議会では、こんなやりとりしています

2004年3月25日、このページの最後に後日談を追加しました
2003年・12月議会での討論(その1)







 まず、『討論』とは何かというと...。

 議会の場で、ある議案に対して
 「賛成」か「反対」かという立場を明らかにして
 その理由を説明することをつうじて
 反対側の立場に立っている議員を説得しようとする、
 態度を決めかねている議員をこちら側にまわってもらうようにする、
 そういう演説をすることを
 『討論』と呼びます。

 今回、フジノが討論をした理由は
 下に記したような条例案が提出されたからです。

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 (議員提出議案・第4号)

 横須賀市議会政務調査費の交付に関する条例中改正について

 横須賀市議会政務調査費の交付に関する条例の一部を
 次のように改正する。

 横須賀市議会政務調査費の交付に関する条例
 (平成13年横須努市条例第5号)の一部を
 次のように改正する。

 第3条第1項中「114,000円」を「139,000円」に改め、
 同条第2項中「任期満了日の属する月」の次に
 「の前月」を加え、同条第3項に次のただし書を加える。

 ただし、任期満了に伴う選挙後に
 新たに結成された会派に対しては、当該会派が結成された日の
 属する月分から政務調査費を交付する。

 附 則
 この条例は、平成16年4月1日から施行する。

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 この条例はどういうものか
 かみくだいて言うと、

 (1) 政務調査費を、月額で2万5,000円アップする

 (2) 選挙の年の政務調査費は、実態に合わせて払う

 この2つになります。

 (2)についてもうちょっと説明しますね。
 議員の任期というのは、4年後の5月1日までなんです。

 これまでは、5月1日までが任期ということで
 実態としては活動していないのに
 5月分までもが選挙前の議員に対して払われていたのですね。
 これはおかしいので
 そういう状況を直そう、というものでした。

 これは良いことですね。

 けれど、(1)には納得ができなくて
 フジノはこの条例案に反対することにしました。

 そして、その反対の理由を、本会議場で述べました。












 議員提出議案第3号、
 政務調査費の交付に関する条例中改正について
 反対の立場から討論を行います。

 反対する理由としては、次の3つが挙げられます。

 (1) 増額の積算根拠がはっきりとしていないこと

 (2) 領収書の添付や公開、詳細な実績報告書などの
      つかいみちの透明度を高める仕組みが
      まだ制度化されていないこと

 (3) 現在の社会状況から、市民感情の理解が得られないこと

 そもそも政務調査責は、
 このまちをさらに良くしていくために活動をしていく
 市議会議員にとっては
 とても必要な制度であるということは、
 わずか7ケ月の議員活動ではありますが
 この期間を通じて、私も十分に理解するようになりました。

 このまちを良くしたいという想いから、
 政策提案能力を高めるための
 勉強をすればするほど責用はかさみ
 個人としての生活を続けていくための責用さえも
 足りなくなりかねないのが現実です。

 ですから、政務調査真のアップという話は
 誠実に議員活動を続けていく上では
 とてもありがたいことではあると感じています。

 しかしながら、今回の議員提出議案第3号につきましては
 山下委員長からある程度の試算はうけましたが
 限度額としての金額が何故その額なのかについて
 その『積算根拠』が
 いまだ私には
 明らかではありません。

 これでは
 日ごろ、行政側の予算をチェックしている側として
 模範を示すことができません。
 増額をするならば、
 その『積算根拠』を
 よりはっきりと明らかにすることが必要です。

 また、先ほど山下委員長がおっしゃったとおり
 すでに議会運営委員会では
 議論が始まってはおりますが、
 しかし、領収書の添付と公開など、
 政務調査費のつかいみちの
 『透明度を高めるためのしくみ』の制度化が
 現時点では、いまだ果たされていません。

 この点は、
 全国の市民オンブズマンも問題視している点です。

 長野県では、領収書の添付をはじめとして、
 その政務調査責をつかうことで
 どれだけ活動の成果が得られたかを
 非常に詳しく報告する実績報告書が添付されています。

 さらには、会派の活動に加えて、
 知事や理事者側部局への要望事項まで示されており、
 つかいみちについて、
 とても透明度の高さを誇っています。

 責用対効果がどれだけなのかということが
 はっきりと分かるしくみがつくられております。

 横須賀市でも、
 今後こういったしくみができるはずではありますが
 増額よりも先に
 まずそれらの制度が
 確立される必要があると私は考えます。


 最後になりますが、今回の増額について、
 市民の理解が得られないと私は感じております。

 新聞報道で
 議会運営委員会の動向を読んだ方々から
 さっそく何通かのメールとお電話をいただきました。

 この時期に、議員自らが
 率先して痛みをわかちあうことが
 市民の代表として市政をすすめていく上で求められている
 ことを感じます。

 以上3つの理由から
 今回の議員提出議案第3号
 政務調査費の交付に関する条例中改正について
 反対をいたします。

 これで討論を終わります。
 ありがとうございました。

フジノの反対討論もむなしく
結果は、賛成多数で決まってしまいました。

2004/03/25更新
後日談

 (2004年3月25日追記)

 『政務調査費』については、
 その後、議会運営委員会で話しあうことになりました。

 フジノが12月議会で討論をしてから
 3ヶ月が経ちました。

 まだ「領収書をつけるかどうか」などについて
 議会運営委員会ではまだ結論が出ません

 この経緯を、毎日新聞が記事にしました。

 ぜひとも読んでみてください。

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 ちなみに、こちらもご参考ください。

 『政務調査費の交付に関する条例』

 『政務調査費の交付に関する条例施行規則』


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