議会では、こんなやりとりしています


2004年3月・予算議会での質問




















 藤野 英明です。よろしくお願いします。

 発言時間の都合から発言通告書の
 質問4(1)イウを省略します。

 
 まず、いきいきとした交流が広がるまちについて、質問します。

 施政方針演説で市長は、
 都市間競争を勝ち抜いていくためには
 都市の持つ『ソフトパワー』こそ重視すべきだと述べましたが、
 僕も全く同感です。

 さて、ソフトパワーを重視するならば
 2年前に始めたフィルムコミッション事業に
 さらに注目すべきです。
 何故ならば、費用対効果がとても高いからです。

 フィルムコミッションとは、映画・テレビなどの撮影のために
 あらゆる協力をしていくというものですが、その対価として
 次の4つの大きな効果が得られます。

 1.製作スタッフやキャストの滞在による経済効果

 2.作品の宣伝効果によって、
   観光などの交流人口の増加が得られる

 3.パブリシティによる宣伝効果を金額換算すると
   数億円にものぼる価値がある

 4.映像に映し出されるわがまちの姿を見て
   市民はこのまちに強い愛情と誇りを抱くようになる

 効果1と2はよく知られています。

 例えば、映画『ローマの休日』が存在しなければ
 ローマは観光地としてあれだけ発展したでしょうか。
 全世界から今もローマに観光客が訪れるのは、
 あの映画があったから。
 つまり、ソフトパワーによって
 すさまじい交流人口の増加が起こったのです。

 けれども、横須賀市では
 この事業の本当の価値である、効果3と4が
 やや過小評価されているように感じています。

 横須賀市のフィルムコミッションは好評で
 毎日数件の問い合わせがあり、実績も多く、
 映画やテレビなどで
 横須賀の風景が毎日のように流れています。

 さて市長はこの横須賀の映像を
 金額換算したことはありますか。
 同じ量だけの映像をコマーシャル枠として買い取ったとしたら
 一体いくらかかるのか、
 金額換算してみたことはあるでしょうか?

 こういったパブリシティ効果を測定してみると
 わずか390万円の予算で行われているこの事業は、
 実は、数億円もの価値を生み出しているのです。

 市の全ての事業の中で
 投下した資本がわずかであるにもかかわらず
 これだけ大きな価値を生み出している
 経済性の高い事業は他には無いはずです。

 また、全世界にわがまちの風景が広く知れ渡る
 という宣伝効果と同時に
 市民にとっては、自分のまちへの誇りが高まるという
 大きなメリットがあります。

 この意味において、ソフトパワーを重視するなら
 フィルムコミッションに力を入れなければなりません。

 そこで1つ目の提案です。過去2年間は、
 事業を軌道に乗せるための時期であったと思いますが、
 これからは、広く市内外に
 活動を知らせていくべきではないかと思います。
 フォーラムなどの形式で
 どういう映画のどんなシーンが横須賀で撮影されたか
 いかに横須賀というソフトが映像業界で愛されているかを
 広く市民に告知していくべきだと思います。

 2つ目の提案としては、市民エキストラ登録制度の導入です。
 製作者側からエキストラの依頼があった場合に、
 登録された市民エキストラを紹介できる、
 そういう仕組みをつくるべきではないか、と提案いたします。

 市民のみなさんには公認のエキストラ会員証を配布してあげて、
 撮影があった時には率先して参加していただくのです。

 映像の中に映るふるさとを目にすることで、
 さらにその映像の中に
 自分自身が映し出されていることを目にすることで
 このまちに暮らす人々はこのまちにさらに誇りを持つでしょう。

 フィルムコミッションについて
 この2点をお答えください。




 
























 次に、海と緑を生かした活気あふれるまち、についてです。

 これからの都市に求められるものは
 ハコモノなどのハードパワーではなくソフトパワーならば
 横須賀市の持つ最大のソフトとは何か。

 それは、美しい海や緑などの自然環境に恵まれていることです。

 フィルムコミッションが好評なのが、まさにその証拠です。
 恵まれた自然があるからこそ、横須賀は愛されているのです。

 その想いは、市民にとっても同じです。
 最新の『まちづくり市民アンケート』でも
 横須賀の魅力として「海や緑などの自然環境」と答えた人々は
 77.6%でダントツの1位でした。

 また、横須賀市で暮らすのをやめるとしたら
 どんなことがきっかけになりますか、という質問に対しても
 「自然環境が今よりも豊かでなくなった時」という答えが
 53.8%でやはり1位になっています。

 市長が言うような『自虐主義』はこのまちには存在しません。
 市民にとって、自然環境のすばらしさこそが横須賀らしさであり
 このまちのアイデンティティであり、誇りを持っている
 横須賀市最大の魅力かつ、わがまちのソフトパワーなのです。

 この観点に立った時に、果たして東京湾口道路という計画は
 市民にとって受け入れられるものでしょうか。

 横須賀から千葉県の富津まで17kmにわたって
 橋をかける、あるいはトンネルを作る、という計画です。

 東京湾に残された自然の宝庫である三浦半島から
 海に巨大な橋をかけて千葉まで道路をつくる
 ハードパワーの象徴のようなこの計画は、
 金田湾沖第三空港の計画と同じように
 このまちを愛する人々からは強く拒否されるものだと
 僕は考えています。

 過去の議事録から、市長が東京湾口道路を推進したい理由は
 分かりました。防災や交通量の面などの観点からの
 必要性を市長はこれまで語ってきました。

 そこで今回の質問では、
 この計画を市民が喜んで受け入れるかどうか、
 海に代表される自然環境をこそ大切に考えている市民にとって
 果たしてこの計画は受け入れられるものかどうか、
 その観点から、市長は市民の想いをどうお考えかを
 お聞かせください。




































 個性豊かな人と文化が育つまちについて、質問します。
 来年度予算を見ると、学童クラブへの助成の充実ということで
 月額家賃2分の1補助の上限が
 5万円から10万円に拡充される、とあります。

 しかし、これを市内の学童クラブにあてはめてみると
 該当するのはわずか4ヶ所しかありません。

 民間の建物を借りて運営している学童クラブは
 どこもみな可能な限り安い家賃の物件を探して
 運営しているからです。

 助成が拡充されたというと聞こえは良いのですが
 実際は4ヶ所しか該当しないような補助をもって
 助成を拡充したというのは、
 重点課題への取組みとは思えません。

 むしろ、家賃の補助率を2分の1から3分の2にひき上げて
 学校施設利用のクラブとの不公平感を減らす。

 あるいは、新しく学童クラブを設立する際に
 10人からでなければ設立時補助が受けられなかったものを
 5人からでも良いと変更する。言うならば『小規模加算』によって
 学童クラブをつくりやすくする。
 あるいは、障がいを持つ子どもに対して
 指導員を増員した場合の『障がい児加算』が
 年額71万円ありますが、これでは
 指導員1人の最低賃金分にもならないので、
 指導員を増やせず、結局障がいを持つ子どもの受け入れには
 つながっていない現状があります。
 こういったところに思い切った助成をしてはいかがでしょうか。

 あるいは、現在は
 1人親家庭が学童クラブを利用したい場合には
 各学童クラブが自主的に利用料金を減額したりしていますが
 この減額部分の補助をおこなっていくことで
 心理的経済的に追いつめられやすい1人親家庭にも
 利用可能なケースが増えていきます。

 こういったより切実なニーズへの
 的確な補助をおこなうべきではないでしょうか。

 何でも補助すれば良いという考えには僕は反対なのですが
 投資に対する効果が見込まれる事業であれば
 積極的に補助をおこなうべきだと思います。
 その意味で、少子化社会である現在の日本では
 子どもに対して投資を行なうことは
 それに見合った効果が必ず得られるはずです。
 ぜひ市長の見解をお聞かせ下さい。




























 次に、健康でやさしい心のふれあうまちについて
 高齢者福祉の分野から『介護サービス評価書』
 インターネット上の公開について質問をします。

 現在、横須賀市では、
 介護保険のサービスを行っている事業者に
 アンケートを送って回答してもらい、
 サービス評価書を作成しています。

 この狙いは、利用者が自己決定で事業者を選べるようにする、
 その判断材料の1つを提供することです。

 市長はかねてから、事業者サービスを選ぶ際に
 ミシュランのように見ることができたら良いのにと
 おっしゃっていると聞いたことがありますが
 その想いにはまさに同感です。

 その想いを実現する手段の1つとして
 『介護サービス評価書』があるのだと僕は受け止めています。

 しかしながら、この評価書は紙ベースによって公開されており、
 その量はとても莫大なものとなります。
 また、紙情報ですから、それが置いてある場所へ
 行かなければ見ることができません。

 また、高齢者ご自身は市内に住んでいても
 介護をしているご家族は市外に住んでいる場合も
 たくさんあります。

 そんな時に、市外に住んでいるご家族であっても
 必要な情報にいつでもアクセスすることができるようでなければ
 いけません。

 これらの問題点を解消して、
 さらにより良いサービスを受けられるためにも
 介護サービス評価書をインターネットのHP上で公開をして、
 検索機能などをつけて情報を取り出しやすくして、
 「誰もが見たい時に必要な情報を取り出せる」
 という方法にしてはいかがでしょうか。


















 『成年後見制度』への理解を広める施策について質問です。

 成年後見制度は、高齢者をはじめ、
 障がいを持つ方々にとって、とても大切な制度です。
 また横須賀市では、他都市に先駆けて
 市長申し立ての制度も導入されており
 この制度の重要性は
 市長も十分に理解されていることと思います。

 現在、横須賀市では長寿社会課の窓口業務を中心にして
 制度の周知が行われており、
 切実に必要な方へピンポイントで制度を案内している、
 という意味ではとても有効だと思います。

 しかしながら、高齢者を狙った『おれおれ詐欺』のような犯罪が
 これほどまでに広まる社会状況を見るにつけても
 成年後見制度の仕組みや有効性を
 よりたくさんの方々に知ってもらい
 利用してもらうことが必要だと僕は思います。

 この意味で
 成年後見制度については
 もっともっと広く周知される必要がある
と僕は考えるのですが

 広報よこすかでの紹介や、講演会など、より広く
 成年後見制度を知ってもらうための施策の必要性について
 市長はどのようにお考えでしょうか。お聞かせください。

























 『うつ対策推進』への横須賀市の取組みについて
 市長をはじめ、関係各部に質問です。

 厚生労働省は今年1月に、
 うつ病対策推進の市町村向けマニュアルを発行しました。

 これを読むと、現在、うつ病にどれほど多くの人がかかっていて
 どれほど深刻な問題であり、
 早く対策をとらねばならないかが理解できます。

 国内の調査結果によると、
 一般住民の15人に1人がこれまでうつ病を経験している。
 また15人に1人がかかるほどの病気なのに、
 このうち4分の3は医療を受けていなかった。

 また、世界的に見ても、WHOによると
 うつ病は、2000年では総疾病の第4位であり
 さらに2020年には第2位になると予測されています。

 このように、うつ病は世界的に大きな健康課題であり、
 ガンなどと同様に、国全体をあげてとりくむべき問題ですが
 厚生労働省は市町村に対して
 うつ対策への大きな役割を担うことを期待して
 次のように述べています。

 「うつ病に関する住民のニーズは隠れていて、
  行政の立場からは見えにくい。
  しかし、実際は、住民はうつ対策について潜在的に
  高い関心とニーズを持っていることを認識しておくべきである」

 「市町村がうつ病を優先順位の高い住民の健康問題として、
  その対策に積極的に取り組んでいる姿勢を
  示すことが必要である」

 そこで、横須賀市では『うつ対策推進』のために
 現在どのようなことを行なっていて、
 さらに今後はどのようなことを行なっていくべきだと
 考えているかをお聞きしたいと思います。

 ただ、自殺の問題もうつ病の問題も
 担当部署は保健所だけではいけません。
 啓発活動1つをとっても、
 多くの事業との連携によって行なうべきです。

 正しい理解・気づき、キュア、ケア、の3つの段階ごとの対応や
 地域の実態把握、住民の意識調査、庁内の組織づくり、
 地域の関係者も含む検討協議会の設置、など
 厚生労働省はいくつも提言していますが
 市として、今後うつ対策にどのような取組みを行なっていくのか、
 お答えください。































 次に、精神障がいを持つ方々のための作業所について
 『費用対効果』の視点から質問します。

 今回市長が作業所設立への補助を見送った最大の理由は、
 これが県との協調事業であり、
 もしも協調事業を市単独で行なってしまえば
 今後2度と県からの補助はなされない、
 そういう危惧があったと思います。

 けれども、マクロの視点から考えれば
 財政回復の見込みが分からない県の動向を追うことはやめて、
 市単独で行なってもかまわない、と言うことができます。

 例えば、このようなデータがあります。
 沖縄県西原町の保健所では
 作業デイケア(まち資源ごみ分別作業)を行っています。

 ここでは開設して1年が経つと、
 通所している人々の医療費が下がりました。1年経過後には、
 1人あたり平均53万円も医療費が下がったのです。

 作業所には単に居場所としての機能や
 働く場の確保としてだけでなく、リハビリテーションの効果があり
 その結果、医療費が下がるという変化が起こったわけです。

 さて、横須賀市に話を戻して、今回の予算要求の段階では、
 ランクA、つまり20名以上の作業所が予定されていたそうです。
 補助金額は約1300万円です。

 仮に作業所がたちあげられたとして、
 先ほどのデータをあてはめれば、20名かける50万円ですから、
 1年間で1000万円の医療費低下が見込まれます。

 就労する人も出るはずなので
 さらなる医療費の低下がみこまれます。

 1300万円の補助金を出して作業所を作ったとしても
 医療費は1000万円近く下げることができるわけです。
 コストをかけてもリターンが大きければ
 それは有効なお金の使い方です。

 あるいは、国保のレセプトによると、
 精神障がいを持つ方々の入院費用は
 平均して1人当たり年間400万円くらいかかっています。
 ならば、精神障がいを持つ方を少なくとも3人以上を
 退院して地域で暮らしていけるような地域福祉体制を
 作り上げれば良いのです。

 以上のデータから、改めて市長に質問します。
 意欲のある方々から作業所設立の意思表示があった時には
 『意思の力』を持って
 市単独でも作業所の設立補助を行なうべきではありませんか?




















  さて、次に提案したいのは、経済部による経営指導です。

 これまで授産施設や作業所は
 ご家族の手によって立ち上げられて
 必死な努力によって運営されてきました。
 したがって経営センスや市場主義という
 『企業』には当たり前にあるべきものがありません。

 しかし、福祉も経営の時代です。
 居場所を確保するためだけの作業所もありですが、
 そこに通う人々のお給料が
 ひとつきで1万円にも満たないような状況は
 できるかぎり改善されなければいけないはずです。

 実際に、全国でもそのような動きが広がっており
 ヤマト運輸会長だった小倉昌男さんは
 作業所職員を対象に
 経営のセンスを教えるセミナーを開いたりしています。

 そうして、売り上げが高くなり、
 お給料が10万円はもらえるような、
 新しい作業所が生まれてきています。

 そこで提案したいのは、経済部の中小企業への経営相談の場で
 作業所を零細企業に見立てて
 経営相談をしていただけないか、ということなのです。

 経営のノウハウを最も持っている経済部であれば
 マーケティングやコスト感覚などの経営意識を作業所に対して
 持ってもらう指導ができるはずなのです。

 これまでは福祉=健康福祉部、と考えられてきましたが
 複合的なアプローチによって、
 障がいを持たない人々と同じように
 働いて収入を得られるようになることが必要だと思います。

 この点についてどのようにお考えか、お聞かせください。?














使



















 安全で快適に暮らせるまちについて質問をします。

 来年度、『横須賀市民便利帖』の英語版を作成しますが
 日本語を日常会話で使用しない人々が
 たくさん暮らしている横須賀市ですから
 これはとても素晴らしい事業だと思います。

 さて、外国人の方々にとっては
 これによって切実な情報を得られるようになり
 暮らしの中での困難を回避できるようになるはずですが
 今回は医療を受ける際の
 『言葉の問題』について質問をしたいと思います。

 英語圏の外国人の方々の受診に関しては
 市民病院もうわまち病院もドクターや医療スタッフに
 英語を話せる方々が多数いることから問題は特にありません。

 ただ、今回僕が触れたいのは
 アジア圏の外国人の方々についてです。

 横浜や川崎と同様に横須賀市でも、
 アジア系の外国人が
 アパートの1つの部屋に何人も住んでいるといったことが
 報告されたりしています。

 中にはオーバーステイをしている人々もおり、
 見つかることを恐れて医療を受けない人々もいるそうです。
 また金銭的な問題もあって受診を避ける人々もいるそうです。

 しかし、人道的な観点に立った場合、
 もしも彼らが医療を必要とした場合には、
 それを提供できなければならないと僕は思います。

 その際には、言葉の壁にぶつからずに
 適切な医療を受けることができる体制が現在はあるでしょうか。

 消防局の救急では市外のセンターとの電話連絡によって
 いくつもの言語に対応できるしくみがあります。

 しかし、三春町の救急医療センター
 市民病院うわまち病院では
 アジア圏の言語についてのフォロー体制は
 特に無いということでした。

 僕は通訳を常時用意すべきというような
 高いコストで低い効果な事業をしろと言っているのでは
 ありません。

 例えば、国際交流協会には
 登録されているボランティアがたくさんいて
 多言語に対応できるしくみがあるそうです。

 この国際交流協会とあらかじめ提携して
 緊急時には通訳として電話対応していただくような
 何らかの仕組みを作っておくべきではないでしょうか。

 これによって、安全で快適に暮らせるまちへと
 また一歩近づけるのではないかと思うのです。

 市長はこの点について
 どのようにお考えでしょうか。



10














 市民協働によるまちづくりの推進について、質問をします。

 市民と行政と政治が1つにならなければ
 本当のまちづくりをすすめることはできません。
 そこで、住民投票制度の策定について市長に質問します。

 僕たち議員も市長も、4年間に1度の選挙で選ばれ、
 市民からの委託をうけて活動をしています。

 しかし、4年間に1度という時間の単位では
 個別の問題には民意が
 必ずしも反映しきれないという現象が起こります。

 そのような短所を解決する手段として
 現在、行なわれているのが、委員会への市民公募であったり、
 ボイスバンクであったり、パブリックコメントなどです。

 しかし、それらはあくまでも施策の策定過程に
 市民の一部が参加するという制度に過ぎません。

 施策に対して、市民の賛否を
 最も的確に表すことができるのが
 住民投票制度だと僕は思います。

 川崎市では、市長みずから
 住民投票制度の策定を公約にかかげています。

 この制度の策定によって、
 市民による自治がより深まるはずですが
 横須賀市長としては住民投票制度の策定について
 いかがお考えでしょうか。



11


















 効率的な都市経営をすすめていくために、
 2つの提案をしたいと思います。

 まず、横須賀市の財政状況について
 民間企業のIR的手法による
 情報公開をしていくべきではないか。

 市民とは顧客であり、生産者であり、株主である、
 という市長の認識には僕も完全に同意します。

 そんな自治体経営という観点に立つと
 ステークホルダーである市民のみなさんに対して、
 現状では財政状態の情報開示が弱いのではないかと思います。

 例えば、市のHPで
 IRページにあたるコーナーを見てみると
 現在は、市長の施政方針演説を原文のまま掲載しているだけ。
 財務情報については
 『総務省のガイドライン』にもとづいてつくられた
 財務諸表を掲載しているだけの状態です。

 これだけではあまりにも分かりにくく
 市民のみなさんには全く理解できない内容になっています。
 これを徹底的に分かりやすく作り直すべきではないでしょうか。
 企業で言うところの『トップインタビュー』にあたる
 市長みずから財政を分析し今後の方針について
 ステークホルダーに語るコーナーをはじめ
 主な経営指標の推移、経営効率化の現況、
 長期ビジョン、中期経営計画、市債発行状況など
 このまちのこれまでと現状と今後についての取組みを
 より分かりやすい言葉で
 より積極的に情報開示していくのです。

 そうして初めてステークホルダーである市民のみなさんは
 顧客として、生産者として、株主として
 横須賀市について判断することができるのです。
 また、受益と負担の関係についても
 正確な判断ができるようになるはずです。
 正確な理解がなされれば、
 市の経営についても協力がえられるはずです。

 以上のことから、より積極的な財政の情報公開を
 民間企業のIR的手法にもとづいて行なっていくべきではないか
 と思います。

 市長の見解をお聞かせください。


 (→市長の答弁へ)


                   



12

















 さて、IR活動を行なうためには、そもそも財政状況を
 より分かりやすく説明できる財務諸表が必要です。

 現在、横須賀市の財務諸表は、総務省から出された
 『貸借対照表および行政コスト計算書作成に係るガイドライン』
 に基づいて作られていますが
 総務省方式では実用性が低く、財政改革にむすびつかず、
 アカウンタビリティも果たせないと僕は思います。

 特に、現在の『行政コスト計算書』
 行政費目別なので、実際のサービスとの対応関係がありません。

 市民は当然ながら、市の職員も、これを見て、
 ある施設やあるサービスについて
 コストとしての実感はわいてきません。

 本当に市民に、コストについて深い理解を求めるならば、
 あるいは財政運営上の判断根拠になる数字を得たいならば
 全ての事業、サービス別・施設別のコスト計算を行なうべきです。

 総務省方式では足りない点をうめるために、
 すでに東京都をはじめ、いくつもの市町村で導入されているのが
 『事業別コスト計算書』です。
 この『事業別コスト計算書』の導入を、僕は提案します。

 例えば、宮城県桃生町(ものうまち)では、
 100以上ある事業すべてのコストを記した
 『事業別コスト計算書』を作成しています。

 自治体が提供している全ての事業について
 コストの把握とその活用を目的にした
 行政コスト計算書をつくることで、
 経営目標をより明確化することもできます。

 住民にとっては、
 身近なサービスがいくらで運営されているのか、
 保育園・小中学校・図書館・体育館などに
 どれほどコストがかかっているのか、
 とても理解しやすくなります。
 サービスのコストを
 わかりやすく伝えて住民に理解してもらうことで
 住民の側からも費用対効果を判断してもらえるようになります。

 また、市の職員や市議会も、
 高いコスト意識をもてるようになります。

 より効率的な都市経営をすすめるためには
 この事業別コスト計算書の導入が必要だと思いますが
 市長はどのようにお考えですか。

 (→市長の答弁へ)


 以上12点について、市長の回答をお願いします。
 これで1問目を終了します。ありがとうございました。


フジノの質問に対して
市長の答えはいかに!?


(市長の回答は、後日に掲載します)

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