議会では、こんなやりとりしています


2004年・6月議会での一般質問(10)




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 <質問3>美術館に福祉の視点を!

 最後に「美術館に福祉の視点を活用すべき」の視点から、
 2つ質問をします。

 僕は今の美術館計画に反対していますが
 その理由は、横須賀市には
 今すぐやるべきことがもっと別にあるからで
 「ハコモノよりも福祉だ」と訴えてきました。

 一方、教育委員会は美術館トークや議会の場で
 「美術館は福祉の場として必要な施設」だ、と
 繰り返し反論してきました。

 例えば、今の美術館計画に見直しを求めた請願第1号に対して
 生涯学習部長は

 「障がいを持つ方々や高齢者にとっては
  福祉の場として大切な施設です」

 と述べています。 

 確かに僕も『美術そのもの』は福祉に有効だと思います。

 しかし全ての「美術館」が即「福祉の場」かというと「ノー」です。

 福祉の場として有効になるかどうかは
 あくまでもそのハコモノの「運営方法」しだいだと思います。

 予算が成立して建設が決まった今、
 「美術館が福祉の場として必要」という言葉が
 空手形ではなく、本当に福祉の場にしていくのかを
 しつこくチェックしていきたいと思います。

 まず、設計にあたって、美術館開設準備室では
 福祉の現場を知る健康福祉部に
 一切アドバイスを求めていないことが分かりました。

 ハートビル法に基づいた設計だから
 福祉の観点は十分だということですが
 この法律はあくまでも当然の最低基準でしかありません。

 美術館を福祉の場にするであるならば
 その地域にあった必要な福祉の形、
 福祉の現場が求める場としての美術館について
 何故、アドバイスさえ求めなかったのか。
 まずこの点について答えてください。

 次に、美術館の「運営」にあたっては
 福祉の現場で働いている部門、
 養護学校をはじめとする特別支援教育にとりくむ
 小中学校を中心とするネットワークをつくり、
 口先だけではなく
 真に「福祉の場」として機能させる体制を取るべきだと思いますが、
 この点をどのようにお考えか、
 ぜひ市長、お答え下さい。

 以上で1回目の質問を終わります。








 美術館の設計および運営における
 福祉的視点について、2点、お尋ねがございました。

 まず建物の設計におきましては
 ハートビル法・神奈川県福祉のまちづくり条例を遵守しており
 健康福祉部におきましても
 当然この法令を基準としているとうかがっております。

 また設計者・山本理顕氏も
 介護福祉系の埼玉県立大学の設計等もおこなっており
 福祉分野にも精通しておる。

 設計にあたりましては、
 障がい者うけいれに力を入れている横浜美術館や
 目黒区美術館など
 他都市の美術館からも情報をえて
 参考にしております。

 福祉の場となりうるかどうかはご指摘のとおり
 まさに運営方法自体であると考えております。

 したがって、運営方法につきましては
 今後、健康福祉部等と
 十分協力を進めていきたいと
 このように考えております。


 次に美術館運営における
 福祉的視点について、お尋ねがございました。

 (仮称)横須賀市美術館は
 美術教育を通して
 高齢者や障がい者の福祉に寄与したいと考えております。

 現在も養護学校の担当教諭や
 養教の子どもの指導の専門家の意見を聞きまして
 障がいのある子どもたちの利用に向けて
 学芸員の研修・各施設の出前ワークショップ等を
 具体的に検討をすすめております。

 福祉に関係する
 市内の諸機関・小中学校・
 各地の美術館とネットワーク体制をつくり
 真に福祉の場となるように勤めてまいりたいと思います。

 






 最後に、美術館については
 教育長からご答弁をいただきましたが

 山本理顕さんも福祉に造詣が深いということで
 設計については問題が無いという
 ご回答をいただきました。

 ただ、地域ごとに福祉の必要性というものが
 ニーズというものがあるわけです。

 ですからそういう現場の声を
 ぜひ聞くべきだったと思っています。

 運営につきましては
 ネットワーク体制をつくって進めていくということで
 ぜひ今後もお願いしたいと思います。

 意見の部分もたくさんありましたけど
 合計で4つの再質問をさせていただきました。

 ご回答をお願いします。
 


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