藤野英明です。よろしくお願いします。
1.市外の誰かに「選ばれるまち」を目指す前に今ここに暮らしている市民を守るべきではないか
(1)政府による「生活保護基準の引き下げ」に対する本市の対応について
1月29日、政府は「生活保護基準の引き下げ」を行なうことを決定しました。国が国民に「最低限これだけの生活は保障します」という基準を、過去最大の6.5%を3年間で引き下げていきます。
これによって生活保護制度の根っこにあたる生活扶助費が今年8月から引き下げられ、その影響は生活保護受給世帯の96%にも及びます。
僕は、自殺対策・反貧困の立場から、この決定に反対です。
厚生労働省の資料によれば、生活保護を受給している方々の自殺率は日本全体の自殺率よりも高く、2009年で2.4倍、2010年で2.2倍も高くなっています。
特に20代に注目すれば、6倍も高くなっています。
このような厳しい現実がある中での基準引き下げは完全な間違いです。
まず、本市における「生活保護受給世帯への影響」について伺います。
【質問1】
ア.この政府方針によって支給額が下がる本市の生活保護受給世帯は何世帯の見込みでしょうか。
【質問2】
イ.現在の支給金額がいくらへ引き下げられる見込みなのかをいくつかの世帯パターン別に具体的にお示し下さい。
次に「生活保護を受給していない世帯への影響」について伺います。
この基準引き下げは「生活保護を受給していない人々」にも広くダメージを与えることになります。生活保護基準をもとに定めている制度が数多くあるからです。
例えば、経済的な理由から給食費や学用品代などが工面できない家庭に対する「就学援助制度」は、全国の小中学生の6人に1人が受けています。
就学援助のおかげで低所得の家庭に生まれても、学用品を揃えたり修学旅行にも参加できるなど、こどもたちが教育を受ける権利が守られてきました。
しかし、生活保護基準の引き下げによって就学援助の基準も下がってしまうので対象から外れるこどもが増えることになります。
その他にも生活保護基準の引き下げに連動する制度は合計38にも及ぶとの指摘があります。例えば、保育料・介護保険料・障害福祉サービスの負担軽減、国民年金保険料の減免、などが挙げられます。
そこで市長に伺います。
【質問3】
ウ.生活保護基準の引き下げによって、影響の及ぶ可能性がある本市の制度や事業は具体的に何でしょうか。また、その対象は何人の見込みでしょうか。
続いて「今後の本市の対応」について伺います。
今回の政府方針では『こどもの貧困』を拡大させる恐れがあります。
生活保護受給世帯の中で「子育て世帯」が最大10%の下げ幅となります。
また、連動して影響を受ける可能性がある制度にはこどもに関わる制度が多数あります。保育園の保育料、幼稚園への就園奨励費、高校への就学支援金、特別支援教育の就学奨励費、病児・病後児保育の利用料など大切なものばかりです。
本来、政府が行なうべきことは就学援助などをさらに充実させることと、ソーシャルワーカー・保健師などの増員によって家庭が本来の力を発揮できていない世帯に対して社会の力でこどもたちを守ることです。
吉田市長は施政方針において「若い世代に選ばれるまちに変えていくことこそが 最大の使命」だと述べました。
ならばこそ、本市においては悪影響が最小限にとどまるよう取り組むべきです。
【質問4】
エ.低所得者対策としての各種の負担軽減策への影響に対して本市はどのように対応するのでしょうか。国の基準引き下げに連動して引き下げにならないよう財政措置を含めた対応を取るべきではないでしょうか。
また、これらの制度の中には前年の合計所得金額に基いて算出される為に今年度すぐには影響が出ない制度もあります。
けれども、今後の影響を回避する為にはやはり現時点で政府に対応を求める必要があります。
【質問5】
オ.本市は政府に対してどのような対応を取るのでしょうか。特に今年度、本市は中核市市長会において副会長市という立場となります。中核市市長会を通して本市はどのような対応を取るのでしょうか。
お答え下さい。
(2)現時点での生活保護・低所得者対策の課題の把握と対策について
基準引き下げ以前に、現時点においても存在している課題について本市の対応を伺います。
まず、生活保護を受給している要介護の高齢の方々についてです。
施設への入所が必要になった場合、待機期間が長期に及び対応に苦慮していると民生委員の方々からご指摘を頂きました。
特別養護老人ホームの多床室と個室ユニット型では居住費・食費など自己負担に差額があります。補足給付としての特定入所者介護サービス費の制度もありますが、現実的には生活保護を受けていると施設側が受け入れてくれないとのことでした。
そこで伺います。
【質問6】
ア.本市は、そのような事実を把握しているでしょうか。事実であるならば、どのような対策を取っているのでしょうか。
お答え下さい。
続いて、低所得世帯のこどもたちの課題について教育長に伺います。
『貧困の世代間連鎖』を無くすには、学校における、教育を受ける機会の保障が最も有効だと僕は考えています。
その上で大きな役割を果たしているのが小中学校においては『就学援助制度』です。
保護者が生活保護を受けている「要保護児童生徒」と、市町村が独自の基準で、要保護に準じて困窮していると認定した「準要保護児童生徒」が(本市の場合では、生活保護基準の1.5倍以下の収入までのこどもたちが)この制度を利用できることになっています。
【質問7】
イ.該当する児童生徒には1人でも多く利用していただくことが大切ですが、本市教育委員会では就学援助の申請に対して却下した数はここ数年間どのような推移をたどっているのでしょうか。また、却下の理由はどのようなものでしょうか。
お答え下さい。
さて、「高校」においては就学援助がありません。
中学校までは『就学援助』を受けて何とか通学していた生徒たちはその後、高校には進学できているのでしょうか。
【質問8】
ウ.『就学援助』を受けていた生徒たちの高校進学率を把握しているのでしょうか。
お答え下さい。
次に、高校生に対する『横須賀市奨学金』について伺います。
高校には就学援助がありませんが、本市では、経済的な理由で就学困難な高校生180名に対して毎月1万円の奨学金を支給しています。
この金額の妥当性やこの制度で目指している成果が得られているのかを検証する為に、高校生たちに生活状況のヒアリングを行なうべきだと僕は昨年9月議会で提案しました。
経済的に厳しい為に生活の大部分をアルバイトが占めている現実は無いか。アルバイトで稼いだお金を家計に入れなければ暮らせない家族もいる中で、社会見学や修学旅行の費用も納められない生徒がいるのではないか。
そうした実態を把握する必要があります。
【質問9】
エ.奨学金を支給した高校生たちに生活状況のヒアリングや意見を伺うという取り組みは、今年度行なっていくのでしょうか。
平成22年4月から高校の授業料は無償化されましたが、通学にかかる交通費、教材費、修学旅行費、PTA会費などの費用は変わらずに存在しています。部活を始めればユニフォーム代、試合があれば交通費、合宿代なども馬鹿になりません。
そこで僕はこれまでも奨学金の金額を上げることと支給する人数を増やすことを提案してきました。
新たに昨年9月議会では、単なる拡大ではなくて、高校生に地域の行事へ積極的に参加してもらうことや地域の高齢者のサポートに努めることなどを条件として課した上で支給人数や金額の増を実施してはどうかとも提案しました。
そこで伺います。
【質問10】
オ.奨学金の支給について、新たな在り方は検討したのでしょうか。
お答え下さい。
(3)「ひとり親家庭への上下水道基本料金の減免を児童扶養手当受給開始5年で対象から原則外す」とした新しい方針について
日本のひとり親家庭の貧困率は54.2%、つまり2世帯に1世帯以上が貧困状態です。
最新の2011年度全国母子世帯等調査によると母子世帯の平均年収はわずか181万円です。児童扶養手当や養育費を含めても223万円に過ぎません。
そんな中、本市ではこれまでひとり親家庭に対して上下水道の基本料金を減免してきました。
水道では1869円、下水道では1743円の減免です。世間から見れば小さな金額に見えるこの減免もひとり親家庭にとっては大きな支援になっています。
しかし、2月に本市が発表した『平成25年度横須賀市行政改革プラン改定状況』において
- 今年度以降、児童扶養手当受給開始から5年経過した世帯は減免の対象から原則外す。
- これに合わせて就労支援セミナーへの参加機会の拡大や自立支援プログラム策定業務の開始などの自立支援策の拡充を図る。
という新しい方針が示されました。
自立支援策は確かに大切です。
しかし、厚生労働省の統計によれば、母子世帯の84%はすでに就労しています。日本のシングルマザーの就労率は先進国で最も高いのです。
むしろ、働いているのに半数以上が貧困にある、仕事をかけもちしても所得が全くあがらない現状こそ改善すべきです。
本市の新たな方針がひとり親家庭を苦しめることになっては絶対にいけません。
そこで、市長に伺います。
【質問11】
ア.現在減免の対象になっている世帯のうち、児童扶養手当受給開始から5年を経過している世帯は何世帯でしょうか。
【質問12】
イ.その方々は、いつから減免を受けられなくなるのでしょうか。何らかの移行措置は設けられるのでしょうか。
【質問13】
ウ.「原則として外す」という方針についてですが、その「原則」とは具体的にどのような場合を指すのでしょうか。
【質問14】
エ.自立支援策の拡充によって、どのような取り組みを行なうのでしょうか。
また、現在のこども育成部の人員体制でひとり親家庭に寄り添った十分な自立支援策に取り組むことはできるのでしょうか。
【質問15】
オ.離婚するまでにも大きな困難が伴うことが多い為にひとり親になるプロセスにおいて心身のダメージが大きく自立支援型のサポートが有効ではない方もおられます。
ですから、決して5年という期限だけで単純に区切ることなく、個別の事情を十分に斟酌することを「原則」とすべきではないでしょうか。
【質問16】
カ.上下水道局による上下水道料金使用料の値上げも予定されている中で、ひとり親家庭の負担増が過大にならないように十分な配慮をすべきではないでしょうか。
以上6点についてお答え下さい。
2.いのちを守る取り組みにさらに力を注ぐべき
(1)性的マイノリティ支援を本市の強みにする重要性について
僕はこれまで性的マイノリティ支援の必要性を主に自殺対策・人権施策の観点から訴えてきました。
しかし、同時に経営の観点からも重要です。多様性を大切にする企業はしなやかで強く業績も高い傾向があります。
すでに経営学において『LGBTマーケティング』や『ゲイ・マーケティング』という言葉が存在するように、多様性を保障する取り組みは結果的にマジョリティにも利益をもたらしています。
そうした観点から「本市の強み」として「性的な多様性を保障するまちである」と謳うことは自治体経営の戦略的にも重要です。
まず、本市の「最近の取り組み」について伺います。
2月には市長に性的マイノリティ当事者、研究者、支援者の方々と面談していただきました。
さらに、新設された「性的マイノリティ関係7課長会議」とも意見交換の機会を頂きました。こうした機会を設けていただいたことにまず感謝を申し上げます。
さて、この面談・意見交換についてお伺いします。
【質問17】
ア.当事者の方々と実際にお会いして市長はどのような考えを持ったのでしょうか。また今後どのような取り組みを進めていくべきだと考えたのでしょうか。
お答え下さい。
次に、本市が今年1月、新たに設置した「性的マイノリティ関係7課長会議」について伺います。
【質問18】
イ.この設置の目的はどこにあるのでしょうか。今後はどのような取り組みを行なっていくのでしょうか。
【質問19】
ウ.関係7課長会議をはじめとする、本市の様々な関係機関・担当者の方々と性的マイノリティ当事者の方々とが意見交換をできる機会を定期的に設けていくべきではないでしょうか。
次に、1月31日に開催された「人権施策推進会議」で発表された「性的マイノリティに関する施策案」について伺います。
【質問20】
エ.この「施策案」は、本市の行政計画と同等に位置づけられるものなのでしょうか。具体的な位置づけはどのようなものなのでしょうか。
【質問21】
オ.進捗管理はどのように行なっていくのでしょうか。
お答え下さい。
続いて、「今後本市が取り組むべきこと」を提案し、市長の見解を伺います。
わが国では男女の「異性パートナーシップ」のみを想定した法規によって法的に結婚した男女しか「家族」とみなされません。
その為、異性パートナーであれば事実婚にあたる『同性パートナー』の方々は生活上のあらゆる面で不利な状況に追い込まれています。
生きていく上で不可欠な住居についてもそうです。
こうした不利な状況を解消する為に、すでに地方自治体レベルでは『同性パートナーシップ』を保障する取り組みもスタートしています。
例えば大阪府では、大阪府住宅供給公社の賃貸住宅に『ハウスシェアリング制度』を導入して非親族同士の入居を認めて『同性カップル』の入居を可能にしました。
地域主権の今、本市が積極的に独自の取り組みを行なうことでそれを本市の強みとすべきです。
【質問22】
カ.本市においても、市営住宅等に『同性パートナー』の入居を実現できる制度の導入を検討すべきではないでしょうか。
昨年5月、東京ディズニーリゾート内の直営ホテルでは『同性カップル』が結婚式を挙げることを認める方針が発表されて大きな話題を呼びました。
これは『法的な婚姻』とは別です。
けれども
「あのディズニーランドであれば同性カップルも結婚式を行なうことができる」
というディズニーの姿勢は、性的マイノリティ当事者だけでなく広い支持を受けました。
こうした取り組みから本市も学ぶべきです。
そのまず第一歩として、現在の法律が追いついていない『同性パートナー』をはじめとする様々な結婚の形態を、シンボリックな意味で市長が「祝福する」取り組みを始めるべきです。
これはすでに海外の自治体では行なわれています。
横須賀市役所を訪れれば、『同性パートナー』等の結婚を市長が祝福してくれるということは、市民それぞれの生き方を積極的に行政が認めていく姿勢を示すことになります。
同時に、誤解を恐れずに述べれば、横須賀を訪れる人々を全国から呼び込むこともできる為観光・集客の政策としても大きな強みになります。
【質問23】
キ.横須賀市役所を訪れた『同性パートナー』等の結婚を市長が祝福する取り組みを検討すべきではないでしょうか。
お答え下さい。
(2)自殺予防対策のさらなる推進について
リーマン・ショックによる中小企業の倒産の増加を受けて平成21年12月に中小企業金融円滑化法が施行されました。
中小企業が受けている融資について返済の減額や猶予を申請して資金繰りをつける『リスケジュール』が金融機関に努力義務として課されました。
全国の中小企業の1割が現在『リスケジュール』を行なっており、その結果、平成22年から明らかに中小企業の倒産が減りました。
円滑化法は自殺による犠牲者を減らした要因の1つだと僕は考えています。
けれども時限立法である円滑化法は、この3月で終了します。
悪影響を回避する為に政府、都道府県も対策をスタートしており、本市でも主に経済部が対策を打ち出しています。
しかし、現実はかなり厳しく、経営支援ではカバーしきれずに倒産やその恐れに直面する企業も出てくることになります。
そこで違う視点からのセーフティネットも不可欠です。
注意すべき点は、資金繰りに困った経営者や社員の方々が多重債務に陥る可能性も出てくることと、そうした方々のメンタルヘルスの悪化についてです。
本市ではこれまで消費生活センターにおいて無料で弁護士の相談を受けられる『多重債務特別相談会』を開催してきました。
そこで伺います。
【質問24】
3月から新年度にかけては特に積極的にこの相談会の存在を周知して円滑化法終了に伴うダメージを受けた方々をしっかりと支援していくべきだと考えますが市長の考えをお聞かせ下さい。
これで壇上からの僕の1問目を終わります。
市長の答弁
御質問ありがとうございました。
まず、生活保護基準引き下げに関して、支給額が下がる世帯数、世帯パターン別具体例及び影響の可能性がある制度や事業とその対象人数について御質問をいただきました。
まず、受給額が下がる世帯は約3,600世帯と見込まれます。
次に、世帯パターン別の引き下げ額ですが、引き下げは3年間で段階的に実施され、最終的には夫婦と子ども1人の世帯で平成24年度より約1万6,000円、70歳以上の単身世帯で約3,000円、母と子ども1人の世帯で約8,000円下がる見込みです。
次に、保護基準の引き下げで影響が及ぶ可能性がある制度や事業及びその対象人数ですが、まず、中国残留邦人等に対する支援給付は保護基準と同じですので、5世帯9人に影響が出ると考えています。
また、国の制度のうち、就学援助、保育料、児童養護施設等運営費等及び個人住民税の非課税限度額等を参照している制度については、平成25年度中の影響が及ばないように配慮すると国は説明しています。本市が設定している基準で影響が出るものは、国民健康保険や就学援助等が考えられます。
なお、現時点で各制度の影響人数を予測すること困難です。
次に、各種負担軽減策への影響に市としてどのように対応するのか、御質問をいただきました。
負担軽減策への影響については、国はできる限り制度の柔軟な運用で対応すると聞いていますが、市独自の基準を設けている事業については、国の動向を見ながら適切に対応したいと考えています。
次に、国に対してどのような対応をとるのかという御質問をいただきました。
生活保護は、国が最低限度の生活を保障する制度ですが、具体的な基準については、国が国民の消費動向等の調査研究を行い、専門機関の意見を聴取した上で決定していると聞いています。よって、国の判断を尊重したいと思います。
なお、中核市市長会での対応についても今のところ考えていません。
次に、生活保護受給者が施設サービスを受けにくい現状認識と対策について御質問をいただきました。
生活保護では、介護施設の個室等に原則として入居できませんでしたが、平成23年度からは入居可能となりました。
次に、小・中学生への就学援助と高校生の奨学金については教育長から答弁をいたします。
次に、ひとり親家庭への水道料金等減免に関する新しい方針について御質問をいただきました。
まず、減免の対象から外れる世帯は、減免の対象となっている3,164世帯のうち1,317世帯と見込んでいます。
次に、減免解除は8月の児童扶養手当現況届結果の切りかえとあわせ12月検針分から実施しますので、移行措置は設けません。
次に、原則とはどのような場合を指すかですが、8歳未満の児童を養育している場合は、まだ養育に手がかかり、自立に向けての活動が制限されると考えますので、児童が8歳に到達するまでは減免を継続します。
次に、拡充する自立支援策としては、職業紹介のノウハウのある事業者による就職支援やパソコン操作及び就職活動全般の講習等を就労支援として実施します。
また、ひとり親家庭等交流会と生活支援講習会の拡大等を生活支援として実施いたします。
なお、今回の拡大は大半を委託により実施するため、現在の人員体制で対応できると考えています。
次に、個別の事情をしんしゃくすることについては、公平・公正の観点から何らかの客観的基準を設けざるを得ないと考えています。
次に、ひとり親家庭の負担増については、今回の改訂による各種事業を積極的に御利用いただき、資格取得やスキルアップによる収入の増加につなげていただきたいと考えています。
次に、性的マイノリティ当事者の方々とお会いしてどのような考えを持ったか、また今後どのような取り組みを進めていくべきか御質問をいただきました。
私自身、このことについて偏見は持っていないと認識をしていましたが、今回当事者の方とお会いし、当事者にしかわからない悩みを聞くことができ、施策の必要性を改めて認識をしました。
今後は、市民への周知啓発はもちろんですが、まず相談体制の充実が一番の課題であると考えています。
次に、『性的マイノリティ関係7課長会議』の設置の目的と今後の取り組みについて御質問をいただきました。
『性的マイノリティ関係7課長会議』は、人権・男女共同参画課を初め、保健所、こども育成部、教育委員会に属する関係7課で構成する予定です。
会議では、性的マイノリティに係る情報交換を行い、課題を共有しながら対応方法についての検討を行い、施策につなげていく予定です。
次に、関係7課長を初め、本市関係者が性的マイノリティ当事者の方々と意見交換できる機会を定期的に設けるべきではないかという御質問をいただきました。
性的マイノリティ関係7課長会議は、定期的に開催するだけでなく、必要に応じて臨時的にも行う予定です。
それらの会議では、必要に応じて当事者の方々からの意見を聞く機会を設けたいと考えています。
次に、『性的マイノリティに関する施策案』の具体的な位置づけについて御質問をいただきました。
『性的マイノリティに関する施策案』は、横須賀市人権施策推進指針及び人権施策推進会議報告書をもとに作成したものです。大きな方向性を定めたものであり、当面は個々の具体的な事業を進めるための施策方針と考えています。
次に、性的マイノリティに関する施策案の進捗管理をどのように行っていくのか御質問をいただきました。
この案は、目指すところを明確にして施策を体系化して進めていくことが必要であると考え作成したものです。
市民部人権・男女共同参画課が事務局となり、関係課長会議を定期的、臨時的に開催する中で施策を整備し、具体的事業を定めていく予定です。その中で進捗状況について管理をしていく予定です。
次に、市営住宅等に『同性パートナー』の入居を実現できる制度の導入を検討すべきではないかという御質問をいただきました。
市営住宅等への『同性パートナー』の入居については、住宅困窮実態の掌握を含め、性的マイノリティに関する施策を整理する中で研究していきたいと考えています。
次に、横須賀市役所を訪れた『同性パートナー』等の結婚を祝福する取り組みを検討すべきではないかという御質問をいただきました。
東京ディズニーランドでの取り組みについては初めてお聞きしましたが、他自治体や企業などで同性愛者へどのような取り組みがなされているのか情報収集をしたいと考えています。
次に、自殺予防対策のさらなる推進について御提案をいただきました。
御指摘の中小企業金融円滑化法が終了することで返済条件が厳しくなり、住宅ローンの返済が苦しくなったり、企業倒産による解雇や給料の減額により社員の生活が苦しくなることも考えられます。つきましては、多重債務特別相談会の開催についても周知に努めてまいります。
私からは以上です。
教育長の答弁
私からは、就学援助と高校生の奨学金にかかわる御質問にお答え申し上げます。
まず、就学援助の申請に対する却下数の推移及び却下の理由について御質問をいただきました。
就学援助の申請者数が5年前の4,785人から6,631人と急増している中、本市における平成25年1月末現在の就学援助の却下数は241人で、5年前と比較して約2倍となっています。また、就学援助の却下の理由ですが、申請者の前年度の年間所得が限度額を超えたことによるもので、それ以外での理由での却下はございません。
次に、中学校で就学援助を受けていた児童・生徒の高校進学率の把握について御質問をいただきました。
本市において中学校で就学援助を受けていた生徒の高校進学率については把握していません。しかし、経済的理由から高校進学を断念することのないよう、各中学校では県の奨学金制度を初めさまざまな支援制度を紹介するなどの進学指導を行っています。
次に、奨学金を支給した高校生の生活状況のヒアリングや意見を伺う取り組みを平成25年度行っていくのか、また奨学金の支給についての新たなあり方の検討について御質問をいただきました。
奨学金の申請者については年々増加していたため、平成20年度から第一学年の対象者を10人ふやして50人から60人に変更し、全受給者数を150人から180人に増員しました。また、平成23年度から受給者の生活状況を把握し適正に支給できるよう、毎年申請を受け審査を行う認定方法に変更しました。
今後、奨学金を含む就学に関する経済的支援のあり方については、教育を受ける機会が損なわれることのないよう、御提案いただいた方法も参考に総合的に検討する必要があると考えています。
フジノの質問
市長、教育長、御答弁ありがとうございました。
それでは、再質問を行います。
まず、政府の生活保護基準引き下げに対する本市の対応についてです。
改めて、現時点で想定される生活保護基準引き下げによる影響を受ける世帯数、3,600世帯にも及ぶと。また、パターン別の3年後の試算も示していただきましたが、母親と子ども1人の世帯が8,000円近く下がる、それから、夫婦と子ども1人の世帯がその倍の1万6,000円近く下がるということで、本当に子どもたちを育てている世帯を直撃する大きな引き下げだというふうに感じました。
私はこの政府方針自体に反対をしておりますが、政府の方針が決定した以上、市議会議員としてできることは、本市がどのような取り組みを行っていくことでこうした影響を最小限に抑えていくかということだと考えています。
そこで、生活保護についてはまた委員会を通して質疑をしてまいりたいと思いますが、生活保護基準に連動して引き下げが行われる可能性があるさまざまな制度について伺ってまいります。
まず、市長は、そして教育長は、こうした引き下げに連動しないようにというふうな国からの、文科省からもたしか通知が出ていたと思うのですが、国からの連絡を受けて、国の動向を見ながら可能な限り対応していきたいということでした。この答弁自体は大変に頼もしいものでありがたいと思います。ただ、やはりこれには財政措置が必要になると思います。その財源は国が出すのか、あるいは市が押しつけられて市単独で出さねばならないのか、その点は現時点ではわかりません。そこで、先ほど財政措置も含めて対応してほしいという質問をいたしました。
まず再質問の1点目としては、財源が必要になった場合、まず国に対して措置を求めるように市長には対応していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
市長の答弁
この地方単独事業について、生活扶助基準の見直しに伴って何か財源的な影響があった場合は、国に対してしっかり要請をしていきたいと思います。
フジノの質問
続きまして、同趣旨の質問について、中核市市長会副会長市としての立場で改めてお答えいただきたいと思いますが、同じように市単独事業を各市でやっていると思いますが、これについて負担増が見込まれる可能性があるときは、中核市市長会副会長市としても国に対して財政措置を求めるように提案していっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
市長の答弁
この中核市市長会の副会長市、来年度からになるわけですが、当然、中核市市長会を構成しているメンバーとして要請を上げていくことになりますから、副会長市としても、その取りまとめの段に当たっては特に強調していきたいと思います。
フジノの質問
まず最初に行ってほしい措置としては、国に財政措置を対応してほしい、要望してほしいということを申し上げました。
そして、ここから先は仮定の話になりますが、仮に国の動きが、市が勝手にやっていることなのだから市が単独で財源も用意しなさいという場合、市長は可能な限り適切に対処していくということでした。ぜひ、そういった場合は市単独で財政措置も行っていくということを確約していただけないでしょうか。
市長の答弁
仮定の話ということですから、なかなか現段階で明確に答えることはできかねますけれども、国としてもその生活扶助基準の切り下げによって影響の及ぶ範囲をできるだけ最小限にしたいというふうにいっていますので、その趣旨というのは尊重して市も対応していきたいと思っています。
フジノの質問
それから、生活保護基準の引き下げが連動する制度、非常にたくさんありますので、市長の御答弁をメモし切れなかったのですが、負担増になる可能性がある幾つもの事業のうち、特に子育て世帯、子どもがかかわる制度については特に大切に、今の基準が引き下がらないようにというのを心がけていただきたいと思います。
今後の点については、仮定の話なので現時点では確約はできないということでしたが、そのような幾つもの制度の中でも、特に子どもの世帯については可能な限り最大限配慮をするということはお約束していただけるでしょうか。
市長の答弁
この生活扶助基準の見直しで一番影響を受けてはいけないのは子どもたちの成長だと思いますので、その影響ができるだけ少ない範囲にとどまるように努力はしていきたいと思います。
フジノの質問
ぜひその方向で取り組んでいっていただきたいと思います。そして、今後の国の動向も注視していっていただきたいと思います。
続いて、現時点で生活保護を受給しておられる要介護度の高い高齢者の方々について改めて確認します。
平成23年度から個別ユニット型にも生活保護を受けておられる方々が入居できるようになった、これは私も承知しております。
ただ、民生委員の方々のお話というのは、そういった制度が変更した後でもってもなお、現実には多床室があかない限りは絶対に入所させないという体制をとっている施設が存在していると。ここでは具体的に名前は申し上げませんが、そういった事実があるかもしれないという御指摘をいただきました。そうした事実は横須賀市としては把握していないでしょうか。
市長の答弁
福祉部長から答弁をさせます。
福祉部長の答弁
ただいまの質問に対してですけれども、市としては把握しておりません。
フジノの質問
ありがとうございます。
こういったことがもし事実としてあったならば、それはやはり指導の対象だと思います。ぜひそうした指摘があったときは確認をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
市長の答弁
まず、指導の前に確認が大事だと思いますので、そのようにしたいと思います。
フジノの質問
続いて、教育長に伺います。
低所得世帯に暮らす子どもたちについての質問です。
まず就学援助の申請数と却下数についてのお話を伺いました。5年前に比べると2倍近く却下数も伸びているというふうに伺いました。この受けとめ方でよろしいでしょうか。確認させてください。
教育長の答弁
就学援助につきましては、先ほどお答え申し上げましたが、申請者の数が平成20年の4,785人から6,631人へと、却下の数でございますが、2倍でございます。平成20年で127人、平成24年で241人でございます。
フジノの質問
ありがとうございます。数値を今、確認できました。
その却下数、平成25年1月末現在241件ということについて、その具体的な理由が、前年度の所得を確認して限度額を超えている世帯については241件却下したということです。
ただ少し確認をしたいのですが、前年度の所得で確認をすると生活保護基準の1.5倍を超えている、ただ、ことしに入って事態が急変した、親が失業してしまった、所得が激減してしまった、そういった場合はことしの所得で判断をされるというようなことがあったのではないかと思うのですが、この241件の却下数の中にはそういったものは一切、含まれていないということでよろしいですか。
教育長の答弁
今、お話いただきました案件については、この数の中には入っていません。
フジノの質問
就学援助制度は、まだまだ知られておりません。そんな中、申請してくださった方々というのはいろいろな方のサポート、民生委員や学校の事務職の方々や教職員の方々が制度を教えてくださっている、そして4月には教育委員会も一生懸命周知してくださっていますから、入学前の方々にもこの制度が少しずつ知られてきたと思います。
そんな中、ぜひ必要な、就学援助を受けられる方々に漏れがないようにこれからも今の姿勢を貫いていただきたいと思いますが、改めて教育長、お願いします。
教育長の答弁
今回の生活保護基準の引き下げ、大変大きな影響が及ぶと思っております。国の考え方が今、示されておりまして、また市長からも今最大限の配慮をし、努力するというお話がございました。
教育委員会といたしましても、子どもを抱える大変多くの世帯からの申請者がこのように多いものですので、1.5倍という、ここ大変厳しい財政状況の中でありますけれども、県内でも一番高い基準で今ずっとここまでやってきておりまして、何とかこの数字を堅持したいと、このように教育委員会としては思っておりますので、また市長ともよくこの実態を説明申し上げ、堅持できるように努力したいと思います。
フジノの質問
教育長が今おっしゃった1.5倍という数字、他都市と比べると非常に高く、これはすばらしい取り組みだと思っています。
なかなか小児医療費の無料化などに目が行きがちで知られていないのですけれども、横浜市が生活保護基準の1.1倍といった非常に低い中、これは本当に横須賀市の教職員の方々が子どもたちの生活状況を目の当たりにした上で、何とかこの1.5倍までは子どもたちの教育を受ける権利を守りたいのだという、そういった思いの積み重ねがこの制度に今収れんされていると思います。
そして今、教育長からも何とか1.5倍は守っていけたらという思いを伺いました。非常に心強く思います。ぜひそれは今後も何とか財源を捻出しながら進めていくことができれば、堅持していくことができればというふうに思います。
そんな中、目を高校生に転じてみたいと思います。
義務教育期間である小・中学校児童・生徒に対して、横須賀市はできる限りの財政的な援助を行ってきました。そして、義務教育を外れてしまう中等高等教育であるところの高等学校については、改めて横須賀市奨学金という形で経済的な援助をしています。
ただ、一点腑に落ちないのは、やはり義務教育を離れてしまった後は、子どもたちの生活状況を追うことはなかなかできづらいのかと。それは非常に残念だというふうに思います。
先ほど、平成23年度からは生活状況の把握に努めておられるということでした。
ただ、実際にこの奨学金を受けている高校生たちに具体的に一月にかかる、学校に通う、授業料は無償化されたとはいえいろいろな生活費がかかる、決してそれは遊ぶためのお金とかではなくて、普通の高校生活を送るのに幾らぐらいかかるのか。そして、親ももちろん働いて、自分もアルバイトをしている。
そして、横須賀市から奨学金を1万円いただいている。
それで高校生活を、他の一般の家庭の子ほどにはいかないにしても、生活のほとんどがアルバイトに忙殺されてしまうというような状況にはなっていないのかとか、そういったことをきちんとヒアリングしていく必要があると思うのですが、いかがでしょうか。
教育長の答弁
就学援助が義務教育期間ということで、高校生になりますとそういった援助が切れてしまいますので、各種奨学金等が経済的負担が大きい家庭に対して支援できる制度だと思っております。
本市の奨学金につきましても最近大変申請者が多くなっておりまして、平成24年度ぐらいですと2倍以下でおさまっていたのですけれども、平成25年度、来年度に向けては約3倍近い方の申請がございました。
そういう中では、議員がおっしゃっていますように、教育委員会としても教育の機会が損なわれることのないようということで、金額の面、それから人数の面というのを拡充したいのですが、やはりこれは限られた財源の中でございますので、どういった経済的支援ができるのか、先ほど申し上げましたように、就学援助のあり方、それから奨学金制度のあり方、そういったもの、総合的な、経済的支援のあり方というのは教育委員会としてそこが今、課題だと思っております。
そういったことも検討する中で、高校生に直接話を聞き、実態がどうなのかというのは、そういった今後のあり方を検討する上で大変参考になると思いますので、どのようなやり方ができるか研究して実施したいと思っております。
フジノの質問
義務教育ではない中で、横須賀市奨学金制度があること自体が非常にすばらしいことだと思います。そして、教育委員会の取り組みは評価したいと思います。
今回の質問というのは、そもそも教育委員会には味方をする質問でして、奨学金をふやしていく、あるいは対象人数を拡大していくというのをやはり財政に認めていただくにはそれなりの背景が必要だと思います。
根拠も必要だと思います。そのようなとき、やはり財政に、そして市長に査定を通すためには、高校生たちの生の声が必要だと思うのです。
民主党政権になってから高校の授業料無償化という動きがありました。
けれども、本当に焼け石に水と申しますか、学生生活、本当にお金がかかります。部活をやりたくてもやれない子というのは本当に多くいます。
例えば、中学校時代までは一生懸命、吹奏楽部で頑張ってきた子たちが、高校に行ったら楽器を買いかえられない、楽器を買えないから吹奏楽部に入れない、そのような子はたくさんいるのです。そういう生の声を皆さんは本当は知っていらっしゃる。ただ、公的な形で意見交換やヒアリングというのはしていない。
だから、公的な形で意見としてペーパーに残して、財政に出して、市長に出して、そしてやはり奨学金1万円というのは就学援助の費用よりも下がってしまっている。
あるいは、180人というのは、今、一生懸命、出している金額ではあるけれども、申請が1年で2倍から3倍にふえている。こういう状況を説得力をもって財政を説得するにはやはり生の声を聞いていく。研究していくという御答弁もいただきました。それは必ずやっていただきたいと思うのです。教育長、いかがでしょうか。
教育長の答弁
研究していくといいましたのは、高校生からのヒアリングの仕方につきまして、より多くの声を聞くにはどうしたらいいか、実態を把握するにはどういう方法が一番有効かということを研究していきたいと申した意味でございまして、直接、聞くということは必ずやってまいります。
フジノの質問
教育長、ありがとうございます。
続いて、市長への質問に戻ります。
ひとり親家庭の上下水道基本料金の減免について、幾つか確認をさせてください。
今回、減免対象となっている3,164世帯のうち5年間を経過しているのは1,317世帯ということで、12月から具体的に減免がとまるということでよろしかったでしょうか。確認させてください。
市長の答弁
12月の検針分からで間違いありません。
フジノの質問
この制度の変更についてなのですが、今回は来年度中ということで、具体的には12月からということで、周知期間そのものは数カ月あります。
その中できちんと周知をして、そして、個別の世帯をぜひ見ていっていただきたいと思うのです。
先ほど、児童扶養手当受給開始から5年を経過している方を原則対象から外すということについて、原則とは何かということを伺いました。
市長はそれに対して、8歳未満の子育て世帯については原則外すというふうにお答えいただきました。これは非常にとてもよい原則だと思います。
ただ、もう一点気にかけていただきたいのは、その世帯の、ひとり親家庭ですから具体的には母親や父親に当たりますが、個別の方々の健康状態、こういったこともぜひ御確認していただきたいと思います。
離婚をする家庭の中で、離婚にも長い時間がかかって、離婚の理由自体もDV、なかなか精神的に追い込まれた末に鬱病になってしまう、何年も治療をしておられる方もいらっしゃる。
8歳未満の子育て世帯、そして児童扶養手当開始から5年たっている、これは条件としては割と腑に落ちるものですが、加えてやはりその世帯の健康状態というのも十分にしんしゃくしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
市長の答弁
一律にしんしゃくするというのはなかなか難しいですけれども、8月の現況届けを御持参いただく際にはそういったところも気をつけて見るように窓口の対応をしていきたいというふうに思います。
フジノの質問
市長、確認させてください。
その現況届けを出すときにその方の家庭背景や健康状態もしんしゃくしていただけるということでしょうか。
市長の答弁
窓口の職員がその健康状況、特にメンタル面の健康状況というのをやりとりの中でよく把握をして、必要であれば各種相談機関につなげるといった努力をしていきたいというふうに思っています。
フジノの質問
相談機関等につなげていただくというのは現在も行っていただいていることだと思います。
今回、先ほど申し上げたとおり、月々約三千数百円という金額には当たりますが、やはりひとり親世帯にとっては大きい。
例えば基本料金を減免していただいているわけですが、基本料金には付随して、例えば水であれば20立方メートル付与されています。
一生懸命、ひとり親世帯の中にはこの20立方メートルでおさまるようにして水道代金を何とかゼロにして、そういうふうな工面をしている方々というのもいらっしゃるのです。
それが5年を過ぎたら基本料金もかかるということで、負担感の増というのは外で見ているものよりもかなり大きい。
そこで、今、体調等を見て必要があれば相談機関等につなぐということでしたが、今の御答弁ですと減免はやめないということです。減免を継続はしていただけないということです。
ここはやはりその方のそれぞれの状況に応じて減免を続けていただきたい。
あと、誰が原則を判断するのかというのが、窓口に来たときに窓口の職員が判断するのか、それをお聞かせいただきたいと思います。
市長の答弁
窓口に来た方の健康状態をもとに個別に減免をこの方はする、この方はしないという判断を窓口でするのはほぼ不可能だというふうに思っています。
そういう意味では、鬱の傾向があるというようなサインが出ている場合はすぐに保健所の精神保健福祉班につなぐ等の取り組みや、世帯の収入状況をよく見て生活保護につなぐ必要があればそちらにつなぐ、そういったことができるのではないかと。
また、もちろん障害ということになれば、そちらのほうにつないで何らかの支援を模索するということができるのではないかと思いますが、児童扶養手当の現状届けの提出時にこの方は水道料金減免、この方は減免しない、そういった判断をするのは難しいと思います。
フジノの質問
この点については委員会でもさらに質疑をしていきたいと思っています。
続いて、自立支援策について伺います。
予算書を拝見しましたので、どういったことに自立支援策、力を入れていくかというのは承知しております。
自立支援策の拡充として、例えば技能向上のための指定講座を受講した場合に、受講料5割相当額を支給していたものをさらに3割上乗せしていくといったことが挙げられています。
こうした取り組みはもちろん大事だと思うのですが、所得を上げる取り組みというのに重点を置かない限り、既に今、就職している方が8割もいる中で、これをやっても効果が本当に得られるのかどうかというのがわからない。
ぜひ所得を上げられるような取り組みに力を入れていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
市長の答弁
まず、現状認識として、母子世帯は就労世帯が多いというお話ですが、ただ、残念なことに年々この数字が下がってきています。
藤野議員は84%とおっしゃいましたが、直近の調査では80.6%に下がってきていると。
そういう中で、やはり就労支援ということに力点を置いた自立支援策というのも必要だろうというふうに思っています。
ただ一方で、現状でも看護師の資格取得のための支援等を行っていますので、そういった所得の向上や高い職種に就労できるような支援というのは今後も行っていきたいと思っています。
フジノの質問
では、続いて性的マイノリティ支援について改めて伺います。
市長、最初に少し伺いたいことがあります。
『性的マイノリティ』という呼び方をほかに呼び方がないのであえて私はしております。
正式な用語というのも実際には存在していない状況で、市長もそういう呼び方をせざるを得ないということでお使いになられているのだと思います。
ただ、実際にはこの範疇に入る方というのは100人に5人はいらっしゃる、20人に1人ですよね。
発達障がいの子どもたち、それから大人も含めて、やはり同じように100人に5人はいらっしゃる。発達障がいのある子をマイノリティとは呼ばないです。
その取り組みの中で発達障がいのある子をマイノリティとは決して言わないと思います。
また、僕が熱心に取り組んできた統合失調症については100人に1人がかかるというような状態で、性的マイノリティより圧倒的に少ない訳です。
そんな中、そもそも性的マイノリティと呼ぶことについて、これはマイノリティなのかということについて市長はどのような感想をお持ちになりますか。
市長の答弁
この呼び名ができたときに、そういう名づけをしてしまった方が恐らくどこかにいらっしゃるのだろうというふうに思いますが、いずれにしても、マイノリティという言葉が持つ否定的な側面というのはやはりあるのではないかと。
それは性的なマイノリティの方々に関してだけではなくて、民族的なマイノリティであるとか、いろいろマイノリティという言葉にはマイナスの要素というのがつけられた言葉なのではないかというふうにも思います。
フジノの質問
そこで、1点御提案なのですが、端的に言って、他の自治体が全く取り組みをしていない中で、やはり性的マイノリティ支援とうたうことが、ほかのまちから、例えばインターネットで情報を調べる時に『性的マイノリティ関係7課長会議』と書いてあれば検索もされやすいのですが、いずれ将来的にはこの呼称自体も、横須賀市の性的マイノリティに関する施策案などではなくて、いずれ否定的な要素がない呼び方に将来的に変えていっていただきたい、そんなふうに考えているのですが、いかがでしょうか。
市長の答弁
どのような名称が一番いいのかというのはぜひ今後も考えていきたいと思います。
フジノの質問
続いて、『性的マイノリティ関係7課長会議』について伺います。
こちら、施策案を見ても、施策体系を見ても、まず基本的なところからしっかりと押さえていこうというものだと思います。
ただ、啓発や相談体制をしっかりするということに加えて、生活を支えていく、実際に生活しておられる方がたくさんいらっしゃるわけですから、今後いずれ住宅政策、窓口サービス、病院関係、それからどうしてもHIVとのかかわりがありますから、感染症対策担当など、関係7課長会議、メンバーをふやすのか、あるいは臨時に呼ぶのがいいのかはわかりませんが、そうした7課長にとどまらない形で対策を広げていくためにも他の部署もかかわらせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
市長の答弁
この7課で構成する関係課長会議ですが、当然、会議の案件によっては別の課の担当者を同席させたりといったことも考えていますので、その議題に沿って固定メンバー以外の参画については考えていきたいと思います。
フジノの質問
続いて、『同性パートナーシップ』についてです。
まず市営住宅、公営住宅等の入居についてです。
すでに東京都中野区、こちらでは本市でいうところの『高齢者・障害者のための住まい探し相談会』の対象に『同性カップル』を加えているのです。
横須賀市の場合は外部に委託をしておりますが、住居を探すのが困難な『同性パートナー』の方々のために、こういった取り組みの中に『同性パートナー』を盛り込むこともぜひ検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
市長の答弁
この住宅相談等については、先ほども他の自治体でどんなことをやっているかというのは情報収集させていただきたいと申しましたが、中野区の取り組みなどについても情報を今後、集めさせてもらいたいと思います。
フジノの質問
そして、最後の質問になりますが、シンボリックな意味として、ぜひ市長に同性パートナー等を祝福する取り組みを検討していただきたいというふうに御提案申し上げました。
これは、ほかの日本国内ではやっているところは正直ないと思います。
市長、事例を研究してみるということでしたが、ぜひ海外の、サンフランシスコなどの事例を研究していただいて、日本で最初の性的な多様性を認めるまちが横須賀市である、そしてそれを本市の強みとしていくのだということで進めていただきたいと思います。
この研究を、ぜひ海外の事例等を見ていっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
市長の答弁
ぜひ他都市の事例だけではなくて、海外の事例についても少し勉強したいと思います。
フジノの質問
この後、3月は『自殺対策強化月間』になります。
ぜひ一緒に力を合わせて、このまちから自殺を減らすためにみんなで頑張っていかれたらというふうに思います。
ありがとうございました。
*3月2日追記:神奈川新聞が報じてくれました
質疑の翌日、神奈川新聞がフジノの質問の1つを取り上げてくれました。
『就学援助』の現状と今後についての方針を教育長が答弁した部分についてです。
本当に地味だけれど大切な問題を報じてもらえたことに、深く感謝しています。