藤野英明です。よろしくお願いします。
1.コロナ禍での生活困窮と自殺の増加への対策の必要性について
1-1.生活困窮で相談支援を求める方々が土日祝日、連休、年末年始などであってもアクセスできる体制を作り、周知する必要性について
本市ホームページの生活困窮と生活保護のそれぞれのコーナーには、相談受付時間は平日9~11時、13~16時に本人が直接に窓口に来ること、電話やメール等での相談は受けていないことが明記されています。
僕はこの体制に長年強い違和感を抱いてきました。
仕事を失わない為に休みも取れずに働いている方々は、平日の指定された5時間に来庁できないからです。
職員のみなさんの業務量は限界に近く、人員を増加しても厳しい状況はよくよく承知しています。
それでも市民のみなさまの暮らしを守る為には、現在の体制を改め、いつでもアクセスできる体制とすべき、そしてそれを広く周知していくべきだと僕は考えています。
コロナ禍による経済的なダメージは2023年まで続くと推計した経済学者もいます。
市民生活へのダメージが収束するまでは、必要に応じて2年先3年先であろうと相談支援を充実させる必要があります。
この15年間、僕は年末年始に街頭に立って市民の方からご相談を伺ってきました。
この経験から、そもそも年末年始や土日祝日や連休、平日夜間などの閉庁時間帯にもご相談を伺える体制が必要だと考えてきました。
さらにコロナ禍です。
この2020年末は窓口をオープンすべきだったと強く感じました。
厚生労働省も全国の自治体が年末年始も相談窓口をオープンすることについて事務連絡を出し、全国の市区町村の相談先リストも公表しました。
実際に年末年始も相談窓口をオープンした自治体がメディアで大きく報道されました。
本市はどうだったか。
コロナ以前は、閉庁時間帯や土日祝日は、市の代表番号に電話をすると緊急性が高ければ守衛から生活福祉課の担当係長に転送される仕組みとのことです。
コロナ禍のこの2020年末は、住居を失なう方が想定された為に特別に係長と係員の2人1組の当番を決めて、宿泊施設を
紹介できる体制を取ったとのことです。
相談はゼロだったと報告を受けました。
しかし相談ゼロの理由は「市民の誰もこの特別体制を知らなかったから」だと思います。
議員である僕も知りませんでした。
先程の厚生労働省の自治体相談窓口リストにも本市は代表番号が記されていただけです。
何故、年末の特別体制を広報しなかったのでしょうか。
何故ふだんから閉庁時間帯や閉庁日も緊急性があれば相談を受けていることを広報していないのでしょうか。
コロナ禍の今、様々な困難に直面している市民のみなさまの暮らしを支援する為に、本市は相談支援体制を大きく変えていくべきです。
そこで伺います。
【質問1】
生活困窮に追い込まれながらも平日の限られた時間帯には市役所をじかに相談に訪れることは難しい方々がおり、そもそも市役所に相談したくてもできない方々がいらっしゃいます。
そこで、緊急の場合には福祉部生活福祉課は閉庁時間帯や土日祝日も電話で相談対応していることを広く市民のみなさまに発信すべきではないでしょうか。
【質問2】
来年度に新たに設置される生活支援課をはじめ、地域福祉課、生活福祉課は、土日祝日や連休や年末年始も市民の方々の相談に対応できるように、シフト制勤務によって窓口を365日オープンすべきではないでしょうか。
【質問3】
また、相談は原則本人が市役所を訪れねばならないという現在の手段に限定するのはやめて、新たに電話・メール・LINEなどでの対応を可能とすべきではないでしょうか。
【質問4】
こうした365日対応が仮に無理ならば、せめて2021年度はゴールデンウィーク、お盆、シルバーウィーク、年末年始などの連休中などに開庁日を設けて、相談対応を実施していただけないでしょうか。
1-2.今まで公的な相談窓口と接点が全く無かった方々にもアプローチできる、新たな福祉相談体制の構築の必要性
コロナ禍によって従来の貧困とは異なる、そして表面化しづらい新たな「見えない貧困」が広がっています。
これまでの人生において市役所の相談窓口とは一切無縁の生活を送ってこられた方々が困窮に追い込まれています。
その為、本来は公的な支援を受けられるのに、ご本人たちには「市役所に相談する」という発想が全くありません。
生活費を切り詰める、複数の就職先で働く、車を売る、貯金を取り崩す、といった思いつく限りの対応をし尽くしてもなお困窮に追い込まれているのに
「相談は恥ずかしい」
「福祉のお世話になるのはもっと厳しい人でしょう」
とおっしゃる方さえいます。
また、はたから見ると順風満帆な生活に見える方々もいます。
例えば、30代で夫婦共働き、新築のマンションと新車を買ったばかり、幼いこどもが複数居る世帯。
困窮とは無縁に見えますが、生活設計は完全に崩れました。
マンションと車のローンは妻の収入で返済していたものが、コロナ禍で妻は失業。
それまでは生活費に充てていた夫の収入からローンの返済もしなければならなくなりましたが、飲食店に務めていた夫の収入は激減し、貯金を取り崩して生活してきました。
妻は再就職先が無く、夫の収入も減少したまま、貯金は底をつきました。
この年末年始はたまたま僕から本市の年末特別食料支援を聞いて何とか食べつなぐことができました。
こうした今まで公的な相談窓口とは全く接点が無かった方々にもアプローチできる、新たな福祉相談体制の構築が必要だと僕は考えています。
市長も同じ危機感を抱いているのでしょう。
来年度から、市民と行政のタッチポイントを増やす必要性から『福祉コミュニケーションツールの充実』を新たにスタートします。
福祉サービスが必要なのにつながらない、つながりにくい人が行政につながりやすくなる取り組みを実施する、とのことです。
その1つとして『福祉に特化したLINEアカウントの運用』を行ないます。
実際に運用を行なう地域福祉課に詳しく伺うと、相談フォームを作り、開庁時間帯は市職員が回答する、閉庁時間帯は「翌日対応させていただきます」という自動返信を送り、翌営業日に職員が回答する。
現在の市民相談室の取り組みをLINEで行なうイメージとのことでした。
今は音声を使った電話さえ使わない世代が増えていることから、電話でもなく対面でもない、24時間365日利用できるLINEを用いることは現実的であり、この『福祉に特化したLINEアカウント』をスタートすることは高く評価しますが、実際の運用にあたってはさらに工夫をしていただきたいです。
そこで伺います。
【質問5】
若い世代には従来の広報よこすかやホームページや市内の掲示板だけではまず届きませんし、民生委員との接点も無く、相談支援を受けることに抵抗感や拒否感を持っていればなおさら情報にもアクセスしないので、そもそも新設する『福祉に特化したLINEアカウント』の存在を知っていただくこと自体が極めてハードルが高いことを市長も感じておられるはずです。
福祉サービスが必要なのにつながらない、つながりにくい人々に対して、新設する『福祉に特化したLINEアカウント』の存在をどのようにして知っていただくのか、いかに登録していただくのか工夫が必要ですが、その取り組みをお聞かせ下さい。
登録していただいたら使っていただく工夫が必要ですが、LINEを使う若い世代には返信のスピード感が大切です。
しかし新たに始める「福祉に特化したLINEアカウント」の返信は、あくまでも開庁時間帯のみと限定的です。
すぐに既読がつかなかったり「翌日対応させていただきます」との自動返信に失望してやりとりを途中で断念してしまうことを僕は懸念しています。
【質問6】
そこで、新たに運用する「福祉に特化したLINEアカウント」の対応は、閉庁時間帯や土日祝日や連休や年末年始も可能な限り即時に返信できる体制を検討していただけないでしょうか。
福祉制度に精通した市職員による返信は望ましいことではありますが、例えば閉庁時間帯などは外部委託を活用するなど、24時間365日対応を実現する為にあらゆる方法を含めてご検討いただけないでしょうか。
1-3.提供時間帯や曜日を問わずに必要とする全ての方が食料を受け取れる、官民連携の体制づくりについて
本市が昨年12月末に実施した年末特別食料支援はとても意義のある取り組みでした。
僕自身も市内全域での広報や動画やSNSでの発信、若い世代への徹底した口コミなどに努めて、これまで市役所とは全く縁の無かった、新たな『見えない貧困』に追い込まれている方々に必死に呼びかけをしました。
そして約1500人もの方々が食料を受け取って下さり、大変ありがたかったです。
しかし終わってみると、お叱りの声もいただきました。
提供が12月24・25・28日と平日の市役所の開庁時間帯のみだったからです。
これに対してそもそも平日の開庁時間に市役所や行政センターには行かれないので、はじめから申し込みを諦めた、とおっしゃるのです。
こうした声に対応する為に、民間フードバンク団体とのさらなる連携が必要です。
本市でも複数の民間フードバンク団体が活動しており、この年末年始も夜間や土日祝日も活動して下さいました。
ただ、市民の方々はそもそも存在さえ知らない、インターネットで探しても見つけづらいのが現状です。
さらに
「市が行なった食料支援は公による取り組みで絶対的な安心感があったから申し込みをしたが民間団体には申し込めない」
という官民の信頼感の違いも指摘されました。
けれども、官民それぞれの長所を活かし短所を補い合えば、もっと食料支援を広げることができるはずです。
例えば、今回は最初の広報段階から、市の提供時間帯では食料の受け取りが難しい方を想定して、夜間・土日祝日も活動している民間フードバンク団体の連絡先一覧もご案内すべきでした。
また、本市と民間フードバンク団体とが連携していることを強くアナウンスして信頼感を提供すべきでした。
残念ながら2020年末にはここまでの連携はできていなかったと感じています。
現在も本市は平日の開庁時間に食料の提供を継続しており、この問題は続いています。さらに来年度も大型連休や年末年始に特別食料支援が必要になる可能性があります。
そこで伺います。
【質問7】
市役所の閉庁時間帯や土日祝日であっても食料の必要な方々が官民を問わずに食料の提供を受けられるように、民間フードバンク団体と積極的に連絡調整を行ない、団体の連絡先や活動を積極的に広報するなどの連携体制を作るべきではないでしょうか。
1-4.食料支援を市民ボランティアと官民協働で進める必要性
今回、年末特別食料支援は市役所全体で約100人の応援体制を組んで準備をしました。
職員のみなさんのモチベーションは高く、それは素晴らしいことでしたが、通常業務に加えてコロナ対策での保健所への併任辞令もあり、さらにこの応援は負担が大きかったのではないかと僕は受け止めています。
僕が市内を広報して回っていた時に、市民の方々から
「食料や金銭の寄附はできないが仕分けなどのボランティアとして協力したい」
という声を頂きました。
担当課とも相談しましたが、今回は時間的余裕がなくお断りせざるをえませんでした。
しかし市民ボランティアの存在は職員の負担を減らす為にもありがたく、そもそも生活困窮に官民協働で立ち向かうことは本市の目指すべき姿です。
そこで伺います。
【質問8】
現在も継続している日常的な食料支援に加え、今後も大型連休やこどもたちの夏季休業や年末年始には改めて特別食料支援を実施すべき時が必ず来るはずです。
ぜひ市民ボランティアを募集して、官民協働で食料支援に取り組むことを検討していだだけないでしょうか。
1-5.横須賀こころの電話の今後のありかたを自殺対策推進協議会で検討する必要性
コロナ禍で11年ぶりに自殺の犠牲者が増えています。
その為、菅首相は「孤独・孤立対策」担当大臣を新たに任命、内閣官房に「孤独・孤立対策担当室」を新設、急増した女性とこどもの自殺を防止するよう指示しました。
上地市長も自殺の犠牲者を無くしたいという強い想いから施政方針演説の福祉施策の冒頭で自殺対策を語り、来年度予算案でも「主な最重点施策」に「自殺対策と精神保健対策の充実」を位置づけました。
その取り組みの1つに横須賀こころの電話があります。
2004年12月から現在まで、その取り組みは本市の自殺の犠牲者を減らす上で大きな貢献をして下さったと高く評価しています。
けれども昨年9月議会の一般質問で申し上げたように、コロナ禍で犠牲者数が増加している今、本市が17年間で50%自殺を減少させたという成果は無かったものと頭を切り替えて、自殺対策を強化すべきだと訴えてきました。
そもそも僕はこの電話の設置の提案者ですが、開設から15年以上続いてきた横須賀こころの電話も例外とすべきではなく、現在のあり方をゼロベースで検討すべき時期に来たと僕は考えています。
繰り返しになりますが、経済的なダメージや生活困窮は今後も続くことが見込まれています。
現在の横須賀こころの電話は、研修を受けた市民ボランティアの方が電話をかけてきた方のお話をひたすら傾聴する方式です。
相談者が苦しんでいる悩みやこころの重荷を第三者である相談員の方々にじっくりと傾聴していただくことには確かに大きなストレス低減効果があります。
その一方で、かねてから傾聴だけではなく、実際の問題解決につながる支援を求める不満の声をいただいてきました。
カウンセリングを受けられる訳でも無く、相談内容に応じて市役所内外の多職種につなぐ取り組みも行われていません。
保健所の精神保健福祉相談では具体的な問題解決の為に市役所内外の多職種と連絡調整をしていますが、こことの連携もありません。
開設時間帯についても2004年当初から、僕は24時間対応、少なくとも市役所の閉庁時間帯をカバーするよう拡大を求めてきました。
しかし逆に2020年4月からは委託先の事情で、これまで深夜0時までだったのが23時までと1時間繰り上げになってしまいました。
この点も深夜や明け方の相談を求める方々からは不満の声を頂いています。
昨年、我が国では児童生徒の自殺が過去最多となりました。
先の質問でも申し上げましたが、音声を使った電話でのやりとりをもはや行わない若い世代が増えており、メールやLINEなど電話以外の複数の相談手段が求められています。
こうした時代の変化と求められる相談体制について、僕は運営委託先であるNPO法人とかねてから意見交換をしてきましたが、新たな対応は難しいとお返事を頂いてきました。
けれども現在の委託先が実施できるか否かという視点は一旦置いて、コロナ禍で自殺の犠牲者を減らす為に必要なことは何かという視点に立って議論すべきです。
論点は多数あり、具体的な問題解決に対応できる多職種連携、傾聴だけでなくカウンセリング的な高い専門性、メールやFAXやSNSなどアクセスする手段の多様化、外国につながりのある方々の為の多言語対応、相談できる時間帯の拡大や、緊急時のアウトリーチなど、命を守る為に必要なあり方をゼロベースで議論すべきです。
この議論の場は本市の自殺対策のエンジン役である自殺対策推進協議会が最もふさわしいと思います。
そこで伺います。
【質問9】
来年度、自殺対策推進協議会において、今後の横須賀こころの電話のあり方を検討していただくべきではないでしょうか。
2.来年度、保育事業を実施するにあたってまず本市が絶対に取り組むべきことについて
2-1.和解が成立した家庭保育福祉員制度利用中の須田颯生ちゃん死亡事故に係る損害賠償請求控訴事件における、ご遺族との和解条項の具体的な履行について
来年度、保育事業を実施するにあたって、まず本市が絶対に取り組むべきことがあります。
それは、和解が成立した家庭保育福祉員利用時の須田颯生ちゃん死亡事故に係る損害賠償請求控訴事件における、ご遺族との和解条項を具体的に履行することです。
2010年9月に本市の家庭保育福祉員を利用中に生後4ヶ月の須田颯生ちゃんが亡くなるという事件が起こりました。僕はご遺族からじかにその悲しみの声をお聞きしてきました。
同時に、家庭保育福祉員という取り組みの重要性も強く感じており、なんとかご遺族と当該家庭保育福祉員と本市とが同じ思いに至ることはできないかと悩んできました。
しかし訴訟も始まってしまい、僕ができることは本市の「保育の質」を向上させることだと心に決めて、議会で様々な提案を行ってきました。
事件当時の市長は事件直後にご遺族の承諾も得ずに記者会見を行なうなど、当初からご遺族のお気持ちに寄り添わない姿勢があり、その後も良かれと思って取った本市の行為がご遺族のお気持ちを傷つけてしまうなど残念なズレが続いてしまいました。
6年間にわたる裁判の末に和解が成立したのですが、和解後の本市の姿勢に僕は疑問を感じています。
昨年12月議会の教育福祉常任委員会で和解の報告を受けましたが、その際の答弁が象徴的です。
第一審で本市はご遺族に約5257万円を支払えという判決が出て、控訴をしていました。
明らかにご遺族にとって有利な判決であったにもかかわらず、長期化する裁判に疲れたのか、あるいは本市が控訴をしたことに絶望されたのか、ご遺族は全額を放棄しました。
その為、委員会質疑ではご遺族が和解に至った理由を尋ねられましたが、こども育成部はあくまでも裁判所の主導で和解を勧められたからご遺族がなぜ和解を選択したか真意は分からないと答弁しました。
本来でしたら、丁寧にご遺族の心情をお尋ねして和解条項のそれぞれの項目についてその真意をお尋ねすべきであったのにと僕は感じました。
さらに、和解条項の2つ目である「今後の保育事業において、保育する乳幼児の安全に最大限の注意義務を尽くすよう努力すること」について質問された際にも、こども育成部は
「今も十分やっているつもりなのですがさらに気を引き締めてやらなければいけない」
という精神論を語るにとどまりました。
颯生ちゃんの死亡事故は、本市の保育行政の歴史の中で最重要といっても過言ではありません。にもかかわらずこうした答弁で、僕は率直に残念でなりませんでした。
だからこそ、和解を受けて最初の年となる来年度は保育事業を実施するにあたって、まず絶対に取り組んでいただきたいことがあります。
上地市長の心ある答弁と具体的な対応を期待して質問します。
【質問10】
和解条項の1番目には、颯生ちゃんが保育中にお亡くなりになられたことについて本市が遺憾の意を表明することが挙げられていますが、残念ながらこれまで本市がご遺族にじかに遺憾の意を示したことは無いと聞いています。
そこで上地市長にぜひお願いしたいのですが、最も公的な場である本会議の場を通して、どうかご遺族に遺憾の意を表明していただけないでしょうか。
【質問11】
和解条項の2番目に挙げられている、「今後の保育事業において、保育する乳幼児の安全に最大限の注意義務を尽くすよう努力すること」について、昨年12月議会での委員会答弁のような精神論ではない、和解条項の願いにそった取り組みを新年度は具体的にどのように行なっていくのかをお聞かせいただけないでしょうか。
市長の答弁
まず、緊急時における相談体制についてです。
夜間や閉庁日に緊急を要する案件が発生した場合には職員に連絡が取れる体制を取っていますが、一般的な相談を受けている訳では無いので、広く市民への周知はしておりません。
次に、365日オープンすることについてです。
生活困窮相談をはじめとする様々な福祉の相談は、背景が複雑なことが多く、専門性が必要であったり、担当者単独での判断が難しかったり、市の関係部署や市役所以外の関係機関・関係施設等との調整が必要であったりする為に、休日等の対応は、相談者にとっての相談だけの対応に終わってしまうことが危惧されます。
加えて、現状の人員体制等を考え合わせると365日オープンすることは難しい状況ですが、休日等の対応は課題と認識しておりますので、 ICT 技術の活用も含め対応方法について検討してまいりたいと思います。
次に、新たな相談対応についてです。
すでに電話やメールでも相談に対応していますし、福祉のLINE 相談も始めてまいります。
ただし、ご本人確認や資料が必要であったり複雑な案件については対面でないと齟齬(そご)が生じる場合もあるので来庁していただいたり、来庁が難しい場合には職員が訪問したりしながら、対応を行なっています。
議員ご指摘のホームページの誤解のある表現については改めてまいります。
次に、連休中の開庁についてです。
先ほども答弁いたしましたが、連休中の対応についても課題と認識しておりますので、対応方法について検討してまいります。
次に、LINE アカウントの周知についてです。
広報よこすかやホームページ、市の掲示板、民生委員の方を通じた周知を行うとともに、市公式 Twitter などのSNSや、 動画を活用した周知も図っていきます。
しかしながら、議員ご指摘の通り、それらの方法だけではサービスにつながらない、つながりにくい方などには十分に伝わらないことが想定されます。
少しでも多くの方に情報が届くように、市内で活動されている様々な団体の方にチラシなどによる周知についてご協力をお願いし、クチコミでも情報が広がるように、取り組んでいきたいと考えます。
次に、即時の返信についてです。
『福祉に特化した LINE アカウント』には寄せられる相談は、福祉に関する多岐にわたる内容が寄せられる可能性が高く、関係課や関係機関での確認が必要が必要となる場合も数多く想定されます。
その為に、閉庁時間帯などに即時に回答できる体制を確保することは現時点では難しいのではないかと考えます。
まずは、少しでも早く相談受付を開始したい為、開庁時間内での対応を基本とし、閉庁時間については、開庁時間内での対応となる由を自動返信を行なうことで、運用を開始したいと考えます。
そして、時間外の対応については、 相談件数や緊急性等を含めた相談内容を見ながら検討してまいりたいと思います。
また将来にわたっては AI の発展により AI チャットボットの活用も視野に入れていきたいと思います。
次に、食料支援について2問併せて回答いたします。
従前から困窮者相談や自立相談とともに、食料の支援を必要とされている方に対し、年間を通して食料の提供を行なっています。
これに加え、コロナ禍において『見えない貧困』が広がっているのではないかとの想定のもと、緊急食糧支援を実施してまいりました。
議員ご指摘の通り、官民が連携することで、支援がより充実するのではないかと考えております。
民間との協力については、緊急食糧支援に際しても、多くの市民の方々、市内外の企業のみなさまの他、『フードバンクかながわ』から多くの支援をいただきました。
そして『フードバンクかながわ』とは平常時においても、協力体制を取ってまいりました。
連休中の食糧支援のあり方については、コロナウイルスや経済など社会状況から判断する必要はありますが、支援を進めるに際してはどのような体制で実施するか、 民間団体等との強力体制も含めて検討してまいりたいと思います。
また、民間フードバンクの活動に限らず、福祉活動団体の広報等の手法についても併せて検討してまいります。
次に、横須賀こころの電話についてです。
横須賀こころの電話は平成16年度に開始し、年間約5000件もの相談を受けており、電話相談対応のボランティアをはじめ、スタッフの方には大変感謝をしているところです。
悩みを抱え、つらい気持ちを聞いてもらったことで助かった方も多くいらっしゃると思いますので、横須賀こころの電話はぜひ継続していきたいというふうに考えます。
一方で、 SNS が普及するなど、開設当時とは環境が変化したことも事実です。
この為に来年度の自殺対策推進協議会において、環境の変化に合わせた相談体制について検討したいと考えています。
次に、乳児死亡事故についてです。
今回の事故において、ご遺族にとってはかけがえのない幼いお子様がお亡くなりになりましたことは誠に遺憾でありまして、ここに改めて、謹んでお亡くなりになられたお子様のご冥福を、心よりお祈り申し上げたいと思います。
次に、和解条項に沿った取り組みについてです。
現在、市立保育園の園長会においては、新年度に向けて、睡眠チェックの間隔の短縮やチェック方法の改善、睡眠時の記録の方法の見直しを検討しておりまして、4月から実施したいと考えています。
また、一時預かり保育を実施するうわまち保育園と津久井保育園の2園への乳児呼吸センサーの設置や、さらには、保育士を対象とした、保育に関わる事故防止や安全対策を加えた研修を 計画しています。
なお、本市においては今後も保育の安全の向上に向け、これまで取り組んできた事項については改善すべきことは改善した上で、継続して取り組みつつ、ハード面・ソフト面での両面からさらなる保育の安全の向上に努めていきたいと思います。
以上です。
フジノの再質問
市長、ご答弁ありがとうございました。
このテーマについては、意見交換・質疑をしたいことが本当にたくさんあります。
実は歴代の市長、過去2人居ましたけれども、歴代の市長とも、担当部や総務部と実現に向けて意見交換をしたことがあります。
そのたびに言われたのは、「組合が強いから」とか、そういうような理由で全く話題にもしていただけなかった。
けれども、このコロナ禍という緊急事態を経ました。
加えて、総務部の担当課長、そして福祉部長を始め、福祉部の課長、さらにそれを司る副市長、市長。このメンバーであれば、現在の体制ならば、この危機感を共有していただけるのではないかと思い、質問をいたしました。
すぐに市役所が24時間365日オープンするとは、僕も夢想家ではありませんので、そのようには思ってはいません。
けれども、その方向を目指していただきたいという想いを今回の質問で問題提起をさせていただいた、というのが今回の質問の経緯です。
具体的に、市長と質疑を交わしていきたいんですが、まず1番最初に、市長の迷いをここで何とか解消していただきたいなという気持ちがあります。
上地市長は、過去の答弁や今回の代表質問においても答弁において、「誰も一人にさせないまち横須賀」を究極の目標としながらも、市長ご自身も1人でいる事を好む時があるし、
「誰も一人にさせないと言いつつも、孤独を愛する方もおられるから、どこまで誰も一人にさせないというのが良いのか、迷うことがある」
という趣旨のご発言をされていました。
これは実は、『行政が扱うべき孤独・孤立』と、それから『1人でいることを趣味・嗜好(この言い方はごめんなさい)生き方として好まれる方』とは全く別の存在であると言うことをぜひご理解いただきたいんです。
ちょっと説明をさせて下さい。
もう1980年代に社会心理学では『孤独』の定義が出来ていまして、1番目は個人の社会的関係の欠如に起因する。
2番目は、主観的な体験であって、客観的な社会的孤立とは同じ意味ではない、と。
3番目、これが1番重要なんですが、不快であり苦痛を伴うもの。苦痛を伴うんです。
つまり『孤独』というのは、本人が望まないものであって苦痛を伴うもの。
市長がおっしゃっているご本人が望む孤独、日本語では1つしかないので、示す単語がひとつしかないので、lonelinessとsolitudeというんでしょうか。
ひとりでいることの意味合いが全然違うということをご理解いただきたいんです。
これを具体的に裏付ける研究もいくつもありまして、人が社会的心理学的に言うところの『孤独』を感じると、身体的な痛みを感じた時と同じ脳の活性領域、具体的には対側前帯状皮質というところなんですが、ここが活性化する、つまり痛みを感じる。
実際に心身に悪影響を及ぼすんですね。
イギリスで孤独・孤立対策がなぜ進んだかと言うと、孤独がある方は、これは複数の研究を1本にまとめています。
- 死亡リスクは26%増加する。
- 冠動脈疾患発症リスクが29%増加する。
- 脳卒中発症リスクも32%増加する。
これ、全て悪化するという意味ですね。 - 認知症発症確率も1.64倍になる。
- Ⅱ型糖尿病発症予測因子に孤独がある。
- うつ病の発症リスクも上昇の要因でもある。
- 自殺者の心理的特徴の1つである。
つまり本人の望まないものが『孤独』である。苦痛を伴うものが、『孤独』である。本人の健康や生命にダメージを与えるものが『孤独』である。
市長がおっしゃっているのは、文学的意味での、ひとりでいることによってご本人の生き方をより豊かにするとか、そういうことの部分であって、それと市長が本来めざしておられる、「誰も一人にさせないまち横須賀」とは、全く別のお考えであるということを、どうかここで1度ご理解いただいて、今後の「 誰も一人にしないまち横須賀」を進めるにあたって、どうか迷わないでいただきたいと思うんです。
簡単なご説明ですが、ご理解いただけたかどうか、おっしゃって下さい。
市長の答弁
嬉しいですね、そう言う説明を聞かせていただいて。
私は死ぬも生きるも自分しだいだっていうふうに今でも思っている人間でして。
別にまあこれは私の生き方だから、社会がどうだろうが、政治がどうだろうが、死ぬも生きる自分しだいだと思っている、孤独を愛する自分がいつもいます。
一方で、常に社会と連帯しながら生きていかなければならない。つながっていかなければならない、という人間としての必然性がある。
いま言ったように、いじめとか人権とか社会によって放逐された人たち、あるいは置き去りにされた人たちって言いようのない孤独にある、ということはすごくよく分かってるつもりです。
私もそういう目に遭いましたから。
ただそのSOSにどのような形でどういうアプローチをしたらいいのかというのは、これは行政だけではできないと私は思っています。
ありとあらゆるセーフティネットが社会の中に散らばっている。官民を問わず散らばっていてつながり助けあう社会こそが私は理想の社会だ、というふうに思ってるんです。
たぶん私の言い方で誤解される方が多いだろうと思われて、すごく気配りをしてお話しをしていただいたことに本当に感謝を申し上げたいんですが、
人間っていうのは究極的にはやはりひとりでは生きていけないし、つながっていかなくてはいけないし、これが事実であります。
だからといって、それが全て官あるいは行政がやるべきものではないのではないか。
つまり、そういう仕組みも含めて、そういう社会をつくりたい、というのが私なのであって、社会的な孤独を感じる方に対してはぜひ手を差し伸べたいし、差し伸べなければいけないというのも事実です。
誤解をされそうな言い方をしてしまいまして、別に迷っているわけではないんですが、どういう仕組み、どういう社会、どういう現世、現世と言ったら言い方おかしいな。
どういう世の中があったらいいのかということをいつも考え続けている人間なので、迷いは無いんですが、その仕組みとして行政がやるべき問題なのか、個人の問題なのか、仕組みの問題なのかということをいつも悩んでまして、誤解を生じるような発言になってしまったことをお許しいただければというふうに思います。
フジノの再質問
ありがとうございます。
一方で『新たな見えない貧困』というのは本当に難しい存在だなというふうに思っております。
いろんな研究があるんですが、僕個人としては7つぐらいに分かれるんじゃないかなと思います。
まず、福祉そのものを恥だと思っている。
それから、公助の存在そのものを全く知らない。
それから、自分は公助の対象では無いと思っている。
それから、セルフネグレクト。これはよく福祉部長とも意見交換するんですが、セルフネグレクトをされている方。
また、ちょっと似てるんですが、孤独を愛していると思い込んでいる。本当は困窮にあるんですけれども思い込んでいる。
それから、厳しい状況に追い込まれている人同士が、横須賀は『共助』が発達しているので、これはやがて共倒れにつながってしまうんですが、そこでなんとか留まっている。
先ほど具体例で挙げたような、若くて外からは困窮してなく見える方に加えて、こういうような心持ちを持っておられるような方がいらっしゃって、そしてご本人たちもどの区分かなどもちろん分かっていないですし、クロスしている人もいらっしゃるんですね。
ですから、僕たちがやらなければならないことはたくさんあるな、と思っています。
その1つとして、福祉そのものへの誤解を解く必要があると思います。
福祉と我々が言う時、ニュートラルに福祉と言うんですが、鍵括弧が入った『福祉』、何か『施し』『恵む』というものとイコールというふうに受止めてしまっている方がおられると思います。
あるいは『恥の文化』と言い換えてもいいかもしれません。
これを無くす必要があるというふうに思っています。
本来は国家的に取り組むべきことと思いますが、本市としてもそうした取り組みが必要だと考えているんですが、上地市長はどんなふうにこの誤解を解く取り組みが必要だというふうにお考えかを、お聞かせ下さい。
市長の答弁
それはやっぱり心根(こころね)の問題なので、福祉が後ろめたいという感覚っていうのはまるで違うと個人的には思っているんです。
何かしてあげるんじゃなくて、多分これは宗教心だというか、人としてどうやって生きていくかということに、ハンディを持った方たちだとかいろんな考え方があるかと思うんですが、そういう方たちと一緒になって生きていく、共生していく、という考え方が根本にあるならば、
行政という名のもとに、福祉としてのメニューを作ってシステムを作って救おうというところから戦後、昔は向こう三軒両隣助けあってきた社会で福祉の概念が無かった時代に、よく言われるように、戦後、戦争孤児に何をすることができるかというところから福祉という概念が始まった。
そうすると、持っている者が持たざる者に対して、あるいは健全な人たちが健全じゃない人たちに何かするという上位解脱っていうものの発想からこれがスタートして、戦後の貧しかった時、経済的にも精神的にも貧しい時から福祉という概念が出発したからだというふうに私は思っているんですが、生きるということをどういうふうに考えればいいか。これは根本問題だと思うんですよね。
だから私は今、行政の長としてやっていることは何かをしてあげるというか何かすることで、向こうが負い目を感じることなんか全く無いことだと思っている。
逆にいうと、何かさせていただけている幸せを感じるべきだと考えるのが私は行政であり、人と接することだと思っているんですが。
往々にしてそういう考え方と言うか、そういう概念とか、議論しないで来たんですよ、日本社会って。
ここに精神の貧困、経済の活性化による精神の貧困。システムだ、政治だ、何かが悪い。これはもっと根本的な問題で、生きているということはどういうことなのかが、議論しないままに来てしまった。
これ私は、自分自身にも恥じているところがあります。
だからして、私に何ができるかを考えながら今この立場にいる訳で、おっしゃるところは一緒だと思います。
思うんですが、何かとやっぱり行政側というのはシステムの中でメニューを作って何かをするというのが仕事だと思ってしまう。
だから、人として目線・哲学っていうのが、役人っていうのはある意味で逆に言って、無い。これは、あったらおかしい、法律の中だけで動いているから。
そこにすごくいつももどかしさを感じる、仕方がないな、というところも感じるところです。
でもこれからは、私当選した時に『忠恕』(ちゅうじょ)っていう話をしましたが、1人の人間として何ができるかという考え方になる職員が増えていってくれることによって、今言ったことは少しずつ解消できていくんじゃないかというふうに思います。
フジノの再質問
ありがとうございます。市長のお考えは大変よく分かります。
一方で、取り組める取り組みとは何が必要かなっていうのを意地でもやっぱり考えないと『新たな見えない貧困』には対応できないのかなというのも正直なところです。
例えば足元を振り返ってみると、さっき「横須賀市のホームページで誤解を招く記述はさっそく見直します」というふうにおっしゃって下さいましたが
横須賀市のホームページをご覧いただくと、
僕はいつも「小学5年生くらいにはわかってもらえる言葉遣いをしよう」というふうに考えているんですけれども、
ホームページが難しくて仕方がない。
市が配っている生活保護のリーフレットも難しくて仕方がない。
これ、ハードルが高すぎるんですね。
1度、棚卸しと言うか、本当に小さい子に読んでもらってそれで分かっていただけるような記述になっているかとか、そういったささやかに見えるかもしれないけれどもすごく大事なことを見直してみていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
市長の答弁
おっしゃる通りですね。
今も、役人たちとの答弁を擦りあわせたり、話をして報告を受けるんですけれど、役人言葉で分からないことがいっぱいある。
もっとふつうの人が、私はもう素人だっていう理解でなんで、もっとふつうの言葉で何故できないのかって話になるんです。
やっぱり法律という概念、あるいは中央省庁、国、県、市という概念から来たものに関して、こういう言葉ができあがった。役人言葉にならざるを得ない、という思考になっちゃうんです、法律と名の中で。
それを翻訳するにはどうしたらいいのかっていうのを、万度(ばんたび)、毎回毎回やっているつもりなんですが、やっぱりどうしても習性というか風土というか、そうならざるを得ないところがある。
今も口を酸っぱくして話をしていますので、今おっしゃったことも含めて、これからぜひもっともっと分かりやすく、普通の人にわかりやすくというと語弊があるかもしれませんが、こどもでも、難しい漢字が分からない人でも理解しやすいように表記に努めていきたいと思います。
フジノの質問
市長、ありがとうございます。
加えて、ぜひ心がけていただきたいというか、僕が工夫していることの一端をご紹介したいと思うんです。
「福祉は施しである」という方の信念はとても固くて、それは何故ならそれまでの生活背景があるので、例えば僕は、
「これだけ年末特別食料支援にご寄付が集まりました。余らせてしまうわけにはいかないので、どうか受け取っていただけないでしょうか。助かります、市役所も」
というようなヘタしたら外から見れば
「何を媚びているんだ」
と言われるかもしれないんですが、相手の方に
「受け取って下さい」「その方が我々は助かります」
というような言い方をしないと受け取っていただけなかった。
NPO と一緒に三浦で採れた素晴らしい野菜が、値崩れをしてしまう為に処分されてしまうのをお引き取りをして、そして市民の方に無料でお配りしたい、というふうな取り組みも NPO が一生懸命まちでやっていたんですけれども、
全然受け取ってもらえないので、僕やはりそこにお邪魔して、
「三浦で採れた素晴らしい、手塩にかけたお野菜がこのままでは廃棄されてしまう。持っていっていただけないでしょうか」
「本当に美味しいです。三浦の農家さんはこれを食べて欲しいと思っている。ただ生業として出荷すると赤字になってしまう、値崩れをを起こしてしまうから、出荷できない、もらってくれませんか?」
と言うとたくさんの人が受け取っていってくれた。
中には大学生もいて、
「友達に教えてあげて下さい」「もらってほしいんです」
という言い方をした。
市役所の申請主義を基本とする福祉サービスからすると
「もらってください」とか「受取って下さい」という言い方は、真逆の発想かと思うんですけれど、こういう発想の転換も必要な時代になったんじゃないかなというふうに思うんです。
市長の考えをお聞かせください。
市長の答弁
私もそう思います。
何故、申請主義だったかというと、そうじゃないと公私混同になったり、あるいは先ほどの小林議員のあれじゃないけど裁量主義だったり、何かに陥ってしまうから。
だからこそ申請主義だったというふうに、つまり、全てあまねく人たちに普遍的に何かするという概念は行政には無かったというふうに思うんですが、これからはそうではない時代になるというふうに思います。
できる限りそれに近づけて行かなければならない、というふうに思っています。
申請主義がすぐに無くなる訳ではないと思いますが、できる限りそのような体制になっていかなければならないというふうには感じていることは確かです。
フジノの質問
ありがとうございます。
それでは、具体的な質問への答弁について数点確認をしたいと思います。
年末年始の生活総合相談の実施状況について厚生労働省の書類があります。
これは昨年11月24日に『年末年始における生活困窮者支援等に関する協力依頼について』という事務連絡を出して、その結果とうだったのか、という書類なんです。
まず『依頼』の方を見ると一番最後にですね、
「各自治体においてはこうした対応について、これは開庁を年末年始もして下さい、相談窓口を開けて下さい」
ということについて、
「ホームページに掲載するなど住民の方への広報についてもご対応をお願いいたします」
というふうに記載があります。
本市は「特別な状況にある方に対して年末年始も相談の対応した」ということなんですけれども、「対応をした」ということをこうした事務連絡も来ているのに、何故住民に広報しなかったかについて改めて確認させて下さい。
市長の答弁
年末年始につきましては緊急対応っていう形で職員は待機していたんですけれども、先ほど市長が答弁しましたように、相談を受けているっていう形ではなかったので広報していなかったということでございます。
フジノの質問
年末年始の生活総合相談を実施した自治体の数はなんと194自治体にのぼるんですね。
中核市でも23自治体が年末年始に福祉事務所を開庁して生活相談を実施してくれました。
本市が「開けなくて良い」というふうに判断したその理由はどういったところにあるのか、お聞かせ下さい。
市長の答弁
こちらにつきましては、先ほど市長から答弁させていただきましたように、関係機関との連携も必要になってくるのでなかなか難しいということで
当初ですね、年末の緊急食料支援も本当は、29日、30日と年末でやる予定ではいたんですけれども
そこまで差し迫ってしまいますと、逆に、本当に救わなくてはならない人たちをつなげていくことができない、ということで前倒しで24日、25日でやらさせていただいたっていう経緯がございます。
フジノの質問
福祉部長、ご答弁ありがとうございます。
ただちょっと分からなかったんですね。
その「関係機関との連携が必要」というお話は理解できるんですけれども、実施自治体194自治体は関係機関との連携をしなかったのか?
あるいは相談業務に留まったのか?
福祉部長の答弁をそのまま当てはめると、この194自治体っていうのは一体何なんだというふうな気持ちになってしまうんですね。
本市が「開けない」と判断した基準とか理由が、例えば生活困窮相談がそこまで多くなかったとか、何か具体的な根拠があればまだ納得ができるんですが、
これだけ多くの自治体がオープンしていて、それはもう本当に北海道から九州まであらゆる地域に渡るんですよね。
東京ももちろん開けましたし、どうして本市が開けないで済んだのかっていう理由をもう少しご説明をいただきたいと思います。
また、年末特別食料支援を年末29日30日に本来予定していたけれども、やらなかった理由が「本当に必要な人を助けられなくなるから」?
本当に必要な人とそうでない人といらっしゃるんですか?
その辺についても、もう少し丁寧に答弁を、誤解を与えないようにぜひしていただきたいと思います。
市長の答弁
言葉足らずで申し訳ございませんでした。
29日30日では助けられなかった、ということではなくて、早め早めに相談を受けられれば対応がしやすかった、いうことでございます。
「他都市が開けていたのに」という部分でございますけれども、他都市の相談を受けた状況を少し確認させていただきたいと思います。
フジノの質問
福祉部長、 ご答弁ありがとうございます。
これはぜひ研究していただきたいんですね。
それで、これから、これからと申し上げますのも、横須賀市って『共助』が本当に発達しているので、リーマンショックの時も、東日本大震災の時も、僕はもう絶対自殺を増やしちゃいけないと思ったんですが、その年にはダメージは来ないんですね。
今回のコロナ禍では、犠牲者は増えていますけれども、ご家族に頼る、実家に帰る、友達が離婚しているひとり親仲間がこどもの預かりあいをする、食料を融通する、というような、そういう本当に『共助』が発達しているので、他の街よりも2年とか3年遅れてダメージがドーンと来るんですね。
僕はその意味で今回この時期に質問を差し上げたのは、やはり今のうちに、土日祝日あるいは大型連休に対応できる体制はどうあるべきなのかという研究をしていただいて、開けられる体制を考えてほしいと思うんですね。
「関係機関との連携が難しい」「関係機関は閉じてしまっている」と言うのであれば、本当にそれが閉じる理由なのかどうか。
今回、年末開けた自治体がどういうふうにやっていたのかとか、ぜひ確認をして今後に備えていただきたいと思います。
そして、これもぜひ市長に1度伺いたかったんですが
僕の父は警察官でしたので、365日、基本的には警察官というマインドでいました。
ニュースを観ていても、天候が悪化しても、自分がすぐ出動しなければならないのだというマインドでいつも生活をしていました。
官公庁でいうと、生活に不可欠なライフラインを持っているところでは24時間365日体制で働いてくれています。
消防のみなさん、救急のみなさん、上下水道のみなさん、市立病院のみなさん、障害福祉サービスの事業所のみなさん、介護保険サービス事業所のみなさん。
市を超えて、県・国を考えると、父のような警察官、そして安全保障に関わる自衛隊のみなさん。
民間では病院、電気、ガス、コンビニエンスストア、タクシーなど。
こういったライフラインを守っている人々の存在を考えた時に、そもそもずっと長年感じてきた疑問があるんです。
「何故、市役所が365日オープンじゃないのか」という根本的な疑問にいきあたります。
今回のコロナ禍のことはいったん置いて、本当にニュートラルな状態でぜひお答えいただきたいんですが、
市役所は市民のみなさまにとって一番身近なライフラインであるはずなのに、現在の、朝から夕方まで、そして土日休みがこのまま続くことが、本当に良いことなんでしょうか。
お答え下さい。
市長の答弁
良いことだとは思っていませんし、私も全く同感ですよ。
私、常在戦場で365日戦っている人間なんで。
こういう言い方はおかしいんですが、週休2日で、っていうのは人生の中でほとんど無かった人間なんで、議員がおっしゃってる意味は十分、分かっているつもりです。
今度のコロナ禍で、年末年始もずっと健康部はやってくれてました。
すごくみなさん頑張ってもらって。全庁をあげて交代でやっていました。
その方法を取れなくはない。
さっきおっしゃっていたように、組合うんぬんという話はありますが、もうこれからは、社会貢献を組合もしなければいけない時代ですよ。
自分の権利の主張しているだけの時代じゃなくて、いかに社会貢献できるかを、みんなそれぞれがそれぞれのテーマを考えていかなければならない時代だというふう思っています。
いずれはそういう時代になると思っていますので、今は過渡期だと思っています。その検討をこれから続けていきたいというふうには思います。
フジノの再質問
『福祉に特化したLINEアカウント』と、それから横須賀こころの電話の在り方の検討についてに関連して伺います。
市長、ちょっとした質問にお答え下さい。
10代の1日の平均利用時間を調べた総務省情報通信政策研究所が実施した『令和元年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査』があります。
固定電話、携帯電話、SNS、それぞれどれが一番使われていると思いますか?
市長の答弁
SNSではないですか。
フジノの再質問
おっしゃるとおりです。
しかも、10代の1日の平均利用時間は、固定電話0.4分、携帯電話3.3分、SNSは64.1分。
完全に固定電話は使わない。携帯でも音声は使わない。
使うのはSNSなのです。
慶應義塾大学の学生が立ち上げて、大変有名になりました『あなたのいばしょ』というチャット相談は、利用者の8割が10代と20代です。
昨年は児童・生徒の自殺が過去最多でしたが、本気で守るなら、手段は電話相談だけでは効果がありません。
ですから、『福祉に特化したLINEアカウント』は必ず有効になりますし、横須賀こころの電話も、電話だけでは救う気なしと思われても仕方がないというふうに考えています。
また、もう1つ、テキストメッセージの利点があるのですが、相談したくても、同じ家の中に加害者がいる、DV、児童虐待、性暴力の加害者がいる、そこに音声で電話するなんて不可能なのです。
ですから、LINEを通じたテキストメッセージ、すごく重要だというふうに思っています。
そのあたりで『福祉に特化したLINEアカウント』、それから横須賀こころの電話の在り方の検討では、ぜひ意識していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
市長の答弁
当然ながら意識して、それを進めているところです。
フジノの再質問
最後の質問になります。
横須賀こころの電話の在り方について、るる申し上げてまいりました。
1974年から2014年の間に、早稲田大学の上田路子准教授が、自殺の犠牲となった約90万人の死亡時刻を調べたところ、深夜から7時59分までに亡くなった方が多いというふうに判明しました。
ですから、横須賀こころの電話だけでなく、本市のあらゆる相談支援機関、深夜から明け方にかけて相談体制をつくったり、拡充しなければ、全然救えない、守れないのです。
ですから、そこはぜひ意識していただきたいと思います。
本日3月1日から自殺対策強化月間がスタートいたしました。
コロナ禍での自殺予防週間、自殺対策強化月間の在り方について、どうするのですかというふうに質問させていただいてきました。
今回、本日からスタートする自殺対策強化月間、どのように取組を進めていかれるのかお聞かせ下さい。
健康部長の答弁
まだ緊急事態宣言も解除されておりません。
そして、今まで駅の街頭でいろいろなものを配ったり、PRしてきたところですが、今時点でその状況がまだはっきりしてない中で、やるとか、やらないとかという判断はまだいたしておりません。
フジノの再質問
質問を終えるつもりだったのですが・・・。
街頭キャンペーンのお話ではなくて、強化月間にどう取り組むのかについて、動画を使って下さいとか、いろいろな提案をしてきたのですけれども、そういうのは生かされてないということになってしまうので、もう少し丁寧な御答弁をお願いします。
健康部長の答弁
強化月間につきましては、従来どおり、今までいろいろな取り組みをしてまいりましたが、それについては1つずつ丁寧に、できること、できないことを判断して、続けるつもりではおります。
フジノの再質問
市長からも御答弁いただけますか。
市長の答弁
街頭が基本のことだったということを今お聞きしたので、きちんと電話相談も含めて、原点に戻りながら、自殺対策に取り組んでいきたいというふうに思います。
過去を洗い出して、何をやってきたか、それからこれから何が必要なのか、もう1度洗い直しながら、全力で取り組んでいきたいというふうに思います。
*以上です*