藤野英明です。よろしくお願いします。
昨年、2021年12月定例議会の一般質問において、出生時の体重が2,500グラム未満の低出生体重児など小さく生まれた赤ちゃん、いわゆるリトルベビーとご家族について取りあげました。
本市と本市の医療関係者が長年にわたって、リトルベビーとご家族への積極的な支援に取り組んできたことを紹介した上で、さらなるきめ細かな取り組みと、広く社会を啓発する取り組みを提案しました。
上地市長は、その必要性を深くご理解くださり、提案の1つが早速実現しました。
今年3月に発行された『子育てガイド』にリトルベビーに関する記述が掲載されて、生まれてくる赤ちゃんの10人に1人がリトルベビーであり、NICUなど医療・福祉的支援は必要なものの特別な存在ではなく、毎日を懸命に生きている存在であることが伝えられました。
ありがとうございます。
さて、今回はリトルベビーについてさらに踏み込んで、第1に生まれた直後の医療的な支援について、第2に増加している早産をそもそも予防する取り組みについて提案し、市長のお考えを伺います。
1.増加するリトルベビーの命を守り、成長をサポートするためのさらなる取り組みの必要性について
(1)市立病院NICUにおいて、早産などで生まれた赤ちゃんに母乳バンクのドナーミルクを提供できるように、指定管理者とともに検討する必要性について
赤ちゃんは生まれてすぐに母乳を必要とします。
特にNICUで生まれたリトルベビー、小さく生まれた赤ちゃんには生後6時間くらいから母乳を与えるのが理想的とされています。
けれども、産婦であるお母さんが早産の為に母乳が出ない、出産時にお母さんが亡くなってしまった、抗がん剤治療や感染症によって母乳をあげることができないなどの様々な理由によって、母乳を得られない赤ちゃんがいます。
特に、早産や極低出生体重児として生まれた赤ちゃんのうち、年間約5,000人が理想的なタイミングで母乳による栄養を取ることができていません。
その際、我が国では、牛の乳由来の粉ミルクなどの人工乳を与えることがほとんどです。
本市の市立うわまち病院NICUにおいても人工乳を与えています。
しかし、一般にはほとんど知られていないのですが、人工乳にはデメリットもあります。
小さく生まれた赤ちゃんは、腸が未熟な為、人工乳をうまく消化できず、腸粘膜の成熟が遅れ、好ましい腸内フローラが確立されにくくなります。
その為、腸の一部が壊死してしまい、赤ちゃんの生死に関わる壊死性腸炎になるリスクが人工乳の場合1.87倍も増加してしまうのです。
その他にも、慢性肺疾患、未熟児網膜症などの疾病リスクが増加することが明らかになっています。
また、吸収機能が低下したり、消化器の症状が起こってしまう経腸栄養不耐の増加、ミルクアレルギーの発症、脂肪酸カルシウム結石形成などの問題も起こります。
そこで赤ちゃんを守る為に、欧米では人工乳を使わずに、母乳バンクを設立しています。
自分の赤ちゃんが必要とする以上に母乳がたくさん出るお母さんから、余った母乳を寄附していただきます。これをドナーミルクと呼びます。
母乳バンクでは、ドナーミルクを適切に検査、殺菌処理、冷凍保管、管理して、NICUの要請に応じて必要な赤ちゃんに提供しているのです。
ドナーミルクを使用することで疾病の予防、長期的な予後が改善されるなどの免疫力の向上の効果があります。
さらに、静脈栄養の期間や入院の期間を短くすることができる為、ご家族の負担を減らすこと、医療費を減らすことにもつながります。
1909年にウィーンで最初に生まれて100年以上の歴史を持つ母乳バンクは、欧米では常識として広く普及しています。また、ヨーロッパ小児栄養消化器肝臓学会、アメリカ小児科学会では、人工乳ではなく、ドナーミルクを推奨しています。
我が国では、2013年に初めて昭和大学に母乳バンクが設置され、2019年に日本小児科学会が、早産、極低出生体重児の経腸栄養に関する提言の中で、「もし十分な支援によっても自母乳が得られない児に与えられない場合には、ドナーミルクを用いる」としました。
ドナーミルクを導入した病院からは、壊死性腸炎がゼロとなったとの報告もあり、さらなる普及が望まれています。
しかし、ドナーミルクを活用しているNICUは全国400施設中わずか60施設程度と、とても普及が遅れている現状があります。
その背景には、我が国の産婦人科、小児科の医療スタッフのレベルの高さから、ドナーミルクを使わなくてもリトルベビーの死亡率や障害を持つ割合は低いとの意見が根強くあること、またドナーミルクに対する誤解もあると僕は感じています。
妊産婦とご家族、医療関係者ともに、全ての赤ちゃんに最もよい栄養を提供したいというのは共通の願いのはずです。
その為、ドナーミルクを導入しているNICUの事例などを医療関係者により詳しく正確に知っていただき、我が国全体で積極的にドナーミルクを導入すべきだと僕は考えています。
さて、本市の場合、先ほど申し上げたとおり、市立病院NICUを運営している指定管理者は、現在、人工乳を提供しています。
けれども、赤ちゃんのより健やかな発育と将来的な健康のためにも、ドナーミルクの提供もぜひ選択肢とすべきです。
そこで市長に伺います。
【質問1】
市立病院NICUにおいて、早産などで生まれた赤ちゃんに母乳バンクのドナーミルクを提供できるように、指定管理者とともに検討すべきではないでしょうか。
(2)小さく生まれた赤ちゃんを守る為に、母乳バンクの存在とドナーミルクの募集を様々な方法で広く周知する必要性について
市立病院NICUでのドナーミルクの提供については指定管理者との協議が必要ですが、本市単独で行なうべき取り組みがあります。
リトルベビーを守る為に、母乳バンクの存在を広く市民のみなさまに知っていただくことと、妊産婦のみなさまにドナーミルクのドナーを募集していることを知っていただくことです。
現在、母乳バンクは国内に2施設ありますが、大きなほうの母乳バンクでさえ、直近のデータでは、正式ドナー数は全国で僅か約50名しかおらず、ドナーミルクの提供者を圧倒的に増やす必要があります。
その為に、本市が母乳バンクの存在とドナーミルクの募集を周知・啓発することは大きな力になります。
我が国では、自分の赤ちゃんには自分の母乳をあげねばならないという呪いのような自母乳神話が広まっています。
しかし、我が国では、本当に古い時代から、母乳の出ないお母さんのためにもらい乳をする文化がありました。
すでに江戸時代には母乳が売買されていたことが明らかになっています。
そもそも、大切な命を守る為に他人の母乳を使うことは自然な行為なのです。
母乳バンクの存在を周知することは、小さく生まれた赤ちゃんを守ると同時に、多くのお母さんを苦しめている、赤ちゃんは自母乳で育てねばならないという呪いから解放する一助にもなるはずです。
また、かつてのもらい乳では感染症の危険がありましたが、現代の母乳バンクでは、母乳の提供者とドナーミルクは徹底したチェック体制で管理されており、母乳の提供者は、問診、血液スクリーニングの後に初めてドナー登録がなされています。
実際に提供されたドナーミルクも、国際的な運用基準に基づいて、細菌検査、低温殺菌、冷凍保管が行われており、極めて安全なドナーミルクの提供が可能となっています。
最近はメディアでも報じられるようになりましたが、本市としても、こうした安全で安心な母乳バンクの存在をぜひ広く市民のみなさまに知っていただく取り組みが必要です。
同時に、母乳を必要としている赤ちゃんがいて、あなたの母乳を提供していただくことで救われる命があること、ドナーミルクの提供者を募集していることを積極的に広報すべきです。
本市が普及啓発のためのチラシなどを作成し、母子健康手帳の交付時に同封することや、本市の関係施設への掲出、市内の病院、産婦人科クリニック、助産院に掲出をお願いすること。
また、広報よこすかやホームペーやSNSなどで広くお知らせすることで、ドナーミルクの提供者として御協力いただける方は必ず増えるはずです。
そこで市長に伺います。
【質問2】
小さく生まれた赤ちゃんを守る為に、本市は母乳バンクの存在とドナーミルクの募集を様々な方法で広く周知すべきではないでしょうか。
2.増加する早産を予防するとともに、自分自身と未来の赤ちゃんの健康を守るために、思春期からのプレコンセプションケアを部局を超えて取り組む必要性について
近年、リトルベビーが増加していることをくりかえしお話ししてきました。
我が国の医療技術はとても優れているので、小さく生まれた赤ちゃんも元気にNICUを退院できることが当たり前になってきました。
それはとてもすばらしいことですが、一方で、リトルベビーとして生まれると、ハイリスク児として、将来かかりやすくなる病気があることが研究によって明らかになっています。
高血圧、冠動脈疾患、Ⅱ型糖尿病、脳卒中、脂質異常、神経発達異常を高い確率で発症してしまうことが知られています。
また、慢性閉塞性肺疾患、鬱病、統合失調症、行動異常、思春期早発症、乳がん、前立腺がん、精巣がんなどを発症するリスクも高まることが示唆されています。
リトルベビーに限らず、実は全ての人の大人になってからの体質は、既にお母さんのおなかの中や、生まれてすぐの環境の影響を受けています。
これはDOHaD(ドーハッド)仮説と呼ばれるもので、Developmental Origins of Health and Diseaseの頭文字を取ったものです。
もちろん成長する過程で、適切な生活習慣や予防と治療がなされれば、全てのリトルベビーが先ほど挙げた病気を必ず発症する訳ではありません。
けれども、なぜリトルベビーが増加しているか、その原因はすでに明らかになっています。
出産する年齢が高年齢化していること、女性の栄養状態が極めて悪くなっていること、やせている女性が圧倒的に増加していることなどから、いわゆる十月十日の間、赤ちゃんを維持できないくらいに子宮の環境が悪くなってしまっているからなのです。
したがって、逆にこうした原因を取り除く対策を取ることで早産化を予防し、小さく生まれる赤ちゃんの増加にストップをかけることができるのです。
そのための取り組みを総称してプレコンセプションケアと呼んでいます。
今回の質問ではリトルベビーの観点からお話をしてきましたが、実は、全ての人がプレコンセプションケアに取り組むことで、リトルベビーだけでなく全ての未来の赤ちゃんの健康を大きく改善することができます。
つまり、今、全ての人がプレコンセプションケアに取り組むことができれば、DOHaD仮説を打ち破って、自分と未来の赤ちゃんがより健康になれるのです。
プレコンセプションケアは、2008年にアメリカ疾病管理予防センター、2012年にWHOが本格的に推奨するようになりました。
我が国では、2015年に国立成育医療研究センター内に日本初のプレコンセプションケアセンターが設立されました。
プレコンセプションケアは本来、年齢も性別も問わず、全ての人に必要なものですが、現在の我が国では、特に女性の低栄養、やせ問題、初産年齢の高齢化、不妊治療の増加、低出生体重児の増加などの観点から、その必要性が強く注目されるようになりました。
昨年2月には、成育医療等の提供に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針が閣議決定されて、男女を問わず、相談支援や健診などを通じ、将来の妊娠のための健康管理に関する情報提供を推進するなど、プレコンセプションケアに関する体制整備を図ると、生涯にわたる保健施策の必要性が打ち出されました。
増加する早産を予防し、全ての赤ちゃんの健康を守るために、本市も積極的にプレコンセプションケアに取り組んでいく必要があります。
そこで、本市の取組について、市長のお考えを伺います。
(1)プレコンセプションケアについての市長の認識について
プレコンセプションケアを推進するには、健康部だけでなく、教育委員会、福祉こども部、こども家庭支援センター、文化スポーツ観光部など、部局を超えて市役所全体が取り組まねばなりません。
そんな中、上地市長は組織再編を行なって民生局を設置し、赤ちゃんからご高齢になるまで、生涯を一気通貫して伴走支援できる体制をつくりました。
さらに、部局間の縦割りの弊害をなくす為の体制づくりも進められています。
こうした取り組みを受けて、僕は昨年12月定例議会で上地市長と質疑した時に「まさに現在の本市こそプレコンセプションケアに取り組むのにふさわしい」とお伝えしました。
そして「プレコンセプションケアについてぜひ研究していただきたい」と上地市長に提案したところ、検討していきたい旨の答弁をいただきました。
それから半年が経ちますので、改めて上地市長のお考えを伺います。
【質問3】
プレコンセプションケアについてどのような認識でおられるか、上地市長のお考えをお聞かせください。
(2)プレコンセプションケアにつながる現在の本市の取組について
ここ1~2年、プレコンセプションケアへの注目が急激に高まっていますが、実は本市ではもう何年も前から、赤ちゃんが生まれる前からの取り組みの重要性について、歴代のこども健康課長をはじめ各部局と僕は意見交換を重ねてきました。
プレコンセプションケアという単語を使わなくとも、本市においては、思春期からの健康知識の向上と生活習慣の日常的な改善の取り組みはすでに様々な形で行なわれてきました。
例えば、不妊・不育専門相談センター、女性健康支援センターの設置などは、プレコンセプションケア推進の重要な取り組みの1つです。
今回、改めて各部局に、自らの現在の取組がプレコンセプションケアに資するものであると認識していただくことは、今後に向けて重要だと僕は考えています。
そこで市長に伺います。
【質問4】
本市が現在行なっているプレコンセプションケアにつながる取り組みはどのようなものでしょうか。
同じ質問を教育長にもお伺いします。
【質問5】
本市教育委員会が行なっているプレコンセプションケアにつながる取り組みはどのようなものでしょうか。
(3)次期健康・食育推進プランよこすかの策定に当たり、プレコンセプションケアを明確に位置づける必要性について
残念ながら、今の我が国では、普通に生活している限り、適切な情報が適切なタイミングで提供されていない為、生活習慣の改善をするきっかけもありません。
例えば世間では、保険適用がきっかけで、不妊症に対する関心が高まっていますが、その一方で、女性のやせが不妊症に直結していることなどは全く知られていません。
我が国では、20代の女性の5人に1人がやせすぎです。
さらに、中高生で身長160センチで体重47キロ未満の女性は多いと思いますが、これはBMI18.5未満となり、やせに当たります。
インターネットやメディアでは、標準体重以下の芸能人をモデル体重、シンデレラ体重とポジティブな評価で紹介し続けており、思春期の女性の多くが標準体重以下であることを望ましいと受け止めてしまっています。
実はそれが将来の不妊症に直結しているという認識を持つことはできません。
やせは一例にすぎませんが、性別を問わず、思春期の子が自分の今の生活習慣のせいで、まさか将来不妊になったり、未来の赤ちゃんをハイリスクにさらしてしまうことなど誰も思いもしないでしょう。
逆に、プレコンセプションケアに取り組むことで、自分と未来の赤ちゃんの健康を守ることができることも知られていません。
だからこそ、必要な情報を適切なタイミングで提供し、適切な運動と栄養を生活習慣に取り入れて、定期的に健康診断を受けて、必要なワクチンを打ち、適切なタイミングで医療機関を受診できるようになる、そんな社会的な取り組みが必要です。
市民のみなさまにその必要性をご理解いただき、市を挙げて有効な取り組みを進める為には、プレコンセプションケアを明確に行政計画に位置づけて、体系的な取り組みを行なう必要があります。
市民のみなさまの健康づくり、健康増進・保持の為の行政計画、『健康・食育プランよこすか(第3次横須賀市健康増進計画、第2次横須賀市食育推進計画)』が2023年度で終わることから、今年度は市民アンケートを実施し、来年度には次期プランの策定作業が始まります。
まさに今が好機です。
そこで市長に伺います。
【質問6】
次期『健康・食育推進プランよこすか』には、プレコンセプションケアを明確に位置づけるべきではないでしょうか。
(4)プレコンセプションケアを推進するために、早急に実施すべき具体的な取り組みについて
国がプレコンセプションケアの必要性を打ち出したことで、全国の自治体が取組をスタートしています。
本市も、次期プランの策定を待たずに、今から取り組むべきことがあります。
先進事例を紹介すると、福岡市では2021年度から、卵巣内の卵子数を測定する血液検査の費用の一部助成を始めました。
検査結果を基に、医師から生活習慣改善のアドバイスを受けることができます。啓発のためのリーフレットも作成し配布しています。
また、すでに多くの自治体で行われている基本的な取り組みとして、広報紙に特集を組んで、そもそもプレコンセプションケアとは何かという理解を求めるとともにチェックシートを載せるなど、関心を高める取り組みがあります。
さらに、気軽に相談できる窓口として、対面、SNS、LINEなどによる相談や、学校教育との連携などが行なわれています。
本市においても、広報による周知・啓発の取組や、学齢期の健康診断や市民健診にプレコンセプションケアの観点を盛り込むことや、市内医療機関との連携など、今から取り組めることを積極的に行なっていくべきです。
そこで市長に伺います。
【質問7】
プレコンセプションケアを推進する為に早急に実施すべき具体的な取り組みについて、どのようにお考えでしょうか。
お答えください。
以上で壇上からの1問目を終わります。再質問は一問一答で行わせていただきます。
市長の答弁
まず、母乳バンクについてです。
議員からのご質問により、母乳バンクによるドナーミルクの提供活動が行なわれているということを初めて知りました。
今回のご質問の内容を受けて、まずは指定管理者と意見交換を行なっていきたいと考えます。
次に、周知の必要性についてです。
市として周知を進めていくためには、医療機関など関係者のご理解とご協力が欠かせません。
どのような周知が効果的かを含め、市の産婦人科医会や小児科医会と意見交換を行なっていきたいと考えます。
次に、プレコンセプションケアについてです。
プレコンセプションケアとは、女性やカップルを対象として、将来の妊娠のための健康管理を促す取り組みとして理解しています。
今年4月の組織改正により、プレコンセプションケアを含めた、生涯を通じた様々な健康づくりを進められる体制が整ったのではないかと認識しています。
次に、本市の取り組みについてです。
現在、母子保健部門において、ご夫婦となられた方に対し、将来の妊娠、出産、子育てに向けた健康管理に取り組んでいただけるよう、「結婚されたあなたへ」というリーフレットを作成し、各行政センター、はぐくみかん、ウェルシティや市内の産婦人科等で配架を行なっています。
また、将来子どもを持ちたいカップルなどに向けて、不妊・不育専門相談センターにおける相談や、妊活LINEサポートなど、SNSを活用し、様々な相談に対応しています。
次に、次期プランへの位置づけについてです。
将来的に妊娠・出産を希望する女性やそのパートナーになり得る男性にとって、早い時期から健康に関する正しい知識や望ましい生活習慣を身につけることは大切です。
その為にも、次期『健康・食育推進プランよこすか』の策定に当たっては、市民アンケートの結果や専門部会の意見を踏まえた上で、計画に位置づけるよう検討してまいります。
次に、推進するための取り組みについてです。
プレコンセプションケア推進の為には、部局を超えた取り組みが不可欠です。
その推進の為には、まずは市職員のプレコンセプションケアに対する理解を深めることが大切であると考えます。
関係部局間で連携した取り組みができるよう、民生局健康部が中心となり、検討を進めてまいりたいと思います。
今年度、実施可能な取組としましては、プレコンセプションケアの必要性についてリーフレットを作成し、積極的に周知していきたいと考えます。
教育長の答弁
私からは、プレコンセプションケアにつながる教育委員会の取り組みについてお答えさせていただきます。
教育委員会では、平成27年度から児童・生徒の体力等に関する独自調査を実施しております。
この調査結果から、本市では、小学校高学年から中学校の年代において、痩身傾向児、いわゆるやせすぎという意味ですが、この出現率が全国の平均値よりも高い傾向が見られることが分かってきました。
この結果について学識経験者からは、エネルギー不足のまま育った場合、特に女性は大人になってから不妊症になるなどの可能性があるとの指摘を受け、現在は学校給食マニュアルに沿った給食指導や、朝食の欠食率を下げるための取り組みなどを推進しています。
また、小中学校の教科指導においては、喫煙、飲酒、薬物乱用などと健康との関連や、性感染症の防止などについて、小・中学校を通じて系統的に学ぶとともに、学校教育活動全体を通じた健康教育に取り組んでいます。
これらのことがプレコンセプションケアにつながる取り組みであると認識しているところです。
フジノの再質問
市長、教育長、ご答弁ありがとうございました。
昨年12月に続いて、リトルベビーについて質問させていただきました。
本市の取り組み、全国から注目をいただいております。今回の質問も、本当に多くの全国のリトルベビーのお母さん、そして医療関係者の方から注目されていることをあらかじめお伝えしたいと思います。
それでは、再質問に参ります。
市立病院の指定管理者と意見交換をしていただけるとのこと、大変ありがとうございます。
この意見交換の時に、ぜひ市としては、強く導入の方向でご相談していただけないかと思うのです。
例えば、2015年と2021年に厚生労働省の研究班の調査で「母乳バンクは必要だと思いますか?」ということを新生児科のドクターにお聞きしているのです。
2015年度調査では「母乳バンクが必要だ」と答えた割合は73%だった。
これが2021年調査では9割以上に上昇している。
では、導入できない理由は何かというと、金銭面のことが一番の関心に挙がっている。
ただ、事前に民生局を通じて指定管理者に問合せをしたところ、本市は金銭面の理由では無い、と。
もしかしたらドナーミルクに関して誤解があるのかなというような印象を受けました。
ドナーミルクの安全性について少し誤解があるかなと感じたことに対して、本当にたくさんのエビデンスがあるのです。
例えば人工乳。とても安全で衛生的に受け止められているかもしれないのですが、基準としては、1グラム当たり5万個の雑菌というか細菌が入ってもいい。
本来は逆です。5万個以上入ってはいけないという基準なのですけれども、母乳バンクのドナーミルクは、それよりもっと厳しい基準なのです。
つまり、雑菌が入る人工乳を腸の未熟な赤ちゃんにあげるよりも、ドナーミルクをあげるほうが確実に安全な訳です。
こういったエビデンスについては、一般社団法人日本財団母乳バンクの理事長もされておられる昭和大学の水野先生が、本当にいろいろなところで発表しておられるので、これをぜひ指定管理者にお示しいただきたい。
実際には健康部の市立病院課長が交渉にあたられると思うのですが、ぜひポジティブな材料をお持ちしていただきたい。
もう1つ、最新のデータとしては、本市のうわまち病院NICUには、神奈川県立こども医療センターで働いておられた先生がたくさん来てくださっている。
だから(こども医療センターとうわまち病院NICUは)本当につながりがよくて、本市のリトルベビーへの取り組みというのはすばらしいのです。
神奈川県立こども医療センターは今年の5月から、母乳バンク、ドナーミルクを導入しております。
こうした全国的な取り組み、そして神奈川県の取り組みも受けて、本市は積極的に導入していくべきだということを、ぜひ前向きな材料とともに協議に臨んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
健康部長の答弁
今回、議員からご質問いただきまして、私どもも、この母乳バンクについて様々調べさせていただいております。
その中で、私どもが分かってきた部分がたくさんございました。
今議員から教えていただいたことも踏まえまして、協議をしていきたいと思います。
フジノの再質問
ありがとうございます。
続いて、ぜひ母乳バンクの存在とドナーミルクの募集を様々な方法で周知していただきたい、というご提案をしました。
本市には、協力してくださっている医師会、そして産科医会など、本当に多くの方々が赤ちゃんとお母さんの為にご協力いただいている。
きっとその皆さんから前向きな御意見いただけるのではないかなと思っています。
今回の質問では、周知についてをまずご提案したのですが、本来であれば、ドナー登録施設というのに本市医療機関にもなっていただきたいという願いが実はあります。
ドナーになる為には、どの医療機関でも大丈夫なのです。
産婦人科である必要もなくて、過去の感染症歴ですとか問診をして、そして血液検査をして、そのチェックが終わって初めてドナー登録ができるのです。
このドナー登録の施設がなかなか近くに無いというのも、診察ではないので、通常の内科とか皮膚科でもいいのですけれども、診察券を持ってくるのとは少し違うのです。
あくまでもボランタリーでドクターが御協力していただいて初めてドナー登録施設というのが生まれるのです。
そのドナー登録施設に手を挙げていただける医療機関が無いかということも、できれば広報の仕方をご相談される際に、ドナー登録施設になっていただける病院、またはクリニックはありませんかということも併せてお聞きいただけると大変ありがたいのですが、いかがでしょうか。
健康部長の答弁
これから効果的な周知ということを目指して、様々な方々と相談してまいりたいと思います。
産婦人科医会や小児科医会の先生方とも意見交換させていただく予定ですので、議員から今お話しいただいたことも踏まえて、相談してみたいと思います。
フジノの再質問
ありがとうございます。
母乳バンクについての質問は以上となりますが、母乳を必要としている赤ちゃんが、今この瞬間も5,000人もおられる。
その5,000人の赤ちゃんというのは、早産であったり、本当に小さく産まれてしまって、生きるか死ぬかの瀬戸際におられる。
そして、早産で出産したお母さんは、不安と混乱の中にいて、自母乳神話がこの国には呪いのように浸透していますから、一生懸命搾乳しておっぱいを出そうと頑張っておられる。
でも、そんな時に母乳バンクの存在で救われる命があって、そして今この瞬間、腸の発達に資するだけでなくて、将来の予後が良いというエビデンスもたくさんあるのです。
これは、今お示しすると時間が足りなくなるぐらい、本当にたくさん良いデータがあります。
こうしたデータをご覧になれば、必ず指定管理者の方も御理解いただけるはずと信じています。
例えば、生後24時間以内にドナーミルクを与えることで、慢性肺疾患、壊死性腸炎、胆汁鬱滞、重症感染症が減った。
これはもう日本の厚生労働科学研究費補助金による研究ではっきりとデータが出ているのです。90%以上の小児科のドクター、産婦人科のドクターが導入を望んでいる。
それを阻んでいるものがあるとすれば、本市は取り除いていかれる力があると信じていますので、ぜひ話しあいをこれから前向きに進めていただきたいと思います。
続いて、プレコンセプションケアについて伺いたいと思います。
市長のご認識についてお伺いいたしました。
率直な僕の感想を申し上げますと、市長のご認識というのは、どちらかというと妊孕性(にんようせい)、妊娠力を高めることを妊孕性と呼ぶのですけれども、妊孕性の部分に焦点を当てた我が国政府の見解に近いのかなと受け止めました。
プレコンセプションは実はものすごく幅が広くて、どちらかというと教育長がおっしゃって下さったような本当に思春期からの取り組み、そして40代ぐらいまでの取り組み、幅広い、世代も年齢も性別も関係ない取り組みが本来のプレコンセプションケアだと受け止めています。
ただ、閣議決定された政府の方針というのは、妊孕性を高めたい。少子化対策という観点から進めておられるのかと思うのですが、女性やカップル、子どもを直近で持つ人のサポートというふうな定義を打ち出してしまっているのです。
市長のご認識もそこに少し引きずられてしまったのかなという印象を受けました。
これはぜひ各部局と意見交換をしていく中で、市長もぜひ知っていただきたいなと思うのですが、プレコンセプションケアは、決して1つの性別や、あるいは出産直前のカップルだけの問題ではなくて、思春期から、あるいはもっともっと早くから、生涯を通じて必要な取り組みであるということをご認識いただければと思うのですけれども、いかがでしょうか。
市長の答弁
私にはよくすとんと落ちないところがあって、古い考え方なのか分からないのですが、基本的には自然の摂理みたいなものを私は実は感じていて、その流れの中で人が生かされていると思っているのです。
様々な社会変化の中でどのように生きていくかという中から妊娠、あるいは結婚・妊娠という、その時点でどうやって政治や行政がフォローしていくかというところでしか、基本的には人間の生き方に突き詰めてしまうところなので、今の自分としてはどうなのでしょう。
中学、高校から結婚・妊娠に向けてどうあるべきかということを総合的に検討しながら施策・政策に打ち出していくというイメージが実は私にはできないのです。
だからこういう聞き方になってしまうのだけれども、多分、私も古い人間なのでしょう。
政府と同じとは思わないけれども、人間の尊厳というのはしっかりしたものをのせなければいけないとは思っているのです。
先ほどからいろいろエビデンスをいただいて、母乳に関するのはよく理解はできるのですが、もっといろいろな政策、分野があって、生きていく上で、その中の1つでしかないと実は理解していないので、そこにフォーカスして何かというのは、今でも少し、すとんと落ちないので、これから少し私も勉強しなければいけないのかなと思っています。
フジノの再質問
市長、率直なご感想ありがとうございます。
たぶん市長だけではなくて、プレコンセプションケアについて情報を流しているメディア、そして学者の方々も、それぞれ混乱されておられるのではないかと思います。
本来、プレコンセプションケアは、全世代、性別も超えて必要なもの。
そして、DOHaD仮説というものを申し上げましたが、それこそ地域保健アドバイザー(元・こども健康課長、元・こども育成部長)が本市の職員として働いていて下さった頃、本当によくお話をしたのですけれども
私たちが大人になったときに起こる病気というのは実はもうお母さんが若かった頃の生活習慣で規定されてしまっている。
母原病という悪い意味ではなくて、お母さんの栄養状態がこうだったらば将来こういうふうになるというのがもう莫大なコホート研究で、これは全数調査という意味ですけれども、分かっているのです。
過去に遡ると、世界大戦の時にポーランドでひどい飢餓に遭った、飢餓の状態で暮らしたお母さんから生まれた子どもを追跡調査した結果、ある特定の疾患がすごく多かったというところから調査が始まっているのですけれども
今自分がいるのは、遺伝とか悪い意味での母原病みたいなことと誤解されてしまうといけないのですが、逆に言うと、お母さんが若い時、あるいは思春期の時に、栄養、運動、睡眠、あるいは定期的なワクチンの接種、必要なときに病院に行かれるということをやっていたならば、将来の子どもであったり自分の健康も大きく改善できる。
そういう生まれる前からのケアというものが保健師のみなさんの中ではわりと当たり前になっているのです。
それを政府が最近、海外の思想を導入して、プレコンセプションケアと呼んでいるというような感じになります。
そして、政府が導入する際に、少子化対策に特化した部分だけを切り取ってしまったので、妊孕性を高めるとなってしまった訳ですが、本来は、全世代、性別を超えて、誰にとっても必要なもの。ですから、従来の保健施策をさらに広げたものとお考えいただければありがたいなと思っております。
続いて、教育長にお伺いしたいと思います。
ただいま本市教育委員会が行なっていただいている取り組み、本当にありがたいと思いました。
やせの出現率が全国より高いというのは、本当に厳しい現実があるなと思います。
厳しい現実というのは、本市が良いとか悪いとかという話ではなくて、圧倒的な量の情報をメティアがひたすら流し続けて、やせている女性がよいのだと。
ルッキズムですけれども、やせていることが望ましいのだと、もうものすごい量の情報を毎日毎日流しているのです。
そこにはたして教育委員会、あるいは学校の先生お一人お一人がポジティブなメッセージをいかに発信して、やせではなくて、標準体重であることもそれは美しいし、そしてルッキズムの観点ではなくて、標準体重であることは将来的な自分の健康にも、そして未来の子どもの健康にもポジティブな影響を与える。
そういうポジティブなメッセージをどれほど発信し続けられるかというのが勝負だと思っているのです。
この辺、教育長と認識は同じかと思うのですが、世間の圧倒的な量の痩せに誘導する情報に対して、教育委員会としてはどのように対抗できるとお考えでしょうか。お聞かせください。
教育長の答弁
先ほど答弁させていただいた児童・生徒の体力等に関する独自調査は、小学校5年生と中学校2年生については全国平均を出せましたので、1回、それでお答えをしたところです。
平成28年度以降からやってきた調査を見てくる時に、これもまだ純粋なエビデンスがあるわけではないのですけれども、小学校の高学年から6年生になるに向かって、痩身度は率的に1回高くなっていきます。
つまり、その学年の年度ごとの推移を見ていくと、痩身度は高くなる。
一方、中学に入って1年生を過ぎた後、2年生から3年生に至っては、普通にまた戻ってきているという傾向が今出てきているのです。
これは、議員がおっしゃっているように、1つは社会の文化の中でやせているということが良いと言ってきた時代から、若干、生活の度合いとかコマーシャリズムに乗っていった中で変わっているということがまだ何も精査はできていないのですが、
横須賀市の1つの傾向としては、小学校の高学年になるに従って1回やせていくけれども、中学校に入学後、2年、3年生ではまた普通に戻ってきているという部分は1つ出てきているので、これらがどういう要素に基づいているのか。
先ほどの私たちがやっている食育だとかの関係でその成果になっているかというのは、もう少し時間を見ないと分からないのかなと思っています。
その意味では、子どもたちの体力というより、いわゆる健康体と言われる標準体型が、これが決してベストなのかどうか分かりませんけれども、極端な痩身状態からは、年を取るに従って変更してきているのだというところが1つ傾向が出ているかと思っています。
フジノの再質問
ありがとうございます。現在の傾向について教育長に御答弁をいただきました。
本市の現在の取り組みが功を奏しているのではないかというふうな受け止めをさせていただいたのですけれども、ぜひ、それこそコマーシャリズムに負けない、徹底的にポジティブな情報を提供し続けていっていただきたいと要望いたします。
特に中学生の後期、それから高校生になる頃には、例えば生理周期の乱れが将来の無排卵につながったり、無排卵につながれば不妊症につながる、そういったことも全然知られていないのです。
こうした情報を徹底的にお伝えしていく、しかもポジティブな形で提供していく。
自分がこうしていると将来こんなふうに厳しい未来が待っているのですよという言い方では、誰も喜んでその取り組みはできないと思うのです。
ポジティブな未来を御提示していただきながら取組を進めていっていただきたいと思います。
具体的な、細かな取組について申し上げるのは委員会で行なわせていただくとして、本市の方向性について再度確認したいと思います。
次期『健康・食育プランよこすか』にぜひ明確に位置づけていただきたいということを申し上げました。
今年度実施する市民アンケートや専門分科会のみなさんのご意見を伺った上で、検討したいというお話をいただきました。
もちろん国の上位計画、そして市区町村レベルの計画は、こういう方針にしなさいというお話が出てくると思うのです。
けれども、その中にも必ずプレコンセプションケアの話が出てくると思います。
先ほど来ずっと申し上げているとおりで、普通に生きていたら、この国で普通に暮らしていたらば、プレコンセプションケアを意識する機会など絶対に無いと思うのです。
そこに行政が、ナッジを使ったりとかいろいろな形で、いい形でポジティブな情報を流していく。
それこそ中学校給食をスタートしていただいたのもプレコンセプションケアに大きく資するものだと思いますし、様々な情報提供と、それから行動変容を促していっていただきたい。
その総合的、体系的にまとめたものが、行政計画であるこの健康・食育プランよこすかだと私は受け止めているのです。
これはぜひ、もう位置づけるというご答弁をいただきたいと思うのです。改めて市長のご見解をお伺いいたします。
市長の答弁
私も健康マニアで、今の話を聞いていると、私はDNA論者なのです。遺伝論者なのです。
ゲノムが全て今解析されて、全てそれでしか人間というのは生きていないとしか基本、個人的には思っていなくて、生きていく上で、例えば今まで、古今東西、歴史の中で、様々な健康食品が出来上がって、栄養素が出来上がって、因果関係が、健康被害があるという様々なことが言われてきて現在に至っていて、あらゆるメディアを使ったり、何か情報を得ることができると、何が正しくて、何が間違っているか混乱しているというのが現代だと思っているのです。
それをどうやって、どういう機能で、どういう形でオーソライズして、正しいかどうかということを行政がどこまでできるかということは非常にいつも疑問に思っているのです。
いろいろな今おっしゃっているエビデンスが果たしていいのかどうかということも含めて、現代の医学、私もいろいろな医者と実はDNAのことでとか様々なことを今、データを聞きながら考えています。
恐らくは違ったジャンルではないかと思いますが、マニアックに、人が生きていくことはどうだろうと今考えている最中なのです。
そう考えた時に、今おっしゃったところをどうやって提示してというのは、私、生き方だとか哲学とか、ある意味では宗教も含めての問題になっていくような気がしているのです。
あらゆる分野であらゆるデータが出ているはずだから、そこを統括して、一自治体でこうですということ、もちろんやらなければいけないことなのだろうけれども、そういう中のひとこまではないかと思っているので、ぜひその辺も考え合わせながら医師会とも検討して、社会状況を見ながら検討していきたいと私個人的には思っています。
あとは健康部長から答弁させます。
健康部長の答弁
プレコンセプションケアですけれども、先ほどの市長の答弁にもありましたように、私ども職員自身が、健康部の保健師を中心に当然承知はしている訳ですが、市の職員全体で考えたときに、まだまだ周知不足といいますか、理解していない部分はたくさんあると思います。
逆に申し上げますと、今いろいろやっているものも、プレコンセプションケアにつながっているということがたくさんあると思いますので、そこをぜひ次の計画で、横軸を刺せるような形で取り組めたらと、そのように思っております。
フジノの再質問
市長、健康部長、ご答弁ありがとうございました。特に健康部長のご答弁、大変ありがたいご答弁でした。
分野は違うのですが、自殺対策の行動計画を作りました時に、本市がすでに行なっている取組は、自殺対策に資するものだという業務の棚卸しを1回全部行なっていただきました。
本当に自分の部局は全然関係ないと思っているような、例えば旧・資源循環部の戸別収集の時にごみが出ていなければ緊急通報していただける、こういうのも実は自殺対策の取り組みの1つである、そのような棚卸しをしたのです。
今回この質問をさせていただいたというのも、各部局に、それこそ全ての部局にプレコンセプションケアについて学んでいただきたかったし、自分たちの取り組みがプレコンセプションケアに実はつながっているのだという自覚を持っていただきたかった。
その上で新たな取り組みが必要であればやっていくと。
ただ、プレコンセプションケアという方針を強く打ち出していくのだというのは行政計画に位置づけていただきたかったという形で質問させていただきました。
最後になるのですが、本市は、小さく生まれた赤ちゃんに対して、本当に全国でも進んだ取り組みをしてきているまちです。
それは昨年12月定例議会でも大きな話題を呼びましたし、今回の母乳バンク、本当に大きな話題をすでに呼んでいます。
これからも横須賀市は、小さく生まれた赤ちゃんの為に、どんな命も全部守るのだということでやっていく、この方針に変わりはないと思うのですけれども、一方で、小さく産まれる赤ちゃんを減らすこともできる、予防することもできる。
12月定例議会で市長とお話ししたとおりに、メンタル面だけでなくて、体のサポートを例えば思春期から行なってきていれば、できるようになる。
小さく生まれることが悪いのではなくて、プレコンセプションケアをやっても、一定数は小さく生まれる。
でも、そもそも予防することができるものは予防したい。
そうすることで、お母さん方には怒られてしまうのですが、医療経済学的にも明らかに医療費は減らすことができますし、それから、NICU入院中の赤ちゃんのために何度も何度も家と病院を往復しなければいけないご家族の負担も減らすことができるのです。
ですからそういう意味では、母乳バンクは生まれた赤ちゃんの命をより強く守っていくもの、プレコンセプションケアはそもそも小さく生まれる赤ちゃんを予防して減らしていくもの、そして小さく生まれた赤ちゃんを全力で守っていく横須賀市の姿勢がありますから、こうして包括的に守っていって、そして大きく健やかに育っていってほしい、横須賀の子どもとして育っていってほしい。
こういう横須賀市の姿勢を強く強く打ち出していく、それが横須賀の姿なのではないかなと受け止めています。
今回の質問では質問し切れなかったこともありますので、また9月定例議会、12月定例議会で改めて質問をぜひさせていただきたいと思います。
本日は以上です。ありがとうございました。