横須賀市地域で支える条例

条例案が可決されるまでの経緯

2012年11月29日、上地克明議員を提案者に、一柳洋議員・山城保男議員・フジノの3名が賛成者として、この条例案を市議会に提案しました。

2012年11月28日・議会運営委員会資料より

2012年11月28日・議会運営委員会資料より


2012年12月7日、自治基本条例検討特別委員会に付託されて議論が行なわれたのですが、特別委員会では賛成少数で『否決』されました。また、12月14日に開催された本会議においても賛成少数で『否決』されました。

2012年第4回定例会・提出議案等結果より

2012年第4回定例会・提出議案等議決結果より


けれども改めて2013年11月26日、同条例案を提案しました。

生活環境常任委員会に付託されて議論が行なわれた結果、賛成多数で『可決』されました。そして12月12日、本会議においても賛成多数で『可決』されました。

2013年第4回定例会・提出議案等結果より

2013年第4回定例会・提出議案等議決結果より

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横須賀市地域で支える条例・全文

(前文)
我が国は、家族の絆や地域社会の連帯を大切にする文化と伝統により、互いに助け合い、支え合うことが社会生活の基盤になってきた。

しかし、昨今、核家族化の進展や少子高齢化などの社会状況の変化の中で、人と人とのつながりが希薄となり、高齢者の孤独死や児童虐待といった事件及び事故が年々増加し、家族や地域社会の崩壊として大きな社会問題が生じている。

ここ横須賀においても、歴史の中で培われた助け合いの精神に基づき、町内会、自治会その他の地域住民で組織する様々な団体が中心となって地域社会を支えてきたが、近年の人口減少や居住環境及び生活様式の変化に伴い、これらの団体に加入する住民の割合も低下傾向にあり、子育て中の親や高齢者、障害をもつ人々、また何らかの手助けを必要とする人々への地域社会としての充分な理解も希薄になりつつある。

このような現状のなかで、私たちは東日本大震災を経験し、互助活動による災害時の被害の軽減とその他生活上の重要課題の解決には地域活力の再生が不可欠であると改めて認識した。

今後、住民相互の交流の促進や地域のつながりを積極的に強化し、地域住民相互の協力と助け合いの精神に基づき、自主的で活発な地域活動を促進すると同時に、行政の地域社会への関わり方の基本を明確にすることにより、将来にわたり、地域住民が支え合い、安心して快適に暮らせる社会を実現するために、この条例を制定する。

(目的)
第1条 この条例は、地域活動に対する市民、地域活動を行う団体(以下「地域活動団体」という。)及び事業者の役割並びに横須賀市及び市職員の責務を定めることにより、安心して快適に暮らせる社会の実現に向けて、人と人との絆や近隣との連携を深めるとともに、心豊かなまちづくりを推進し、もって地域で支え合う社会を実現することを目的とする。

(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1)市民
市内に居所を持つ者、在勤者及び在学者

(2)地域活動
主として市内の一定の地域を基礎として、当該地域の住民が主体的に行う、近隣住戸間の助け合い活動、自治会・町内会活動、社会福祉活動、青少年健全育成活動、防災・防犯活動その他の良好な地域社会の維持及び形成に資する活動をいう。

(市民の役割)
第3条 市民は、家族や近隣又は地域社会における人と人との絆や連携を深めることに、自らの役割と責任を自覚し、地域活動に関して主体的な役割を担うよう努めるものとする。

(子ども達に対する親・保護者・地域社会の役割)
第4条 本市の未来を担う子ども達の成長を地域で支えるため、親その他の保護者及び地域社会は次に掲げる役割を担うものとする。

(1)親その他の保護者は、子どもが心身ともに健やかに、家庭の絆や温かさを感じながら安心して過ごせる家庭環境づくりに努めること。

(2)地域社会は、未来を担う子ども達が地域への愛着と誇りを持てるよう、地域の環境づくりに地域全体で取り組むことに努めること。

(地域活動団体の役割)
第5条 地域活動団体は、その活動理念や内容及び活動規模等について可能な限り情報公開に努めるとともに、より多くの賛同者、参加者及び加入者を当該団体が活動する地域から集めることができるよう努めるものとする。

(事業者の役割)
第6条 事業者は、次に掲げる役割を担うものとする。

(1)地域活動に積極的に協力し、及び参加するように努めること。

(2)市が実施する地域活動の促進に関する施策に協力するよう努めること。

(3)従業員が地域活動へ円滑に参加するための必要な配慮を行うよう努めること。

(市の責務)
第7条 市は、市民自らがまちづくりについて考え、地域活動に参加できるよう、地域活動の促進に関する必要な施策を策定し、実施するよう努めるものとする。

(市職員の責務)
第8条 市職員は、市民としての役割を強く認識し、自らも地域社会の一員として、積極的に地域活動に参加するよう努めるものとする。

(施策の基本方針)
第9条 市は、地域活動の促進に関する必要な施策を策定し、及び実施する場合においては、次に掲げる事項を基本として行わなければならない。

(1)地域活動団体との連携を強化し、及びその活動を支援するため並びに地域活動団体相互間で必要な連携の確保が図られるようにするための施策を推進すること。

(2)地域活動の規模に応じ、地域活動団体間の横断的な連絡組織や行政との恒常的な連携が必要と判断した場合には、市職員の関与について適切な措置を講ずること。

(3)市民自らがまちづくりについて考え、行動することができるように、市民参加の機会を積極的に設けること。

(4)市職員の地域活動への参加について奨励するとともに、地域活動において十分な力が発揮できるように配慮するよう努めること。

(5)市が主催する地域活動に関する会議について原則として公開すること。

(6)地域活動団体が行う市民の当該団体への加入促進活動を支援するための施策を推進すること。

(7)市民が行う地域活動に対して、適切な助言及び協力を行うこと。

(8)地域活動の場の充実を図るため、地域活動のための施設の整備等の施策を推進すること。

(9)地域活動が地域社会において果たす役割の重要性にかんがみ、地域活動団体に対し必要な情報の提供に努めること。この場合において、個人に関する情報の取扱いに関しては、個人情報保護条例(平成5年横須賀市条例第4号)に基づき、必要な措置を講ずるものとする。

(10)前各号に掲げる事項を基本とする施策を推進するために必要な財政上の措置を講ずること。

附則
この条例は、平成26年4月1日から施行する。