地方分権に逆行した地方交付税削減措置の即時撤回を求める意見書

意見書案の経緯

2013年3月25日、上地克明議員を提出者に、一柳洋議員・小林伸行議員・山城保男議員・フジノの4名を賛成者に、議員提案提出によって意見書案を提出します。

27日の本会議では、残念ながら「否決」されました。

意見書案の全文を報告します

意見書案第4号

地方自治法第99条の規定により、衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣に対し、次のとおり意見書を提出する。

平成25年3月27日提出

横須賀市議会議員 上地克明

地方分権に逆行した地方交付税削減措置の即時撤回を求める意見書

発生から2年を過ぎた東日本大震災の復興は喫緊の課題であり、その財源を捻出するため、国は国家公務員給与費の削減を決定した。

国家公務員給与費を削減すれば、当然に地方公務員のラスパイレス指数の上昇が発生するが、今回、国はこの上昇を論拠として、地方公務員の給与費の削減を要請してきている。

そして、その方策として、地方交付税の基準財政需要額における給与費を削減し、交付税交付団体に歳入欠陥を発生させるだけでなく、給与費削減を行わない団体については退職手当債の発行制限のペナルティーを課すこととして、その実行を言わば強制をしているとも言える。

地方交付税は、本来地方の税収入とすべきところ、自治体聞の財源の不均衡を調整し、全ての地方自治体が一定の水準を維持し得るような財源を保障する見地から、国税として国がかわって徴収し、一定の合理的な基準によって再配分する、いわば「国が地方にかわって徴収する地方の固有財源」であることは、これまでも総理大臣答弁により国も明らかにしているところである。

それにもかかわらず、国は、これまでも、小規模自治体に市町村合併を強制する手法や、先の復興増税の徴収方法にも、「交付税本来の趣旨」を捻じ曲げ、国策遂行の手段として交付税措置を利用してきたが、今回の交付税を通じて地方公務員の給与という義務的経費の削減を強制する手法は、明らかに国家の自家撞着であり、交付税の存在理由を改めて聞いなおさなければならない暴挙である。

固と地方の財源のあり方については、依然として財源移譲が進まないばかりか、本来、地方交付税として措置されるべき財源を「臨時財政対策債」に振りかえるなど、いまだに地方分権とは名ばかりの、旧態依然の中央集権状態が続いている中で、時代に逆行する中央支配によるさらなる強権発動は到底看過でき得るものではない。

よって、国におかれては、地方交付税の目的と趣旨を再認識し、今回の交付税の削減措置については直ちに撤回することを求めるものである。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。