご質問をいただきました。
『出前講座』については、自殺予防の取り組みの1つとして前年度中に県教育委員会に依頼して、実施についてのお知らせを積極的に市立学校に周知してまいります。
【答弁11】
次に、『心の健康手帳』と同様の取り組みについてのご質問をいただきました。
『心の健康手帳』は、学習指導要領の保健分野に定められている『心の健康』の授業資料として、『小学校体育研究会』が作成したものです。
『心の健康手帳』や各学校での子どもたちの実態や単元計画を考慮した資料を用いて、市立小・中学校の全てで実施しております。
【答弁12】
次に、『心の健康』に関する頻度とその具体的な取り組み例についてご質問をいただきました。
各学校では、随時、児童・生徒の状況に応じた『心の健康』に関する取り組みを行っております。
また、『心の健康』については、小・中学校の保健分野で取り扱う内容として示されており、小学校5年生、中学校1年生の授業で各4時間程度実施しております。
『心の健康』の授業に関する具体的な取り組みは、議員が挙げられました野比東小学校の事例の他に、不安や悩みの対処方法として、身近な人に相談することや体育分野と関係づけながら、体を動かして気分転換をする授業を武山小学校が実践しております。
また、中学校ではより良い人間関係をつくり、維持していく為に、自分の気持ちを上手に伝える方法として、より良いコミュニケーションの仕方を常葉中学校が実践しております。
【答弁13】
次に、有効かつ先駆的な取り組みを市内全域で積極的に実施していくことについてご質問をいただきました。
野比東小学校の取り組みは、『児童生徒健康・体力向上推進委員会』の『生活習慣担当部会』において、生活習慣改善の為に保健授業を日常で生かすことを目的として実践したものです。
そして、市全体で取り組んでいる『教育課程研究会』や『研究指定校』の発表等で作成した資料などは、全ての市立学校で共有しています。
このように、子どもたちの『心の健康』のために、今後も各校が積極的に取り組んでいけるように努めてまいりたいと考えております。
【答弁14】
性的マイノリティに関する『パネル展示』の効果の分析と評価についてご質問を頂きました。
『パネル展示』はお互いの性の在り方を認め合い、本当の気持ちを言いやすい社会を目指すことを目的に、平成25年度から市役所の展示コーナーや図書館で開催してきているところです。
開催に際しては、広報よこすか、市のホームページ、ツイッターや庁内放送でも周知をしていて、多くの方にご覧いただけたものと受け止めています。
【答弁15】
次に、パネル展示の学校での実施と、公共施設での展示場所拡大についてご質問を頂きました。
パネル展示については、今後も実施することとし、展示場所も拡充していきたいと考えていますが、まずは行政センターやこれまで実施していない図書館での開催を検討してまいります。
【答弁16】
次に、『当事者の交流会事業』の積極的な広報の必要性について、ご質問を頂きました。
当事者のみなさんの交流会である『CafeSHIPポートよこすか』は、広報よこすか、市のホームページ、ツイッターの他、性的マイノリティのパネル展示や、当事者との意見交換会などでも周知してきているところですが、今後も主催者であるNPO法人と相談の上、当事者のみなさんに広く情報が届く手段を検討していきたいと考えております。
次に、『ポスター掲示や生徒・保護者へのチラシ配布の必要性について』から『全教職員に対する研修の必要性について』までの4問の質問については教育長から答弁を致します。
教育長の答弁
【答弁17】
次に、性的マイノリティに関して市内学校の校舎内や保健室などへのポスター掲示や、生徒・保護者へのチラシの配布の必要性について、ご質問をいただきました。
自分の性や体と向き合うことに悩んでいるこどもにとって、『性的マイノリティ当事者の交流会事業』を伝えることは大切である、と認識しています。
これまでも各学校の保健室を中心にポスター掲示を行なったり、養護教諭をはじめとする教員への研修を実施してまいりました。
今後もこれらの活動を継続するとともに、様々な角度からポスター掲示やチラシの配布の在り方について検討してまいります。
【答弁18】
次に、『性的マイノリティ当事者の交流会事業』について、教育委員会委員、学校校長会、人権担当教諭に報告し理解を求めたかどうか。また、全ての教職員に対してこの取り組みが実施されていることを説明する機会を作ったのか、ということについて、ご質問を頂きました。
『性的マイノリティ当事者の交流会事業』については、校長会や人権担当者会議では取り上げております。
また校長会や担当者会で取り扱った内容は、各学校の教職員に伝わっていると認識しております。
今後も民間団体の活動の1つとして、教育委員にも情報提供をすることも考えてまいります。
【答弁19】
次に、2015年度における性的な多様性への理解を深める研修の実施予定の有無についてご質問をいただきました。
2015年度の『夏季研修』の1つに位置づけております『教育課程研修講座』において、性的マイノリティの研修を計画しています。
また、『初任者研修』の中の『人権教育研修』及び教育指導課主催の『人権教育担当者研修』でも計画をしております。
【答弁20】
次に、『全教職員に対する研修実施の必要性』について、ご質問をいただきました。
教職員が性的マイノリティへの理解を深めることは、必要と考えております。
様々な教員研修の機会を捉え、全教職員への意識を高めていきたいと考えております。
市長の答弁
【答弁21】
次に、『同性パートナー』が被っている不利益や人権侵害を無くす為の対応策の検討について、ご質問を頂きました。
本市では性的マイノリティの人権を、平成21年に策定した『横須賀市人権施策推進指針』に人権課題の1つとして位置づけ、取り組みを進めてきているところですが、性的マイノリティに関する人権課題を多くの人に知ってもらうことが『同性パートナー』への不利益や人権侵害を減らすことにつながると考えています。
この為、平成27年度は市民のみなさんや職員に対しても、人権課題としての認識が深まるよう取り組みを進めていきたいと考えています。
【答弁22】
次に、平成27年度に実現する見込みの施策や事業について、ご質問を頂きました。
平成27年度は、性的マイノリティについて人権課題としての認識を市民や職員に周知することに重点を置き、職員向けの研修を実施する他、パネル展示の開催場所の拡充、市民のみなさんを対象とした講演会やリーフレットの作成などを行ない、性的マイノリティが人権課題であることのさらなる周知啓発に努めたいと考えております。
【答弁23】
次に、『同性パートナー』を祝福する取り組みの研究及び検討状況について、ご質問を頂きました。
様々な事例を調べましたが、駐日イギリス大使館においては同性婚の祝福をしていること、民間企業においては同性カップル向けウェディング事業やホテルが同性婚を認めるアピールをしていることなどが分かりました。
また、国内の自治体においては、理解者の証として職員の名札に性的マイノリティの多様性の象徴であるレインボーのマークを付けている淀川区の取り組みなどが見受けられましたが、祝福の事例は見当たりませんでした。
これらの研究を通じて感じたことは、祝福も大切ですが、まずは当事者のみなさんの生きづらさを引き起こしてしまう偏見や差別を無くすことが取り組むべき最も重要な課題であり、その為にも周知啓発の取り組みを進めていかねばならない、そのような認識を持ったところです。
【答弁24】
次に、『同性パートナー』の人権が異性パートナーと同程度に尊重される為の検討について、ご質問を頂きました。
『同性パートナー』の人権を尊重する為にも、まずは性的マイノリティへの理解の促進に務めるべきと考えています。
【答弁25】
次に、『同性パートナーシップ制度』の導入や『結婚に相当する関係と認める証明書』の発行の検討の必要性について、ご質問を頂きました。
これらの取り組みは、とても先駆的であると受け止めていますが、例えば、『証明書』については『証明書』を提示された相手側が性的マイノリティについて正しく理解しているかということがむしろ大切なのではないか、とも感じているところです。
【答弁26】
次に、渋谷区などの先行事例について『人権施策推進会議』や『性的マイノリティ関係課長会議』で研究するとともに、『当事者との意見交換会』でも意見を伺うことについて、ご質問を頂きました。
先行事例につきましては、『性的マイノリティ関係課長会議』で研究する他、当事者のみなさんのご意見もぜひ伺いたいと思います。
【答弁27】
次に、2015年度の『横須賀市奨学金』が拡充されなかった理由についてご質問を頂きました。
『奨学金』については平成26年度から定員を200名に拡充し、高校生に対する就学支援を充実させました。
それにより最上位の認定者は生活保護基準の0.5倍を上回っています。
平成27年度生についても、最上位の認定者は前年度と変わらず、生活保護基準の0.5倍を上回る見込みです。
したがいまして、本市の厳しい財政状況を考えますとさらなる拡充は難しいと考え、私が判断をいたしました。
次に、横須賀市奨学金を給付された生徒たちの声を集めた分析結果及び生活保護基準の引き下げに伴う就学援助の2015年度の対応については、教育長から答弁をいたします。
教育長の答弁
【答弁28】
次に、奨学生からの声の分析結果はどのようであったか、というご質問を頂きました。
以前ご提案を頂きました『奨学金受給者の声を伺う取り組み』については、『奨学金』を申請する時にレポートを提出して頂く形式で、平成25年度から2回、実施いたしました。
そのレポートには、「高校生活を送る上で、この奨学金は大変役立っている」ということが記されており、この制度が有効に活用されていることを裏付けるものとなっております。
【答弁29】
次に、生活保護基準の引き下げに伴う就学援助の2015年度の対応について、ご質問を頂きました。
平成27年度について、本市の就学援助制度の認定基準は引き下げ前の国の生活保護基準を用いる予定の為、引き下げにより影響が出る世帯はありません。
市長の答弁
【答弁30】
次に、米軍人・元米軍人との離婚・離別で生じるひとり親世帯の実態や課題を把握すべきではないか、というご質問をいただきました。
ひとり親世帯の実態の把握は、米軍人の関係にかかわらず、児童扶養手当の申請や現況届でしか把握できないのが現状です。
しかしながら、外国人の配偶者との間で離婚・離別による様々な問題が現実的にあることは承知していますので、『よこすかひとり親サポーターズひまわり』に委託して行っている『ひとり親家庭指導講座』の中で、『外国人との離別、法律相談の講座』を設けているところです。
【答弁31】
次に、支援を行う体制を米軍に対して要求すべきではないか、というご質問をいただきました。
米海軍横須賀基地からは、「原則として軍人等のプライベートに関しては、介入しない」と聞いています。
【答弁32・33】
次に、昨年の第4回定例会における委員会でご提案いただいた件については、市民部長から答弁をいたします。
市民部長の答弁
私からは、12月の市議会生活環境常任委員会で御提案いただいた『米軍人・元米軍人との離婚、離別によって苦しんでいるひとり親に対する支援等の仕組みに対するその後の対応』についてお答えいたします。
委員会後、速やかに全庁的にご提案の内容を共有するとともに、個別に市民部・こども育成部・政策推進部で相談機関の活用状況など、互いの情報の共有を図りました。
根本的な解決を図ることは難しい問題ですが、今後とも問題を抱えたひとり親が孤立することがないよう、関係各部の連携をより深めるよう努めていきます。
以上でございます。
市長の答弁
【答弁34】
次に、美術館改革に関する視察、調査、検討について御質問いただきました。
美術館の運営改革を進めていくに当たっては、引き続き教育委員会で十分な議論をしていただく必要があると認識をしています。
その為には、先進的な取り組みを行っている他都市の美術館の具体的な事例を視察して、調査することも必要と考えて予算化しました。
視察、調査を予定している美術館はサブカルチャーなど、新しい分野の展覧会にチャレンジしているところを考えています。
【答弁35】
次に、美術館改革の検討のゴールについて御質問いただきました。
教育委員会で十分な議論をしていただき、これまで以上に市民に身近で、集客や都市イメージの向上にも資するような美術館の方向性が示されたときと考えています。
私からは以上です。
*ここからは一問一答方式になります*
フジノの質問
市長、その他の部長、教育長、ありがとうございました。
では再質問に入ります。
まず『自殺対策の徹底的な強化の必要性』について伺います。
まず、12名急増した2014年の自殺犠牲者について「残念な想いです」と市長はお答えになりました。
僕からすると『人口流出』が『社会減』で起こることよりも、このまちに暮らしている方々が追い込まれた末に命を奪われてしまうことのほうが大きな意味を持っていると思うのです。
『社会減ワースト1位』の時は「不名誉な事」とかいろんなコメントを尽くしておられましたが、12名については「残念な想いでいます」ということで終わりなんでしょうか。
もう少し想いを語っていただけないでしょうか。
市長の答弁
この「残念」という言葉はあくまでこの自殺対策の施策が、「3年間はしっかりとした効果を出していたにもかかわらず、今回12人増というのが残念」と申し上げただけで、自殺に追い込まれてしまう方々のその命の尊さ、ということを「残念」という言葉ひとことで言い尽くす事は私もできないと思っています。
フジノの質問
『社会減』がワースト1を記録したあと、横須賀市は市を挙げて様々な対策を打ち出しました。
これだけ人口流出に対して過敏に反応できた市長ですから、12名も急増したことに対して『緊急アピール』や何らかの新たな対策を打つというふうにはお考えになりませんか。
打つべきだとお考えになりませんか。
市長の答弁
自殺の原因というのは様々考えられるところですけれども、『自殺者ゼロ』ということに向けてやはり長期的視点に立って対応していかなくてはいけないと、そういうふうに思っています。
フジノの質問
「アピールをするかしないか」をお聞きしました。
お答えください。
市長の答弁
今の段階で何か大きなアピールをするという考えはありません。
フジノの質問
引っ越しによる『社会減』に対しては様々な施策を取り、予算もつけ、けれどもこのまちに暮らしている人が自ら命を絶ったことに対してはアピールもしない、『緊急事態宣言』も出さない。
僕はちょっとおかしいんじゃないかと思います。
それから市長は人口減少の問題について「社会減は止められる可能性がある。自然減についてはまあそうはいかない」みたいな趣旨をおっしゃいました。
自殺というのはどちらに含まれるのですか。社会減と自然減と。
市長の答弁
統計上は自然減のほうに含まれると思いますが、自殺で亡くなられる方をひとりでも減らす、将来的にはゼロにするというのは変わらない目的です。
フジノの質問
『社会減』は市の施策で減らすことができる、『人口減』だって市の施策で減らすことができるじゃないですか。
言っていることがおかしくないですか。
市長の答弁
どの辺がおかしいかおっしゃっていただければと思います。
フジノの質問
毎年100名から亡くなっていて、つまり町内会の何丁目、何丁目というのがひとつずつ消えていっているような状況があるのです。
それを全身全力で、もちろん『政治』にも責任があります。政治と行政が止めていくこと、それは『自然減』を食い止めるひとつの対策でもある、というふうに考えているのですけれども、市長は「自然減は止められない」と。
高齢者の老衰による死亡や癌による死亡以外にも、「100名も自殺によって亡くなっている現状を変える」ということをもって『自然減』を一部食い止めることができる、という発想にはならないんでしょうか。
市長の答弁
ですから「自殺で亡くなられる方を1人でも減らす、そして将来的にはゼロにする」とそういう私は目的・目標を持っていますので、議員のおっしゃるような形で『自然減』を少しでも圧縮することはできると思っています。
フジノの質問
続いて『PDCAサイクル確立のための検討』について伺います。
他都市がこれだけやっている中で、優秀な横須賀市の職員が「研究しなければ行政評価もできない」なんて言うのは、歴代の市長に対して恥ずかしいことだと思います。
実際には基本計画・実施計画の評価の中で『自殺対策推進事業』は事業として入っていますから、若干のコメントはあります。
でもこれをきちんと『評価指標』を立て、そしてその効果を測定していくというのは、やればいますぐできることじゃないですか。
『自殺対策推進事業』、横須賀市はそんなにやっているわけではありません。
合計で10事業ぐらい。それを列挙してその取り組みがどうだったのか。
どれだけ、例えば『横須賀こころの電話』に相談者があったのか。自殺未遂者支援事業、何人だったのか。そういったことの計画を立てて、目標値を立てて、そして効果測定すればいいだけなんじゃないですか。
そんな研究に時間が必要なんですか。
市長の答弁
『効果』というご質問だったので「やはり少し研究が必要だろう」というふうに感じました。
『アウトプット』『アウトカム』という言葉がありますけども、どういう結果が出たのかということについては、PDCAという形で検証することはもちろん可能ですし、現在でも部内ではやっています。
ただ『効果』というご質問の中で考えると、やはり『自殺で亡くなられる方の数』ということ以外に、他の『未遂者の数』ということもあるかもしれませんが、なかなか取りづらい状況があって、「その点について研究が必要だろう」とそういう答弁をしたところです。
フジノの質問
『アウトプット』は『事業の取り組み』です。
で、『アウトカム』は市長が今まさにおっしゃったじゃないですか。
まさに『自殺犠牲者数』、および『自殺未遂者数』ですよ。
これ以上何か他に『効果』ってあるんですか。ゼロにするだけじゃないですか。
市長の答弁
「PDCAサイクルをまわす」という風におっしゃられて、その中で、事業ベースで見た時に、どれだけ効果につながったかということを、全てその『自殺者数』『未遂者数』で判断することができるかどうかというのは、やはりまだ一考に値するところがあるのではないか、と思っています。
フジノの質問
だから『心理学的剖検』をやるのですよ。
どの事業が・どの対策が、意味があったのか。意味がなかったのか。
今の内閣府の公表では分かんないじゃないですか。年齢と性別と職業の有無、それしか書いてない。
「こんなデータじゃダメなのだ!」というのを国に何回も言ってきました、僕は。
市長にも言っていただいたと思います。
横須賀には国との強いパイプが、実際内閣府にありますし、そこで『自殺対策センター』の副センター長にも講演をして頂いています。
そんな中であっても、原因がいつまで経っても分析できるデータが出てこない。
だからこそ横須賀市としては自殺対策のために『心理学的剖検』をやるんですよ。
過去の答弁では「未遂者支援をする中でどういう理由で未遂をおかしたのか聴いてそれを分析する」って言っていますけど、分析された結果なんか1回も出てきてないですよ。
どうお考えですか。
市長の答弁
『未遂者等からの相談事例』というものは、基本的には担当のところで蓄積はされている、とそう認識しています。
フジノの質問
健康部長にぜひ答弁させていただきたいのですが、「担当部局はその成果を蓄積している」とのことですが、その成果をもとに対策に結び付けた何か取り組みは具体的に何かあるんですか。
市長の答弁
健康部長から答弁させます。
健康部長の答弁
はい。
個々に支援として病院に伺って、そういったところで本人に会いながら、これは了承を得られた場合に限ってですけれども、そういった中で自殺再発予防を努めるようなことではやっています。
それで、どういったところでどういった原因があるとか、どういったところで自殺に至ったのかとかそういったものをよく検討しながら、ひとつひとつにわたって何かやっているかという訳では無いのですが、そういったものを参考にしながら担当者が仕事にあたっている、という状況でございます。
フジノの質問
それはじゃあ、
「具体的に未遂者支援をやった、分析はした。けれどもそれから事業化されたものは無い」
という答弁でよろしいですか。
市長の答弁
まだ『事業化』ということになりますとしたことは無いのでございますが、ただ『自殺未遂者対策』を始めたのがそういった人たちの意見といいますか、なかなか亡くなられた方から聴くこともできませんし、家族から聴くということも難しいところがあるのですが、運よくそこでとりあえず亡くならなくて済んだという方からいろいろな意見を聴くということは大事だという事で、実際そういった事業には(聞き取り不能)始めているというのはあります。
フジノの質問
『心理学的剖検』は決して難しいものではなく、例えば江戸川区などでは、『NPO法人自殺対策支援センター ライフリンク』に委託をして数十人から数百人の心理学的剖検を実際に行なっています。
今、健康部長からのご答弁を伺っても、未遂者の方のお話も伺ってはいるけれども具体的な事業化には結びついていない。
だからこうやって犠牲者が増えてしまう年もある。
ならば、心理学的剖検やってくださいよ。
逆にやりたくない理由はなんですか。
市長の答弁
やはりこれは大変デリケートな調査になるだろうと想定していまして、また統計上価値のあるデータ量がやはり必要になるだろうと、そう思っていまして、現段階では研究段階とさせていただきたいと思います。
フジノの質問
そうすると他都市でやっている『心理学的剖検』や国がやっている調査というのは「デリケートな調査では無い」ということですか。それとも統計的に価値がないということですか。
市長の答弁
そうは申し上げませんので、ぜひ国の調査や江戸川区の先進事例はよく勉強してみたいと思います。
フジノの質問
『心理学的剖検』の技法というのは、すでに確立されています。
フィンランドでは国を挙げて亡くなったすべての犠牲者の方のご遺族に心理学的剖検やっているんですよ。
何でそれが日本だけできないのか。
日本の自殺対策は、横須賀市がリードしてきたじゃないですか。
国がやらないなら横須賀がやればいいじゃないですか。
『心理学的剖検』だってNPOと手を組んで我がまちの優秀な精神保健福祉員と手を組んでやれば必ずできますよ。もっと研究して下さい。
もう一度ご答弁お願いします。
研究を深めていきたいと思います。
フジノの質問
続いて『自殺対策連絡会』について伺います。
「自死遺族、そしてサバイバーの声を聴く場を設ける」とは言うものの、「メンバーには入れない」ということでした。
これは何故入れないんですか。
現在は支援を提供する側の皆さんの集まり、という形になっています。ですので、まずはお話しを直接聴く機会を設けて、この連絡会のあり方ということについてもメンバーで議論していただく中で決めていきたいと思っています。
フジノの質問
これも健康部長に答弁させてほしいのですけれども、実際に『自殺対策連絡会』の場に出席していて、会長である大滝・湘南病院副院長先生が「正直、行き詰っている。新たな『対策連絡会』のあり方などもぜひ提案して欲しい」とみんなに言っているじゃないですか。
今のやり方は行き詰っているんですよ。
市長は同じような答弁の繰り返しですけれど、現在は『提供者の集まり』。これ、行き詰りがある訳です。
だから新しいメンバーを入れる。
これは『要綱』で設置されているだけですから、市長のご判断自体で変えることが出来ます。
「わたしたちのことはわたしたち抜きで決めないでください」という、本当に『人権』にとって大切な言葉があります。
そして『在宅療養連携会議』の中で、同じ健康部の所管ですが、同じ議論がされています。
「『提供者』だけが委員で良いのか。やっぱり『当事者』の声を聴くべきじゃないのか。しかもそれは聴くだけじゃなくて委員として一緒に同じ立場で、平場で議論出来るようにすべきじゃないか」と。
何で自死遺族サバイバーの方が入れないで、自分たちの一番の問題なのに。
そして、公募市民は入れないのかについてはご答弁いただけなかったのですが、公募市民は入れないんですか。
市長の答弁
自殺未遂者、遺族の方々の意見を聴く機会をまず設けて、その上でメンバーの皆さんにもどのように受け止められたかというのを聴きながら、判断していきたいというふうに思っています。
大滝先生のご意見も是非お聴きしたいと思っています。
公募の市民の方を入れる必要性というのは、現段階では何かを『諮問』したりする機関ではありませんので、特にその必要性は感じていません。
フジノの質問
市の審議会や各種会議は、諮問をしていなければ『公募市民』を入れてないのでしょうか。
他の全ての会議もそうなのですか。
政策推進部長か総務部長にお答えいただきたいですけれど、市長。
市長の答弁
総務部長から答弁します。
政策推進長の答弁
ただいまのご質問なのですけれど、「その??機関なり???に準じる機関なり、市長が諮問した場合のみ公募市民を入れているか」という事なのですけれども、特にそういう決めをしている訳ではありません。
それはそれぞれの所属、その??機関、並びに??に準じる機関において、必要があれば公募市民を入れているし、必要がなければ入れていない、という状況であります。
フジノの質問
答弁の不一致がみられました。
市長は「諮問がなければ入れる必要が無い」と。総務部長は「そんなことは無い」とおっしゃいましたが、どちらが正しいのですか。
市長の答弁
『自殺対策連絡会』の趣旨として、何か諮問をして審議をするような場所じゃないと、私は思っています。
その時に「公募の市民の方々、一般の生活者の方々の意見を聴く機会をいま設ける必要は無い」と私は思っていまして、「この『自殺対策連絡会』に現段階で『公募市民』を入れる必要性は無い」と申し上げました。
総務部長からの答弁は、各種審議会等は設置にあたって、公募市民を入れるか入れないかは、諮問をするかしないか、それが判断基準ではないという答弁でした。
これは答弁の不一致ではございません。
フジノの質問
横須賀市では『ゲートキーパー養成』に力を入れておりますし、消防団員の方々も『ゲートキーパー研修』を受けていただいていますけれども、市民の方々でも自殺対策について意識の高い方、たくさんいらっしゃいます。
そういった方々の声を聴く場がない。ゲートキーパー研修についても消防団員の方々はもっと実践的な研修をやって欲しいとか、いろいろな声を僕に届けてくれます。けれども、そういう声を聴く場がない。
公募市民を入れるべきじゃないですか。
市長の答弁
公募市民をすぐ入れるかどうか、というよりも、逆に今おっしゃられた『ゲートキーパー』として組織的に取り組んで頂いているような団体の方に入っていただくことのほうが効果はあるのではないかというふうに思いますので、ぜひ今後メンバー設定にあたっては、ご提案いただいている件も含めて検討をしていきたいと思います。
フジノの質問
『支援を提供する側』にも新たな委員を是非入れて欲しいという質問をしました。
報道機関、なぜだめなのですか?
市長の答弁
健康部長から答弁させます。
健康部長の答弁
「ダメ」と言っているわけではなく、「今後検討したい」というところでございます。
議員からもおっしゃられましたように、遺族や未遂者の方の話を聴くということは第一かなというふうに考えております。
また『連絡会』の在り方というのも、確かに同じことを続けてきたというところもありますので、これについても合わせて検討していきたいというふうに考えているところでございます。
フジノの質問
報道機関はいつも自殺の報道をまるで『電車の遅延の迷惑をかけた人々』かのような報道をする。
あとは『子どもの自殺』を『いじめ』と絡めて報道をする。
そんなことばかりで、「助けを求めてくれればいくらでも相談できる機関を横須賀市は用意している」、こういう情報を全然メディアは報じてくれない。
それを改善したくて『かながわ自殺対策会議』などはメンバーに入れている訳です。
これをどうして入れないのか、横須賀市は。
報道機関だって『提供側』だと思いますよ、情報の提供をしているし。味方についてもらうべきだと思うんですよ。
だから「駄目と言っている訳じゃない」と言いながら何年この質問をしているんですか。
何年研究すれば良いんですか。市長、もう1回、健康部長に答弁させてください。
市長の答弁
健康部長から答弁します。
健康部長の答弁
大変時間がかかって申し訳ないのですが、今「見直しをしよう」という気運が高まっているところでございますので、また見直しをしていきたいという風に思っております。
フジノの質問
「見直しの気運が高まっている」ということでしたので、ぜひ宗教者の方、横須賀では大変有名な、自殺をしたいという方からたくさんお手紙をいただいてお返事を書いている宗教者の方もいらっしゃいます。
命の問題には宗教者が当然、必要です。
それから小中学校の校長会の方、それから私立学校の関係者の方、ぜひご検討いただきたいです。
今回、新聞報道でもご覧いただいていると思いますが、私立学校でも本当に悲しい出来事が起こっています。
教育委員会の方ともよくお話しするのですが、
「今は課長職になっているけれども、前は、学校の校長職にあった時には、子どもの事を、例えば引きこもりの子どもの事を数で考えたことは一回もなかった。けれども教育委員会に入ったあとはやはり、数として考えてしまう。なんとかして数を減らさねばならないというふうに考えてしまう。教育委員会に入って現場を離れてしまうのはおそろしい事だ」
というふうにおっしゃっていました。
『自殺対策連絡会』には、教育委員会から課長に入っていただいていますが、教育委員会の課長だけでは、僕は『自殺対策の効果』というのは現場には届かないというふうに思っています。
ぜひ小中学校校長会、私立学校の関係者にも入っていただきたいと思いますので、健康部長、ご検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
市長の答弁
メンバーについては検討してきたいと考えているところですが、今なにぶんにも24人というのはだいぶ多くなっております。
それでこの人数もなかば??発言の機会も、多くなれば減ってくるというのもございますので、その辺も、どの辺が適切なのかというところも含めながら、よく座長とも話をしながら考えていきたいという風に思います。
フジノの質問
『横須賀こころの電話』の時間帯拡大についてお伺いします。
「事業者の申し出だ」という答弁をいただきましたが、『市の主体性』というのはどこにあるのでしょうか。
市長の答弁
経緯を含めて健康部長から答弁します。
健康部長の答弁
この件につきましては、『こころの電話』をはじめようとしたときに、24時間対応でというのが担当者の考えがございました。
しかしながらいろいろな課題があってそれが出来なかったというのがずっと続いておりまして、その中で事業者も「当初のところに立ち返って少しやってみたい」というところからこの申し出によりまして、「来年度月1回やってみたい」と。
その中でまたいろいろ課題等については検証していきたい、というところでございます。
フジノの質問
実際に10年間やってみて、1400万円の予算、消費税を除いて交通費を除くと実質1200万円しか無い。
その中でNPOが10年間頑張って下さった。
やってみたけれどやはり1200万円なんかでは、専門性も低いままボランティアさんに任せきりにすることはできないので、非常勤の方を2人お願いして、何とか生活を切り詰めながらNPOの方々がやって下さっていた。
そういう現状を知っているじゃないですか、部長。
それなのに、「事業者の申し出だ」「スタート時点の約束が24時間だ」と。
10年間やってみたけれど、できなかったけれど、市が圧力をかけ続けるから、NPOとしては「来年、1日だけ何とか、24時間はできないけど朝6時までやってみよう」と、市の圧力に屈した形になっていると僕ははっきり思いますよ。
その点についてはどうお考えですか。
市長の答弁
私はそう思っていません。
フジノの質問
実際にやってみた結果、「死にたい」という電話がかかってきたり、「いますぐ死ぬ」という電話がかかってきたり、その時に何の予算措置も無いままで、自殺が実際に起こった。
それを受けた電話の方は、ボランティアの一市民の方は、どんなメンタルのダメージを受けるのでしょう。
それに対して市はどれだけ責任を負えるんですか。
NPOに任せきりですか。
市長の答弁
NPOの皆さんの、特にボランティアの方々の精神的な負担の高さというのは私もよく承知をしています。
このボランティアの方々の育成等についてはNPOとも、市と一緒になって取り組んでいるところですので、そういった中で精神的な負担を少しでも和らげることができるようなものがないか、というのはよくNPO法人側とも相談していきたいと思います
フジノの質問
『生きる支援相談員』の『常勤化』と『増員』が必要ではないかという質問について伺います。
健康部長は基金の話をおっしゃって、僕の質問には答えてくれませんでした。
『増員』と『常勤化』について質問しております。お答えください。
市長の答弁
健康部長に答弁させます。
健康部長の答弁
この『生きる支援相談員』につきましては、これまでの補助の中でやってきたという経緯がございます。
ただ確かにそういうきっかけで始まりましたが、「重要である」ということは承知しておりますので、来年度につきましてはまだ補助内容が明確ではございませんが、現状を保って『非常勤』として雇用させて頂きたい、というふうに考えております。
フジノの質問
ある1年度をとっても、救急搬送された自損行為、自殺未遂のことです。共済病院と共済病院救急救命センターに運ばれたのが76人、うわまち病院は27人。
今までは76人をお1人で『非常勤』の人が対応していた。
これからはそれにさらに27人が加わったものを、お1人の『非常勤』が対応する。
無理じゃないですか。どう思いますか。
健康部長の答弁
雇う人数は『非常勤』1人ということでやっていますが、実際にこの事業は??会?の職員たちがチームを作って、基本的には2人なのですが、2人で1チームをつくって実際にやっているという状況でございます。
今年度からうわまち病院も入ってきましたので、場合によっては2チームで、ということもあろうかと思っております。
ですから1人でやるという仕事ではございません。
フジノの質問
場合によっては2チームで対応しておられるということですが、『保健所健康つくり課こころの健康係』そのものは増員されたのでしょうか。
健康部長の答弁
現状のままでございます。
フジノの質問
業務量は増えているにも拘わらず、そして『自殺未遂者支援』といえば継続的かつ丁寧な対応が求められるにもかかわらず、本来の精神保健福祉相談もあり、『自殺未遂者支援事業』も新たに増え、それでも増員は行わない。
何故ですか。
予算要求もしなかったのですか。それとも財政課に切られたのですか。
健康部長の答弁
来年度につきましては、今年度通りの踏襲ということで予算要求をさせていただきました。
フジノの質問
それは何故なのでしょうか。
「やれる」という自信があるからなのでしょうか。
それとも過去の教育福祉常任委員会での質疑をご覧になっておられなかったのでしょうか。
今は異動してしまった健康つくり課長は「『自殺対策事業』が肥大化していって通常の『精神保健福祉相談』もできないような状況がある」と答弁された。
だから僕は何回も「増員してほしい」という風に委員会で申し上げてきたはずです。
実際にうわまち病院も新たに加わった。共済病院と2病院体制で自殺未遂者支援をやらなければならなくなった。
それなのに「『増員』の要求もしない」って何故なのですか。
健康部長の答弁
この『生きる支援相談』の関係は、うわまち病院も始まりましたが、まだうわまち病院の方は件数的にはそんなに多くなってはいないという状況でございまして、また今後の状況もよくみていきたいというふうに思っております。
フジノの質問
では続いて、僕にとってもう1つ大切な『セクシャルマイノリティとされる方々』についての質問に移りたいと思います。
パネル展示の効果、全然市長とは思えないようなご答弁を頂きました。
何人が見て、どのような効果が得られたと思いますか。
市長の答弁
『人数』については承知をしていません。
『効果』としては、見た方々が性的マイノリティという言葉の意味する基礎的な知識や、そういった当事者の声なども展示されていたということなので、性的マイノリティというものに対する理解は進んだのではないかな、と思います。
フジノの質問
『政治学』を大学院まで行って修められた市長の言葉とはとても思えません。
やはり『行政評価』、大切だと思いますよ。
パネルをただ展示して通りかかった人がなんとなくみて、「見てくれた人がちょっと感じてくれたらいいな」、そんなレベルの展示なのですか、これは。
市長の答弁
これに限らず、『パネル展示』というのは有効な広報やひとつの社会教育等で活用する手法ですので、「何人がみたか」というのはなかなかチェックしづらいところですが、まあ一定の効果はあったのではないか、と思います。
フジノの質問
続いて、こうした取り組みを1番ハイリスクである10代、20代の子どもたちに見てほしい、知ってほしい。その為の広報手段をぜひ取って欲しい、という質問をしました。
市長は「まずやっていない図書館から始めたい」ということだったのですが、なぜ『子ども会』に直接お話しをしたり、町内会・自治会の掲示板にこの『Café SHIPポートよこすか』をはじめパネル展示などを紹介してはいけないのでしょうか。
市長の答弁
してはいけないということはないですけれども、町内会としても、掲示板は市が持っているものではありませんし、『子ども会』ともなればなおさら自前のものは持っていません。
まずは市として責任を持って出来る場所を選んだ、という事です。
フジノの質問
「市として責任を持てる場」と言うのであれば、市の掲示板はいかがですか?
あれは市が持っているのではないのですか。
市長の答弁
市の掲示板はありますけれども、だいたい普通のポスターの大きさで6枚貼れる程度、すでに年間の予定がぎっしり詰まっている中で、あれを活用して性的マイノリティの理解を進めていくというのは、有効な活用手段では無いのではないかな、と私は思います。
フジノの質問
ではどうやったら10代、20代にもっと届く手段があると思いますか。
市長の答弁
やはり学校等でのポスター掲示などはぜひ教育委員会にも進めていただきたいと思っています。
フジノの質問
市長、よくぞおっしゃって下さいました。
教育長、さきほど僕に対して「これまでポスター掲示を学校内でやってきた」というような話をお答えいただいたのですが、僕の現状認識とは全く異なります。
何校でポスター掲示をやってくれているのですか。
そしてそれはどこに貼り出されているのですか。
教育長の答弁
具体的な学校の数は把握しておりませんけれど、掲示をしている場所は…(聞き取り不能)、貼っていただいている学校のほとんどが保健室でございます。
フジノの質問
本会議の質疑ってそんな適当な答弁で良いのですか。
「学校も把握していないけれど、とりあえず保健室に貼ってある」ってその答弁、何ですか。
もう1回詳しく説明してください。
教育長の答弁
『SHIP』の方たちともご相談させていただいておりますし、議員とも打ち合わせをさせていただいております。
「学校においてポスターの掲示、現時点では、昨年度の打ち合わせでは義務的に貼ってくれという訳にはまだいかないとお返事した上で、理解をいただいている、この問題を捉えている学校については現時点では保健室で掲示をしている」という報告を受けています。
板橋衛・市議会議長の発言
理事者の皆様にお願い申し上げます。
答弁は明快にお答えください。
再度答弁を求めます。
教育長の答弁
すみません。
現実に掲示をしている学校の数は把握しておりません。
フジノの質問
『発言通告書』はかなり前に出していると思うのですが、何故把握できなかったのでしょうか。
教育長の答弁
学校数の把握までは思いが及びませんでした。申し訳ありません。
フジノの質問
深く反省して下さい。
そしてその反省の気持ちを、各学校に理解をより求めて必ずポスターを1校でも多く貼っていただくようにして頂きたいと思うのですがいかがですか。
この問題は、近年富に報道等にも取り上げられておりまして、社会問題として大きな、必要な人権問題として教育委員会も捉えておりますので、学校長会議、或は人権担当者会議の中で今議員が言われましたように議会からのご要望もあり教育委員会としても必要と思っておりますので、そのようにお伝えして掲示をするということで依頼をしていきたいと思います。
フジノの質問
教育委員会の部長も、ぜひ教育長の今の意見を受け止めて下さいね。
教育長の意見、重いですからね。
部長、絶対に各学校・校長会と話し合いをしてくださいね。
では続いて、『同性パートナーが受けている人権侵害の実質的な救済』について市長に伺います。
やはり僕も市長と同じ意見です。
「ただペーパーを1枚出しておしまい。そういうのは横須賀市にはふさわしくない」と僕は考えています。
だからこそ「横須賀市ができる、やるべき対策はすぐにやるべきだ」と思っています。
過去に僕が取り上げてきた市営住宅に『同性パートナー』が入居できないという問題、この解決はもう2年くらい前に提案したものですけれども、どのようになっていますか。
市長の答弁
現在も引き続き、研究をさせていただいています。
フジノの質問
具体的にすでに大阪府で行っている取り組みをあの時はご紹介したはずですが、どのような『研究』を行なって、どのような『中間報告』を受けているのでしょうか。
市長の答弁
この大阪府での取り組みというのが今どういう状況にあるのかというところまで、私は承知をしていませんが、引き続きの研究段階ということです。
フジノの質問
条例などを新たに作らなくても、市立病院を持っている横須賀市ですから、実質的な同性パートナーが病院に入院している、手術の同意を求められた、そういう時に「家族でないからあなたはダメだ」というような事はどうか病院の責任にはならない形で、市としてそれは正式なパートナーだというふうに認めるというような通知を出すようなことはできないのでしょうか。
この問題もかつて指摘させていただいた事があるのですがいかがでしょうか。
市長の答弁
基本的な管理運営は『地域医療振興協会』にお願いしているところですので、その法的なリスク等も含めてよく相談をしてみたいという風に思います。
フジノの質問
ぜひ『市立病院管理運営協議会』の場で議論して頂きたいと思います。
それから市長は2015年度『リーフレット』を作成されるということでしたが、どなたに配るのでしょうか。
例えば僕は今回、「ぜひ不動産店に配って欲しい」というふうに思っているのです。
今回渋谷区が作っている条例というのは「不動産物件を借りられない」、それから僕がさきほど申し上げたような「公営住宅に入れない」「病院の付き添いも許されない」、あとは「亡くなった時に遺産相続が出来ない」などのお話しがある訳ですが、
市立の公営住宅については市長が今ご検討を続けていただいていると伺いました。
あとで各部に細かく伺いに行こうと思いますが、民間の住宅についてはやはりなかなか理解いただく事が難しいと思いますので、この『リーフレット』を誰に配るのか、そして不動産店には配る予定があるのか。
お答えください。
市長の答弁
来年度は市民向けの講演会なども予定していますので、その講演会での配布や今教育長からの答弁があったように学校等での配布も考えています。部数が限られていますので不動産店等への配布というのは、現在は考えていません。
フジノの質問
今回、全体の質問を通してみての思いなのですが、いのち、くらしをまもるということで質問をさせて頂ききました。
『美術館』、それから『ひとり親』については若干触れられなかったので非常に残念なのですが、横須賀市がもしも、『子どもが主役になれるまち』を標榜するのであれば、ぜひこの一番弱い立場にある人・命が損なわれかねない方々をぜひ守って欲しい。
そういう横須賀市であってほしい、という風に要望して質問を終わります。
ありがとうございました。
(以上です)