市長との一問一答 | |
市 長 |
まず、自殺対策の目標値に 自殺未遂者の減少を新たな指標として加えるべきではないか という御提案をいただきました。 自殺未遂者の減少を新たな指標に加えるという視点は、 自殺対策を推進する上で大事な視点であると考えています。 一方、自殺未遂者数の正確な把握が難しいという問題がありますが、 国でもその方法について検討されるようですので、 動向には注視したいと考えています。 |
次に、自殺対策連絡協議会のあり方について御質問をいただきました。 自殺対策連絡協議会については、現在、年に2回、 21機関をメンバーとして開催しています。 開催回数の増加、既遂・未遂事例の検討の導入、 メンバー相互の取り組みの視察などについては、 いただいた御提案を参考に検討し、実りある協議会にしてまいります。 |
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次に、協議会に新たなメンバーを加えるべきではないか という御提案をいただきました。 現在の自殺対策連絡協議会は、 相談機関等を中心としたメンバーで構成しています。 御提案いただきました方々をメンバーに加えることについては、 どのような方々にかかわっていただくことが 効果的な自殺対策につながるか検討していきたいと考えています。 |
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次に、従来の自殺対策の継続とともに、 ターゲットを高齢者層にシフトした取り組みをより強めていくべきではないか という御提案をいただきました。 御指摘のとおり、高齢者の自殺者の割合が増加していまして、 高齢者に対する取り組みの必要性は感じています。 自殺対策連絡協議会においても、 問題事項ととらえて意見交換がなされています。 原因の究明や分析に努め、関係機関と連携し、 高齢者への対策強化に向け検討していきたいと考えています。 |
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次に、県が策定している『医療のグランドデザイン』に 市町村の意見を反映させるよう提案すべき という御質問をいただきました。 『医療のグランドデザイン』については、 昨年末に市町村を集めて 中間取りまとめの説明会が開催されました。 あわせて、市町村あてに意見照会がありましたので、 本市としても必要な意見を申し述べたところです。 |
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次に、 医療と福祉の連携強化と新たな福祉計画を 県の新たな『医療計画』に連動させる為に 本市から積極的なアクションをとるべきではないか という御指摘をいただきました。 県の『保健医療計画』は、 県域、また医療圏といった広域での枠組みを示したものであり、 市町村単位の施策を全て盛り込み、 緻密に連動させることを目的としたものではありません。 医療・福祉いずれの場合も、地域の実情に合った施策は、 各市町村が県の計画を参考としながら検討していきます。 県が新たな『医療計画』を策定する過程では、 市町村の意見を求める機会がありますので、 しっかりと意見を申し述べたいと思います。 |
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フ ジ ノ |
まず、自殺対策の新たな目標の指標値として、 自殺未遂者数の減少を導入してはどうかという点について、 メリット・デメリットを勘案して検討していく という御答弁をいただきました。 後段のデメリットの部分としては、 やはり完全な自殺未遂者数の把握がなかなか難しい というところについて懸念があるようでした。 ただ、僕なりにいろいろこの9年間考えてきて、 消防局救急課が持っている救急搬送のデータのうち、 自損行為による救急搬送が8割から9割方を占めている。 その中から、残念ながら死亡、既遂という数字を除けば、 便宜的に本市の目標値として設定可能な 自殺未遂者数の減少として適用できるのではないか、 そういった点についてぜひ研究していただきたいと思いますが、 いかがでしょうか。 |
市 長 |
自殺未遂者数の正確な把握という意味では、 国による研究も進んでいるということですが、 その中でも自損行為による救急搬送も その一つとして挙げられていると聞いています。 そういう意味では、 もう一つは、救急病院における搬送実績というものも 選択肢としてあろうかと思いますが、 国の動向を踏まえながら、 市としても、自殺未遂者数の減少を 数値目標としてとらえることができるよう研究を進めていきたいと思います。 |
フ ジ ノ |
それから、自殺未遂者数の減少、 あるいはその数の把握をぜひ取り入れていただきたいのは、 確定した値ですと直近の2011年ではなく、 2010年の数字が確定値になりますが、20代の増加が非常に著しい。 これはぜひ健康部長に確認していただきたいのですが、 既遂は高齢者の方が非常に多いのですが、 未遂というのは若い人に起こる傾向があるのです。 今までは未遂で済んでいたのが、20代が非常にふえた。 この原因を探るためにも、 未遂者数の把握というのは、ぜひしていただきたいと思うのです。 そのような観点もぜひ持っていただきたいと思います。 これについては御答弁は結構です。 そのまま質疑を続けさせていただきますが、 自殺対策連絡協議会の新たなメンバーの配置について、 どのような方を選任するのが効果が高いか検討する という御答弁をいただきました。 5年くらい前でしょうか、自殺対策連絡協議会を設立するときに、 当時の蒲谷市長にも御遺族を入れていただきたいですとか、 いろいろ提案したのですけれども、 当時は提案したものの、 具体的に浮かぶ最適な方というのが浮かびませんでした。 自死遺族の社会的立場が非常に厳しかったこともあり、 とても顔を出して、委員として出席するなど、 誰もできないという状況でした。 ただ、それからかなり大きく社会状況が変わりまして、 新たな段階に自殺対策は来たと申し上げたとおりで、 横須賀の御遺族の方が 全国の団体でファシリテーターをやるまでに回復されたり、 また報道関係でも、例えば地元紙である神奈川新聞は 常に自殺対策について追い続けてくれる。 自殺対策元年と呼ばれた2006年には 全紙が報道するような中で、 どんどんブームとともに消え去っていた中でも、 一生懸命報道してくれている方がいる。 また、教員の方々というのは、 日常的に自傷行為と接していて、すごく問題意識を持ってくれている。 それぞれについて、この人は適任だなというのが、 これは僕の推薦という意味ではなくて、 自殺対策あるいは精神保健福祉にかかわっている人であったら、 きっと浮かんでくるものだと思うのです。 ですから、ぜひそういった方々を 保健所や自殺対策連絡協議会のメンバーにヒアリングなどをして、 対象になれるような方がいるのかどうかも 研究の過程で一度ぜひ御検討いただきたいと思うのです。 その点についてはいかがでしょうか。 |
市 長 |
今回御提案いただきました新たなメンバーについては、 今までの自殺対策連絡協議会は、 基本は相談を受ける機関の方々という形で、 市の職員も含めて入っているわけですが、 どういった方に入っていただくのが一番いいのか。 特に内容についても御提案いただきました。 ケースの内容によっては、こういう方に来ていただくとか、 そういった考え方もあるかもしれませんので、 ぜひいろいろな方に御意見を聞いて、 新たなメンバーを加えた 実りある自殺対策連絡協議会にしていきたいと思っています。 |
フ ジ ノ |
続きまして、犠牲者の中に占める高齢者層がふえてきた。 だからこそ、今までの対策は継続しつつも、 ターゲットとしての高齢者をより強く推進していただきたい ということを申し上げて、基本的には御同意いただけたと思います。 そこで、1点要望があるのですが、 高齢者といっても、医療・福祉の用語でいうと、 前期高齢者もいれば、後期高齢者もいらっしゃる。 また、非常にお元気な90代の方もいれば、 非常に体調を崩しておられる60代の方もいる。 お一人お一人違うわけです。 そういったきめ細かな視点をぜひ持っていただきたい。 それから、統計をじっくり見ていると、 残念ながら、横須賀では、 大体1年置きに90代の自殺の犠牲が複数名起きているのです。 なぜ1年置きなのかというのは、僕は把握できていないのですが、 ここ数日、懐かしいのですが、 市長選挙のときのマニフェスト、あるいは選挙公報でしょうか、 市長がおばあちゃん子でという話について、 ほかの議員が触れる機会がありました。 僕はおじいちゃん子で、先日、祖父は94歳の誕生日を迎え、 できれば2週間に1回、1カ月に1回会いに行きたい と思っているのですけれども、 90代のおじいちゃんと同じ世代の人が、 みずからをあやめなければならないという状況が本当に心苦しく、 つらく、なぜなのだろうかとか、 そういうことを一つずつ、自殺個票が保健所にはありますから、 背景も知ることができますし、 それから警察のデータも大分開示していただけるようになりましたから、 高齢者対策にこれから取り組んでいくというときには きめ細かく対策を研究していっていただきたいと思います。 この点についても再度御所見をお願いします。 |
市 長 |
先ほど議員のおっしゃった3000人という数字なのですが、 実は3万人に、先日の代表質問の中でも答弁した 基本チェックリストというものを 前期高齢者の方々に3年置きに悉皆調査をしています。 その中で心のチェックということで、 例えば毎日の生活に充実感がない、 わけもなく疲れたような感じがするといったような、 はい・いいえで簡単に答えられるようなチェックをしています。 そして、少し不安がある方々に対して、 市として、介護予防の教室に出てきてくださいねという御連絡をしたり、 それでも出てこられない方には、訪問して、 どのような状態にあるのか、 市としてできるだけ把握するように努めています。 そのような介護予防の取り組みの一環としても、 自殺対策を考えることができるのではないかと思っています。 ただ、一方、90代については、正確な情報を承知していませんが、 平成21年度は、80代の方の自殺者が男性で全体の2%、 女性で全体の8%あったという情報を私もよく承知しています。 どのようなことが原因でこうした悲劇が引き起こされてしまうのか、 市としても原因分析に努めて、 有効な対策があれば、積極的にとっていきたいと思っています。 |
フ ジ ノ |
続いて、『医療のグランドデザイン』および『医療計画』との連動について 質問を移ります。 市長から御答弁いただいて驚きました。 『医療のグランドデザイン』についていろいろ調べていたのですが、 県側から中間取りまとめの説明会、意見照会があったということで、 僕としては非常にうれしい驚きです。 そこで、伺いたいのですが、 横須賀市としては、非常に量も多いのかもしれないのですが、 どのような意見を県に対して述べたのか、 お聞かせいただければと思います。 |
市 長 |
『グランドデザイン』の中で 特に全般の論として意見を申し上げたのが、 精神科医療についての記載が無かったことです。 新たな『医療計画』の中では こうしたことが本来触れられるべきことであるにもかかわらず、 その点について言及がなかったことは 全般的な意見として、まず申し上げました。 また、その他、横須賀・三浦の二次保健医療圏の中での 医療体制の実態とそぐわないような 表記、あるいは表現があったことについては、 市としてそれぞれ的確に申し上げています。 また、そのほかにも、 例えば 地域連携クリティカルパスの導入であるとか、 高齢者の認知症の医療連携パス、 あるいは最終末期の治療の リビングウイル・カードの導入などについて、 市としても検討を始めているところで、 県の動きと市の動きが余りそごを来さないように しっかりと情報提供していただきたいというお願いもあわせてしています。 |
フ ジ ノ |
ありがとうございます。 県に対してお返しした意見というのは、おおむね賛成です。 まず、精神科医療が『医療計画』に 目玉として今後入っていくのにもかかわらず、 記述が欠如しているというのは僕も痛感していました。 また特に、最後に市長がおっしゃった 県と重複している事業、 県はまだスタートしていないものが多いのですが、 横須賀市が既に始めているものはいくつもあります。 リビングウイル・カードにしても、マイカルテにしても 黒岩神奈川県知事が発明したかのような感じで 新聞とかには取り上げられるのですが、 我々横須賀市が開催している在宅療養連携会議では、 もっと進んだこともやっていますから、 横須賀が進んでやっていることなどは、 『医療のグランドデザイン』の中に取り込んでくれよということを 改めて言う機会もあると思います。 ぜひその場で言っていただきたいと思います。 今後のスケジュールを把握しておられると思うのですが、 3月5日に知事に提出された後、 県がグランドデザイン案をまとめ、 医療審議会、パブリック・コメント、医療審議会、 4月中に策定が終了するということなのですけれども、 市の意見をお伝えする機会はまだあると思いますので、 必要な意見があれば、 ぜひ加えていただきたいと思います。 |
市 長 |
パブリック・コメントの前後にも 必ず市町村への意見照会はあると聞いていますので、 そういった機会を通じて、 県に対しては意見を伝えていきたいと思います。 |
フ ジ ノ |
ありがとうございます。 続いて、『医療計画』との連動について 市長の御答弁を頂いたのですが 『医療計画』の見直し作業というのは、 国が『医療計画』をどういうふうに改定するかという基本方針を作って それから実際の各都道府県が 医療審議会などで改定作業をやっていくのですが、 去年から国の審議会にも毎回出席して、 それから県のグランドデザインの14回のプロジェクトチームも 可能な限り出席して、分かったことがあるのです。 それは確かに市長のおっしゃるように、 県の『医療計画』に、県の『介護保険事業支援計画』、 つまり横須賀市の『介護保険事業計画』の県バージョンですとか、 市の持っている『障害福祉計画』の県バージョンと連携しなさいというのが 方針には載っているのですけれども、 これはほとんど意味がない、ということに気づいたのです。 例えば市の介護保険に対して、 県が何をしてくれるかといったら、お金の配分しかないのです。 『介護保険事業計画』に対して、 『介護保険支援事業計画』は補助金の配分のような、 もっと広域な、何か大事なことをやっているのかと思ったら、 決してそういうものでもない。 その時に僕が感じたのは、 むしろ二次医療圏の横須賀市、三浦市、鎌倉市、逗子市、葉山町の それぞれが持っている福祉計画を積み上げて 県の数値にしてみたらいかがか ということをとても感じたのです。 県の施策に横須賀市がやっている施策を むしろ逆に取り入れさせる というような 現場を持っているのは市町村ですから、 今まで県が参集をかけた会議に出席して、 何か意見を言うのではなくて、 「こちらのデータこそ使うべき」 「こちらの施策こそ取り込んではどうか」 という主体的な関わりを 市町村がやった方がより良い『医療計画』になるのではないか と気がついたのです。 その点については、市長はどのようにお考えでしょうか。 |
市 長 |
県が策定する『医療計画』のそもそもの目的は 医療の提供体制をどのくらいの規模にするかというのを 見きわめるものだと思っています。 これは私見も少し入りますが、 グランドデザインを別途まとめているのは、 大もとにする為というのも一つあると思いますが、 一方で、医療の分野に限らず、 もう少し広がったところ、 例えば西洋医療と東洋医療という文言が出てくるのは、 グランドデザイン的なものでなければ、 出しようがないものだと思っていまして、 そういう意味で 少し切り分けられているのだろうと思っています。 医療の提供体制を県がどう考えるかというときに、 市町村としては、横須賀市は公立の病院を持っていますが、 その公立病院の動きの範囲の中でしか、 県との接点というのを、 医療の提供体制という観点からなかなか考えにくいということもあって、 『医療計画』の性格上、 福祉という観点の連動を申し上げにくい というのが正直なところです。 |
僕も当初はそういう考えでした。 ここから先はどのような学説も一切関係ない、 僕自身が国や県に通う中で 自分で『医療計画』について読んでいく中で思ったのですが、 『医療計画』は、かつては病床規制ですとか、 あるいは4疾病5事業の集中的な取り組みを 数値目標プラスPDCAサイクルで実現しましょう みたいなものだったのですが 今回の改定においては、 例えば、認知症を取り上げたいのですが、 認知症を医療だけで支えるということは絶対に不可能なのです。 今度、『医療計画』に出てくるのは、 認知症の方が精神科病院に入院させられている、 これを地域にお返ししましょう。 認知症は精神疾患の病院に入院するべきものではないので、当たり前です。 その時に『医療計画』は、「これくらい退院させましょう」とか、 とてもいい数値を出してくるのです。 でも、地域の受け皿は福祉です。 市町村がやっている特養であったり、 期間は短いですけど、老健であったり、 認知症対応型グループホームであったり、 あるいは横須賀市がやっているような在宅療養連携型の地域での医療。 そういった時に福祉的な施設数ですとか、 こちらがデータを出していかなければ、 向こうが「これだけ入院データがある」「これを全部出したい」と言っても、 整合性が全然とれない時があるのです。 というのも、 話がさかのぼって恐縮なのですが、 以前、精神科病院で長期入院している方の退院をする為に、 保健所、障害福祉課が数値目標の中で 一生懸命やらなければいけなかった。 「この数値目標はどうやって出したのですか」と聞いたところ、 県が出してきた。 県は事情をわかっておらず、 単純に何年以上の人というので数値目標を作って 市町村に押しつけてきた。 今回も同じようなことが考えられると思うのです。 「認知症の人は退院しなさい」 という数値目標を『医療計画』の中で作るけれども 受け皿である我々市町村にそれだけの施設があるかといったら、 今回だって特養は、 ショートステイを転換して、やっと100床用意できる。 福祉人材の確保もできるかどうかわからない。 こういう現状を『医療計画』に訴えていくことで、 無理な数字の設定ですとか、 実現不能な数値目標の設定を避けることができて、 市町村が意見を出すことで より実効性の高い計画ができるのではないか と僕は考えているのです。 それは今までの感覚の『医療計画』でいったら 越権と言われるかもしれない。 でも、今回の新たな『医療計画』の改定では、 医療と福祉の連携がとても重要視されていますから、 市町村が意見を言っていった方が良いのではないか と思うのです。 その点についてぜひ再考していただければと思いますが、 いかがでしょうか。 |
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市 長 |
医療の提供体制を考えるという観点から、 計画を策定する主体は県ですから、 県が聞く耳を持つかどうかという観点は一方であるかと思います。 ただ、市としては、今、議員がおっしゃられたような 例えば認知症になられている方々の受け皿が市にはどれくらいあるか というデータについては、 市として、『高齢者福祉計画』を積み上げていく中で、 数字は当然持っていますので、 そういったものをしっかり参考にしていただくように 県にはお伝えしていきたいと思います。 |