まちの政治家は、こんなことしてます |
2010年5月28日(金)のフジノ | |
● キャリア教育の現場を見学しました(第2回目) 今日は、不入斗中学校を訪れて 『キャリア教育』の現場を見学させていただきました。 以前にも書いたとおりですが 『キャリア教育』を通しての 中学時代のこどもたちの成長や変化(自己肯定感の芽生えなど)を 今年は1年間を通して見学させていただくことで 実際に目の当たりにしたい、 と考えています。 (高校での取り組みについては以前に紹介したとおりです) そして、今回が2回目の見学になります。 今日は体育館にて、 社会人向けのビジネスマナー講座を担当している プロの講師を招いての『マナー研修』です。 あいさつ・電話応対・接客・クレーム対応などを 講義とロールプレイを通じて生徒たちが学んでいきます。 かなり本格的なビジネスマナー研修です。 名刺の受け渡しなどはもちろんのこと、 4人1組でのロールプレイ(3人が『お客さま』『店員』『店長』を演じて 残り1名がそのロールプレイをチェックする役)など 実践的です。 ● 変化していく現実に対応できるリアルな教育が必要です 今の大人たちの中には 「中学時代からキャリア教育なんて必要ない!」 というような意見を言う人々もいます。 自分の育った時代では体験していないことなので 今のこどもたちにも自分の価値観でもって教育を押し付けているのです。 確かにフジノだって自分が中学生の時には ビジネスマナーの研修を受ける機会なんてありませんでした。 大人の社会に混ざって働いたのは、高校時代のアルバイトが最初でした。 しかも、ビジネスマナーと言われるものは 実際のアルバイト体験を通して初めて知りました。 けれども『過去』がそうだったからといって、 『今』も同じであるべき、という考え方は正しくありません。 時代は変化しているからです。 ビジネスマナーをはじめとすることがらは 将来に直結したリアルなことがらですが 確かにかつてはそれらを 『学校』で教えるものではありませんでした。 企業に体力があった時代には、企業が仕事をつうじて オンザジョブトレーニングという形で教育をしていたのです。 けれどもこの10数年間の厳しい経済社会状況では もはや企業は即戦力しか求めていませんし ビジネスマナーをゼロから教えている体力はありません。 そうした意味で、かつての時代では想像できないほど多くのことが 学校教育の中で教えるように求められています。 学校側はパンク寸前に追い込まれている という大きなデメリットがありますが それでも、学校の役割は時代とともに変わりますから 変化に対応していくのは当然のことでもあります。 変化していく時代に対応した教育が無ければ 今を生きているこどもたちはそのギャップによって苦しむだけです。 リアルな現実に対応できる力を伸び育ててあげることこそ 本当に必要なことだとフジノは考えています。 その意味で、横須賀市が全国に先駆けて進めている 『キャリア教育』はとても重要で大切なことです。 3年前に坂本中学校と不入斗中学校の2校からスタートして 少しずつ市内の中学校へと広がっていっていますが(現在は9校です) 早く全中学校に導入していくべきです。 (ゆくゆくは、小・中・高校が連携してのキャリア教育の実行など 広がりとともに深化も同時に進めていかねばなりません) 実際、今日の授業を見るにつけても、 とても大切なことを生徒たちは学んでいると感じました。 人は人の数だけみんな違います。 義務教育の期間中は 学校に通って勉強をしなければなりませんが みんなが高校に行くから高校に行くということが 誰にとってもふさわしい訳ではありません。 むしろ、中学を卒業したらすぐに働きはじめる方が 個人の幸せにとってはマッチしている人もいます。 そうした1人1人の幸せな生き方へとつながっていかれるように 自分の人生の進路をミスマッチなものにしないためにも キャリア教育は本当に大切です。 ------------------------------------------------------ キャリア教育の授業時間が終わった後も学校に残って 教職員やPTAの方々から いろいろなお話をうかがうことができました。 ありがとうございます。 次は、7月におじゃまさせていただきます! 中間テストが終わった6月下旬には 生徒たちは実際に『職業体験』3日間に挑戦します。 次回フジノが訪れる時には、体験を通じて 生徒たちの表情はきっと変わっているでしょう。 とても楽しみです! *後日談:タウンニュース社がキャリア教育推進事業を報道してくれました。 (2010年6月4日・タウンニュースより引用) |
2010年5月27日(木)のフジノ | |
● 谷内六郎氏の遺族への、横須賀市長の回答書が発表されました 雑誌『週刊新潮』などで大きくとりあげられて 全国的な話題になっている 谷内六郎氏の遺族からの 「谷内作品を返却してほしい」という内容の通知書(5月11日付)に対して 横須賀市が出した回答書(5月25日付)が けさ9時すぎに全市議会議員あてに報告されました。 内容は、先日ひらかれた全員協議会での 市長の答弁にほぼ沿ったものになっていました。 その全文は、次のとおりです。 (PDFファイル版はこちらをご覧ください) ----------------------------------------------------------------- 回答書 拝復 このたび、平成22年5月11日付文書を拝見させていただきました。 ご遺族と横須賀市との間で、 過去から様々行き違いがありましたこと、大変、心苦しく思っております。 これまでの私の言動は、 横須賀市の議会軽視の姿勢や対応を指弾してきたもので ご遺族の方々を批判する意図はありませんでした。 アドバイザー報酬の更新を中止したことも 横須賀市の危機的な財政事情をなんとかしなければという 強い思いで行ったものです。 しかし、これらの出来事が、 ご遺族の皆様の心を深く傷つけたことにつきましては、 大変遺憾に思っております。 谷内六郎氏の作品は、中高年の方はもちろんのこと、 週刊新潮の表紙絵を知らない若い世代にも共感を与え、 世代を超えた人気を得ているものと認識しております。 谷内六郎館は、来館者の満足度が非常に高く、 横須賀美術館に必要な存在と考えております。 全国の、数多くの谷内六郎ファンのためにも、 今後とも谷内六郎館におきまして作品の展示を継続していきたいと考えております。 なお、貴翰は、作品の寄贈につき、 負担付き贈与契約の義務の不履行を原因として、作品の返還を請求されていますが、 横須賀市としては、本件寄贈は 負担を伴わない民法第549条に定める無償贈与であった と認識しておりますことを申し添えさせていただきます。 最後になりますが、6月4日にお訪ねし、 お考えを伺い、誠心誠意お話しさせていただきますので、 なにとぞご理解のほどよろしくお願い申し上げます。 敬具 通知人 横須賀市 上記代表者市長 吉田 雄人 被通知人 谷内達子氏代理人 弁護士 中村 幾一様 (引用おわり) ------------------------------------------------------ オブラートでつつんだような分かりにくい表現の文章ですが あえて一言でまとめると (1)これまで遺族を批判してきたことは無い (2)谷内六郎作品は横須賀美術館には必要である (3)だから、横須賀市は谷内六郎作品を返すつもりはない (4)しかし、美術館アドバイザー報酬を支払いは廃止する (5)何故なら、作品は「無償」で提供されたのだから (6)詳しくは、6月4日に訪問するので話し合いたい こんな6点になるのではないでしょうか。 フジノは「(2)谷内六郎作品は横須賀美術館に必要である」を除いて (1)から(6)について、横須賀市の『回答書』を支持します。 そもそも美術館建設への反対運動は、 ハコモノ行政によって財政危機におちいった横須賀市を 正しい方向へたてなおすのが目的でした。 芸術家やその作品を批判するつもりは全くありません。 今の財政状況の中で、人のいのちと暮らしを守る政策こそが最優先であって ハコモノを作っている場合では無い、というのが反対運動の訴えです。 6月4日の遺族との話し合いでは、 吉田市長は絶対に妥協しないでほしいです。 ● 予想どおりの数字/美術館、2年連続の観覧者ダウン けさの神奈川新聞では、『横須賀美術館・観覧者2年連続減少』との記事が 大きく出ていました。 そもそも目標である『10万人』が達成されたとしても 3億5000万円の赤字を垂れ流す美術館ですが 昨年度はついに 10万人も下回りました。 (2010年5月27日・神奈川新聞より) フジノにとっては何も驚くことはありませんでした。 市民のみなさまにとっても 全く『予想通り』の数字だったのではないでしょうか。 企画展を見直したり、広報方法を見直したりしていく、 という担当者のインタビューが載っていますが 問題はそこではない、とフジノは断言します。 |
2010年5月26日(水)のフジノ |
● 『わが家の母はビョーキです2〜家族の絆編〜』が出ました! 今日、中村ユキさん(マンガ家)が できたてほやほやの最新作を フジノ事務所に送ってきてくださいました。 (ありがとうございます!) でも、フジノは新作が出るのをずっと待っていましたので 発売日(おとといです)すぐに本屋さんで買いましたよ〜! ● みなさま、中村ユキさんのベストセラー『わが家の母はビョーキです』の 『続編』がついに出版されました。 『わが家の母はビョーキです2〜家族の絆編〜』です! とってもリアルで、切なくて、涙がこぼれて、 でも、読み終えた後には笑顔になることができる本です。 精神障がいのある方のご家族ならば 誰もがページをめくるたびに 「ああ、分かるなあ」「そう、そうなの!」 と、共感することばっかりのはずです。 精神障がいのある本人も同じように 共感することがたくさんあるはずです。 つまり、この本で描かれている中村ユキさんの体験というのは 精神障がいのある方とその家族にとっては 本当によくある『ふつうの体験』なのです。 でも、その『ふつうの体験』が描かれることは これまでありませんでした。 そんな画期的な本が前作でした。 さらに続編では、 「一番大切な人だから、一番大切なことを話せなかった...」 というキャッチフレーズがまさにぴったりな 切ない、でも率直な日々の想いが描かれています。 精神障がいに限らないことなのですが、 自分自身が自分自身に対して内側に偏見を抱えているということが たくさんあります。 家族もまた同じです。 ユキさんがお母さんのことを大好きだからこそ 新しく夫として家族になったタキさんに お母さんの病気の症状をなかなか素直に話すことができなかった。 話したら、嫌われてしまうかもしれないから。 と悩み続けるその姿は 多くの方が深い共感を覚えるはずです。 (同時に、タキさんの優しさによって 新たな家族の絆が生まれて深まっていく姿には感動!) また、前作に続いてこの本が素晴らしいのは 統合失調症の症状の激しい部分が出てしまった時の 状況も率直に描かれていることです。 例えば、ユキさんのお母さんが体調が悪くなってしまった時に、 攻撃的になったり、包丁を持ち出したり、ということも ふつうに出てきます。 精神保健福祉の業界の内側にいる方々からも 前作を読んだ後で 「そういう症状を描くと、むしろ偏見が増すからダメ!」 という意見がありました。 でも、それは逆効果だとフジノは考えています。 隠してはいけないと信じています。 それもまた現実の姿なのです。 大切なことは、何故そんな行動を取らざるを得ないかという 正しい知識が広くたくさんの人々に知られることなのです。 統合失調症をはじめとする精神疾患の症状によって 自分自身が本当に苦しい状況に追い込まれて 結果として、自分を傷つけてしまったり。 結果として、他人を傷つけてしまったり。 それは変質者による了解不能な行動とは 完全に違うのです。 フジノが言葉で説明するよりも、 何よりも中村ユキさんのこの本を読んでいただけば その違いはみなさまに理解していただけると信じています。 そして、正しい知識にもとづいた理解があれば 誰も傷つくことは無いということも、フジノは確信しています。 ぜひ読んでみてください! ---------------------------------------------- 中村ユキさんは1年前にカフェトークに来て下さったのですが その後、いくつかの大切な接点があることが分かりました。 ・中村さんの本の編集者さんと フジノは何年も前からの大切な知りあいの方でした。 ・中村さんの友達Aくんは、フジノの高校時代からの親友でした。 すごい偶然! もともと中村さんとフジノは同世代ということもあって 強いシンパシィを感じているのですが こうした接点=つながりによって さらに親近感を抱くようになりました。 ある雑誌では同じ号に 2人がそれぞれで載ることもできて 素晴らしい活動をしている同世代の存在には 本当にいつも励まされます。 中村ユキさん、これからもどうか素晴らしいご活躍を! |
2010年5月21日(金)のフジノ | |
● 税金は誰のものなのか? 今日は、『全員協議会』がありました。 フジノも吉田市長への質疑を行いました。 (その全文はこちらです) 質問と答弁の両方をあわせて『10分間』という短さでしたが フジノは吉田市長に対して次の4点を訴えました。 1.そもそも美術館建設の反対は、財政危機への観点から行なったもので 市民のみなさまの暮らしを守る為に不可欠なこと 2.その上で『美術館アドバイザー報酬の廃止』は、 吉田市長の重要な選挙公約だから絶対に守るべきこと 3.『美術館アドバイザー報酬の廃止』は、市議会も予算案を成立させた決定事項だから 絶対に復活させてはいけないこと 4.そもそも美術館には10万人程度しか入場者がおらず 谷内六郎作品も横須賀市への経済効果は大して無いという事実をしっかり見据えて 経営感覚はドライに持ってほしいこと 吉田市長は、アドバイザー報酬の復活はしない、と答弁したものの、 協力への報酬は支払う意図がある、と答弁しました。 この答弁を聴いてのフジノの結論は 『支払う金額が減るだけで、結局、吉田市長は選挙公約を破った』 というものです。 美術館建設を賛成した人にも反対した人にも、 どちらにも全く受け容れられない八方美人な妥協策だと怒りを覚えました。 フジノは、沢田元市長にも蒲谷前市長にも全く同じ怒りを感じてきました。 7年の間に3人も市長が替わりましたが、ずっと同じ主張を繰り返してきました。 かつての改革の同志が市長になったのに、 何故この怒りが消えないままなのか、空しくてたまりません。 政治家である僕がこんな絶望感を抱いていたら、 市民のみなさまの失われた希望はどれほど大きいものか、はかりしれません。 残念でたまりません。 (2010年5月22日・神奈川新聞より) |