議会では、こんなやりとりしています


動画で質問の様子をみることができます。
市議会HPの日程平成21年5月28日をご覧下さい。

2009年5月臨時議会・本会議(5月28日)、市長への質疑
















調




















 藤野英明です。よろしくお願いします。

 議案第64号「常勤特別職員給与条例中改正について」および
 第68号「職員給与条例等中改正について」の両議案に対して、
 2つの観点から市長の認識をうかがいます。



 1.人事院による今回の「特別調査」と「人事院勧告」に対する
  市長の認識について


 本臨時議会において蒲谷市長が提案した
 議案第64号および第68号(以下、両議案と略します)は

 5月1日に人事院が内閣と国会に対して行った
 国家公務員法、一般職の職員の給与に関する法律などの規定に基づく
 一般職の職員の期末手当等についての報告と
 その改定に関する勧告(以下、「人事院勧告」と略します)に
 準じたものです。

 これまで本市の職員の給与の増額や減額は、
 この人事院勧告に基づいて行われてきましたので、

 通常どおりであれば僕も、
 このような質疑を行わなかったはずです。

 しかし、今回の人事院勧告は
 通常のものとは全く異なる異例の措置であり、

 不十分な調査に基づく不適切な内容の勧告であって、
 そのような勧告に準じて本市が両議案を提案したことを
 そのまま見過ごすことはできません。

 まず、本来の人事院勧告は例年8月に成されてきましたが
 その勧告のもととなる通常の「職種別民間給与実態調査」では
 調査期間は「6週間」かけて行ない、
 調査対象企業の数も「1万1000社」に及びます。

 調査内容も、前年の冬と本年の夏に支給された
 民間企業の特別給の「実績」です。

 こうした調査に基づいて、人事院は
 民間企業と公務員の特別給の支給月数を合わせるように
 改定を勧告してきました。

 しかし、今回行なわれた調査は、
 人事院自ら緊急の特別調査と銘打っているように

 通常とは全く異なり、
 調査期間はわずか「18日間」と非常に短く、
 調査対象企業数も通常の調査の「27%」と非常に少ないものでした。

 しかも、回答した企業のうち、
 夏季一時金が決定していた企業はわずか「340社」、
 「8割が未決定」であった、
 という不十分なデータによって結論が出されました。

 このような異例の特別調査では統計的に正確さに欠ける
 不十分な調査であったと僕は認識しています。

 したがって、不十分な調査に基づいて出された結論も
 不適切なものだと僕は考えています。

 同じく勧告についても問題があります。

 前回このような異例の臨時勧告を行なったのは、
 第1次オイルショックによって狂乱物価と呼ばれた
 すさまじいインフレが起こった昭和49年のみです。

 今回は35年ぶりの臨時勧告となります。

 しかし、35年前の臨時勧告の時でさえも今回とは異なり、
 調査は「701社」に対して行ないました。

 労働争議権を持たない公務員にとって
 人事院勧告は制約された権利の代替措置として
 適切に機能を果たすべき義務がありますが、

 今回のような不十分な調査に基づいた異例の勧告では、
 真に必要な「情勢適応の原則」を実現できないだろうと
 僕は認識しています。

 そこで市長に伺います。



 (質問)
 ア.市長は、今回の特別調査は適切だとお考えでしょうか。

 (質問)
 イ.市長は、この特別調査に基づく今回の人事院勧告は
  適切だとお考えでしょうか。

 以上2点について、市長の考えをお聞かせ下さい。


                           
















































 続いて、第2の観点から市長にうかがいます。

 2.地方分権時代における「地方自治体の給与政策の在り方」と
  人事院勧告による人件費一律削減が
  「自治体の経済対策に与える影響」について



 (1)5月26日開催の衆議院総務委員会による
  「一般職の職員の給与に関する法律等の
   一部を改正する法律案に対する附帯決議」および
  「附帯決議に対する総務大臣の見解」を受けて、
  市長はどのようにお考えか。


 すでに本市では平成18年度からの運用による昇格の廃止など、
 本市独自の人事制度改革において
 市職員の給与制度の見直しを行ないました。

 さらに昨年7月から2年間にわたって
 市の職員給与費等の減額を行なってきました。

 これが実施された理由は2つあり、

 1つには、国家公務員との給与比較であるラスパイレス指数の観点から

 もう1つには、あまりにも厳しい本市の財政状況を改善する為に
 集中改革プランに基づいて人件費を削減する必要があったからです。
 2年間の削減総額は、
 約9億7400万円にのぼる見込み
です。

 これらの取り組みは人事院勧告とは無関係に行われたもので
 本市独自の取り組みです。

 こうした動きは全国に広がっており、
 多くの地方自治体でこのような独自の給与政策が行われています。

 その理由は財政の立て直しがメインとは言えども、

 「地方分権の時代にはそれぞれの自治体が
  それぞれの自治体に見合った
  独自の給与政策を取るのだ」

 と評価することもできます。

 こうした地方自治体ごとの
 自主的かつ積極的な財政再建努力に対して

 全国一律に人件費をコントロールしようとする、
 昭和25年から約60年も続けられてきた人事院勧告の仕組みでは
 もはや地方分権の時代にはふさわしくないのではないか

 と僕は考えています。

 すでに本市職員のみなさまには
 約10億円もの痛みを強いている訳ですが

 さらに今回の人事院勧告に準じた両議案が成立すれば、
 ボーナスの凍結額は約3億4900万円にものぼる見込みです。

 合計すると、本市の職員はわずか2年間で
 13億2300万円もの給与等をカットされることになります。


 市職員は職員であると同時に生活者であり消費者でもあります。

 本市独自の給与カットに加えて人事院勧告に準じた凍結により
 2重の痛みを強いることは非常に問題ではないかと
 僕は考えています。

 そんな中、今回の人事院勧告について
 国会でも議論が行われてきましたが、

 つい5月26日に開催された衆議院の総務委員会において

 「一般職の職員の給与に関する法律等の
  一部を改正する法律案に対する附帯決議」がなされました。

 人事院勧告に基づく法律改正に対して
 国会として4つの指摘を附帯決議として示したものです。

 その3項目めではこのように記されています。

 「今回の措置(人事院勧告)に関連する地方公務員の
  給与の取扱いについては、既に独自の給与削減措置を
  講じている団体も相当数に上ることにかんがみ、
  今回の措置に準ずる措置を一律に要請することはしないこと」

 この附帯決議の文中における
 「独自の給与削減措置を講じている団体」とは、
 まさに本市のことであり、

 本市はこの附帯決議が指す「団体」に該当しています。

 本市のように独自の給与削減措置を講じている団体に対して
 一律に人事院勧告に強制的に従わせるべきではないと
 国会は決議したのです。

 一方、この附帯決議を受けた鳩山総務大臣は
 総務委員会の場で、
 この附帯決議を尊重すると共に、
 特にこの地方自治体について述べた3項目めについては
 十分に注意していきたいとの見解を述べました。

 そこで市長にうかがいます。



 (質問)
 市長は、この国会の附帯決議と総務大臣の見解を受けて
 どのようにお考えでしょうか。

 特に、地方分権時代には「自治体ごとの給与政策」が
 在るべきではないかと僕は考えていますが、
 市長はこの点をどのようにお考えでしょうか。

 市長の考えをお聞かせ下さい。


 


















































 (2)本市独自の給与減額措置に上乗せして、
  さらに人事院勧告に基づいて期末・勤勉手当を一部凍結すれば、
  本市の景気へのマイナスの影響が十分に予測しうるが、
  それでも市長が今回の判断に至ったのは何故か。


 さて、先ほどの繰り返しとなりますが、

 すでに本市では昨年7月から2年間にわたる
 職員給与費等の減額を行なってきました。

 さらに今回の両議案が可決されれば、
 凍結額は約3億4900万円にのぼる見込みです。

 単純に合算するのは正確ではありませんが
 本市職員はわずか2年間で
 約13億2300万円もの給与等カットをされることになります。

 市職員は当然ながら同時に市民でもあり、
 消費者でもある訳ですから、
 これだけの給与カットが家計に与える影響は
 当然に大きく、生活面へのマイナスの影響が予想されます。

 また、本市の市民がどのような職業に就いているかという
 就業の分類において、公務員の比率が
 一定規模の割合を占めていることを考慮すれば

 本市の景気に与えうるマイナスの影響を
 無視することはできないはずです。

 特に、両議案によるボーナスの一部凍結は
 これから本市の景気対策として実施するプレミアム商品券発行による
 経済効果も減少しかねないのではないでしょうか。

 つまり、せっかく本市が講じた景気対策・経済対策にも
 大きなマイナスの影響が起こることが
 十分に予測しうると僕は考えています。



 そこで市長に伺います。

 (質問)
 ア.こうした懸念にも関わらず、市長が今回の判断に至ったのは
  どのようなお考えからでしょうか。

 特に、人事院勧告に一律に従うことが
 本市の景気対策・経済対策に与えうるマイナスの影響を推計するなど
 考慮した上での判断だったのでしょうか。


 (質問)
 イ.本市の景気・経済に及ぼすマイナスの影響を考慮すれば、
  本市独自の給与減額措置に上乗せする形で
  さらに人事院勧告に準じる両議案は
  提案すべきではなかったのではないでしょうか。

 以上2点をお答えください。

 これで僕の質疑を終わります。
 ありがとうございました。



市長の答弁は後日掲載します。

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