しろうとが政治に挑戦してみることにした

一緒に横須賀を
もっとおもしろくしようよ!
横須賀をもっとおもしろくしたい人、集合!


藤野英明
  
藤野英明、28歳。ただの元会社員。

  思うところあって
  政治という『手段』に挑戦することになりました。
  ネガティブなイメージばかりの
  政治という業界に
  しろうとがどこまで通用するのか?
  その挑戦の一部始終、
  ありのままの姿を
  ここで伝えていきたいと思います。

  (どんな政党とも組織とも関係ない
無所属です。)


2003年4月2日(水)夜のフジノ
● 精神障がいのある人の、地域作業所

 プライバシーの問題があるせいで、
 見学をしたことさえも、ここに書けない施設があります。

 基本的に、障がいのある方々の施設は
 「見学はいつでもどうぞ」というオープンな姿勢なんですけれど
 政治活動を行っているフジノではなくて、
 あくまでも個人としての見学である、というふうに
 いつもお願いされます。

 そこで得た情報はぜんぶ秘密にしてください、とも
 もちろん言われます。

 この2つとも僕にとっては当たり前のことで、
 障がいのある人々が一生懸命リハビリテーションをしてる場で
 うじゃうじゃと政策をわめくつもりはまったくありません。

 それから、政治活動をしてはいる僕ですが
 こんな僕でもカウンセラーの卵のかけらみたいな存在ですから
 守秘義務(情報を守る責任です)は絶対に守ります。

 そんなわけで、このコーナーには書いていなくても
 毎日1つずつ、必ず福祉施設を訪れています。

 現場を見なくて何が福祉だ、と思いますからね〜。

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 といいつつも、今日は見学ではなくて
 あくまでも1人のお客さんとして出かけてきました。

 船越にある、地域精神障がい者作業所の
 『喫茶レゼル』です。

喫茶レゼル  いい喫茶店でした〜。

 『今日のカレー』は、野菜カレー。
 サラダと紅茶がついて、600円!

 無職の僕にはてごろな値段だし
 味もカレー大好きな僕にもおいしかった!

 地域作業所というと、
 どうしても内職みたいなのを想像する方がいると思いますが
 こうやって、カフェを運営しているところもあります。

 そうそう、横浜のJR関内駅にも
 障がいのある方々が運営しているカフェがあるんですよ。
 僕はここがかなり好きで関内に行くとよくつかいます。
 大好きな場所です。

 そして今日足を運んだ『レゼル』も、とてもよいところでした。
 みんな、おすすめですからね。ぜひ行って下さいね。

 京急田浦を出て、徒歩5分。
 改札を出たら右に出て、国道16号をわたってください。
 そしたら、船越小学校ぞいに200mほど歩くとすぐありますから。

 超オススメ。

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 それはそうと、お客さんとして来ていた
 おばちゃん4人組グループ(すごいおばさんたちだった!)が
 「県知事なんて誰がなってもおんなじよ!」と
 大声で話していました。

 
誰がなっても同じ、じゃない!

 
あきらめたらダメだよ〜。

 しっかりと情報を集めてください。
 そして、あなたの暮らしとてらしあわせて
 誰の言っていることがそのあなたの考え方と近いのかを
 ちゃんと判断してくださいね。

 自分の頭で考えて、
 自分の心で判断して、
 自分のハッピーをつかむために
 自分が行動をする。こうでなくっちゃ、おばちゃん!


● カッコいい自分に驚き

 僕が政治活動をはじめてすぐの頃から(第2回目の演説からです)
 僕の写真を撮り続けてくださっている方がいるのですね。

 市内在住のフリーのカメラマンをしている方で、
 その演説の後、初めてお話をして
 それ以来、僕の写真を撮ってくださっているのですね。

 そして、時々、現像したものを
 郵送してきてくださるのです。感激です。


 僕はメガフォンで想いを伝えている時は
 なかなか写真を撮られていることにも気がつきません。

 だから、送られてきた写真を見て
 驚くことばかりです。

 冬の寒い日にダッフルコートを着ている僕、
 春の夕陽のしたで遠くをみつめている僕。

 けっこうカッコいいじゃん...。

 思わず驚きました。
 カメラの腕前がうまい人にかかると
 こんなふうに写るのですね。すごい、いいなあ。

 ポスターに使いたいくらいの、夕陽のしたの僕。

 追浜のK.Iさん、いつも素敵な写真をありがとうございます。
 すごくすごーく、気に入っています。ありがとうございました。

 これからも写真に負けないように
 熱く想いを語り続けます。ありがとうございました。



月2日(水)朝のフジノ
● むなしいおじいさん

 雨の中、今日は3人もお手伝いに来てくれました。
 2人は出勤前の時間を割いて、
 1人は有給休暇をとって来てくれたのです。

 感謝、感謝です。

 でも、そんな気持ちを吹き飛ばす、
 むなしい出来事が2つありました。

 ある白髪のおじいさんが
 僕をにらみつけて怒鳴りながらエスカレーターを降りていきました。

 「バーカ!バーカ!バーカ!バーカ!」

 それだけなんですね。そして足早に去っていく。

 「どうしてバカだと思うんですか?」
 「お話したいことがあるのならば、ちゃんと言って下さい」

 僕がそう話しかけても、バカの連呼だけ。

 むなしい。
 まずしい政治がこういう人をつくったのだと思います。

 ネクタイもきちんとしめた人が
 60代か70代にもなったいい大人をしてバカしか言えない。

 このおじいさんには応援している誰かがいて、
 僕のことが気に食わなかったのかもしれない。
 ならば、僕の政策を批判すればいいだけのことです。

 あるいは、僕の存在そのものが気に食わないのかもしれない。
 それならば、無視するか、言葉をつかって批判すればいいのです。

 だけど、この人は「バーカ!」としか言えない。

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 今日は部活動の試合があるのか、
 ジャージや学生服姿の子どもたちがたくさんいました。

 彼らは何も言わなくても
 大人の姿をはっきりと見ています。

 むなしくバカを連呼する大人の姿も見ています。
 僕を批判するのはけっこう、だけど子どもの手本になるような
 しっかりとした大人でいてくださいよ!

 僕たちはいつだって下の世代から
 見られているのですから。
 手本として、恥ずかしくない生き方をしようよ。

 自分に気に食わないことがあったら
 「バーカ!バーカ!」と叫んで足早に立ち去っていく、
 そんな大人が子どもの手本になれますか。

 むなしい。どうかいくらでも批判をしてください。
 だけど、10代の手本として恥ずかしいような生き方は
 どうかやめてください。お願いします。


● 障がいのある人を食い物にする人たち

 カフェで休憩をしていたら、政治活動用のPHSがなりました。
 電話に出て話をうかがうとこういう内容でした。

 「障がいのある人のリハビリをしている者です。
  あなたの考え方に共感しました。『福祉のまち、横須賀』いいですね。

  ところで、あなたのところに
  障がいのある人から連絡がたくさんあると思うのですが
  そういう方々の連絡先をおしえていただきたいのです。

  そうすれば、私たちの素晴らしいリハビリが
  みなさんに受けていただくことができます」

 僕は黙って聞いていたのですが、激怒していました。

 「障がいのある方々の個人情報を
  みずしらずのあなたに
  あなたの商売のために何故、教えなくてはいけないのですか」

 僕は厳しめの口調で、そう言いました。
 すると、ごにゃごにゃと言っています。

 「いや、そういうわけではなくて」
 「私たちの方法は画期的なんです」
 「治療効果は高くて」
 「だけどまだ一般には知られていないのです」

 ひととおりお話を聞きましたけれど、
 名簿をほしいということ以外には理解できませんでした。

 あの、そういう方はどこか他の人をあたってください。
 僕はそんなことをするくらいなら、
 政治家なんて最初からなりたくないので。

 世の中には、いくつものリハビリ方法があって
 それを最終的に選ぶのは、個人の判断です。
 少しでも多くの情報がその個人のもとへいくべきだと思います。

 だけど、それとこれとは全く別の話です。
 政治家にたかる、障がいを食い物にする、やめてください。

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 「じゃあ、資料を送ってください。
  その資料を読んで納得がいったら見学をさせてもらいます」

 そうやって電話を切った僕に
 友達が声をかけました。

 「フジノ、大人になったなあ」
 「え、なんで?」
 「昔なら怒ってぶちきれてただろう」

 いや、違うんだよ。あまりにバカバカしすぎて
 怒りをとおりこして、むなしくなっていたんだよ。

 「こういう電話があるってことが政治をダメにしてるんだよな」

 友達が言いました。僕もそう思います。
 そして、こんな電話に応えてしまうヤツがいたら
 政治は死んだのと同じです。

 むなしい。


● でも、うれしいこともたくさんありました

 そんなアホなこともありましたけれど、
 うれしいこともたくさんありました。

 たとえば、朝一番で女の子が2人、話しかけてきてくれました。

 「フジノくん、またやってるの?」
 「うん、やってるよ。仕事だもん」

 朝7時の出来事だったのですが、
 彼女たちは徹夜で遊んで朝帰りするところだそうです。

 「横須賀で朝帰りするほど遊べるとこなんてあるか?」と聞くと
 「あるよ〜。カラオケいったりね〜」だって。ふうん。

 「早く帰ってたくさん寝ろよ」と僕が言うと
 「寝ないよ、だって今日もこれからバイトだもん」だって。

 若いうちは体力があふれてるなあ。

 今、僕たちは『横須賀のココが好き!』というよせがきを
 もぞうしに自由に書いてもらっているんですけれど
 彼女たち2人も書いていってくれました。

 彼女たちの1人は
 高校を辞めて福祉をやりたくて大検をとっている最中。
 こういう元気のあるコがどんどん福祉へいってほしいなあ。

 お互いにがんばろうね。



月1日(火)のフジノ
● タイガーマスク登場

 「なんか知らないけど、おれは10代に愛されているなあ」
 と毎朝つくづく感じるのです。

 けさは、とび職をしている3人組の男のコ(みんな18歳)が
 なんか僕をものすごく応援してくれました。
 もちろんみんな初対面です。

 いろいろ話をして、
 帰るのかなと思っていたら、僕の隣にずっと居るんですね。
 そして僕の話を聞いてくれているんですね。うれしい。

 ときどき「フジノさん、もっと恥を捨てなきゃ!」と言われて
 おし、がんばるぞ、と気合を入れなおしたりしました。

 ちなみに、こんなコたちでした。

タイガーマスク

 何故か右側の彼は、ずっとタイガーマスクをかぶっていて
 「ナンパの基本はまずウケなくちゃダメですよ」
 そう熱く語ってくれました。

 ...なんだかね(笑)

 おれはべつにナンパしてるわけじゃないんだけどなあ。
 いや、政治活動というのはナンパと同じかなあ。

 今日は彼らが一生懸命がんばって
 女の子をつれてきては僕の話を聞かせてくれました。

 彼らこそほんとの意味で勝手連ですね。
 なんか気に入ってくれて、お願いしたわけでもないのに
 人を呼びとめてくれては僕の話を聞かせてくれる。

 もしかしたら僕はナンパの道具として利用されてる(?)
 だけなのかもしれませんけれども、
 でもそういうナンパってカッコいいよな。

 「ちっとこいつの話、聞いてくれませんか?
  この人、フジノさんっていうんだけど政治家やるんだって」

 彼らはマジでこんなふうに話しかけてたもんね。

 政治とナンパ。すごいコラボレーションだ!



2003年3月31日(月)のフジノ
● 語りたい、でも語れない、そんな声に耳を傾ける

 昨日しりあったユミ(仮名)が
 真夜中の3時に電話をかけてきた。

 僕はもちろん起きていたので、電話に出る。

 「どうしたんだよ?」
 「まだ起きてたんだ!ごめんね、聞いてほしいことがあって...」

 こうして明け方まで彼女の話に耳を傾けていました。

 僕は彼女のことを何も知らない。
 彼女がこれまでどんなふうに暮らしてきたのか、
 彼女がどんなことを感じながら生きてきたのか、何も知らない。

 だからひたすら彼女の言葉に耳を傾けて、
 そして、28年間生きてきた僕の生身の体験から言えることだけ、
 あくまでも本気で自信をもって伝えられることだけを
 少しずつ、説明してみる。

 そうやって、真夜中の10代の切実な想いを
 なんとかして僕は全てうけとめようと思った。

 僕にできることはそういうことだ。

 ある人は、28歳の僕のことを「政治をやるには10年早い」と言う。
 テレビや新聞は「10代は社会や政治に無関心だ」と言う。

 へえ、そうなんですか?


● 男女の数が同じでなくてはいけない

 けさは、日本共産党のみなさんが
 Yデッキでチラシを配っていました。

 女性の方ばかり3人。

 県会議員のふじたちえこさん
 市会議員のねぎしかずこさん
 たぶん、共産党の市民生活相談室長の大村洋子さん。

 僕は共産党とは全く関係がありませんが、
 女性の政治家がもっと増えていくべきだと考えているので
 女性を積極的に政治業界に送り出している
 共産党のがんばりは素晴らしいと思います。

 男性と女性しかいない世の中だし、
 このまちの人口の男女比を見てもやっぱり政治業界も
 男女同数でなければいけないと僕は感じます。

 ぜひとももっとたくさんの女性が
 この業界に入っていってほしいと思います。

 というようなことを
 彼女たちのうしろでメガフォンで話していました。

 そうしたら、終わった後で3人の方々が
 あいさつに来てくれました。

 「共産党だとウワサをたてられているフジノです」
 「そうなんですか(笑)」

 なんか和やかに会話をして、
 「お互いに福祉をもっと良くしていくためにがんばりましょう」と
 エールを送りあって、そして僕たちは別れました。

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 ところで、県議のふじたさんは
 『三浦しらとり園』の現場でずっと働いてきた人ですから
 めざしている方向は僕とかなり共通しています。

 たとえ所属している団体が違うとしても
 めざしている目的や価値観が近いものであるならば
 一緒に力をあわせて、福祉を変えていくことができると思います。

 どうか福祉を守るために
 お互いにがんばりましょうね。


 ...ってなことを書くから
 「フジノは共産党だ」とかウワサをされるのですね(笑)

 でも、僕は団体とか政党とか
 そういう集団の意思決定にしばられないで
 いろいろな問題ごとに自分の頭でしっかりと考えて
 賛成なのか、反対なのか、1つずつ考えて、行動すべきだと
 強く信じています。

 だからある主張が同じならば
 たとえどんな相手であっても手は組めると考えています。
 イデオロギー闘争よりも大切なのは、
 今この瞬間に苦しんでいる人の力になることです。

 大切なことは、それしかない。
 僕はそう信じている。



2003年3月29日(土)のフジノ
● Yデッキで10代と語りあった30分間

 今日はお昼の1時半から4時半まで
 横須賀中央Yデッキにて僕の想いを伝えました。

 10代のコたちが、8人くらいでたむろしていました。

 バンダナを巻いたり、金髪だったり、ジャージを着ていたり、
 根性焼きが入っていたり、タバコ吸ってたり、
 つばを吐いてたり。

 携帯電話で連絡をとりあってて
 さらに人数が増えてきたりして。

 ちょっと見には、怖いヤツらだと思うかもしれません。

 だけど今日はひたすら彼らに向けて
 語りかけました。

 彼らに目をあわせて、彼らにひたすら語りかけました。

 1時間くらいは話し続けたでしょうか。
 途中、彼らの1人がタバコを投げ捨てました。

 僕は彼らの前に出て行って、
 そのタバコの火を足で消して、吸殻をはじっこに持っていきました。
 嫌だったからです。彼らはそんな僕をじっと見ていました。

 それから5分後、また同じことが繰り返されました。
 ある女の子がタバコを投げ捨て、僕はそれを足で踏み消して
 吸殻をはじっこに持っていきました。

 で、僕は言いました。

 「僕は自分が10代の時にタバコ吸ってたから
  きみたちに『吸うな』とは言わない。きれいごとだから。
  だけど、捨てんなよ。捨てんのはダメだ」

 そうしたら、彼らは言いました。

 「灰皿がねえんだよ」

 「じゃあ、携帯の灰皿持ち歩けよ。
  おまえらむかつく大人とかいるんだったら、
  そういうオヤジたちと同じようなことすんなよな」

 僕たちはそんなやりとりをしました。
 少しだけピリピリした空気が流れましたけれども
 その後も僕は彼らにむかってこのまちのことを語りかけました。

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 やがて、僕のところへ
 グループの中から1人の女の子が近寄ってきました。
 真っ赤なジャージに金髪。腕には根性焼きがいくつもあります。
 僕も彼女にむかって歩いて近づいていきました。

 文句を言われるのは慣れてます。
 大切なのは、絶対に逃げないこと。
 自分の言葉に責任を持つためには絶対に逃げないこと。
 だから、僕はむかっていきました。

 そうしたら、彼女はこう言いました。

 「ねえ、おにいさんさ、
  福祉ってどんな福祉について変えるって言ってんの?」

 「おれの1番の専門は、こころの病の福祉だよ。
  精神保健福祉っていう分野だよ」

 「あのさ、あたし、高齢者の福祉やりたいの。
  だけどまわりにあんまりやりたい人いないから
  おにいさん、福祉って言ってるから何か知らないかと思って」

 よっしゃあ!
 よくぞ話しかけてきた。えらいぞ、おまえ。

 僕は彼女の言葉に耳を傾けました。

 彼女は中学を出て、高校には入りませんでした。
 大検を取りながら、ホームヘルパーの勉強をしたいのだそうです。

 「あんね、あたしおじいちゃん大好きなんだー。
  だから、高齢者の福祉やりたいんだけど、
  中卒だとやっぱダメなの?」

 そんなこと無いぜ。おまえ、最高にカッコいい!
 それから僕は彼女が考えている福祉のアイディアを聞きました。
 高齢者が過ごしやすい施設の理想像。
 部屋はどんなふうなのがいいか。

 ときどきグループの仲間から
 「おまえ、何やってんだよ!」「早く戻ってこいよ!」
 と声がかかりました。

 「今話してんだから、ちょっとこのコ、おれに貸してよ」

 そう僕は答えて、彼女は話し続けました。

 10分くらい話してたら、さすがに心配になったのか
 リーダー格の男の子が僕たちに近寄ってきました。

 「ユミ、何やってんだよ。行くぞ」
 「ボン、待ってよ。今話したいんだから」

 こうして話が続けられました。

 たぶん、まわりの人から見たら僕たちの姿は
 怖い10代の男女に囲まれていびられているサラリーマン、
 そんなふうに見えたかもしれません。

 だけど僕たちはそうではありませんでした。
 僕は友達がケア=マネージャーをしていることを話したり、
 やがては後から来たリーダー格の男の子も
 まざっていろいろ話したのでした。

 途中から立ってるのがめんどくさくなって
 3人でYデッキにうんこ座りをして、
 そしてお互いの人生について話をしたのでした。

 鼻ピアスをあけてたり、見た目が怖かったり、
 だけどそんなものはどうでもいいんです。
 こいつらはまじめで熱い想いを持っていて、僕と語りました。

 ボンは年下の恋人がいて、ある困難を持っているらしい。
 ユミは美容師もやりたかったけど、福祉をもっとやりたいらしい。

 グループの他のヤツらはすっかり呆れていました。
 だけど、そんなことは気にせずに
 ボンとユミは30分くらいにわたって僕に話をしつづけました。

 僕はこいつらが大好きになりました。

 フジ「おまえら2人ともカッコいいなあ。すげえ気に入った」
 ユミ「おにいさんだって1人でがんばっててすごいじゃん」
 フジ「そんなことないよ。人はみんな最後は1人なんだから
    1人でがんばるしかないんだよ」
 ボン「そうだよな。最後は1人だよな」
 フジ「そうだよ。だからユミも
    まわりにヘルパー目指してるヤツいなくても
    絶対に負けないでヘルパーがんばってなれよ。
    応援するから。それに現場で働いてる人、
    いつでも紹介するから話を聞かせてもらいなよ」
 ユミ「うん、なるよ、ヘルパー」

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 最後には、グループ全員が僕のまわりに集まって
 そしていろんなことを話しました。

 ふつうにふつうのことを話しかければ
 想いは通じるし、想いを持つ人同士はつながっていくのです。
 僕はこのコたちとずうっと話してて本当にうれしかった。

 こいつらは自分たちで
 「おれたちは見た目はあれかもしれないけど」とか
 言うんです。

 だけど僕にはそんな外見は別にカンケーない。
 そんな見た目で怖いとか思ったりしない。
 むしろ内面の反映だと思って、話しかけたくてしかたがない。

 通りすがりの人やお話をずっと聞いてくれてた人たちは
 いきなりフジノはメガフォンを置いて彼らと何を話してるんだ?
 そう思ったことでしょう。

 僕たちは理想の福祉を話していました。
 僕たちはお互いの人生を語っていました。
 彼と彼女のそれぞれの将来のやりたいことを聞かせてもらい、
 その想いに僕はこころをうたれて、実現してほしいと
 こころから願いました。


 10代、彼らは政治に関心が無い、それはウソだ。
 僕はもっと彼らの生のリアルな想いが知りたい。
 いつだって僕は耳を傾ける。聞かせてくれ!

 今日は彼らと語り合えて、本当に充実してた。

 僕は携帯の電話番号を渡して
 「いつでも何かあったら電話してくれよな」と言いました。
 「おれ、マジで電話しますよ」とボンが言いました。
 「いつでもかけてきていいよ」と僕は言いました。

 そう、おれはいつでもおまえらの話、聞くから。
 いつでも電話してこいよ。


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