2008年予算月議会 本会議(3月3日)、市長・教育長からの答弁 | |
本 市 の 見 解 差 別 を 正 当 化 す る 理 由 は 全 く 無 い |
(市長の答弁) 次に、性的マイノリティーの方々への支援について 何点かにわたりお尋ねがございました。 まず、性的マイノリティーに対する本市の見解について お尋ねがございました。 いわゆる性的マイノリティーと呼ばれる人々が これまで深い悩みを抱えてこられたことや、 普通でないとして 社会的に偏見や差別、蔑視を受けてきたことは承知をしております。 しかし、差別を正当化する理由は見出すことができません。 性的少数者であることをもって これらの人々を差別することは、 憲法14条に定められている法のもとの平等に反する行為であり、 あってはならないことであると考えております。 次に、性的マイノリティーに対する差別・偏見などの 実態把握等につきましては、市民部長から答弁をいたします。 (→市長の答弁に対するフジノの再質問) |
差 別 ・ 偏 見 な ど の 実 態 は 把 握 で き て い な い の が 実 情 |
(市民部長の答弁) 性的マイノリティーの方々に対する 差別・偏見・社会的不利益などの実態を把握しているか、 またその人権を保障するために 本市はこれまでどのような方針で臨んできたのか の御質問でございます。 これまで保健所窓口や人権相談において、 性的マイノリティーに関する問題で相談を受けた実績がなく、 その実態を把握できていないのが実情でございます。 しかし、市民の抱えるさまざまな問題について、 できる限り解決に向けたアドバイス等ができるよう、 心の問題につきましては保健所で、 人権の擁護に関する相談については人権相談で 受け付けるなどの体制をとっております。 また、複合的な問題につきましては、それぞれの相談窓口の連携を図っており、 今後さらに強化したいと考えております。 |
人 権 施 策 推 進 指 針 の 中 に 人 権 課 題 と し て 位 置 づ け る |
(市長の答弁) 同じく性的マイノリティーの方への支援に関して、 来年度に(仮称)人権施策推進指針の策定を行うが、 性的マイノリティーも人権課題としてその中に位置づけていくかどうか というお尋ねでございます。 (仮称)人権施策推進指針では、 女性、子ども、高齢者、障害者、外国籍市民など、 個別の人権課題ごとに 人権施策の基本的な方向性を示したいと考えております。 その中で性的マイノリティーの方々の人権についても 取り上げたいと考えております。 次の性的マイノリティーの方々に対する相談窓口の必要性等については 市民部長から答弁をいたします。 また、性的マイノリティーに対する 学校教育での取り組みにつきましては、教育長から答弁をいたします。 私からは以上でございます。 (→市長の答弁に対するフジノの再質問) |
専 門 相 談 窓 口 は 無 い が 各 相 談 窓 口 間 の 連 携 を 深 め る |
(市民部長の答弁) 次に、人権課題としても、自殺予防の観点からも、 正しい知識を持った身近な相談窓口が必要ではないか 等の御質問でございます。 本市ではこれまで性的マイノリティーのための 専門の相談窓口は設けておりません。 しかし、ただいま答弁させていただきましたように この問題に限らず、 市民の抱えるさまざまな問題について できる限り解決に向けたアドバイス等ができるよう、 心の問題の相談については保健所で、 人権の擁護に関する相談については人権相談で 受け付けるなどの体制をとっております。 (仮称)横須賀市人権施策推進指針の策定に当たりましては、 自殺対策に限らず、さまざまな問題の解決に向けて、 各窓口の連携の実効性がより高まるよう、 心を砕いてまいりたいと考えております。 以上でございます。 (→市長の答弁に対するフジノの再質問) |
教 育 委 員 会 は 重 要 な こ と と 認 識 し て い る 研 修 会 等 を 実 施 す る |
(教育長からの答弁) 性的マイノリティーの方々に対する 本市の学校教育における取り組みはどのようなものか、 また正しい知識を与えられているのかのお尋ねがございました。 各学校では、道徳の時間や学校教育活動全体の中で、 一人一人の違いを個性と考え、 お互いを認め合えるよう、 あわせて自分自身を大切にできるよう、 包括的な指導を行っております。 性的マイノリティについては 小・中学校では児童・生徒に具体的な知識として教えておりませんが 性的マイノリティーを含め、さまざまな事柄について 子どもたちや保護者が悩みを一人で抱えないように、 スクールカウンセラー、臨床心理士や養護教諭等が連携し、 関係機関も含め、相談しやすい体制をつくっております。 教育委員会といたしましては、 性的マイノリティに関する指導は重要なことと認識しておりますので、 今後、教員の研修会等を実施し、 教育現場において 子どもたちが不適切な扱いを受けることのないよう努めてまいります。 (→教育長の答弁に対するフジノの再質問) |
教 育 委 員 会 は 継 続 的 に 取 り 組 み べ き 課 題 と 認 識 |
(教育長からの答弁) 次に、美術館における 視覚障がいのある方々への鑑賞・体験を保障する 取り組みの現状はどのようなものかについてでございます。 視覚障がいのある方々への 美術作品への鑑賞・体験方策については、 開館前から 教育普及専門委員との協働作業や 養護学校との交流などを通じ、 ノウハウの蓄積、学芸員のスキルアップを図っており、 継続的に取り組んでいく課題の1つであるととらえています。 美術館では、視覚障害のある方々に対しては、 現在、学芸員による対話によって 作品を鑑賞する方法で対応をさせていただいております。 平成19年度には視覚障がいの方々のための 美術品鑑賞を研究する専門家による講演会を開催し、 今後どのように取り組んでいくべきかお話をしていただきました。 |
触 図 な ど の 展 示 は 調 査 研 究 を 進 め て い る |
(教育長からの答弁) 次に、視覚障がいのある方々の鑑賞・体験のための 今後の取り組みについてのお尋ねがございました。 視覚障がいのある方と接してきた経験から、 障がいの程度に応じて 解説の仕方を変える必要があることがわかってきました。 そのため、音声ガイドだけでは 視覚障がいのある方々への有効な方策にはなりにくい と認識しており、 学芸員のスキルアップに努め、 対話による鑑賞を充実させています。 美術作品に触れることにより鑑賞できる展示につきましては、 鑑賞者の安全対策を含め、 どのような展示作品を用意すべきか、 そのやり方、解説などの実施方法について 調査研究を進めております。 調査研究に当たっては、 議員御指摘の団体に対する情報交換を含め、幅広く実施をしております。 平成20年度には、 視覚障がいの鑑賞の可能性を探ることを目的とした ワークショップ「手で見る造形と鑑賞」を実施する予定です。 これらを通じ、鑑賞される方のニーズ、立場に立った 取り組みをさらに進めてまいります。 |
対 話 に よ る 学 習 す る 方 法 で 対 応 |
(教育長からの答弁) 次に、自然・人文博物館諸施設での 視覚障がいのある方々の学習を保障する取り組みの現状は どのようなものかのお尋ねがございました。 自然・人文博物館諸施設では、視覚障がいのある方々に対しては 現在、対話によって学習する方法により対応をさせていただいております。 具体的には、視覚障がいのある方々のニーズを 直接学芸員等がお聞きし、 例えば特定の鳥についてお知りになりたいということであれば、 その鳥の標本や模型をさわっていただきながら、 鳴き声をテープで聞いていただき、 学芸員がその鳥について解説をするという方法により 対応させていただいております。 |
当 事 者 の 方 々 と 協 議 を 重 ね て い く |
(教育長からの答弁) 博物館諸施設での視覚障がいのある方々の学習を保障するための 今後の取り組みについてのお尋ねがございました。 視覚障がいのある方々がさわることのできる標本・模型や 鳥獣等の鳴き声、スチームハンマーその他の機械類の稼働音など、 音声資料を充実させるとともに、 視覚障がいのある方々と協議を重ねながら、 何が実施できるか研究したいと考えております。 視覚障がいのある方々にとっても 利用しやすい博物館となるよう、さらに努力してまいります。 以上でございます。 |