まちの政治家は、こんなことしてます新人議員の活動日記


2004年11月29日(月)のフジノ
● 沢田市長の引退について、フジノの意見

 すでに『TVK』『web神奈川新聞』などの速報で
 ご存知の方々も多いとは思いますが

 沢田市長が「今期限りでの引退」を発表しました。

 本会議での後藤議員(質問は第1番目、最初でした)の質問に
 答える形で、はっきりとそう答えました。

 僕たちにとっては
 沢田市長の引退はすでに周知の事実だったのですが
 本会議で「引退する」とハッキリと言ってもらえるかどうかについては
 最後まで分かりません(議会は何が起こるか分かりませんから)。

 でも、朝、新聞記者の方にこう尋ねられて

 「フジノ議員は市長が引退を明言すると思いますか?」

 「絶対に引退すると信じています」

 と答えました。

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 僕が引退を望んでいた理由は、2つです。

 (1)知事や市町村長の任期は
   全国的に3期12年間にしていこうという動きが起こっている


 (2)沢田市長は気力面ではバリバリ充実しているけど
   体調面での不安感がかいまみえる


 (1)については
 フジノの一般質問を載せますので
 憲法的な話やらいろいろな根拠やらを書いてあります。

 (2)については
 これまでの市議会本会議でやりとりするたびに
 僕や雄人とのやりとりでは烈火のごとく激しい答弁をしてくれて
 時には真正面から
 時には「それは論理のすりかえだろ!」と怒りながらも
 元気いっぱいな姿でうれしいのです。

 しかし、市長席に戻った市長は
 本当に見ているのもつらくなってしまうような疲労感が漂い、
 どうしても情けをかけてしまいたい気持ちになってしまい、
 厳しい質問をするのに
 僕は「ちゅうちょ」してしまいかねないからです。

 美術館問題や長井海の手公園問題をはじめとする
 多くのハコモノ事業は明らかに間違い。

 けれども、福祉をやりたい政治家であるフジノは
 ボロボロに疲れている沢田市長(71才)を相手にして
 厳しく追及するのは毎議会の質問のたびにこころが痛みました。

 良いことでも悪いことでも
 市長は『大きな壁』として若造議員フジノがぶつかっても
 揺らがないような存在でずっといてほしい。

 それがここ半年には、
 全然、『大きな壁』には見えなかった。
 市長ご自身がおっしゃる「体力の限界」なのでしょう...。

 僕は沢田市長については個人的には好悪の感情は全く無くて
 行政と議会とのカンケーに立って、
 ガチンコの議論がしたかったという気持ちだけなのです。

 沢田市長への市民のみなさんの反作用(批判)が
 フジノの当選を起こしたとも言えるのですから。

 いずれにしても、老兵が去り、新しい時代が来ることになりました。

 来年6月、新しい市長を選ぶチャンスが
 このまちのみなさんにはあります。

 ぼんやりとしたあいまいな公約なんかではなく
 期限・数値目標・工程・財源をどうするのかをしっかりと明記した
 マニフェストをかかげた市長選挙が行なわれるように
 全ての候補者に
 僕は働きかけたいと思います。

 いずれにしても、沢田市長、おつかれさまでした。


● 引退発言で全てを許してはいけない!

 それにしても、すごく異様な雰囲気で
 気持ち悪くなってしまいそうだったのが
 引退表明の時の本会議場です。

 僕の席は最前列なので後ろは見えませんが
 鼻をすする音やら悲しみにくれる雰囲気がドヨーンとしてました。

 市長は引退を表明しましたが、
 まだまだ任期は残っています!

 引退を宣言したからと言って
 今日で終わりじゃない!

 まだ12月議会の議案についても
 次の予算議会での議案もあります。

 沢田市長が引退を発言したからといって
 それで議論のほこさきが鈍るようならば議員とは言えないはず。

 いろいろな思い出がある人は
 それを家で静かに感じてほしいと思いました。

 企業には経営者の交代は当たり前の出来事です。

 それをいちいち嘆いていては
 おかしいです。

 こういうフジノを「ドライだ」と斬り捨てていただいて結構です。

 しかし、こんな引退発表で
 悲しみにくれる本会議場はどうかと思います。
 しっかりしてほしいと感じました。

 フジノの一般質問は、4番目でした。

 最初の市長の引退発言以来、
 あまりにも議会がしんみりとして淡々と流れていくので
 この雰囲気をいつもの議会に戻すのが僕の仕事だと思いました。

 何故なら議会は「議論の場」だからです。

 引退すると言っても亡くなったわけでもないし、
 まだ任期が数ヶ月も残っているのです!

 だから、フジノの一般質問は
 いつも以上に腹から声をふりしぼってやりました。

 市長への批判もしました。
 責任も問いました。

 本会議場は、フジノへのヤジが相変わらずたくさん飛びました。

 ヤジはむかつくけど、
 これが市議会・本会議のふだんの姿だと思いました。

 しんみりして思考停止になってはいけない!

 フジノ一般質問は3回目の再質問までやったのですが
 それらへのヤジが飛んだことを少しうれしく感じたのも事実です。

 誰かが引退しても
 このまちは永遠に続いていく!

 悲しみは家で感じればいい。
 僕たちは仕事をするために議会に来ているのだから。

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 昼休みになった瞬間に
 僕は市長の席に近づいていって、ひとことだけ
 僕の想いを言葉にして伝えました。

 しかし、それだけでいいのです。

 何故なら、彼の任期はまだ残っていて
 まだまだ、沢田市長とは
 このまちについて激しく議論をしなくてはいけない。

 市役所の職員も
 トップが変わるからといって浮き足立ってはならない。

 最後の沢田市長の任期の終わりの日まで
 彼を社長とする企業に勤める者の義務として
 トップにしたがって働くべきです。

 引退発言は、来年の市長選挙に向けての話でしかありません。

 全ての議員も職員も、
 いつもどおり、今までどおり、感慨は家に置いてきて
 仕事に邁進して欲しいと強く願います。

 少なくとも、僕はそれが引退する方への礼儀だと信じます。

 だから、沢田市長の残りの任期も
 いつもどおり僕はやります。



2004年11月28日(日)のフジノ
● 一般質問の原稿づくり

 明日の本会議で行なう一般質問の原稿を
 いや、もうすぐ日付が変わるから、今日の本会議の原稿を
 いまだに手直ししています。

 何度、本会議で質問しても慣れるということは全然無くて
 やっぱり前夜になると何十回チェックしても
 気になるんだよね。

 だから、もう何回も何時間もずうっと
 手直ししています。やれやれ。


● 本の紹介

 市民の方々とのメールのやりとりの中で
 本を紹介しあったりすることが多くあります。

 これから時々は、今読んでる本の紹介とかしようかな。
 タイトルとひとことコメントだけ。


 <仕事用>

 『まちに森をつくって住む』
      甲斐徹朗他著、OM出版、2004年

 すごくヤバイ本。
 環境とまちづくりとマーケティングと
 個人の欲望と自治体の進むべき道とがスマートに融合している。
 これがこの国の進むべき方向なんじゃないかと思いながら
 ページめくるのが楽しく読んでいます。


 『ノーマライゼーションの原理(新訂版)』
      ベンクト=ニィリエ著、現代書館、2004年

 ニィリエさんは、ミケルセンさんと共に
 僕のこころの中の師匠。
 この本は今年になって内容が少し新しく出版されたので買いました。
 福祉にかかわる人間ならば永久の名著です。


 『希望格差社会』
      山田昌弘著、筑摩書房、2004年

 自殺予防対策に全力をかけているフジノにとって
 著者の山田さん(東京学芸大学教育学部教授)が提唱している
 『98年問題』はものすごく重要な概念です。

 日本は98年を境にあらゆることが変わってしまった。

 そんな山田さんの最新作が本書ですが
 『リスク化』『二極化』がキーワード。

 希望格差社会をのりこえる答えは
 本書には詳しくは出ていません。そこが弱いところかなあ。

 でも、政治家として、
 回答を探していきたい、と強く思いました。



 こんなのを読んでます。
 仕事に役に立ちそうな本があったら、どんどん薦めて下さいね。

 以下、おまけ。

 <プライベート用>

 『マイライフ(下巻)アメリカンパワー』
      ビル=クリントン著、朝日新聞社、2004年

 下巻はつまんないけど、上巻を読んでいる時には
 ものすごく精神的に支えられました。上巻は名著だなあ。
 こんな僕でも政治家でいていいんだ、と思いました。


 『Oracle Night』
      Paul Auster著、Faber and Faber、2004年

 大好きなポール=オースターさん。
 新しいのが出たらすぐ買います。
 翻訳よりも僕は原著の方が好きです。
 英語なんて読めなくても原文のままじゃなきゃ、
 オースターさんの小説は雰囲気が伝わらない気がして。
 今のところあらすじも何も分からないけど
 そもそもオースターさんの小説に
 あらすじなんていらないし。


 『へんないきもの』
     早川いくお著、バジリコ、2004年

 すばらしい絵本で、大好き。
 甥っ子にプレゼントしたくて買ったけれども
 まだあげたくない(笑)。もう少し手元に置いて何回も読んでから。



2004年11月27日(土)のフジノ
● 一般質問の原稿づくり

 ちゃんと布団に入って眠れたのが
 23日以来無いので、もうずっと寝不足でふらふらしてます。

 今月は原稿を書く仕事が4つも重なってしまい、
 もちろん最重要なのは一般質問原稿なのですけれども
 他のどれも手を抜くことができないものだったので
 こんな恐ろしくギリギリのスケジュールで動くことになってしまいました。

 今夜こそ、布団で眠るぞ!


● 講演の依頼にうれし涙...

 実は、今日、某県のある公的機関から
 講演をしてほしいとの正式な依頼がありました。

 フォーラムの基調講演として
 『差別や偏見のないやさしい愛に満ちた共生の町づくり』をテーマに
 話して欲しい、とお手紙をいただきました。

 もちろん快諾です。

 この相手先は、
 僕にとってはむしろ講演を僕がするというよりも
 相手先に勉強させていただいている存在なのですね。

 だから、本当にあまりにも恐れ多い...。

 恐れ多いのですが、
 恩返しのためにもぜひやらせていただきます。

 うれしい。本当にうれしい。
 がんばる!



11月25日(木)のフジノ
● 無事で良かった...

 11月20日に緊急の相談を受けた
 お子さんがひどい高熱とケイレンを起こしてしまったという方の
 今日はお見舞いに行ってきました。

 ご自宅にはもう戻られていて、
 僕がお邪魔した時にはその子は眠っていました。

 お母さんの方とその日の様子を
 改めてじっくりと聞かせていただきました。

 小児医療の充実
 本当に取り組まなければならない問題です。

 僕自身は立候補した時の選挙公報にも
 その主張をはっきりと記してあります。
 公約を守るためにも必死で取り組んでいくつもりです。

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 1時間ほどしたところでお子さんが目を覚ましました。

 最初、少しろれつが回っていないような気がして
 激しい不安に僕は襲われてしまいました。
 高熱の後遺症だとしたら
 僕はとりかえしのつかないことをしてしまった...。

 けれどもそれはただの心配のしすぎで
 時間が経つにつれて、お子さんは元気が戻ってきました。

 かつぜつもよく、おしゃべりは大爆発でした。

 「サンタさんにクリスマスは何がほしいの?」

 と、その子に尋ねられて

 「おじさんはケーキが欲しいなあ」

 と、答えました。
 (もう僕は三十路ですから
  小さな子にとっては正式に立派な『おじさん』ですよね)

 「じゃあ、名前をおしえて」

 と言われて名前をなのると、
 こんな紙を渡してくれました。

小さなお子さんが書いてくれたもの

 「これを靴下に入れるとサンタさんが
  プレゼントくれるんだよ」

 「そうか、ありがとう!
  でも、靴下にケーキが入ってたらぐちゃぐちゃだなあ(笑)」

 そんなお話をして、
 僕はお見舞いを終えて帰りました。

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 一般質問の原稿作成の合間をぬっての
 ほんのわずかの滞在のつもりだったのですが
 お子さんというものは本当にかわいくて
 ついつい長居をしてしまいました。

 先月くらいに『国境の無き医師団』の
 難民キャンプ展示体験会に参加しました。

 世界中で子どもたちは
 すさまじい貧困や戦乱の中に追い込まれています。

 このまちの子どもたちだけではなく、
 この世界の全ての子どもたちに
 与えられるべき当たり前の権利の光が照らされますように...。


 また原稿作りに戻ります。



2004年11月24日(水)のフジノ
● 発言通告書を載せますね

 11月29日(月)にフジノが行なう
 本会議での一般質問の発言通告書を載せますね。

 (発言通告書というものをあらかじめ提出しておかないと
  質問をすることが許されないのです。

  最近の地方自治業界の流れでは
  こういった事前の発言通告書による通知をしない方が
  政治家も役人も高い緊張感を持って議論できる、
  という意見もあります。

  詳しくは、盟友・野崎くん(練馬区議会議員)のHP、
  今日のひとこと11月24日を読んでみてくださいね)

 では、発言通告です。


 答弁を求める者:市長、教育長


 1.横須賀市長を多選禁止すべきではないか

 (1) 沢田市長は「首長多選」について、
  メリットとデメリットをそれぞれ具体的にどのように考えているか。

 (2) 杉並区・川崎市・城山町などが多選の弊害を防止すべく、
  首長の多選を自粛する条例を定めたように、
  横須賀市でも市長自ら「多選自粛条例」を提案してはいかがか。

 (3)既に3期も首長職にある沢田市長は、
  ご自身の進退をどうお考えか。


 2.美術館新築工事の入札をやり直すべきではないか

 (1) 美術館新築工事の第1回目の入札は
  全参加業者辞退という異常事態により中止したが、
  その際に本市は原因の1つとして
  「新潟での談合事件の影響」を挙げた。

  11月4日に2回目の入札を行なったが、落札した業者は
  11月16日に行なわれた新潟での談合に関する
  公正取引委員会の審判において
  「談合の調整役」として指摘されている。
  これを受けて新潟市は
  「他の業者に比して悪質の度合いが高い」として
  この業者に追加の指名停止を行なった。

  このような業者と契約することが、本当に適切だと言えるのか。

 (2)入札辞退の原因として
  「鋼材価格の急激な高騰」も挙げた本市は、
  2回目の入札ではより多くの業者の参加を促す為に
  参加条件を緩くした(参加できる業者の経営審査点数を下げ、
  かつ希望金額を上げた)。

  しかし、参加業者はさらに減り3社のみだった。
  わずか3社での入札は、談合の防止を進める為に行なってきた
  電子入札式一般競争入札の意味が
  全く無いのではないか。

  またこの参加業者の少なさは
  入札の方法や時期に問題があったと考えるべきではないか。

 (3)上記の問題点から、このまま契約を結ぶのは
  「公平公正をモットーとして入札改革を進めてきた横須賀市」
  には明らかにふさわしくない。

  これでは市民に親しまれる美術館とは言えない。

  市長は美術館新築工事に関する入札を
  再度やりなおすべきではないか。


 3.自殺予防対策(うつ対策推進)について

 (1) 昨年12月議会での
  自殺予防に関する一般質問を行なって以来、
  本市は健康福祉部を中心に様々な取り組みを行なってきたが、
  改めてこの1年間の全ての取り組みを総括して
  (自殺予防対策は1年程度で成果が出る問題では無いが)
  その効果について市長はどのようにお考えか。

 (2) 自殺予防対策を本市が進めていく上で、
  今後さらに必要だと市長が考える取り組みは何か。

 (3) 学校教育における自殺予防教育について、
  市内の小学校・中学校・市立総合高校では、
  具体的に現在どのような取り組みを行なっているのか。

  また、この問題に対する
  教職員への研修はどの程度行なわれているのか。

 (4) 本市の教育現場でも、
  杉並区立和田中学校などで行なわれている
  「自殺抑止ロールプレイング」のような
  先進的取り組みを積極的に導入すべきではないか。

 (5) 秋田県が行なっている
  「自死遺族のケアに関する研修会」のように、
  自死遺族を積極的にケアすべき対象として
  新たな取り組みを行なうべきではないか。


 4.障がいのある方々と学校の「定期的」交流について

 (1)障がいのある方々への
  差別・偏見・スティグマを解消する上で、
  総合的な学習の時間を利用して
  障がいのある方々の施設を訪れる学校があるが、
  その多くは年1〜2回程度の訪問に過ぎず、

  「継続性の無い訪問はイベントに過ぎない」

  と有効性に疑問を持つ福祉関係者は多い。

  学齢期の子どもたちが
  等しく同じ教室で学ぶ統合教育も当然だが、
  成人の障がいのある方々との交流を
  より「定期的」「日常的」に進めていくべきではないか。



 以上です。
 この4つの大問を市長と教育長に質問します。



● 相談の日々へ回帰

 「フジノは情緒不安定だ!」

 とか

 「フジノの精神状態は市議として機能してない!」

 とか、しばらくの間はずうっと腫れモノ扱いか
 散々に文句を言われて放っておいてもらえるのかな、と
 思っていました。

 でも、あえてマラソンを走ったことを載せたら
 相談メールの数が
 1日で再びいつもの量に戻ってしまいました。
 かかってくる相談電話の数もいつもどおり。

 ああ、おれは相談にのることを
 どんな時でも
 徹底的に期待されているんだなあ(sigh...)。

 僕は横須賀の市議会議員だけど
 僕の場合はこのまちの住民限定で相談が来る訳じゃないから
 この世の中には困っている方々の数が多いのだなあと
 つくづく感じます。

 今日も発言通告書を直しながら
 いきづまると市民の方々から頂いたメールに返事を書いて
 電話での相談があれば
 いつもどおり受ける日々でした。

 うーむ。

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 しかたがないよなあ。
 公人には安息なんて無いんだろうな。

 あんなふうに書いた21日だって
 ふつうに仕事をバリバリやっていたし。

 新宿御苑まで視察に行って、
 このまちの未来につながる
 新たな大きな出会いがあり、
 次の展開に向かってわくわくしていたり
 感動して涙を流したり、いつもどおり仕事をしていたもんね。
 サイコーの出会いで、すごいことが待っていそう!
 これが公人としての感情。

 新宿御苑に行く途中には
 聖イグナチオ教会上智大学)が四谷にあって
 1人になりたい時にはいつもそこで祈ることにしているから
 できれば行きも帰りも寄っていきたかった。
 でも時間が許さず、寄れなくて、
 苦しさもまぎらわせずにすごく悲しかった。
 これが個人の感情。

 公人としての感情と
 個人としての感情とは
 いつだって全く別なんです。

 みなさんも生きて暮らしていれば様々な感情を抱きながら
 例えば、家族の介護が大変だ、とか
 友達関係がこじれて、だとか
 いろいろな気持ちを背負いながら
 仕事へと向かいますよね?

 それと同じことなのです。
 それはあなたと全く同じことなのですよ。

 でも、今回のゴタゴタで
 僕の職業にはそれは許されないらしいことが
 分かりました。少なくとも市民のみなさんには許されないのが
 現実なのだと分かりました。

 個人と公人の感情の差は、見せないでほしい。
 公人としていつも希望を語り続けて欲しい。
 そういう市民感情のメッセージを今回強く受け取りました。

 僕にそれができるかどうかはともかく、
 その事実を知ったということは
 新しい発見でした。しかも、苦しい発見でした。



2004年11月23日(火)のフジノ
● 12月議会の、一般質問の発言通告書ができました

 12月議会といいつつも、
 11月29日が本会議初日なのですけれども
 この日にフジノは
 一般質問を行なう予定です。

 今回も本当に忙しくて
 9月議会と12月議会のあいだが本当に短くて
 いくつものやりたかった質問があきらめざるを得ませんでした。

 宿敵(?)沢田市長とのやりとりも
 あと12月議会と来年の予算議会の2回だけですね。
 非常に残念です。

 後ガマに誰が来るか知りませんが
 (もちろん沢田さんが続けるのかどうか知りませんが)
 誰が市長になろうが僕は任期の限り
 ひたすら自分の信念のもとに
 徹底的に闘います。

 いずれにしても、長く続いた美術館問題で
 沢田市長と闘うのは今回が最後になるはずです。

 もうすぐ片がつくはず。

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 今回の議会では、
 市長の責任を厳しく追及します。

 発言通告書の細かい文章の手直しを
 現在、知人にお願いをしていて
 それが完成しだい、HPに掲載したいと思います。


● スタッフや友人のみなさんへ

 厳密に言うならば、
 人間の脳は器官でしかなく、体の他の部位と全く変わりません。

 ただ、この国では長い間にわたって
 『脳のはたらき』を『こころ』と呼んできました。

 例えば、こころの病、だとか。

 スタッフや一部の方々はご存知かと思いますが
 昨日僕は全ての身体の働きを止めようと決心したのですが
 「公人である」ということを理由に説得され
 今の時点ではやめることにしました。
 日本人お得意の『先延ばし』というヤツです。

 多くの方々が望んでいることは
 『脳のはたらき』が起こしている感情を
 根本からかつてのようにポジティブでありつづけること
 (あるいはそう見えるように振舞いつづけること)かとは思いますが
 僕にはもうそれはできません。

 残り2年半だけガマンして
 それまでに僕の中で何かが変わらなければ
 僕は決めたとおりにしたいとハッキリと決心しました。

 その気持ちは変わりません。

 そして、とりあえず、今日は、
 スタッフをはじめとする多くの方々の心配をぬぐいさるために、
 『肉体』(脳のはたらきを除く)部分の
 元気さを示すために
 予定通りに『よこすかシーサイドマラソン』に出場しました。


● 「肉体」と「脳のはたらき」を知らせたくて

 8時半に三笠公園に到着して受付を済ませて
 簡単なアップをして、9時20分スタート。

ゴール直前でラストスパートするフジノ  今回でなんと第29回を迎えた
 マラソン大会は
 今年も数千人もの参加者でした。

 フジノも中学時代から参加してますし、
 11月23日の横須賀の行事として
 完全に定着したなあと感慨深いです。

 ちなみに写真は
 ゴール直前のフジノラストスパートです。

 今回は、『チームBUENO』の名前で
 7名&マネージャーで参加しました。

 日頃お世話になっているカフェ『BUENO』のスタッフさんたちと
 『横須賀をおもしろくする会』のメンバーとで走りました。

 上の写真ではよく見えないのですが
 フジノが着ているTシャツも
 『BUENO』さんのTシャツを特別バージョンの色のものなんです。
 全員がこれを着て、走りました。

 さて、結果ですが...(以下、いいわけ)
 寝不足とトレーニング不足(この2週間は走るチャンスがゼロでした)で
 陸上部出身の僕としては
 結果は誇れるものではありませんでした。

よこすかシーサイドマラソン男子10キロの部、藤野英明完走証  10キロレースを
 51分35秒。

 男子10キロの部では
 539位でした。

 去年は先輩のサポートに
 徹して出場しませんでした。

 一昨年(27回)には
 やっぱり練習せずに
 出たんですけど、
 30才の今年の方が
 3分もタイムが縮んでた!

 『三十路パワー』恐るべし。

 いずれにしても、
 「市議会議員は体力が勝負」と言われますけれども
 肉体的な意味での体力にはフジノは全く問題ないと断言します。

 肺に穴があくのは持病で誰にも起こる
 いつ起こるか分からない病気(自然気胸)だし、
 それ以外は、基本的に僕は100%肉体的に健康です。

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 全員ゴール後に集合写真を撮りました。
 女性も2名いるのですが、このHPの性質上掲載しません。

チームBUENOのみんな(一部のぞく)  17才から
 最年長フジノが
 30才まで。

 僕の仲間は
 たくさんいます。

 10キロ、本当につらかったけど
 みんなで楽しく走ることができました。

おもしろくする会の仲間とフジノ  走った後はいつもの儀式。

 年1回レースを終えた後
 海軍カレーを
 『ポットラック』で食べる。
 これがうまいんです。

 ちなみに今日知ったのですが
 『ポットラック』の娘さんは
 僕らの知り合いでした。

 今日は本当に天気が良かったです。

日光浴をよくしないと骨がスカスカのフジノ  人間ドックで

 「骨がスカスカですから
  よく日光を浴びてね」

 とアドバイスをいただいたので
 気持ちよくてしばらく
 三笠公園で
 寝転んでいました。

 こころの痛みは決していつまでも消えることが無くても
 肉体は元気であり続けるということを
 お伝えしたくてマラソンについて書いてみました。

 参加してくれたみんな、おつかれさま!
 そして、ありがとう!


 また来年も走ろうね。

 (その前に『三浦マラソン』なのだろうか?)



2004年11月20日(土)のフジノその2
● 子どもを産んだら、その人は『親』なのか

 自分の子どもを持ったことのある人間の方が
 そうではない人よりも偉そうにふるまうのが僕は大嫌いだ。

 自分が子どもを産んだことをもって
 子どもをつくらない/つくれない人々のことを考えようとしない
 想像力の無い人々の存在が大嫌いだ。

 いずれにしても、
 赤ん坊を産んだことで母親になったり父親になったり
 そんなつもりになっている人たちが嫌いだ。

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 僕の知り合いのうち、
 かなりの数の方が子どもを持つことができない。

 原因は人それぞれ、様々だ。

 僕は他人の内面の痛みにはよりそうけれども
 その具体的な内容には自分から話題は振らない。
 相手が話したければ話せばいいだけのこと。

 だから、ほとんどの場合、
 僕は他人の具体的な状況を知らない。

 けれども、知っていることがあって
 それが僕の上の文章に書いた「嫌いだ」につながっている。

 子どもがいるのが当たり前、みたいに言うヤツらは
 想像力が足りないし、自分のいる世界だけが正しいと考えている。

 天動説を信じていた頃の人間と同じだ。
 そういう人たちが僕は大嫌いだ。


● このまちの小児医療を絶対に変えなければならない

 僕がへらへらしている頃、
 電話が1本入った。

 5才の子どもが40度の熱とけいれんを起こしている、
 けれども救急車を呼んでも
 市内に当直の小児科医がいないのだ。

 しかも、三春町の救急医療センターもまだ開いていない。

 まただ!この相談はこの方が初めてでは無い!
 この時間帯が1番子どもたちにとって危険な時間帯なのだ。
 横須賀は子どもが医療を受けれない時間帯がある。

 分かっているのに僕には何もできない。

 救急車に積載されている
 無線をはじめとするあらゆるシステムの方が
 僕よりも確実に『小児科ドクターのいる病院』を早く見つけるはず。

 南共済病院だけがオンコール、
 でも、かなり時間がかかると言われたそうだ。

 内科医に電話する救急隊。
 けれどもあっけなく断る内科医。

 脳炎を起こして障がいが残っても
 この内科医は痛みを感じることがあるのだろうか。

 けれども僕は、

 「とりあえず動きがあったら電話して下さい」

 と伝えることしかできず、個人としての僕の義務に向かう。

 すさまじい権力を持った政治家にでもなれば、
 自分の電話1本で動かせる医者をキープできる権力を
 持てるようになれるのだろうか。

 こんなことなら、医師会に反対するような態度を
 市議会で取らなければ良かったのだろうか?

 子どもはどうなったのだろうか。

 僕はそれがずっと気がかりでたまらない。

 だけど僕は司会をやらなくてはいけない。
 ビンゴだってやらなければいけない。
 気の利いたセリフだってつぶやいて場を和ませなければいけない。

 こういう葛藤を経験することが多くなるたびに
 何も知らずに暮らしてきた
 ただの市民でいた時代は平和だったのだとつくづく想う。

 これだけたくさんの人々が苦しみ、悩み、助けを求め、
 どうにもならない状況を前に困り果てている。

 僕はそれを見ている。
 知っている。

 だけど何もできないことが多い。

 それは政治家の仕事の範囲では無いんだよ、と叫びたくなる。
 でも、助けを求めている人から逃げていくだけでは
 何のための政治家なのか、と思う。

 僕は完璧な人間なんかでは無い。

 ドクターをしながらカウンセラーをして薬剤師をして
 かつ法律に精通していて会計も財務も見られるような人間ならば
 全てと立ち向かうことができるだろう。

 けれども、僕はそんな人間ではない。

 そんな人間ではないのに
 常にそんな人間であることを求められるのが
 今の僕の職業だ。

 とても難しい。とても難しい。


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 子どもは、どうなったのだろう...。



2004年11月20日(土)のフジノ
● 生きるということの難しさ

 今日は、僕にとって
 喜びと悲しみが複雑にまざりあった日だ。

 複雑な気持ちで、とても苦しい。
 つらい。とても悲しい。でも、祝ってあげたい。
 僕にはこういう気持ちを両立できない。
 本当につらくてつらくて悲しい。

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 今日は、最愛の人を亡くした命日だ。

 僕はまだこの悲しみを
 全くのりこえられないでとても苦しんでいる。

 数日前から彼女が僕の夢に出てきて
 僕はそれが夢であることを
 夢の中で分かっていながら
 生前に果たすことができなかった愛情を全て表わしたくて
 夢の中で必死になって奮闘している。

 ある日は、彼女が目が見えない設定の夢で、
 僕はどんなことが起こっても
 笑顔で彼女を励まし続けて
 手をひきながらどこにでも連れて行ってあげるのだ。

 夢から覚めて、僕は自分を分析して

 「これが命日が近づくと起こるフラッシュバックなのか」

 と、悲しみを深める。

 けれども一方で、今日、
 僕の親友が結婚式をおこなう。

 彼は僕の人生を通じて最高の親友だから
 公務ですさまじく忙しい今月のスケジュールの合間をぬって
 手伝える限りのことは手伝った。

 本当に大切な親友で
 僕は彼がいなければ彼女を失った苦しみも
 耐えることができなかったと思う。

 だからこそ今日は友人代表として
 新郎のために
 結婚式で人生初のスピーチもおこなう。
 2次会の幹事も当然やる。

 僕以上にこの役割をする必然性がある人間はいない。
 彼は僕にとって本当に最高の親友なのだ。

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 今は明け方の3時48分。
 せめて朝までは彼女のことを悼んでいたい。

 議員としての公務があるから
 朝食をとったら
 障がいのある方のための施設である『かがみ田苑』へと
 プロの政治家として訪れてこよう。

 そして午後からは
 大切な親友のために祝福を笑顔でしよう。

 僕にとって人生は本当に難しい。



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