2004年・12月議会での一般質問 | |
質 問 1 横 須 賀 市 長 を 多 選 禁 止 に す べ き で は な い か (1) 首 長 多 選 の メ リ ッ ト と デ メ リ ッ ト は ? |
<はじめに> 藤野英明です。よろしくお願いします。 大きく4つの観点から質問をします。 <1.横須賀市長を多選禁止にすべきではないか> 僕は横須賀市長の多選を禁止すべきだと考えます。 その理由を述べた上で、市長の考えを伺います。 かねて述べてきたように市長とは 単に『政治家』であるだけではなく 『経営者』である、というのが僕の持論です。 『政治家』としての横須賀市長とは、 43万市民の代表者として 住民の利益を最大化することが役割です。 『経営者』としての横須賀市長とは 財政規模3200億円、職員4000人という巨大企業を マネジメントすることがその役割です。 さて、多選とは 要するに「在任期間が長くなる」ということですが 市長の在任期間の長期化は、 「政治家」としては「市民の市政への関心を低下させる」、 『経営者』としては「市役所のパフォーマンスを低下させる」 デメリットがあります。 まず『政治家』としての視点ですが 多選禁止の議論は第2次大戦後すぐ始まり 1954年、67年には公職選挙法改正案が出され、 95年には地方自治法改正案が提出され、 97年の地方分権推進委員会第2次勧告でも、 低投票率の原因の1つとして 首長の多選を挙げています。 99年の 『首長の多選の見直しに関する調査研究会』による報告書では、 憲法22条「職業選択の自由」で保障された「立候補の自由」も 多選禁止のために制限されるのは憲法上問題は無い、 と示唆しました。 大統領的存在である首長は大きな権限を持っており、 長期にわたり1人の人物がトップに立ち続ければ 必然的に複数のデメリットを生みだします。 1.低投票率、2.マンネリズム、3.汚職の可能性、などです。 『選挙』こそは民主主義の根っこである大切なものですが 同じ1人の人間が首長として当選を続けると 市民の関心が下がり、投票率が低くなる傾向があります。 これは横須賀市長選挙の場合も データによって証明できます。 長野正義・元市長は4期つとめましたが、 初当選時の投票率は56.75%だったのが 4期目に当選した時は 41.94%と大きく低下しました。 横山和夫・前市長も4期つとめましたが 初当選時の投票率は68.71%だったのが 4期目に当選した時は 34.03%と初回の半分以下に低下しました。 沢田市長の初当選時の投票率は35.47%でしたが 3期目の当選を果たした時には 33.95%とやはり低下しています。 明らかに多選は投票率を低下させています。 ただし、マンネリズム批判は 沢田市長の場合にはあてはまらず、 今議会でも組織改革議案を打ち出すなど 改革的側面を持ち続けている点は強く評価されるべきです。 ところで、今回重視したのは、 「経営者としての市長」が長期在任することのデメリットです。 経営者の長期在任による影響についての研究は 早稲田大学商学部教授の宮島英昭氏らによる 2002年に発表された論文が有名です。 エントレンチメント・コストという概念があり、 経営者の任期が長期化すると、 企業には次のようなコストが発生します。 ・経営者への過度な権力集中および暴走 ・保身のためのコスト拡大 ・バーンアウトなどに伴う経営者の努力水準の低下 ・経営スタイルの硬直化 ・自分の過去を否定しにくいため経営戦略の見直しが遅れる可能性 この結果、 1.ROA(総資産利益率)が低下する 2.株価超過リターンが低下する という傾向が見られます。 ROAの低下とは 「企業の競争力」が下がることです。 企業のパフォーマンスは 経営者の就任後3年でピークアウトして 6年目には急速に低下する、と研究は示しています。 株価超過リターンの低下とは、 その企業の「市場からの評価」が下がることを意味します。 これらの傾向は、 長期在職した経営者が交代したあかつきには改善される、 としています。 つまり、経営者の交代が適切な時期ごとに成されることは 企業のガバナンスがきちんと機能しているかを示す 重要な指標の1つです。 したがって「経営者としての市長」も ある程度の期間ごとに交代が行なわれる方が 有効であると言えます。 以上のことから、都市間競争の時代の 自治体経営を重視していく上で 市長という職業は、 在任期間に一定の歯止めをかけるしくみづくりが有益だと 考えるに至りました。つまり、市長の多選禁止です。 ここで市長に質問です。 沢田市長は『首長多選』について、 メリットとデメリットをそれぞれ具体的にどのように考えていますか。 お答え下さい。 |
質 問 1 (2) 多 選 自 粛 条 例 を 作 る べ き で は な い か |
さて、このデメリットを避けるために 例えば、杉並区長は 立候補した時から「多選禁止」を公約として訴え、 当選後には実際に条例を作りました。 「杉並区長の在任期間に関する条例」です。 在任は通算で3期12年間として、 4期目の出馬を自粛するよう努めるという条例です。 その後、この動きは広まっていき、 神奈川県川崎市や城山町、大分県中津市でも制定されました。 この動きはガバナンスの重要性を意識した 自治体経営の非常に良い試みだと思います。 そこで市長に質問です。 多選の弊害を防止すべく、首長の多選を自粛する条例を 横須賀市でも提案すべきではないでしょうか。 市長の考えをお聞かせ下さい。 |
質 問 1 (3) 沢 田 市 長 自 身 は ど う す る の か |
(注:沢田市長に対して進退を問うつもりだったのですが 先に行なわれた一般質問に対しての答弁で 「今期を最後に市長を引退する」と述べられました。 つまり、沢田市長は3期12年間で市長を引退するということです) 質問1(3)はすでにお答えをいただきましたので とりやめますが、一言、申し上げさせてください。 すでに作られた各地の『多選自粛条例』は いずれも在任期間を3期12年間としています。 沢田市長は、自らその3期目で引退を表明されました。 『自治体経営』をすすめてきた ガバナンスの重要性を理解する沢田市長であればこそ、 引き際も先進的な市長らしい潔いものであった、と 後世高く評価されると思います。 |
質 問 2 美 術 館 新 築 工 事 の 入 札 を や り 直 す べ き (1) K 社 と の 契 約 は 不 適 切 で あ り や め る べ き |
<2.美術館新築工事の入札をやり直すべきではないか> そもそも美術館新築工事の入札は 8月18日の予定でしたが 参加業者全てが辞退する異常事態が発生し、 中止せざるをえなくなりました。 中止を報告する市議会議員あての文書の中で この原因の1つとして 「入札期間中に新潟市で発生した 大型談合事件の影響も大きかった」 と財政部長は記しています。 新潟の談合の影響から、 横須賀市は2回目の入札にあたり 参加業者に『誓約書』を提出させました。 新潟の談合については決して「応諾しない」、 つまり、公正取引委員会に対して 談合はしていないと主張することの誓約書です。 新潟の談合には関わっていない、と 業者に誓約させたのです。 その後、横須賀市は11月4日に2回目の入札を行ない、 Kというイニシャルの業者が落札しました。 しかし、その10日後に驚くべきことが起こりました。 新潟市の大型談合事件に関する 公正取引委員会の第1回審判が11月16日に行なわれました。 独占禁止法違反(不当な取引制限)についてです。 7月28日の排除勧告時点では 談合の調整役を行なった業者がまだ明らかにならなかったのですが この日、公正取引委員会は6社を名指ししたのです。 これを受けて新潟市長は急きょ11月18日に 追加の指名停止を発表して、こう述べました。 「今回、談合の調整役と指摘された業者は、 他の業者に比べて悪質の度合いが高い」 この「悪質の度合いが高い」と名指しされた 6社の1つこそ、 今回、横須賀市で美術館新築工事を落札した、 まさにそのK社なのです。 K社は今でも応諾をしていませんが 新潟市長は追加指名停止の処分をし、 公正取引委員会は「談合の調整役だ」と名指しをしました。 そこで市長に質問です。 このように 「悪質の度合いが高い」と 談合の調整役と指摘された業者と 美術館新築工事の契約を行なうことが、 本当に適切なのでしょうか。 また、誓約書を書かせておいて、 工事が始まってから 「実は応諾しました」という状況になった場合、 誰がどう責任を取るのですか。 横須賀市は何らかの罰則を行なうのですか。 市長の考えをお聞かせ下さい。 |
質 問 2 (2) 2 回 目 の 入 札 は 拙 速 で あ り 問 題 が あ る |
また、財政部長による説明文書では 全参加業者辞退の原因をもう1つ推論し、 「最近の鋼材価格の高騰などによって 各社の見積もり工事費が希望価格の範囲におさまらなかった」 としています。 そこで、2回目の入札にあたっては この状況に対応すべく 入札の参加条件を2つ変えました。「条件を緩くした」のです。 第1に、希望価格をあげました。 これによって企業は、 鋼材価格の急激な値上がり分に対応できたはずです。 第2に、参加条件における「経営審査点数」を引き下げました。 経営審査点数とは、 決算を元に企業の経営内容を点数に表したものです。 この点数は 1回目の入札では 「超大手企業」でなければ参加できない高さでしたが 2回目の入札では 「大手企業」ならば参加できるように点数が下げられました。 1回目の入札では わずか4社しか参加希望業者がいなかったのですが 条件を緩和したことで 2回目の入札ではもっと多くの企業に 参加してもらえるようにしたはずでした。 しかし、実際に11月4日に2回目の入札を行なうと 参加した業者は、なんと前回よりも少ない わずか3社だけだったのです。 わずか3社だけによる入札というのは いかがなものでしょうか。 そもそも横須賀市は談合を防止するために 「広く多くの企業に門戸を開く」という改革、 つまり、電子入札式一般競争入札という 全国的注目を集めている 改革を行なってきたまちです。 にもかかわらず、このような参加業者の少なさは 談合防止を強く進めてきた横須賀市の理念に 反している入札ではありませんか。 新潟市の大型談合事件の影響を財政部長は挙げましたが この2回目の入札は、 その影響がいまだ消えていない時期に 美術館をただ「早く建てたい」という理由の為だけに あまりにも急いで行なって失敗した 「拙速の入札」だったと思います。 これらについて、市長の考えをお聞かせ下さい。 |
質 問 2 (3) 入 札 を や り な お す べ き |
問題点を挙げてきましたが、 これらを解決せずに契約を結ぶことはやめるべきです。 何故なら、先ほども申し上げましたが 「公平公正をモットーとして入札改革を進めてきた横須賀市」 として、全国から注目されているまちだからです。 そんな横須賀市にとって、今回の契約は 明らかにふさわしくありません。 これでは、市民にとっても 親しまれる美術館とは 言えなくなってしまうのではないでしょうか。 以上のことから、 美術館新築工事に関する入札を 再度やりなおすべきではないでしょうか。 市長の考えをお聞かせ下さい。 |
質 問 3 自 殺 予 防 対 策 に つ い て (1) 今 年 1 年 間 の 取 り 組 み の 効 果 に つ い て |
<3.自殺予防対策(うつ対策推進)について> 昨年12月議会で、 僕は自殺予防対策について一般質問を行ないましたが 市長らとの75分にも及ぶ質疑応答を通じて 長くタブー視されてきた自殺について 横須賀市の公の場でやっと議論ができたことを 強い感慨と共に思い出します。 しかし、警察庁が7月に発表した統計によると 自殺は6年連続で3万人を超えてしまい、 かつ昨年は犠牲者が史上最多の3万4427人にものぼり、 問題は昨年よりも悪化しているのが現実です。 国も対策に乗り出しましたが、とても弱い。 むしろ、それぞれの地方自治体ごとが独自に 行なっている取組みの方が効果的だと僕は評価しています。 横須賀市の場合も、前向きな取組みをいくつも始めました。 経済部が中小企業630社にダイレクトメールで郵送した 自殺予防リーフレットの試みは、 全国レベルで高く評価されるべきです。 また、横須賀こころの電話相談が12月からスタートしますが これもまた全国的に誇るべき素晴らしい取組みです。 他にも、たとえマスコミでは報道されていなくとも、 横須賀市は評価されるべき取組みをいくつも始めています。 しかし、まだまだ道はなかばです。 そもそも自殺予防は 「10年単位で取組み続けなければ変化は起こらない」 というのが定説になっています。 昨年より犠牲者が数名減ったからと喜べる問題ではなく、 自殺の犠牲者がゼロになるまで この問題は終わりません。 今年、横須賀では大きく報道された 2つの悲しい自殺がありました。 しかし、日頃は報道されることもなく 横須賀市では毎年100件近く自殺が起こっていること、 その背後には深刻なダメージを受けている遺族が 少なくとも5名はいること、 1件の自殺があれば、 実際は10倍の自殺未遂があることは 決して忘れてはいけない事実です。 市長は昨年こう答弁しました。 「生命」は何ものにもかえがたいものである 「市民の生命を守ること」は市政の基本をなすもの まさに市長の答弁どおりで、 横須賀市は、憲法第25条で 全ての人に保障されている生存権を守るために 自殺予防の戦いを今後も続けていかねばならないのです。 そこで市長に質問です。 昨年12月議会での一般質問以来、本市は健康福祉部を中心に 様々な自殺予防の取組みを行なってきましたが この1年間の取組みを総括して、 その効果についてどのようにお考えでしょうか。 市長の考えをお聞かせ下さい。 |
質 問 3 (2 今 後 の 自 殺 予 防 の 取 り 組 み で 必 要 な も の は 何 か |
昨年僕は 「自殺による犠牲者が多いのは、横須賀市の行政最大の汚点だ」 と激しく非難しましたが その後の取組みは予想を上回る速さでなされ、 昨年の非難を取り下げたい気持ちです。 しかし「まだまだ足りない!」と僕は考えています。 この1年間、残念ながらいまだ姿が見えてこない取組みは 年代別では最も犠牲者が多い 「中高年の男性」に対するケアです。 また、総合的な自殺予防ネットワークづくりが必要だ と提案しましたが この考えは今も変わりません。 のちほど述べますが、学校教育の場での自殺予防教育、 自死遺族へのケアも不可欠です。 また自殺問題を語ることをタブー視するこの国の風土を 変化させていくためにも あらゆる「講演・啓発活動」も必要だと思います。 そこで、市長に質問です。 自殺予防対策を本市が進めていく上で 「今後さらに必要だ」と市長が考える取組みは何でしょうか。 市長の考えをお聞かせ下さい。 |
質 問 3 (3) 小 中 高 校 で の 自 殺 予 防 教 育 の 取 り 組 み は な さ れ て い る か |
昨年、学校現場での自殺予防教育の取り組みについて 質問状を出したところ、 「学校教育の中では、具体的に自殺について取り上げた 自殺予防教育は行っていない」 という回答でした。 そこで一般質問では、 交通安全教室は毎年必ず行なわれるのに 交通事故の約6倍にも及ぶ犠牲者が出てしまう自殺について 何故、学校教育の中で直接取組まないのかと問いました。 学齢期の子どもたちが苦しみの相談をする相手の1位は 同じクラスメートや友達であるのに、 「自殺したい」と相談されても どう対応してよいのか全く分からないのが現状であり したがって、正しい知識と対応方法や 社会資源の存在を教えること、などの必要性を 教育長に申し上げました。 教育長の答弁は、 「学校教育において、直接的に「自殺」を取り上げた、 画一的な「自殺予防のための教育」は なかなか難しい問題であると思いますが、 青少年の自殺が社会問題化している今日、 さまざまな実践事例を検討し、 今後の自殺予防教育の強化に努めていきたい」 とのことでした。 それから1年が経ちました。 答弁通りであれば 様々な実践事例を検討したはずです。 そこで教育長に質問します。 学校教育における自殺予防教育について、 市内の小中学校・市立総合高校では 具体的に現在どのような取組みを行なっているのでしょうか。 また「自殺予防教育」「自殺そのものの問題」に対する 教職員への研修はどの程度行なわれているのでしょうか。 |
質 問 3 (4) 自 殺 抑 止 ロ | ル プ レ イ ン グ を 導 入 す べ き |
自殺予防教育の素晴らしい実践事例を 行なっている中学校が複数あります。 品川女子学院や杉並区立向陽中学校を はじめとする実践事例の中から、 今回は特に 「杉並区立和田中学校」の「自殺抑止ロールプレイング」 という先進的な取組みを紹介させていただき、 教育長に質問します。 和田中学校では、生徒を2人ずつのペアに分けて、 片方が今まさに自殺しようとする役、 もう片方がそれを止めようとする役を演じます。 場面は校舎の屋上、フェンスをのりこえて 飛び降りる寸前に友達が駆けつけたという設定です。 最初は照れていた生徒たちも 死にたい原因を話し合ううちに真剣なやりとりになります。 中には自殺志願者役の両手を握って 必死に止めようとする生徒もいます。 2週連続で行なわれるこの授業は 1週目がこのロールプレイング、 2週目はディベートを行います。 ディベートではあえて自殺に賛成・反対に分かれ お互いの立場を徹底的に話し合わせます。 決して死や自殺をタブー視しない授業は 現実にある問題から目をそらさない 大切なことだと思います。 小中学生3300人を対象にした 北海道大学の調査結果が11月に発表されましたが 自殺志向があるという子どもは18.8%にも昇りました。 こうした事実を前に、子どもたちに対して きちんとした知識を教えると共に、 対応方法をロールプレイさせなければ、 現実にその場面に遭遇した時に子どもたちが 適切に対処できません。 僕は品川女子学院と杉並区立和田中学校の 2校の授業一部始終撮影した映像を見ましたが、 「自分が学生だった時代にもこれが行なわれていれば」と 胸につまるものがありました。 こういった試みは 横須賀市でもぜひ取り入れるべきだと思いますが、 教育長の考えをお聞かせ下さい。 |
質 問 3 (5) 自 死 遺 族 へ の ケ ア に も っ と 積 極 策 を 取 り 入 れ る べ き |
定説では、1人の自殺者に対して 少なくとも5人の遺族が存在します。 遺族とは決して血縁関係にとどまらず 親しい友人・恋人・職場の仲間なども含みます。 この方々は深刻なダメージを受け、 自分が自殺へと追い込まれるほど高いリスクを負っており 適切なケアが必要です。 横須賀市のデータで推計すると、 深刻なリスクを負った遺族の方々が 毎年500名ずつ増えていっていると言えます。 そこで昨年の一般質問では、 自死遺族へのケア体制を確立すべきだと提案しました。 健康福祉部長の答弁は 遺族への適切なケアが必要だと十分認識しつつも 相談窓口に相談に来てくれるのを待つしかない、 との主旨でした。 個人情報とのかねあいもあり、 こちらから打ってでる「攻めのケア」は難しく 相談に来てくれるのを待つ 「受けのケア」に成らざるをえないのは仕方ありません。 ただ、同じ「受けのケア」であっても より積極的に自死遺族へのケアを強く認識して、 新たな取組みを行なっていく必要があると思います。 例えば、秋田県では、市町村・保健所の保健師を対象に 『自死遺族のケアに関する研修会』を行なっています。 今年は3回行なわれ、いくつものカリキュラム、 例えば地域の現状把握、 全戸配布した自殺予防リーフレットのアンケート集計結果、 他市町村の取組みなどを学び、 また講師として 実際の自死遺族である『あしなが育英会』の方に お話をうかがったとのことです。 実際の自死遺族の声を聞くことは非常に意味があり、 遺族へのケアはどうあるべきかの理解には不可欠です。 保健所をはじめ、横須賀市の保健師の方々が 毎日の現場でどれほど忙しいかは承知の上で あえて提案いたします。 秋田県が行なっているような 『自死遺族ケアに関する研修会』のような取組みを 横須賀市でも積極的に取り入れて、 本市の自殺予防の新たな取組みの1つとして ぜひ行なっていただけないでしょうか。 市長の考えをお聞かせ下さい。 |
質 問 4 障 が い の あ る 方 々 と の 定 期 的 ・ 日 常 的 な 交 流 を 行 な う こ と が 必 要 で あ る |
<4.障がいのある方々と学校の「定期的」交流について> まだまだこの国には障がいについて 差別や偏見がありますが これらを解消していくには 1.正確な知識を普及させること。 2.日常的・定期的に接する機会があること、が必要です。 現在、大学でも知的障がいのある人々の入学を認めたり 小中学校では、障がいの無い子どももある子どもも 同じ教室で学ぶ「統合教育」が 当たり前のものになってきました。 この環境が当たり前のものとして 学齢期を過ごした子どもたちは 成人しても障がいに対する偏見がありません。 学齢期から日常的・定期的に接する機会を 持つように徹底することは、 偏見を無くす非常に有効な方法です。 ところが一方で、地域作業所などを見学すると 職員さんからよく聞くセリフがあります。 それは、総合学習の時間で施設を訪問してくれるが 年1回だけしか来ないのでは意味が無い、 というものです。 つまり「すでに成人している障がいのある方々」と 子どもたちとの交流も重要であるにもかかわらず なかなか「日常的」なものにはなっていないのが現状です。 学校側もカリキュラムの事情もあるでしょう。 しかし、それを実現している事例もあります。 横須賀とも非常に縁の深い 福島県会津若松市の共同作業所の取組みを紹介し、 教育長に質問します。 精神障がいのある方々の作業所『ほっとハウスやすらぎ』は 5年前もから、2つの小学校と定期的に交流をしています。 田植えやラベンダーの収穫や クリスマスパーティーなどのイベントは当然のこと、 総合学習の時間に一緒に料理をしたり、 さらにはクラブ活動の運営を 精神障がいのある方々と小学生が一緒に行なっています。 生徒の感想や手紙を読ませていただきましたが、 子どもたちは違和感なく楽しい体験をしたと感じています。 また、精神障がいのある方々も積極性が高まるなど 定期的な交流の成果は大きいと 作業所長は話してくれました。 この2つの小学校は特殊なケースだ、と言うのは簡単です。 けれども、こういう定期的なつながりこそが 本当の統合教育では無いでしょうか。 そこで教育長に質問です。 この事例でとりあげたような日常的・定期的な交流を 横須賀市でも積極的に行なっていくべきかと思いますが 教育長の考えをお聞かせ下さい。 以上で1回目の質問を終わります。 |
答弁は後日、掲載します。