議会では、こんなやりとりしています


動画で質問の様子をみることができます。
市議会HPの日程平成23年6月9日をご覧下さい。

2011年6議会・本会議(6月9日)、市長への質疑







 藤野英明です。よろしくお願いします。

 3月11日に東日本大震災が起こってから
 この国の危機に対して、
 市民のみなさま、市長を筆頭に行政のみなさん、
 そして我々市議会も、不眠不休で必死に働いてきました。

 4月末、本来であれば選挙なんてやってる場合じゃない、
 そんな想いを抱えながらも、

 震災対策に再び政治家として関わる為には
 葛藤を捨てて、とにかく選挙をのりこえて戻ってこなければならない

 その一心でここに戻ってきました。



 震災から3カ月、ようやく今、再び市長と議論できることを
 僕はこころから嬉しく思います。

 この国の復興の為に
 誰もが希望を感じられる新しい横須賀に変えていく為に
 ぜひオール横須賀で力をあわせながら、
 建設的な議論を行っていきましょう。

 よろしくお願いします。

































 1.東日本大震災の発生を受けての本市の今後の対応について


 (1)「地域防災計画」の抜本的な見直しと修正の必要性について

 東日本大震災の発生を受けて
 「地域防災計画」に対する
 市民のみなさまの関心がかつて無いほど高まっています。

 市町村の「地域防災計画」は、
 災害対策基本法第42条によって定められているのですが

 横須賀市における災害に対処する為の
 全ての基本になる重要な計画
です。

 「防災対策会議」をひらいて毎年検討を加えて
 必要があると認める時は修正することになっています。

 それは例えば、

 近年発生した災害の教訓や研究の成果、
 関係法令等の改正、社会情勢の変化、
 市の防災対策の変更などがあった場合があげられます。



 さて、東日本大震災が発生する前の
 2月4日に開かれた「横須賀市防災会議」においては

 今年の「地域防災計画」の修正は

 「災害時援護者支援プランに基づく
  外国人への支援などに関わる表現などの修正」と

 「市役所の機構改革などに伴う名称、字句、数値などの修正」

 の2点についてのみ行なう、との説明がなされました。

 しかし、東日本大震災の発生を受けて
 被害想定をはじめとする
 あらゆる根本的な前提が完全にくつがえされました。

 したがって、微修正するだけでは現実に対応できません。

 そこで市長にうかがいます。

 (質問1)
 今年の修正は一部のみとするのではなく
 改めて全体的に見直して、抜本的に修正すべきではないでしょうか。

 お答え下さい。










































 (2)防災拠点を移転する新港埠頭において
  「液状化現象」が起こる可能性と安全性の確認の必要性について


 東日本大震災を受けて「液状化問題」に対しても
 市民のみなさまの関心がとても強くなっています。

 さて、横須賀市では今、横須賀新港埠頭に新たなまちを作って
 救急医療センター・医師会館、警察署などを
 移転する計画が進められています。



 しかし、この新港埠頭は「液状化」の恐れが極めて高い
 との調査結果が出ています。

 昭和44年から埋め立てによって作られた新港埠頭は、
 神奈川県の「地震被害想定調査委員会」が
 平成21年3月に出した報告書によると、

 東海地震と神奈川県西部地震が起こった場合の想定では
 「液状化の可能性は極めて低い」とされているものの

 東京湾北部地震、三浦半島断層群の地震、南関東地震、
 南関東地震と神縄・国府津−松田断層帯の連動地震などが起こった場合など

 いくつもの想定において
 「液状化の可能性が極めて高い地域」と想定
されています。



 また、土地の開発を行なう事業者に横須賀市が示している
 「環境配慮指針(開発行為事業編)」においても

 「斜面崩壊・地すべり・液状化の危険度分布」図の中で
 新港埠頭は「液状化想定区域」に指定されています。

 このような「液状化」の危険性が高い場所に
 防災拠点を移転すべきではありません。


 医療救護の要となる救急医療センターをはじめ
 災害が起こった時には医師会の災害対策本部となる医師会館、
 被災者の救出や避難誘導の中心となる警察署などの

 防災拠点がいざという時に
 全く機能しなくなる恐れがあります。

 「液状化」によってこれらの建物が破損するだけでなく
 そのまわりの道路などの交通網が寸断されてしまえば
 救うことができるいのちさえ
 守れなくなる事態も考えられます。

 そこで市長にうかがいます。

 (質問2)
 今回の震災を受けて
 「液状化現象」が起こる可能性を徹底的に調査し、

 防災拠点の移転先として新港埠頭がふさわしいのか、
 改めて安全性の確認を行なうべきではないでしょうか。

 お答え下さい。





































 (3)「放射性物質」に対する
  市民の不安感情に寄り添う必要性について



 ア.児童生徒の保護者をはじめ、市民の方々が持つ
 「放射性物質への不安」を率直に述べられる仕組みを作るべきではないか


 3月11日から現在も続いている「放射性物質」の流出は
 今まで全く過去に例の無い災害であって
 市民のみなさまに大きな不安の感情が起こるのは当然です。

 こどもたちが通う学校で毎日触れるグラウンドの土や
 毎日食べる給食の食材や、
 これから夏の体育で入るプールの水などに対して

 幼いこどもたちを持つ保護者の方々が
 心配な気持ちになるのは十分に理解できることです。

 それにも関わらず、そうした不安の声を述べる方々を
 ヒステリーやノイローゼ扱いをして敬遠したり

 「風評被害を広めるな」と糾弾する「雰囲気」が
 世間の一部に存在している為に
 不安の声さえ述べることができない状況が起こっています。

 しかし「危機管理」の基本は、不安を圧力で抑えることではなく
 不安な気持ちに積極的に耳を傾けることです。

 したがって政治行政は
 こうした不安の声を決して否定することなく
 むしろ積極的に1つずつ耳を傾けていくべきです。

 そこで市長にうかがいます。

 (質問3)
 児童生徒の保護者をはじめ、
 市民の方々が持つ「放射性物質への不安」を
 率直に述べられる仕組みを作るべきではないでしょうか。

 お答え下さい。

































 イ.校庭での放射線量の測定を全小中学校へ拡大すべきではないか

 横須賀市は6月3日に市立小中学校5校で
 校庭の放射線量の測定を行ないました。



 もともと横須賀には放射線量を常に測定している
 18基のモニタリングポストが設置されていて

 ホームページ上でも10分おきに
 最新のデータが更新されて見ることができます。



 その為、当初は測定を行なう方針ではありませんでした。

 しかし、多くの市民の方々から
 不安の声があがった為、
 より市民のみなさまに安心していただくことを目的に
 学校のグラウンドで測定を行なった
のです。

 繰り返しになりますが、危機管理の基本は
 不安の声に耳を傾けることと、
 正確な情報を提供することです。

 実際に測定値の発表後、多くの市民の方々から
 「安心した」という声をいただきました。

 市長の判断は正しかった、と僕は評価しています。

 ただ一方で、市内にはろう学校と養護学校を加えて
 市立だけでも50を超える小中学校があります。


 今回の測定はその10分の1の
 わずか5ヵ所のみにとどまった為、

 該当しなかった学校にこどもを通わせている方々からは
 「全校で測定をしてほしい」という声があがっています。

 こうした声にもぜひ応えていくべきです。

 そこで市長にうかがいます。

 (質問4)
 市民の不安を拭い、安心をより確かなものにする為には、
 測定対象を全ての小中学校へと拡大して
 継続的に行なっていくべきではないでしょうか。


 お答え下さい。





























 ウ.学校給食の食材に対する不安に対してどのように対応していくのか

 今も放射性物質は漏れ続けており
 「風評」ではなく実際に「汚染」は起きています。

 内部被曝の恐ろしさが知られるようになり
 放射性物質が付着した農作物への不安が高まる中で

 学校の給食に使われる野菜や肉などの食材や
 牛乳などへの不安の声が広がっています。

 こうした事態を受けて、自治体によっては
 「摂取制限や出荷制限が出されている食材は使用しない」
 と明言をしたり、

 被災地産の食材を使用する自治体であっても
 例えば、横浜市では放射線測定の抜き取り検査を行なう
 などの対応がなされています。



 そこで市長にうかがいます。

 (質問5)
 市民の不安の声を受けて
 本市では、今後どのように対応していくのでしょうか。

 お答え下さい。














使
























 (4)「大規模な停電」に対応する為に
  指定避難施設とその周辺に
  太陽光発電によるLED照明灯を設置する必要性について

 3月11日の震災では横須賀市でも
 13万世帯を超える大規模な停電が起こりました。

 深夜2時過ぎまで信号も街路灯も点かずに
 帰宅困難となった方々は
 真っ暗闇の中を歩かざるをえませんでした。

 その後の計画停電でも
 みなさま大変ご苦労をなさったと思います。

 さらに現在では節電の為に
 まちでは多くの照明が落とされていますが

 ご高齢の方々や視覚に障がいのある方々からは

 「節電の為とはいえ、夜に道路を歩くのさえも
  足元が暗くて見えない為に、とても危ない想いをしている」

 との声をうかがっています。

 こうしたことを通して改めて感じることは
 停電のもとでも安全を確保する為に
 「最低限の灯かり」が必要だということです。

 震災によって、がれきがちらばった地面の上を
 暗闇の中で歩くことは大変に危険で
 避難所へたどり着くことさえ困難になります。

 そこで、こうした状況へ対応する為に
 せめて指定避難施設とその周辺の主要な道路には

 停電に影響されない太陽光発電による
 LED照明灯を設置することを提案します。

 たとえ夜間に震災が起こって停電してしまっても
 太陽光発電による街路灯や照明が
 指定避難施設についていれば目印にもなります。

 また、避難・誘導がしやすくなるだけではなく
 防犯の観点からも、自立した電源を持つ街路灯は有効です。

 そこで市長にうかがいます。


 (質問6)
 太陽光発電装置などの自立した電源を備えた
 LED照明灯の設置を
 積極的に行っていくべきではないでしょうか。

 お答え下さい。



































 2.新サッカー場「(仮称)佐原2丁目公園」を
  災害対策の拠点とする立地上の問題について

 今年3月の予算議会において、
 不入斗の「はまゆう公園」に
 既にサッカー場が存在しているにもかかわらず

 佐原に新たなサッカー場を今、建設することは
 財政危機の中で優先順位が間違っている、と僕は指摘しました。

 これに対して、吉田市長は反論をして

 サッカー場が完成した暁には
 横須賀市地域防災計画で
 ここを「広域応援活動拠点」とすることになっている

 と述べました。

 しかし、平成20年6月に神奈川県が発表した
 「平作川水系平作川浸水想定区域図」では

 これは本市の「洪水ハザードマップ」を作った際の
 もとデータになっているものですが

 サッカー場建設予定地からわずか200メートルまで
 水深1〜2メートルもの浸水が起こる

 想定されています。



 そして、この想定区域図には但し書きとして、

 想定を超える降雨や
 高潮や内水による氾濫などは考慮していない為、
 シュミレーションよりも浸水の深さや範囲が
 大きくなる可能性も十分にあります

 と記されているのです。

 つまり、このサッカー場にも浸水が及ぶ可能性が
 十分想定できる
のです。

 この想定区域図は50年に1度の大雨による
 平作川の氾濫をシュミレーションしたものですから

 以前でしたら「そんなことは起こらない」と
 反論することが許されたかもしれません。

 けれども、東日本大震災が起こった今は
 もはや想定を超える事態を常に想定していかなければ

 つまり、「最悪」を想定して「最善」の行動をとっていかなければ
 市民のいのちと安全は守れないのです。

 このサッカー場には浸水が起こるという前提を
 現実に起こりうる事態として受け止めねばならない
 と僕は考えています。

 先ほどの救急医療センターの立地でも申し上げましたが
 防災拠点はあらゆる可能性を考慮しなければなりません。

 したがって、被災する可能性がある場所を
 「広域応援」の活動拠点に位置づけるのは明らかに問題です。




 そこで市長にうかがいます。

 (質問7)
 新たに建設しようとしているサッカー場を
 災害対策の拠点とすることは立地上、問題ではないでしょうか。

 お答え下さい。


 これで僕の壇上からの質問を終わります。



市長の答弁は後日掲載します。


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