議会では、こんなやりとりしています


2004年・3月議会での討論「駐車場有料化の進め方」







 横須賀市は今、あらゆる市の施設の
 駐車場の『有料化』をすすめています。

 すでに総合体育館や不入斗グラウンドの駐車場が
 有料化されていますよね。

 そして今回は、文化会館とヴェルクよこすか(勤労福祉会館)の
 駐車場を有料化しようという議案が出されました。
 
 この件については、まず総務常任委員会で
 話し合いが行なわれました。

 僕はそれを傍聴していたのですが
 質疑を聞いていて、
 「この議案についてはとても納得できない」と思いました。

 そんな経緯を翌日の神奈川新聞が
 ちゃんと報道していました。まずは読んでみてください。

2004年3月19日神奈川新聞記事
 この記事のとおりなのですが
 総務常任委員会ではたくさんの議員から
 激しい批判の声があがりました。

 それなのに、最終的には委員会は『賛成』の結論を出しました。

 どうしても納得ができなかったフジノは
 本会議で『反対』の討論をおこなうことに決めました。

 以下、実際に本会議で発言した
 討論の内容です。
























 次に、議案第34号と第36号について
 反対の理由を述べます。

 この2つの議案は、それぞれ、
 文化会館と勤労福祉会館の駐車場を
 新たに有料化しようとする条例改正案です。

 そもそも、基本的な僕の立場を申し上げれば、
 市の施設に対する『有料化』自体には
 反対ではありません。

 かつてのように
 「行政がおこなうサービスなら何もかもが無料」
 といった、全てを丸抱えするような在り方では
 財政が破綻してしまいます。

 あらゆるサービスには必ずコストが発生するものであり、
 それは行政がおこなうサービスでも同じです。

 この受益と負担の関係を
 きちんと市民のみなさんに理解してもらい、
 コスト感覚を持ってもらうことこそが大切であると
 僕はこれまで一般質問などを通じて
 申し上げてきました。

 この立場に立つならば
 今回の文化会館と勤労福祉会館の駐車場の有料化は、
 受益者負担の原則の『適用』ということで、
 本来ならば、望ましいことです。

 しかし、受益者負担の原則を適用するならば
 つまり、市民のみなさんに
 税金以外にさらに負担を求めるならば
 そこには『徹底した公平さ』が求められる
のです。

 料金設定の根拠など、誰もが納得のできる公平性が
 存在しなければいけません。

 しかしながら、
 総務常任委員会でおこなわれた質疑をかんがみると
 この公平性が欠如していることが
 はっきりと分かりました。

 他のいくつかの施設でも駐車場は有料ですが
 これらの施設のあいだで
 料金の設定の仕方には、統一性がありません。

 この問題点は、市長ご自身も認めており、
 神奈川新聞の3月19日の記事によれば、
 市長は、記者会見で
 「施設間の料金設定には統一性が無い」
 という指摘には「理解を示した」とあります。

 さらに新聞記事によると、森田副市長は
 夜間駐車料金の設定などについて
 今後は修正を加えていきたいと
 見直しを示唆した、とのことです。

 議会側からは、厳しい批判がなされている。
 さらに、市長、副市長ともに
 有料化の方法に問題があることを理解している。
 見直しも示唆している。

 そんな状況で、どうして市民のみなさんに
 新たな負担を求めることができますか。

 市民のみなさんに理解をえられるとは
 とても考えられません。

 これでは議案にとても賛成できません。

 今回の議案提出は明らかに拙速です。
 撤回して、批判や議論があった点をきちんと研究して
 問題点を直して、公平性を確立してから
 改めて議案を提出しなおすべきです。

 今回の駐車場有料化の議案では、
 市民はコスト感覚を持つことは決してできずに
 むしろ、不公平感や不満だけをつのらせることに
 なりかねません。
 そして本来の目的である
 受益と負担の関係さえも見失わせてしまいます。

 本当の意味で受益と負担の関係を
 市民に理解してもらう政策をすすめるならば
 問題点をクリアにしてから
 改めて議案として提出しなおすべきです。

 以上のことから、
 今回の議案34号36号に反対します。

 これで議案第15号・34号・36号に対する
 僕の反対討論を終わります。
 ありがとうございました。


フジノの反対討論もむなしく
結果は、賛成多数で決まってしまいました。


総務委員会であれだけ厳しくこの議案を
批判していた人たちは、いったい何なんだ!

2004/05/30更新
『駐車場有料化』問題のその後を追う!(04年6月議会)

 さて、その後もこのことを追いかけねばと決心していたら
 6月議会の前に
 こんな資料が提出されました。


 『建設常任委員会』報告資料



   公共施設駐車場有料化の検討経過について



   1.検討の目的

  平成16年第1回定例会で、
  「議案第34号 文化会館条例中改正について」及び
  「議案第36号 勤労福祉会館条例中改正について」は
  議決いただいたが、
  料金設定に統一性を欠いているとの指摘を受けており、
  減免の問題を含め
  駐車場料金設定の問題について全庁的に検討を開始した。


   2.検討の経過

  駐車場を有料化している施設及び
  今後有料化を検討している施設の関係課長会議等を開催し、
  情報共有と問題点の洗い出し、
  問題解決の方向性を検討した。
  (関係課長全譲メンバー表参照)

 4月27日 第1回駐車場有料化に関する関係課長会議

 5月10日 文化会館、ヴェルクよこすか、ウェルシティ関係課長会議

 5月14日 第2回駐車場有料化に関する関係課長会議

 5月21日 文化会館、ヴェルクよこすか、ウェルシティ関係部長会議


   3.検討の方向

  ・7月施行予定のヴェルクよこすか駐車場については
   料金体系を再検討中であり、施行を見合わせることとする。

  ・文化会館、ヴェルクよこすか、ウェルシティは、
   文化・貸館施設として市民の利用形態が似ており、
   料金体系の考え方を統一する方向で検討する。


   4.今後の予定

  ・料金体系を再検討した結果、
   条例改正の必要が生じた場合は、
   平成16年第3回定例会以降、早い時期に改正議案を提出する。



 実物を見たい方はこちらをどうぞ(pdfファイルです)

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 この資料を見た瞬間、

 「フジノの討論はムダじゃなかった」

 と感じました。

 「税金以外にさらに負担を求めるならば
  徹底した公平さを」

 「批判や議論があった点をきちんと研究して
  問題点を直して、公平性を確立してから」

 というフジノの想いは、
 市長(行政)にも届いていたんだと思いました。

 少しでも市民のみなさまの
 理解がえられる形を求めてほしい。

 今後も動きをチェックしていきます。




ぜひナマの政治家を見にきてください!傍聴、大歓迎!
 議会が終わると『議事録』というものが発行されるので
 「どの議員がどんな発言をしたのか?」を読むことができます。

 でも、議事録には、うるさいヤジはのりません。
 うたたねしている議員が誰かなんてことも書いてません。

 そういう政治家のナマの姿をぜひ見てください。
 あなたが選んだ政治家はちゃんと仕事をしていますか?

 議会は
市役所の11階にあります。
 傍聴の方法はこちらを見てくださいね。誰でもOKですよ!
本会議場。手前が市長たちの席。真ん中が議員の席。上が傍聴席。

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