『平成16年度一般会計予算』の組み換えを求める動議 |
提案者として、原島ひろこ議員が発言されました。 (提案理由) ただいま、一柳洋議員、藤野英明議員、吉田雄人議員とともに、 議案第15号平成16年度一般会計予算に対し、 一部を組み替えることを要求する動議を 発議させていただきましたので、 私の方からその提案理由を説明させていただきます。 内容につきましては、お手元にご配布のとおり、 現下の厳しい本市財政状況を捉えて、 様々な形で発信されてきました市民及び議員の意見をもとに、 再度更なる熟慮をお願いし、 歳出において 第11款教育費第8項社会教育費11目 美術館建設事業費4億9400万円を減額するかたちで 再編成していただくことを要求するものです。 このような提案をさせていただいた 主な理由を若干述べさせていただきたいと思います。 1つ目は、政策決定のプロセスについてです。 この建設事業のきっかけとなりましたのは、 1985年2月に「横須賀の文化を振興する会議」より 「まちはすべて博物館 まちはどこでも美術館」という提言でした。 それから基本構想案に 「個性豊かな人と文化が育つまち」のための方針として 「美術、音楽、演劇など多彩な芸術文化を通じた 国内外との交流により、新しい文化を創造します」とうたわれ、 1997年に議決されました。 それから、本市議会でも賛否両論の議論が繰り広げられ、 市民からも、建設計画の白紙撤回、 計画の見直しの陳情や請願が出されたり、 見直しを求める署名が6万6895筆集まり、現在に至っております。 この数は、近隣の葉山町、逗子市の人口を上回る数です。 議会の議論として具体的には 「観音崎への建設については今この時点ですすめるべきではない」 「多くの市民の批判を買ってまで行うべきではない」 「第一種風致地区ではなく、市街化区域につくるべき」 「市制100周年記念事業ありきでやるべきことではない」 「美術館は欲しくないという人もいる。 その人の未来にも負担させるべきではない」 「財政全体をみて支出は政策的にすると決めているのであれば、 その政策変更を行わない限り削減のしようがないから、 優先順位を変えるべき」 「借金の適正規模も 大型の公共事業の評価方法も定まっていない状況で 市民感覚に反して建設をするべきではない」 「美術館よりも市として着手しなくてはならない事業の中に 10年以内に整備せよとされている下水道改善事業がある」 「現在の建設予定地は適さない」 などです。 それぞれの意見に対し、 市長は「美術館は必要な施設であり、観音崎が適切である」との 強い意志を示されてきました。 市長は、今回の定例会においても、 政策の優先順位はその時々で議会に諮って決めてきた、 とおっしやられました。 機関意思はたしかに多数決でとります。 しかし、議論を重んじるのであれば、 市議会での少数意見も 視野に入れなければならないのではないでしょうか。 2点目としては、事業の優先順位の決め方です。 「今やらなくてはならない」、「美術教育は必要だ」という 強い意思を伴った政治的判断は時には必要だと思うのです。 しかし、今はそのときではないと思うのは、 状況が変わってきているからです。 地方自治体の財政は苦しくなり、 そういう中で政策的事業を予算化することは 財政部の大変なご努力があったとは思います。 スクラップせざるを得ない事業もあったとは思います。 しかし、今の横須賀市の課題としては、 自殺予防を含めた健康福祉の課題、 下水道事業改善、 障がいのあるなしにかかわらず子供1人1人に 行き届くはずの義務教育については 技術も人材もあるから予算さえつけば あと一歩という事業もあるのです。 そこへ政策の優先性を求めたいと思うのです。 芸術や文化は、 今までの歴史の中でゆっくりと醸成されてきたものであり、 作品や作家について大いに議論し、 そういう過程で市民の生活や人生観と密着させ、 ゆっくりと市民の中に浸透していくものではないでしょうか。 それがなるべくおおぜいの市民の願う形になったときに、 あらためて空洞化した土地の利用も視野に入れて 考え直しても遅くはないのではないでしょうか。 先輩議員、同僚議員の皆さんにおかれましても、 ぜひご賛同いただけますようお願いいたします。 以上で提案理由の説明を終わります。 |