2006年3月・予算議会(3月24日)、議案への反対討論 | |
議 案 20 ・ 23 ・ 47 ・ 48 ・ 62 号 へ の 反 対 討 論 |
議案第19号、20号、23号、29号、 47号、48号、57号、62号の8議案について 反対する立場からの討論を行ないます。 まず、議案47・48・62号についてですが これらは、市民の方々に 負担の増加を求めるものです。 市民病院の駐車場有料化、 介護保険料の値上げ、 国民健康保険の 介護納付金賦課額の保険料率のアップ です。 さて、僕はこれまで三年間の議員活動を通じて 本市の厳しい財政状況を 「内側」からより詳しく知るようになりました。 また、毎年なされる事務事業の見直しや コストカットに対する市職員の毎日の努力も じかに見るようになりました。 そんな中で 「これだけ行政が努力をしているならば 本市の財政を健全化するには もはや市民負担の増加もやむをえないのではないか」 と少しずつ考えるようになりました。 行政側の考え方に少しずつ近づいてきたのかもしれません。 しかし、政治家は本来あくまでも市民の代表であるはずです。 そこで3年間の経験をいったん離れて、 改めて今回の各会計の来年度予算案と 関連の議案について 直接にたくさんの市民の方々に意見をたずねてまわりました。 集まりを設けたり、インターネットも利用したり、 ふだんは政治・行政とは全く接点の無い方々を中心に 数十名の方々に意見を求めました。 もちろん議案の説明をする上で 市民の方々には 本市の厳しい財政状況と 財政健全化の必要性について率直に話しましたし、 受益と負担の適正化についても説明をしました。 その結果得られた大半の方々の結論は 「負担増を求める理由そのものは分からなくはないが 生活実感としてはとても納得できない」 というものでした。 特に象徴的だったのが 市民病院の駐車場有料化についてでした。 駐車場有料化には複数のメリットがあります。 すでに包括外部監査でも 有料化を行なうべきとの指摘を受けており サービスを受ければそれに見合う負担を支払うのは 当然の経済活動であるという 「受益者負担」の視点に立てば 「公平さ」がもたらされることになります。 また4年連続で赤字決算だった市民病院にとって 駐車場使用料がその他医業外収益として 収入になることは大きなプラスです。 例えば、来年度予算案では 4ヶ月で2100万円の収入見込みとなります。 メリットそのものは説明の結果、 言葉としては分からなくはないとのことでした。 しかし「それでもやっぱり納得はできない」 という声が大半をしめました。 その理由を詳しくたずねていくと 「まだ不況を脱したとは感じられない」 「たとえ月額1000円でも出費が増えるのはきつい」 「サービスの向上が見えないのに 負担ばかり増えるのはおかしい」 といった、「行政の論理」とは異なる、 生活の実感にもとづいた市民の声がありました。 行政側からすれば「受益と負担の適正化」であっても 市民側からすれば「苦しみを伴う負担増」でしかないのが 実態なのです。 また、行政に対する視線は 議員である僕よりも市民のみなさんの方が もっともっと厳しいものがありました。 「市民病院の現状のサービスレベルでは 有料化は認められない」 「何も変わっていないのに何で値段が上がるんだ」 「経営健全化計画が策定されるかもしれないが 市民感覚からすれば改善のスピードが遅い、 もっと早くもっとしっかりと改善をしてくれなければ 有料化で負担だけ増えるのはおかしい」というものです。 市民の声を代表するのが市議会議員であり、 したがって、市民的合意・市民的理解が 得られていないままの有料化には 現時点では賛成することができません。 また、議案第47号における 介護納付金賦課額の保険料率の変更による負担増加も 議案第62号における 介護保険料率の変更による負担の増加も 市民の方々の率直な意見に従えば、 同じく納得できないものです。 また、委員会審議の場でも申し上げましたが 駐車場の減免内容が現時点では明文化されていないことや それぞれの負担増加に対する市民の方々への 周知が十分では無いことも反対の理由です。 以上のことから議案47・48・62号に 反対します。 また、この議案を前提に予算編成がなされている 議案20・23号にも反対します。 |
議 案 19 号 へ の 反 対 討 論 |
次に議案19号「一般会計予算案」についてです。 今回の予算案は、市長が施政方針で 「スリムで筋肉質な行財政体質」と述べたように 前年度マイナス2.5%と 全体的にタイトなものになっており ここ3年間では最も良い予算だとは思います。 しかし、障害者自立支援法の施行に伴う 障がいのある方々への1割負担の導入をはじめとして 事務事業の見直しの中には 福祉関係の市民負担の増加や補助の廃止などが多数あります。 弱い立場の人々や高齢の方々からも 負担を求めるようになっている一方で、 全く納得のできない予算がいくつも計上されています。 ・美術館関係事業に24億円 ・長井海の手公園の管理運営委託に4億円 ・海を埋立てて緑地公園をつくるための検討調査費 ・東京湾口道路建設を陳情するための費用 などは特に必然性の点からも納得できません。 全体的な見直しをはかったというけれども 『聖域の無い見直し』ではなかったと思います。 本来ならば、こういった費用こそカットして 国によって改悪されていく福祉制度を守る為に 市単独の負担軽減の費用へとあてるべきだったはずです。 厳しい予算編成の中での事業の見直しが 弱い立場の方々ほど 大きな影響を与えていると懸念します。 また、国の誤った政策である 国民保護法に基づいた施策が予算化されていることも 非常に残念でなりません。 以上のことから、議案19号には反対します。 |
議 案 29号 へ の 反 対 討 論 |
次に議案第29号「臨海土地造成事業会計」についてです。 臨海土地造成事業は ここ数年間は土地の売却がすすまない為に、 集中改革プランにおいても経営健全化をすすめることとされ、 海辺ニュータウン課の廃止や職員の削減を行なうなど 一定の努力は行なってはいます。 また、ともかく完成した土地の売却を すすめていくしか無い状況も理解することはできます。 しかし、そもそもこの臨海土地造成という事業そのものを 行なうべきだったのかという大前提に基づいて (1)埋立てによる土地造成を本市が行うことの妥当性 (2)収益性の見通しの甘さに関する妥当性 の2点について、疑問を感じています。 この臨海土地造成事業は 平成町に大きなにぎわいを生み出しはしたものの、 先の2つの視点に立てば、 問題があったと僕は判断しています。 企画立案段階からの本事業の問題点を しっかりと総括して 今後同じようなことを起こさないしくみを 作る必要があると考えています。 総括が無いままに 事業を縮小して終結させることは 同様なことを今後も繰り返しかねないと思います。 したがって、この予算案への反対を通じて 本事業の総括と今後のとりくみを促したいと思います。 以上の理由から議案第29号に反対します。 |
議 案 57号 へ の 反 対 討 論 |
最後に、議案第57号 「市立学校設置条例中改正について」は 統合される桜台中学校を 学校設置条例から削除するものです。 統合に反対した方々の想いに対して 教育委員会側も真摯な話し合いを行なって これまで両校のスムーズな統合に向けて あらゆる配慮が行なわれてきました。 そして、これからも行なわれていくこととは思います。 しかし、それでもそもそもこの統合は 桜台中学校という特色ある学校を あえて失なうということなのです。 たとえ学校統廃合が時代の流れだとしても 極めて慎重になされるべきことが あまりにも拙速な形で始められてしまったことを 教訓として今後も決して忘れてはならないと思います。 生徒たちや多くの卒業生の想いによりそって 桜台中学校の統合に 反対してきた立場である僕は 最後まで関連議案には 反対の立場を貫きたいと思います。 以上、合計8本の議案について 反対の立場からの討論とします。 ありがとうございました。 |
フジノの討論もむなしく
結果は、フジノの意見とは
逆の結果で決まってしまいました。