藤野英明です。よろしくお願いします。
1.「性的な多様性」の存在を前提とした観点から男女共同参画推進条例」の見直しと「第5次男女共同参画プラン」策定の作業等を行なう必要性について
本市では『男女共同参画推進条例』の見直しと『男女共同参画プラン』の改定を定期的に行うことで、時代の流れに沿った理念と施策を盛り込んできました。
ただ、これまでは世の中には男性と女性の2つしか性別が存在しないという「男女二元論」の前提で『条例』も『プラン』も策定されてきました。
けれどもこれまでも数年間にわたって市長と質疑を通して明らかにしてきたとおりで
そもそも性とは男女の2つだけではなく、多様性に富むものであることが現在では自明の理となっています。
現在の本市の『条例』と『プラン』では、現実に存在している性的マイノリティとされる方々の存在が全く触れられていません。
したがって今後の改定作業ではこの観点の導入が不可欠だと僕は考えています。
そこで、市長のお考えを伺います。
平成25年第4回定例会において僕は一般質問で『男女共同参画推進条例』改正の必要性を訴えて市長の見解を伺いました。
その際、吉田市長は
「制定時には想定されていなかったとはいえ、性的マイノリティに関する理念は包含していると考えていますので、御意見として受けとめさせていただきます。」
と答弁しました。
しかし、僕はこの答弁は全くのこじつけで大変残念な答弁だったと感じています。
答弁を受けた当時も、そして今回の一般質問にあたっても複数の市民の方に現在の条例をまず読んでいただき、その上で市長答弁のように「性的マイノリティに関する理念は含まれていると思うか」を尋ねてみました。
その結果、全員が
「現在の条文のどこをどう読めば、性的マイノリティに関する理念に該当するのか理解できなかった」
とお答えになりました。
もちろん当事者であるいわゆる性的マイノリティとされる方々にも実際に条例を読んでいただき市長答弁を伝えたのですが、失望の声ばかりでした。
「自分は法学部の出身だけど、条文を無理に読み込んでまでセクマイがこの条例に入っているというのは無理がある」
「今まで横須賀市はいろんな取り組みをしてくれたこともあって、私たちの側に立って理解しようとしてくれているのかと思っていたけれど、法律である市の条例には書きたくないと感じさせる答弁は、結局、本音では私たちを無視したいのかと悲しくなった」
などの感想をもらいました。
そもそも条例の附則においてあえて「条例の定期的な見直し」を定めているその目的は、まさに条例の制定時には想定されていなかった事柄であっても、変化していく現実の社会に即して新たな条文を盛り込んでいくことで、現実をより良く変えていく為です。
今回の場合で言えば、「男女二元論」ではない「性的な多様性」の観点を、明確に誰もが分かる形で条文に書き込むことです。
そこで市長に伺います。
【質問1】
いわゆる性的マイノリティとされる方々の存在を当然の前提とした「性的な多様性」の観点に基づいて、全面的な「条例」の見直しを行うべきではないでしょうか。
お答え下さい。
(→市長の答弁へ)
次期の『第5次男女共同参画プラン』(平成30年度施行)策定は来年度(平成28年度)から作業を開始します。
『条例』では理念的な事柄が中心に記されるのと対照的に、『プラン』では詳しく年次と数値目標を明らかにした上で今後行なっていく取り組みを記す、重要な工程表です。
その取り組みはPDCAサイクルに基づいて計画通り実施しているか進捗状況を毎年評価し、さらに目的とした成果が得られたかどうかを検証します。
こうした「計画行政」のもとで進められる今の日本において、『プラン』に記されるか否かはまた「条例」とは別に実効性の担保において大きな意味があるのです。
そこで市長に伺います。
【質問2】
この『第5次プラン』策定に当たっては、従来の「男女二元論」を前提とせずに
いわゆる性的マイノリティとされる方々の存在を当然の前提とした「性的な多様性」の観点に基づいて、全面的な見直しを行うべきではないでしょうか。
お答え下さい。
(→市長の答弁へ)
世田谷区と杉並区では性的マイノリティに関する認知の有無、人権侵害の有無など市民の意識を調査する為のアンケートを実施しました。
この結果報告書をじっくりと読んでみたのですが、区民の方々の意識の現状、さらに今後の課題が明らかになり、これから取り組みを進めていく上で両区にとって大変有効な調査だったのではないか、と僕は高く評価しています。
本市では『男女共同参画プラン』の策定に当たっては、毎回、あらかじめ「市民意識調査」を実施してきました。
この結果分析を『プラン』策定に反映させていることからも、大変に重要な調査だと受け止めてきました。
そこで、市長に伺います。
【質問3】
来年度実施予定の『市民意識調査』では、従来の「男女共同参画」に関する設問だけではなく、「多様な性が存在する現実を反映したプラン」とする為にも「性的な多様性」に関する情報提供と意識調査を行なうべきではないでしょうか。
お答え下さい。
(→市長の答弁へ)
現在、市役所の所管課の名称は『人権・男女共同参画課』です。
そして『条例』や『プラン』に関して、諮問に基づいて議論や答申を行なっている機関は『男女共同参画審議会』です。
「性的な多様性」が自明の理である現在において、これらの名称や目的も、現実に沿ったものではありません。
そこで市長に伺います。
【質問4】
「性的な多様性」を前提とする現実に合ったものに変えていくべきではないでしょうか。
お答え下さい。
(→市長の答弁へ)
2.過労死・過労自殺等の防止の為に、国・県だけでなく、本市が積極的に取り組みを行なう必要性について
今では「karoushi」という単語は、海外においてもそのまま通用するそうです。
諸外国には存在しない異常な労働慣行が日本には存在します。
働かされすぎによってたくさんの人々が自殺や突然死に追い込まれたり、仮に生き残ることができたとしても、重い障がいや病気を抱えていかざるをえない現実があります。
長年、僕は自殺対策に取り組んできたのですが、その中でこの異常な現実に気づき、絶対に放置してはならないと痛感してきました。
警察庁の統計では、遺書が残っていた方々の統計もあり、自殺の原因・動機を分析しているのですが、「勤務上の問題」によって毎年2,000人以上の方々が自殺へ追い込まれていました。
しかし、その一方で「労働災害」として認定された自殺は毎年わずか30件から90件ほどしかありません。
このように、異常な過剰労働を強いる企業とそうした企業を十分に取り締まらず、労災認定のハードルを高くして犠牲者と遺族を苦しめてきたこの国の政府の怠慢によってたくさんの犠牲が現在も増え続けています。
そしてどうしても忘れてはならないのが平成20年に本市久里浜の飲食店に勤務する20代女性が過労死させられた事件です。
そのブラック企業の対応のひどさも許せませんが、同じまちに暮らすひとりの人間として、そして自殺対策に取り組んできた政治家として本当にショックな事件でした。
当事者・家族・弁護士・研究者をはじめ関係者のみなさまが長年にわたって法整備を国会に働きかけてきたのですが、この事件の報道をきっかけに、僕自身も微力ながらそうした取り組みに参加するようになりました。
関係者のみなさまの本当に長年のご苦労とご尽力によって、昨年11月、ついに『過労死等防止対策推進法』が施行されました。
今年7月には『過労死等の防止のための対策に関する大綱~過労死をゼロにし、健康で充実して 働き続けることのできる社会へ』が閣議決定されました。
法律の中身も、『大綱』の中身も、関係者のみなさまにとっては納得がいく内容ではありませんでした。
それでも「小さく生んで大きく育てていこう」と励ましあい、今年から政府による具体的取り組みが本格的にスタートすることを見守ってきました。
しかし、現在までの国の取り組みは非常に弱く、怒りをおぼえるほどです。
現在11月は『過労死等防止啓発月間』です。
でも今この議場におられる、あるいはインターネット中継を観ておられるどれだけの方が今まさに『過労死等防止啓発月間』であることをご存知でしょうか。
ご存知ないと思います。
厚生労働省は11月1日から全国29会場で『過労死等防止対策推進シンポジウム』を開催しています。
全国で最初の会場となった11月1日の神奈川会場に僕も参加しましたが、そこにおられたのはかねてから面識のある方々、法整備の為にがんばってきたご遺族らばかりでした。
つまり、『法』によって国民のみなさまや経営者に啓発すると定めたのに十分な周知の取り組みも行なわれてはいないのです。
本市においても『広報よこすか』などでの広報も特にありませんでした。
そこで各部局へヒアリングをしましたが、国・県などから「何の協力依頼も来ていない」とのことでした。
確かに、国・県などから具体的な通知や政省令が出なければ、本市単独でいきなり何かを進めることは難しいかもしれません。
しかし、『過労死等防止対策推進法』の第3条(基本理念)及び第4条(国等の責務)において、地方公共団体は過労死等の防止の為の対策を国との協力・連携のもとに行なうことと定められています。
また、過労死等防止の事業と銘打っていなくとも、本市は『市民相談』の中で過重労働に苦しむ方々の相談にのってきた取り組みも僕は承知しています。
さらに、外郭団体である『横須賀市産業振興財団』でも産業カウンセラーによる相談窓口を毎週開催してきました。
かつては労働行政イコール国・県というしばりがありましたが、その状況下でも本市は働く市民の味方であろうとしてきた。
そして今では過労死等を防止する法律ができて、市にも対策をとる責務が定められたのです。
もっと本市には命を守る為にできることがあるはずです。
だからこそ、たとえ国の動きが不十分であっても、市民のみなさまの心身の健康を守る為に本市ができることをさらに率先して、積極的に行なっていくべきだと僕は信じています。
そこで、市長のお考えを伺います。
【質問5】
法において地方公共団体の責務も定められていますが、本市における過労死等防止の施策はどこが所管するのでしょうか。
【質問6】
法第5条では、『過労死等防止啓発月間』の趣旨にふさわしい事業が実施されるよう努めねばならないと地方公共団体に求めています。
今年度、本市が特に動けなかったのは承知していますが、今後、本市はどのような取り組みを行なっていくのでしょうか。
【質問7】
法第9条から第11条では、啓発活動・相談体制の整備・民間団体の活動に対する支援を地方公共団体に対して求めています。
今年度、本市は過労死・過労自殺等の防止に資する取り組みを行なってきたのでしょうか。
【質問8】
仕事と生活を調和させ、健康で充実して働き続けることのできる社会の実現に寄与する為に、本市は新たな取り組みの実施を検討すべきではないでしょうか。
以上4点についてお答え下さい。
3.「都市計画マスタープラン(案)」における本市から東京湾をまたいで千葉県へつながる道路(東京湾口道路)の位置づけに対する市長の考えについて
横須賀市歌の歌詞にもありますが、馬堀から東京湾をまたいで千葉県へとつなぐ橋、あるいは地下トンネル『東京湾口道路』が、かつて本市では真剣に計画されていました。
その後、国においては経済社会状況の変化と行政改革の流れによって、計画は凍結されました。
本市においても吉田市長の巨大公共事業に反対する観点から新たな『横須賀市基本計画』を策定する際に、計画の中の図から『東京湾口道路』の名称を削除しました。
けれども、削除したのはあくまで名前だけです。
全く理解できないことなのですが、図から名前だけを無くしたのです。
実質的には『東京湾口道路』を意味している『馬堀から東京湾へ伸びる矢印』」が『基本計画』の中のあらゆる図にはハッキリ描かれたままになっています。
全く理解できないこのような対応を取った理由として、『基本計画の策定に関する特別委員会』で当時の政策推進部長が
「姿勢として横須賀市が明るい未来に向かってということであるならば、国に対してそういった基本的な姿勢は手をおろさずに続けていく」
と答弁しました。
つまり、名前は削除したが道路をつくる意志は全く変わらない、との答弁がなされたのです。
「名前だけ無くして巨大公共事業を廃止したように見せかけたが矢印を図に残すことで、実際はこの道路を作りたい」という本市の姿勢を許すことはできません。
僕は市議会議員に転職する前のいち市民の時からずっと『東京湾口道路』はあらゆる観点から不要だと考えてきました。
そこで「実際は『東京湾口道路』を作りたい」という市側の意図が込められた『基本計画』を議会で可決するか否かの採決にあたっては、反対票を僕は投じました。
現在策定中でパブリックコメントにかけられている『都市計画マスタープラン案(目標年次2035年度)』においても、『名前は書いてないが実質的には東京湾口道路である矢印』が、プラン案中のほぼ全ての図に明記されています。
この矢印が記されたたくさんの図を見るたびに僕は強い怒りを覚えます。
そこで、市長のお考えを伺います。
【質問9】
川崎から木更津へトンネルで作られた『東京湾アクアライン』は総工費1兆4400億円に上りましたが、それに匹敵するこの巨大公共事業を、吉田市長はそもそもどのように評価しておられるのでしょうか。
【質問10】
『名前は削除したが、実質的には東京湾口道路を意味する矢印』を掲載し続けているという市民には理解しがたい現状を、吉田市長は市民に問われたら一体どのように説明するのでしょうか。
【質問11】
国は昭和30年代から東京湾口道路の為に約70億円と言われる税金を使って調査を進めてきましたが、実現せずに、平成20年になって、国土交通省が凍結を表明したと聞いています。
その後、現在に至るまで国における何らかの取り組みを把握しているのでしょうか。
【質問12】
仮に、国から建設に向けて働きかけがあった場合、吉田市長はそれに応じたいと考えているのでしょうか。
以上4点についてお答え下さい。
市長の答弁
ご質問ありがとうございました。
【答弁1】
『性的な多様性』の観点に基づき、『男女共同参画推進条例』を全面的に見直すべきではないか、というご質問を頂きました。
『男女共同参画推進条例』で目指している、誰もが性別にかかわらず個人として尊重され主体的に行動し、あらゆる分野において個性と能力が発揮できる社会は性的マイノリティとされる方々への理解・配慮もなされた社会であると思います。
性的な多様性に関する観点は重要なものと認識しているところですが、現行の条例において取り組んでいくことができると考えています。
【答弁2】
次に、『性的な多様性』の観点に基づき、『男女共同参画プラン』の策定を全面的に見直すべきではないかというご質問を頂きました。
第5次の『男女共同参画プラン』の策定にあたっては、様々な性の在り方を意識して進めていく必要性があると認識をしております。
今後『プラン』の策定に際し、市民アンケートや『男女共同参画審議会』等の意見を踏まえて、性的な多様性に関する課題を検討していきたいと考えています。
【答弁3】
次に、『男女共同参画プラン』の策定にあたっての『市民意識調査』において、性的な多様性に関する情報提供と意識調査を行なうべきではないかとのご質問を頂きました。
『性的な多様性』が認められつつある中、行政の取り組みも今後様々な性の在り方を意識して進めていく必要があると認識しています。
『性的な多様性』に関する情報提供についてはすでに取り組みを始めているところです。
今後『男女共同参画における市民意識調査』においても、『性的な多様性』に関する設問を加えることについて『審議会』の意見等を踏まえ、検討してきたいと考えています。
【答弁4】
次に、『人権・男女共同参画課』および『男女共同参画審議会』の名称や目的を性的な多様性を前提としたものに変更すべきではないかというご質問を頂きました。
所管課名や審議会の名称はその目的とともに、市民の方に分かりやすいことが大切であると考えています。
『人権・男女共同参画課』および『男女共同参画審議会』の名称や目的の変更については『第5次男女共同参画プラン』や事業の方向性などを踏まえ、考えていきたいと思います。
【答弁5】
次に、人権・男女共同参画課及び男女共同参画審議会の名称や目的を性的な多様性を前提としたものに変更すべきではないかという御質問をいただきました。
所管課名や審議会の名称は、その目的とともに市民の方にわかりやすいことが大切であると考えています。
『人権・男女共同参画課』及び『男女共同参画審議会』の名称や目的の変更については、第5次男女共同参画プランや事業の方向性などを踏まえ、考えていきたいと思います。
【答弁6】
次に、『過労死等防止対策推進法』において、地方公共団体の責務が定められているが、本市はどこの部局が所管するのかという御質問をいただきました。
本市における過労死等防止の施策のうち、自殺防止の相談啓発は健康部、国が行う事業所等への過重労働の防止・啓発の協力は経済部で行います。
また、職員を任用する立場では、総務部が産業医、精神科医、臨床心理士などを配置して、職員の心の相談に応じているところです。
【答弁7】
次に、過労死等防止対策推進法第5条で、地方公共団体に求められている『過労死等防止啓発月間』の趣旨にふさわしい事業について御質問をいただきました。
国と協力して過労死等の防止のための対策を推進することは、市としても重要なことだと考えていますので、引き続き広報紙やホームページを活用し、相談窓口の紹介や事業所等への啓発活動を行なっていきます。
また、11月20日に国から保健所に過労死等防止に関するリーフレット等が届きましたので、健康づくり課の窓口に配架をしています。
今後も、国の所管庁である労働基準監督署との連携を強化していきたいと考えています。
【答弁8】
次に、過労死等防止対策推進法第9条から第11条で、地方公共団体に求められている啓発活動、相談体制の整備、民間団体の活動に対する支援について御質問いただきました。
本市では、保健所健康づくり課で精神保健福祉相談を、市民相談室では社会保険労務士による無料の労働相談を行なっています。
さらに、横須賀市産業振興財団でも、産業カウンセラーによる予約制無料相談を実施しています。
また、私が横須賀地区災防団体等連絡協議会主催の全国労働安全衛生週間、横須賀地区推進大会に来賓として呼んでいただいたときに、その挨拶の中で、常にメンタルヘルスの必要性について話をさせていただき、周知・啓発に努めているところです。
【答弁9】
次に、仕事と生活を調和させ、健康で充実して働き続けることのできる社会の実現に寄与するために、新たな取り組みの実施を検討すべきではないかという御質問をいただきました。
仕事と生活を調和させる、いわゆるワークライフバランスの推進は、大変重要なことだと考えています。
今後は、事業者との連携を強化し、仕事と生活の調和に関する啓発活動を行ってまいります。
【答弁10】
次に、『都市計画マスタープラン(案)』における『東京湾口道路』の位置づけに関連して、東京湾アクアラインに匹敵する巨大公共工事の評価について御質問いただきました。
『東京湾口道路』は、東京湾アクアラインに匹敵する巨大な公共事業であり、道路ができれば、アクアラインと同様にレジャー活動のみならず、物流など経済活動についても効果があると考えています。
しかし、そこに投入する公費として、費用対効果は考えなければならないと思っています。
市として、本当に必要な道路については、これまでも『三浦半島地域広域幹線道路整備促進期成同盟』において積極的に要望活動を行なってきましたが、その活動の経過において、『東京湾口道路』は要望から外してきたところです。
【答弁11】
次に、『東京湾口道路』の矢印を掲載し続けている現状を市民に対してどのように説明をするのかという御質問をいただきました。
『東京湾口道路』については、平成27年8月14日に閣議決定された国土づくりの方針を示す国土形成計画における位置づけが存続していることから、継続して位置づけを行なっています。
『東京湾口道路』に関して、国が位置づけを持ち続けるのであれば、このように計画の中に名称は落としたものの矢印としては位置づけを行っているところです。
【答弁12】
次に、平成20年以降、国の何らかの取り組みを把握しているのかという御質問をいただきました。
平成20年以降の新たな取り組みの把握としては、平成20年7月4日に閣議決定された前の国土形成計画において、『東京湾口道路』の構想を進めるとしていた表現から、湾口部、海峡部等を連絡するプロジェクトについては、長期的視点から取り組むと今までのスタンスから位置づけがトーンダウンしています。
これ以外の話は、特段把握をしていません。
【答弁13】
次に、仮に国から建設に向けて働きかけがあった場合、それにどのように応じるのかについて御質問をいただきました。
現時点で、国からの働きかけは特段ありませんので、市としても当面整備に向けた要望を行なうつもりはありません。
フジノの再質問
市長、ご答弁ありがとうございました。では、再質問を行います。
まず『男女共同参画推進条例』の見直しを、いわゆる性的マイノリティの方々の存在も当然のものとして含めた『性的な多様性』の観点を取り入れて見直しをしてほしい、というふうに申し上げましたが、
社会は大きく『性的な多様性』を寛容に認めていく方向に変わっているにも関わらず、市長は前回(平成25年)と同様、「現状のままでいきたい」というふうにご答弁いただきました。
そこでぜひお聞きしたいんですが、この『横須賀市男女共同参画推進条例』のどの条文、前文なのか、何条をもって、具体的にその性的マイノリティの方々の存在が読み込めるのか?
僕がこれまで市民の方や、当事者の方からお聞きしても、
「どこを指して言っているのか。どこにも自分の事がはっきりと書かれていない。『男女』としか書かれていない」
というふうにみなさんおっしゃるんです。
市長、答弁調整の時、それから平成25年の時も答弁調整の時も、こういうことを話し合ったと思うんですが、どの条文で具体的にその答弁につながるのか、教えて下さい。
市長の答弁
『セクマイ』と呼ばれる方々を直接的には表現はしていませんけれども、
前文の中にある「誰もが性別に関わらず、個人として尊重される」
あるいは第1条の目的にある「誰もが性別に関わらず個人として尊重され・・・」
中略をしますが「主体的に行動できる社会」というのは、こうしたセクマイの方々への理解や配慮もされた社会でなければいけない。
そういう認識で申し上げました。
フジノの質問
先ほど市長は、僕が「『人権・男女共同参画課』と『男女共同参画審議会』の名称を変えよ」と質問した時に、「(名称は)わかりやすいことが大切だ」というふうにご答弁いただきました。
これは組織論の話でおっしゃったんだと思うんですけど、当然『条例』も分かりやすい観点から書かれなければならないと思うんです。
前文も第1条も読みましたが、これは文脈の中にたまたま「誰もが性別に関わらず」と書いてありますが、そもそも『条例』のタイトルからも、それから、その他の部分を文脈として読んでいけば、これ、『男性と女性しか指していないこと』は明白です。
「明記されないことが人の気持ちを傷つけていることになる」
ということを、たくさんこれまでも質疑で申し上げてきました。
横須賀市は相談窓口を持っていますが、「性的マイノリティに関する相談も受け付けていますよ、と明記してほしい」と言って、実際に書いていただきました。
それによって初めて「相談を受けて良いんだなというふうにわかったよ」というふうに言ってくれる。
『条例』ってすごく重いものだと、みなさん、市民の方も当事者の方も把握しておられるんです。
その中で、「自分たちは入れてもらえないのか。ひとこと、『多様な性の存在を前提とするこの社会の中で』とか、一言入っていれば全く違うのに」と。
それでも「全く見直す必要性がない」というふうにお考えなんでしょうか。
市長の答弁
この『条例』の制定の目的自体は、おっしゃるようにセクマイとされる方々への光を当てることや、その存在について想定した上で書かれたものではない、というふうに認識しております。
ですので、その見直しの必要性が全くないとは私も申し上げません。
ただ、現段階においては、それよりも市民のみなさんの理解をさらに進める為の啓発活動であるとか、市として取り組むべき事業を位置付ける『プラン』の策定事業の中でまずは取り組んでいくことが、順番としては正しいのではないかな、と思っています。
フジノの質問
初めて『性的な多様性』についての質問をしてからもう8年くらいになりますか、市長。
かなり長い間、市長と議論してきて、横須賀市は本当に先進的なまちだと理解しています。これは僕と市長の信頼関係の中でできたことなのかもしれません。
ただ、どうして対外に向けて、つまり『男女共同参画推進条例』とか、あるいは『宣言』とか、外に向けたことになると急にトーンダウンしてしまうのか。本当に理解ができません。
今年度予算で作っていただいた『性的マイノリティに関するリーフレット』の中でも、横須賀市は本当に先進的なことがたくさん書いてあって、
世の中ではよく『LGBT』と言いますが、横須賀市は『LGBTQ』と『Questioning』の方の存在も漏らしていないし、
それから、僕の前回の議会で質疑した『SOGI』(=Sexual Orientation and Gender Identity)についてもあえて書いてくれている。
これくらい進んだことを多くやっている。
でもこれ、配られるのは当事者の方、ご家族、学校。
なぜ、市の法規として大変重要な重みを持っている『条例』には書いていただけないのか。
『プラン』については前向きなご発言をいただいているのに、どうして法律の中には明記していただけないのか。
その違いは何故なんでしょうか。教えて下さい。
市長の答弁
この『男女共同参画推進条例』については、『条例』を設置した際の社会的な背景もやはり少し異なる、ということで、この条例に位置付けることが適当なのかどうかという議論も一方でしなければいけないと考えています。
フジノの質問
前回の質問をした時は、この『条例』の最後の『見直し』が行われた平成25年4月1日施行からわずか数か月の頃だったので、当時は社会状況もまだまだでしたし、改定をした直後でしたので、「時期尚早なのかもしれない」というふうに思いました。
けれども『附則』において必ず5年以内に見直しを行う事になっていますよね。
そして、これまでの横須賀市、そして横須賀市教育委員会の取り組みの中で、意識醸成や、それから実際にお困りの方の支援と、だいぶ進んできたと思うんです。
それで5年間経ちます。
まもなくこの改定に向かう時期がやってきます。
そこでぜひ取り組んでほしいと思うんです、『見直し』に。
市長おひとりがもちろん決めることではないのは承知しています。
ですから、条例改定の必要があるのかどうかも含めて、『男女共同参画審議会』に『条例の見直し』について諮問をしていただけないでしょうか。
そもそも『見直し』が必要かどうか自体を諮問していただけないでしょうか。
お答え下さい。
市長の答弁
現在この『審議会』へは『プラン』の方をしっかりと検討していただきたい、とそのように思っています。
まず来年度は議員ご提案の『アンケート』も実施をしたいと思っていますし、その『プラン』の中間評価も行なっていただく必要がある、と、そう思っています。
そういう意味では、今この段階で条例の見直しの必要性について諮問をする、というのは、この今の作業スケジュールの中では少し難しいかな、というふうに思います。
フジノの質問
市長、申し訳ないんですが、例えば「多様な性を前提とする」というひとことを入れる事だけに、そんなに作業時間というのは必要なものなんでしょうか。
市長の答弁
議員は「ひとこと入れるだけ」とおっしゃいましたが、『条例』ですし、そうすると『条例』の名称であるとか、あるいは『条例』のそもそもの策定目的であるとか、そういったものも一緒に勘案しなければいけないと思いますので、決して簡単な作業ではない、というふうに思っています。
いずれにしましても、平成28年度は市民の皆さんの意識の調査等を通じながらですね、こうした検討を進めていきたいと思っています。
フジノの質問
市長、「今の条例の中にも理念は含まれている」とおっしゃっているじゃないですか。
理念は含まれているなら文章に戻すだけの話で、条例の背景が変わるとか、そんなこと詭弁じゃないですか。
今、理念に含まれているなら、それをわかりやすい言葉に直すだけで、それがどうして市長の中では結びつかないのか分かりません。
どうしてこれだけ取り組みを進めているのに条例には書きたくないのか。
それは何故なんですか。
市長の答弁
決して「書きたくない」と申し上げている訳では、まずありません。
ただ、社会的な課題の1つとして、やはりまだまだ女性の社会進出・社会参画、そういった課題が一方で目に見える形で大きくある。
そういった課題の解決するためにつくられたこの『条例』と、その、多様な性を認めていく世の中を作っていくという理念的なものとを一緒にしてしまっていいのか、という議論というのは当然生じなければいけないと私は思っています。
往々にして女性の社会参画、そういった取り組みと、いわゆる性的な多様性を認めていく取り組みといういのは、一概に同じ手段を伴うとは限らないと思っていますので、理念のレベルで共有できていても、やはり『条例』の中で位置付けるとなれば、発生する作業というのは多いのではないかと思っています。
フジノの質問
まだ、「女性の社会進出が解決できていないからこのまま続けたい」ということなんですけれど、では性的マイノリティの方々が就職活動に大変苦しんでおられたり、企業の中で自分の本当の気持ちを話せないまますごく苦しい思いをしている。そういう人たちのことは関係ないと、この条例の中では関係ないんだと、そういうふうなお考えだということですか。
市長の答弁
この条例に位置付けることが適当かどうかというのはやはり議論はしなければいけないと思います。
フジノの質問
そうすると「別の条例を単独でつくる」ということでよろしいですか。
市長の答弁
そういった議論も含めて、『単にひとこと追加する』というでは済まない議論がこれから必要になるだろうというふうに思っています。
ただ、「『審議会』への諮問を」というふうにおっしゃいましたけれど、来年度の中でやるべき作業というのは、ある程度現在想定をしている中では、『条例』に関する審議まではなかなかボリュームとしても難しいのではないかと思っています。
フジノの質問
来年度できない、ということなんですけれど、将来については含みを残している、再来年度やるかもしれない。そう受け止めてよろしいですか。
市長の答弁
そう受け止めていただいて結構です。
フジノの質問
では続いて、『市民意識調査』について1点伺います。
『杉並区政モニターアンケート』および世田谷区が実施した『男女共同参画に関する区民意識実態調査の報告書』は読んでいただけたでしょうか?
市長の答弁
全部は読んでいませんが、ある程度の質問内容は押さえています。
フジノの質問
市長からすでに「次回の『市民意識調査』の設問については検討していきたい」と前向きなご答弁を頂いていますが、これら両方の調査をみると、かなりいろんな事が見えてきたと思うんです。
横須賀市においてもこれを僕が絶対にやるべきだというふうに考えるのは、横須賀市が横須賀市なりに出来る範囲で一生懸命やってきたこれまでの約8年近くのいわゆる性的マイノリティとされる方々への支援がどの程度市民のみなさまに浸透しているか、客観的に知る良いチャンスだと思うんですね。
言うならば、「初めての『性的マイノリティに関する施策の行政評価』が『市民アンケート』で初めて成される」という位置付けにもなるのかな、というふうに思っていますので、ぜひこれは必ず加えていく方向で進めていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
市長の答弁
言葉に対する認知度や、理解の進み具合というのが把握できるような設問は用意したいと思います。
フジノの質問
続きまして、組織の名称についてです。
「分かりやすいことが大切だ」というふうに市長はご答弁の中でおっしゃいました。
人権・男女共同参画課。
『人権』というと過去、横須賀市の中には社会行政としていわゆる同和問題を扱ってきたり、それから我が国にいろいろな形で強制連行されてきた方々、外国人の方々の問題などを扱ってきた。
『人権』ってそういう事柄や障がいのある方々への差別の問題などがイメージができると思います。
そして『男女共同参画』というと、やはり『男性』『女性』という『男女二元論』の中で、女性の社会進出、そして女性も男性と同等以上に頑張れる、すごい存在なのだということを当たり前のものとしていこう、というその意図は、はっきり伝わってくるんです。
でも実際、『人権・男女共同参画課』がこれまで本当に頑張ってくれて、性的な多様性に関する取り組みは他のまちに絶対に引けを取っていないと思うんです。
そこに、もっと分かりやすい名称として、今やっていることを加えていくというのは何か問題があるんでしょうか。
市長の答弁
やはり、分かりやすさと、名称があまり長くなりすぎるというのは避けなければいけないとは思いますが、課の名称ではそういった考えです。
フジノの質問
では続いて、『過労死等防止』について質問いたします。
まず、所管課についてのご答弁、ありがとうございました。
基本は『経済企画課』が主管課になって、状況に応じて相談業務として『保健所健康づくり課』や『総務部人事課』が対応していくのかな、と思いました。
ただ1点ちょっと残念だな思ったのが、やはり地方公共団体の責務の1つとして、『教育活動を通じた啓発』というものも含まれております。
今回、発言通告に教育長に対する質問を入れていないので、市長から間接的にお伺いする形になるんですが、若い頃から労働関係法令について理解を深めることも重要であって中学校・高等学校を通じて啓発を行っていくことが必要だ、ということも『大綱』には明確に書き込まれているんです。
ですから必要に応じて『学校での指導・教育』というのが、教育委員会を通じてかもしれないんですが、来ると思います。
そういう意味では、やはり所管課は教育委員会が含まれるんではないか。
それからもちろん今までも市民相談に乗っていただいている市民部も含まれるのではないかと思うんですが、この認識は共有していただけるでしょうか。
市長の答弁
基本的にそういう認識は共有しますが、現在のところ『過労死防止』という観点での啓発が何か進んでいるとは、私も認識としてはあまり持ててはいません。
フジノの質問
続いて、認識の共有を図りたいという意味で何点か伺いたいんですが、市長は久里浜での『和民』における過労自殺の件は憶えておいででしょうか?
市長の答弁
憶えています。
フジノの質問
この時、このニュースを聞いた時の率直なお気持ちをお聞かせいただけますか?
市長の答弁
その時の気持ち、となかなか言えるかわかりませんが、やはり会社側の対応も良く無かった所ありますし、やはり研修も無ければ、本当に慣れない仕事をさせられて、長時間働かされた、と。
そういった労働をやはり認めてはいけないものだ、というふうに認識しています。
フジノの質問
「過労死・過労自殺、あるいは過労による疾病・疾患・障がいが引き起こされるような労働状況はあってはならない」と市長もお考えになって下さいますか。
市長の答弁
あってはならないと思います。
フジノの質問
バックグラウンドが同じ想いだという事で、共有していただけたと思います。
本当に20代後半の若い女性がこんなことで命を奪われるなんて絶対にあってはならない事だという怒りと悲しみと悔しさが、今もはっきり残っています。
そんな中で、国の対策の状況というのは本当にひどいものがありまして、先ほど国の全般の警察署の統計の中で『勤務問題』が2000人から居るのに、『労災認定』されているのが100人に満たない、というお話しをしました。
横須賀市も調べてみたんですけど、毎年、横須賀市では・・・ごめんなさい。人数をまるめるのは嫌なんですけど、おひとりおひとりのバックグラウンドがありますので・・・
けれどもだいたい約80名から100名の方が毎年亡くなっているとして、その中で遺書を残しておられた方で『勤務問題』がメインの理由だという方はやはり5名から10名は毎年いらっしゃる。
けれど多分、県の労働局へ経済部は問い合わせていただいたと思うんですが、平成20年の過労自殺事件以来、横須賀市内では過労自殺・過労死は起こっていない、『労災認定』されていないっていうふうになっているはずなんです。
こういう現状と国の基準、ハードルの高さなどを市長はどんなふうにお感じでしょうか。
市長の答弁
私も『労災』の統計の区分についてはあまり詳しくなくて、あまり行政的な答弁というのはしづらいところですけれども、実際、当事者の方のご遺志や置かれた状況というのはその前段でもよく拾い上げてはいただきたい、というふうには思います。
フジノの質問
やはり国・県は今までも労働行政、取り組んできたんだけれども、それでもこんなにも乖離がある、という現実をひとつ知っていただきたい。
感想まで求めてしまったのは申し訳なかったと思いますが、やっぱりこの現実というのは放置してはいけないと思います。
今回、法律で『地方公共団体』の責務が謳われました。
『地方公共団体』とは書かれてはいても、その中では県がメインになることが多くあるかもしれません。
それでもやっぱり横須賀市にもこういう実態があって、全国と同じ状況がある。勤務問題で苦しんで過重労働で苦しんで、そして自殺に追い込まれる人がいる。
そんな中でも横須賀市ができることがたくさんあると思っています。
先ほど市長が例にあげて下さった事、それから僕自身が例としてとりあげた事、いろいろあると思います。
最後に質問として、僕は「新しい取り組みを始めていただけないか」ということを申し上げました。
それは何かというと、今まで横須賀市がやってきたことっていうのは、基本的に相談中心なんです。
過重労働に苦しめられて「本当に限界だ」って言った時に、相談として受け止めてくれるのが市だった。
でもそれはやっぱりそれ、相談を受けてその場では楽になっても、企業に戻って働かされたら、また苦しみはかえってくる。
結局、相談をしてもその後の状況が変わらなければ、苦しみからは逃れられない。
だから僕、これから『過労死等防止対策推進法』がある今は、市に相談が来たりしたら、県や国の監督機関と意見交換をするタイミングを持ったり、定期的に持ってくれとは申し上げませんが、「こういうケースがあるんだ。実際にもっと支援してくれ」というふうに、市民の方の背中を押してあげる、支えてあげる。そんな取り組みをしていただけないか、というふうに思うんですが、いかがでしょうか。
市長の答弁
直接的に1番身近な組織としては『労働基準監督署』になろうというふうに思いますので、ぜひどんな連携ができるかというのは考えていきたいと思います。
フジノの質問
『労基署』には、『自殺対策連絡会』にもメンバーとして入っていただいていますし、接点はいろいろあると思うんです。
そんな中で横須賀市がもしも「助けてほしい」というサインを、声をあげてくれた方、市民相談に実際に来ていますし、その時にはやはり行政からサポートしてあげてほしい。
市には企業への監督権限なんていうのは存在しませんし、あくまでも啓発ぐらいしかできない。
でも啓発しかできないんでは、やはり実質的なサポートには弱いと思うんです。
そして、今の国・県の取り組みの弱さをみるにつけても、勤務問題で亡くなっている方がこれだけ、千倍くらい『労災認定』より多いのに放置されている状況をみるにつけても、実質的な企業への取り組みを、市も後押しをしてほしいというふうに要望したいと思います。
最後に、『東京湾口道路』に関する『都市計画マスタープラン』における位置づけについて質問をします。
僕は市長と市議時代からいろんなお話しをさせていただきましたが、『東京湾口道路』について、市長、熱意を持って市議から市長になった後も、まだ一時期仲が良かった頃、この話をした事をよく憶えています。
費用対効果の面からも考えなければならない、そういう抑えたニュアンスでは無くて、当時ははっきりと「必要は無いんだ」「防災に資するというものでも無いんだ」とはっきりおっしゃっていただいていたな、というふうに思います。
そんな中、『基本計画』に位置付けなければならないのも本当に残念な、玉虫色っぽい、いわゆる日本ぽい決着にはなりましたが、名前を落としたことをもって市長は「実質的にこれはもう廃止したんだ」と僕は受け止めて『基本計画』の時には質疑を交わしませんでした。
ただ『都市計画マスタープラン』、それから先ほどの政策推進部長の答弁を聞くと、ちょっと今、市長のおっしゃったことと齟齬があるような感じがしました。
そこで確認させてください。
『東京湾口道路』を造ることについて、政策推進部長は「明るい未来に向かう事」というような趣旨のご答弁をしておられます。
「『東京湾口道路』を造る事は横須賀にとって明るい未来につながることだ」と、市長はお考えでしょうか?
市長の答弁
あまりそうは思いません。
フジノの質問
ありがとうございます。僕も全くその通りだと思います。
そして、『横須賀が明るい未来に向かう事』と『巨大公共事業の借金を背負わされたりする事』は、全く相反する事だと思います。
また『東京湾フェリー』との関係もあると思いますし、取り組まねばならない課題はたくさん他にあると思います。
だからこそあえて今回この質問をしたいんですが、市長。『都市計画マスタープラン(案)』から、『矢印』も削除することはどうしてもできないんですか。
この地域主権の時代の中で、国の計画の中に入っているから仕方がない、ただ唯々諾々と受け入れて『矢印』を書き続けるんですか、これからも。
これはカット出来ないんですか、市長の判断で。
市長の答弁
国の『国土形成計画』、そしてこれに基づいて県もいわゆる都市計画区域の整開保と呼ばれる『整備開発保全の方針』、そして『神奈川交通計画』、こういったところでも同様の位置づけを行っていますので、なかなかこの位置づけを消し去る、という事は、そういったところとの合意形成が必要になるんではないかと思っています。
フジノの質問
最後の質問になります。
『名称』を外すだけでもどれほどご苦労なさったか、当時、市長からお聞きしたことをよく憶えています。
その『基本計画』の着地点というのは1期目の本当に厳しい中でよく頑張った、というふうによく憶えています。
が、いまや市長は2期目に入り、国や県のいろんな機関とも市長はお話しをするようになり、意見交換をする機会というのも大変増えたと思います。
本当に必要な道路はたくさんありますからそちらの取り組みを進めつつも、実際には『凍結』をされていて、そしてもう見込みはない道路。これを横須賀市民に向けた、このまちの将来の設計図、しかも都市マスタープランは2035年が目標年度ですから、あとほんの20年。
20年の後にこんな道路つくるのか。
ありえない。絶対にありえないと思うんです。
仮に計画が上がってきたらまた、その時は相談しながら載せていけばいいかもしれないけれども、今は絶対にできない。
それにも関わらず載せつづける事ってやっぱり僕はおかしいと思うんです、地域主権の時代に。
ですから、他の必要な道路についての要望活動・要請活動などがメインになるのは重々承知していますが、「こういった公共事業を横須賀はもうやらないんだ」、そうはっきりとメッセージを打ち出して、国の『計画』に逆に横須賀の声を取り入れさせるような、神奈川県の『計画』などにも横須賀市の声を反映させるような、そういう取り組みを市長にはぜひしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
ご答弁をいただいて質問を終わります。
市長の答弁
考え方が相違するわけではないと思いますが、私としてはできればその作業にかける労力は、必要な道路への要望活動の労力に充てていきたいというのが正直なところです。
ですので、国や県の計画に位置付けられている以上ですね、この表記は変えずにこの表記を落とす作業を頑張るよりも、必要とされている道路の要望活動を頑張りたいというところです。