まちの政治家は、こんなことしてます


2009年11月26日(木)のフジノその1
● 明日、市議の給与&ボーナスのダウンが決りますが...

 今日は、議会運営委員会が行なわれました。
 明日の本会議についての話し合いです。

 この話し合いでフジノが注目していたのは、

 『市議会議員の給与カットとボーナスカットについて』

 です。

 以前の活動日記に書いた通り、

 『特別職報酬等審議会』の答申において
 市議会議員に対しても給与カットが求められていました

 市議会議員の給与をダウンするには
 条例を改正しなければいけません。

 答申どおりに条例改正を提案するかどうか、
 それを決めるのが今日の議会運営委員会だったのですね。

 結果から書けば
 『給与はダウンする』ことが決りました。

 来年4月から、月額2.5%のカットです。

 これ自体は、市議の給与をカットすべきという
 フジノの信念の通りなので良かったのですが...。

 なんと、『ボーナスのカット』で意見が割れたのでした。

 議会の多数派は
 ボーナスは今年12月分のみダウンする、としたのです。

 同じく明日の議会で提案される
 市長・副市長・教育長・市職員らのボーナスについては

 景気が回復するなどによって何年後かに再び見直しされるまでは
 当分の間、ずっとカットされ続けるのです。

 それなのに、市議会議員だけが今年12月分のみカットなんて
 あまりにもおかしすぎます!


 下の神奈川新聞の記事の引用を
 どうか読んでみて下さい。

 (2009年11月27日・神奈川新聞より)


 市議ボーナス減額は12月のみ
 議員報酬の2.5%減額を、横須賀市議運、提案へ



 横須賀市議会は26日の議会運営委員会で、

 議員報酬を来年4月以降、月額2・5%減額するほか、
 期末手当(ボーナス)を今年12月支給分に限り0.25カ月分減らして
 1.6カ月とする条例改正案を

 27日の市議会臨時会に議員提案することを決めた。

 改正後の議員報酬は

 議長が月額74万3千円(1万9000円減)、

 副議長68万円(1万7千円減)、

 議員64万6千円(1万6千円減)となる。

 期末手当については、

 「来年度以降は報酬額が下がり、支給月数が同じでも減額となる」

 などの理由で

 新政会、公明党、研政よこすか市民連合、ニューウィング横須賀が
 12月支給分のみの減額を主張した。

 一方、自民党と共産党は

 「職員は引き続き減額の規定が残るので議員もこれに準じるべきだ」

 などとして来年以降も減額するよう主張した。

 (佐藤浩幸)
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 (引用おわり)


 記事に書かれた金額を見てもらえば分かると思いますが
 給与ダウンしても、それでも市民のみなさまよりも
 かなり高い給与を政治家はもらっているとフジノは考えています。

 さらなる見直しが必要だと思います。

 さて、実は、この記事には書かれていない『続きの話』があります。

 市議会の多数派が決めた
 ボーナス12月分だけカットする案に納得ができなかったメンバーで、
 新たな対案をつくることにしました!

 明日、提案します!


● 井坂議員らと一緒に「対案」を提案することにしました

 井坂しんや議員をはじめ、大村洋子議員、
 瀧川きみえ議員、根岸かずこ議員、そしてフジノの5名で
 『議員提案』することにしました。

 その対案の内容は、もちろん

 『見直し時期が来るまでずっとボーナスはカットし続ける』

 というものです。

 条例には最後のパートに『附則』という項目があるのですが
 2つの提案の違いは、この附則の内容が異なるのですね。

 ちょっと専門的な説明になってしまうのですが...。


 (多数派の提案)

 多数派の提案は、附則に新たな項目(9)を作って

 >平成21年12月に支給する期末手当に関する
 >第3条第2項の規定の運用については、


 と、今年12月のボーナスだけをカットすることになっています。

 それに対して、フジノたちの提案は
 こうです。

 (我々の提案)

 多数派の提案と同じく、附則に新たな項目(9)を作って
 今年12月のボーナスカットをします。

 さらに、もともとある附則の項目(4)を
 次のように改正します。

 「100分の175」→「100分の160」へダウン

 「100分の185」→「100分の175」へダウン


 そして、そのボーナスカットの期間は
 「当分の間」となります。

 「当分の間」とは、もっと景気が悪化したり財政が悪化したり、
 あるいは、景気が著しく回復したり、財政が好転するなどの変化によって

 改めていつの日にか給与・ボーナスの見直しが来るまで
 ずっとこのままダウンし続ける、という意味です。


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 市議会とは、市民のみなさまの代理人として
 このまちの行財政を委託されています。

 しかし、今このまちの財政は
 あまりにも厳しい状況へ追い込まれています。

 こうした状況を作ったのは、政治・行政の責任です。

 これから先、財政危機によって、今まで当たり前に受けられていた
 多くの市民サービスをカットせざるをえなくなるでしょう。

 場合によっては、公共料金の値上げなども
 市民のみなさまにお願いすることになるかもしれません。

 つまり、市民のみなさまに『痛み』を伴う提案を
 せざるをえない状況へと追い込まれています。

 そうした『責任』は、われわれ政治家にあります。

 だからこそ、われわれ政治家が自ら身を削って
 『痛み』を引き受けていかなければ、
 市民のみなさまに理解していただくことはまず不可能だと思います。

 明日、フジノたち少数派の提案は
 可決される見込みは低いかもしれません。

 けれども、正しいことを正しいと声をあげつづけること、
 間違っていることは間違っていると訴えつづけることが、

 絶対に必要だとフジノは考えています。

 あなたはどうお考えになりますか?



2009年11月25日(水)のフジノ番外編
● 犬好きな方の為の番外編

 ソテリアの看板犬となるワコちゃんは
 最初はたくさんの訪問客がおしよせて怖かったみたいでした。

 でも、さすが子犬。

 好奇心旺盛で、ちょっと時間が経つと
 見学する僕たちのまわりを一緒に歩いてまわりました。



 そして、最後には、みんながワコちゃんと仲良くなりました。



 一緒に写真を撮ろうとしたら、顔をなめられまくりました(笑)。



 野口さんによると、とても成長する犬種とのことで
 次に会う時には巨大化しているかもしれません。

 また会えるのがとても楽しみです。


● さらに番外編

 フジノの中で

 「東京ソテリアハウスへの目印はたこ焼き屋さん」と

 完全にインプットされていて、

 しかもそのたこ焼き屋さんは、大玉6個280円と安いのです。
 トッピングもいろいろな種類があって、お買い得。

 前回、「次に来た時は必ず食べるぞ」と決めていたのですが
 実現することができました(笑)。



 全てのトッピングを制覇するまでソテリアに通うぞ、
 というモチベーションの1つになっているのでした。

 新小岩のみなさん、これからもフジノは時々お邪魔しますので
 どうぞよろしくお願いします。


 (ソテリア訪問記おわり)


2009年11月25日(水)のフジノその4
● ソテリアを日本のシステムに導入するにあたって

 政権交代がなされて、民主党のマニフェストにしたがって
 長妻厚生労働大臣が廃止を明言した障害者自立支援法ですが

 2009年11月の現時点では
 廃止されていない現状で、

 その仕組みの中でソテリアをどんな風に導入していくのかを
 少し記したいと思います。


 (写真:テーブルでの質疑を終えて、ソテリアの中を案内してもらいました)


 ここから先の文章も全て文責はフジノにあります。

 ソテリアへの理解不足から誤った情報を書いている可能性もありますので
 どうかあらかじめご了承ください。


 (写真:ソテリアの1階は、リビングからそのままウッドデッキへ
  出ることができます。バーベキューもできる広さがあります)


 ソテリアは、施設の種類としては『ケアホーム』にあたります。
 『共同生活介護事業』ですね。

 対象となるのは、障害程度区分2以上の方々で、
 診断名としては、統合失調症(急性期を含む)です。


 (写真:玄関の脇からウッドデッキにつながっています。
  玄関を通らずに外からリビングに入ることもできます)


 家賃は6万9800円ですが、
 東京都には各種の加算のしくみがあるので
 『無料』で利用できるそうです。

 食費は1日500円(朝と夕)、共益費が毎月1万円。
 電気代は個々人の使用料で変わります。

 実費で負担するのは、共益費1万円と
 食費500円×30日=1万5000円と電気代です。

 ソテリアでは、原則として江戸川区の方を対象にしています。

 (フジノ注:これは『原則』として、ですからね。
  ソテリアにどうしても暮らしてみたいという方は
  お住まいの自治体やソテリアにぜひ相談してみてほしいです)

 また、2階に4部屋あって、4人入居できるのですが、
 ソテリアでは性別で分けた募集はしていません。


● ソテリアでの3年間のイメージ

 ソテリアで暮らすことができる期間は、最長で3年間です。

 この3年間は、
 ソテリアでは世界的に共通の4つの段階を経ていくそうです。

 第1段階は、関係性を維持する時期。
 まず、ひたすら休息していただく時期ですね。

 第2段階は、何かをする時期です。
 それは、家事をできるようになっていったり、
 ソテリアという『家庭』での暮らしの中の役割を自ら作っていきます。
 ミーティングに参加したり、余暇活動を広げていくことなども。

 第3段階では、明確に『就労』がゴールです。
 それは短い時間であったりパートであっても良いのですが、
 就労をゴールにしています。

 ソテリアにも就労につなげる専門のジョブコーチを置いています。

 人生で1度でも就労する体験を持つことは、
 生きていく大きな自信につながると考えています。

 第4段階は、ソテリアから少しずつ卒業していき、
 1人暮らしをすすめていく為の期間です。

 3年間、というのはフルにソテリアでの期間を使った場合であって
 多くの場合、第4段階までに3年間もかからないそうです。


 (写真:部屋を見るみなさんと、野口さん&ワコちゃん)


 他の国々で実践されているソテリアについて
 いくつもの研究が成されています。

 急性期(激しい症状が出ている時期)の
 統合失調症と診断された方々が

 ソテリアを利用した場合としなかった場合を比較すると
 ソテリアを利用した方々は

 1.症状は、入院治療した場合と同じ程度の回復が得られた

 2.抗精神病薬の量を減らすことができた

 3.治療にかかるコストを減らすことができた

 という結果が出ています。

 政治・行政という意味における『財政面』でも
 病院中心主義・薬物療法中心主義よりも効果が高いことが
 言えるのです。

 したがって、本人の為であると同時に、
 政治・行政の為にも、意義があるのがソテリアなのです...。


● あなたの街にもソテリアを作りませんか?

 さて、長く書き続けてしまったソテリア訪問記も
 ここで終わりにします。


 (写真:玄関脇から屋上まで上がることができる階段があります)


 お昼2時から話し始めたのですが
 あっという間に2時間以上が過ぎていました。

 屋上に出ると、夕陽が沈んでいくところでした。



 夕陽をバックに、滝沢やすこさん(江戸川区議会議員・民主党)と。



 この穏やかな時間の流れは、本当に気持ちの良いものです。
 屋上でも、精神保健福祉について
 訪問メンバーでたくさんのことを語り合いました。

 空を見上げると、月も姿を見せていました。



 ソテリアは、決して理想郷ではありません。

 これから始まる訳ですから、他国での実践とは全く異なるような
 想像していたこととは違うことが起こるかもしれません。

 けれども、フジノはとても楽観しています。

 わずか4人しか暮らせないスタートですが
 この挑戦がどんどん広がっていくことを強く期待しているのです。

 これまでフジノが精神保健福祉に関わってきた約18年間、
 何か新しい取り組みやすごい活動が注目されるたびに
 必ず誰かが言う言葉がありました。

 例えば、浦川べてるの家が注目された時には

 「あれは、浦川だからできたんだよ」

 「べてるには向谷地さん(ソーシャルワーカー)が居たから」

 「あそこには川村先生(精神科医)が居たから」

 「べてるは特別。うちのまちではできない」

 こんな風に言われていました。

 でも、今では全国で少しずつべてるの取り組みは広がっています。

 例えば、有名な『当事者研究』だって、
 今ではお隣の横浜市で毎月やっていますよね。

 上の例で挙げた『べてる』や個人名のところを
 ソテリアにあてはめれば

 「あれは、江戸川区だからできたんだよ」

 「ソテリアには野口さんが居たから」

 「ソテリアは特別。うちのまちではできない」

 と、こんな風に言われるようになるのでしょうね...。

 でも、もうこういうのを言うのは終わりにしましょう。

 絶対にやればできるんです。

 べてる方式だって、最初は何も無いところからスタートしたんです。
 それが少しずつ少しずつ挑戦と失敗を繰り返しながら
 今のような姿になっていったんです。

 そして、ムリだムリだと言われたり、特別視されたりしながらも、
 全国に少しずつ少しずつ広がっていっているんです。

 だから、必ずあきらめなければ自分のまちにも
 実現することができるのです。

 (こんな呼び方をするのはイヤなのですが)
 『地域精神保健福祉サービスを充実させること』は可能なのです。

 しかも、中途半端にやれば、コストもかかるし、失敗します。

 べてるやソテリアのように徹底すれば、
 実はコストも下がるし、成功します。

 だから、一緒に挑戦してみませんか?

 僕は、ソテリアの挑戦を身近に体験させていただきながら
 何とかして自分の暮らすまちで実践できないかと考えています。

 あなたも自分の暮らすまちで挑戦してみませんか。

 リカバリーを信じる。
 生きる力を信じる。

 その信念にもとづいた新しい精神保健医療福祉を日本に生み出す。

 それは必ず実現できるのです。


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 NPO東京ソテリア代表・野口さん、
 本日は見学を受け入れて下さってありがとうございました!

 NPOコンボのみなさま、滝沢やすこ区議、
 お忙しい中をおつきあい下さってありがとうございました!

 そして、ソテリアとフジノを最初に引き合わせてくださった
 大熊一夫さん、本当にありがとうございました!

 このHPを読んで下さっている全国のみなさま、
 どうかソテリアの挑戦をこれからずっと応援していて下さい!
 よろしくお願いします!


 (番外編へつづく)


2009年11月25日(水)のフジノその3
● ソテリアがめざすもの

 今回ソテリアにお邪魔したメンバーはみんな、
 精神保健福祉に深い関わりのある方々ばかりでしたので

 フジノのメモを読み返してみても
 かなりのおたくトークになってしまいました。

 ソテリアが目標とするものについては
 直接にソテリアのHPをぜひ見ていただきたいと思います。

 今日はすさまじくたくさんの質疑応答がなされたのですが
 ここには、ソテリアHPには書かれていないことで
 フジノがかみくだいて説明可能なものだけ、箇条書きしてみたいと思います。

 ここで書いたことの文責はもちろんながら
 フジノだけにあります。ソテリアへの理解が足りない為に
 誤ったことを書いてある可能性もありますので、どうかご注意くださいませ。


 (下の写真:キッチンに立つ野口さんに
  話しかけているWRAPファシリテーターの増川さん)


 ソテリアとは、むりやり一言で言えば、
 精神障がいのある方々の住まいです。

 住まいですから、当然、24時間365日オープンです。
 スタッフは居住者とともに家族的な環境で暮らしていきます。

 このソテリアという住まいは、精神科病院へ入院するのがメインの
 日本のシステムにかわりうるパワーを持っています。

 また、ソテリアでは、強制的にクスリを使うことはありえません。
 再発を防ぎながらも、可能な限りクスリを減らしていくことを目指します。


 (下の写真:牛のケトルで沸かしたお湯でコーヒーを入れてくれる野口さん。
  マカロンもおいしそう)


 ソテリアのスタッフは、みなさん専門職の資格を持ってはいます。
 看護師、臨床心理士、社会福祉士、精神保健福祉士などなど。

 でも、大切なことは、『非専門性』。

 専門性よりも、暮らす人々と一緒に人として共に過ごすことを
 最も大切にしています。

 例えば、いわゆる『面接技法』は用いることはありません。

 危機介入をするとすれば、それは面接技法ではなくて
 ふだんの会話の中で、対等な関係の中で、行なわれます。


 (下の写真:みんなで野口さんを質問攻めにしました)


 一般的な精神医学では
 カンタンに『幻覚』や『妄想』と切り捨ててしまいますが

 ソテリアでは「その体験は、その人において現実」だと受け止めます。
 これは『浦川べてるの家』も同じですよね。

 だから、

 「それは病気だから見えている/聴こえているんでしょう?」

 とか

 「そんなことは現実には起こっていない」

 というような否定的な断定をすることはソテリアではありません。

 その人にとって、その体験は何を意味しているのか、
 その体験の目的は何か、ということを、

 その人の生活の中でとらえて、問題があれば、
 社会的な対人関係への介入で解決していくことをしていきます。


 (下の写真:こんな感じでみんなでお話しました)


 例えば、体調がとても悪くなって
 暴れてしまうような時もあります。

 今の日本のほぼ全ての状況においては、
 精神科救急や警察に通報したりとか、
 入院させてきつめのクスリを処方するとかしか対応していません。

 でも、ソテリアでは、家庭の中にふつうにある道具や物を使って、
 家庭の中にあるふつうの会話を通じて、対応をします。

 それは例えば、やわらかなシーツでくるんで
 じっと抱きしめながら、語りかけたり、ということです。

 どんなに体調が悪くなった時であっても、
 数時間をともに過ごすことでよい方向へと変わっていきうるのです。

 どんなに体調が悪い時期が続いたとしても
 適切な対応ができれば、2週間以上も最悪な日々が続くことは無いのです。

 こうした体験は、精神障がいのある方のご家族であれば
 きっと1度は体験したことがあると思うのです。

 共にある、being with、ということは
 こうしたことを1つ1つ積み重ねながら生活をしていく、ということ。

 フジノはそんな風に受け止めています。

 そして、ソテリアは夢物語なんかではなく、
 すでに1960年代からスタートして
 世界各地で実践されている現実的な対応の1つなのです。

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 野口さんのお話をメモする丹羽さん(コンボ)と
 滝沢やすこさん(江戸川区議会議員)

 丹羽さんは『こころの元気プラス』を編集していらっしゃいますし、
 滝沢さんは政治家に転職する前は編集のお仕事をしていらしたので、
 元&現・編集者2ショットですね。




 (その4につづく)


2009年11月25日(水)のフジノその2
● 2週間ぶりのソテリアに、大きな変化が!

 さて、2週間ぶりに訪れた『東京ソテリアハウス』には
 大きな変化がありました。

 それは...

 ギターが置いてありました。
 やっぱり『No Music,No Life!』ですから必需品です。



 さらに、本棚には大熊一夫さんの最新ルポ、
 『精神病院を捨てたイタリア、捨てない日本』が!

 最終章には、東京ソテリアハウスのことが紹介されています。
 ぜひみなさま、読んでみてくださいね。



 そして、テーブルには
 名著『知って安心 メンタルヘルス12の福祉サービス』や
 スポーツ関係の本と一緒に

 『ペットの飼い方』についての本も置かれていました。



 前回のフォーラムの最後で、ソテリア代表の野口さんが

 「ぜひソテリアでは犬を飼いたい」

 とおっしゃっていたのですが...!

 そうなのです。

 フジノ的に『2週間ぶりの最大の変化』は
 子犬の『ワコちゃん』登場でした。



 かわいい!



 このかわいい姿から、
 大型犬になるのはちょっと想像がつかないのですが
 これからどんどん大きく成長していくそうです。



 IKEAの美しい家具に、かわいい子犬。
 これだけでとても気持ち良く過ごせますね〜。


 (その3へ続きます)


2009年11月25日(水)のフジノその1
● 東京ソテリアハウスへの再訪/新しい日本の精神保健福祉へ

 今日、再び東京ソテリアハウスへ行ってきました!

 前回の訪問からわずか2週間しか経っていないのですが
 見学としては今回が実質的な『ラストチャンス』でした。

 『ソテリア』の国際的なルールで決っているのですが
 入居者が1名でも居る場合(つまり、いったんスタートしたら)
 外部の人間の見学は
 基本的に許可されないのです。

 東京ソテリアハウスは、早ければ来週にも
 1名の入居がスタートするそうです。
 だから本当に見学のラストチャンスでした。

 (もちろん、入居を希望する方々の見学は当然ながら可能です。
  あくまでもふつうの『住居』なので、
  外部の見学はありえない、ということなのです)

 1969年に始められた『ソテリア』は
 今では世界中に広がっていて
 北米・ヨーロッパ・オセアニアなど多くの国々に存在しています。
 その『ソテリア』としての共通のルールがあります。

 今回フジノが見学をお願いしたのは、
 フジノひとりが見るということでは無くて

 『東京ソテリア』がスタートする前の姿を

 ・日本の精神保健福祉に新しい息吹を吹き込んでいる
  『NPO地域精神保健福祉機構』(略称コンボ)の方々に
  見ていただきたかったことと

 ・東京ソテリアハウスの所在地である江戸川区の
  地元の政治家の方に見ていただきたかったこと

 の、2つの理由からです。

 特に、『ソテリア』と『コンボ』という2つの新しい流れは
 同じゴールへとつながっているとフジノは感じていますので
 ぜひ密接につながってほしかったのです。

 そして、地元の政治家の方々には
 江戸川区から日本の精神保健福祉を変える可能性を持つ
 新しい取り組みがスタートしようとしていることを理解してほしかったのです。

 (フジノが知っている江戸川区議は1人しかいませんので、
  自殺対策の地方議員有志の会で一緒に活動していただいている
  滝沢やすこさんに声をかけさせていただきました)


 『ソテリア』の取り組みは、
 これから数年間の後に『浦川べてるの家』や『ACT』などと同じように
 絶対に高く評価されるようになるはずです。

 その根拠はあくまでもフジノが
 精神保健医療福祉に関わってきた約18年間を通しての
 『直感』でしかありません。

 でも、その直感に確信をもっています。

 『次』の機会がありえない訳ですから
 絶対に今、訪問しておかなければいけないと感じました。

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 それにしても新小岩・南口のアーケード街は
 今日も人出が多かったですね〜。

 前回は日曜日だったから混んでいたのかと思ったのですが
 こんな風に活気がある商店街はうらやましいです。



 さて、そんな活気ある商店街のどまんなかを
 曲がってわずか2ブロック先の住宅街に『ソテリア』は位置しています。

 本当にふつうのまちなかにあるという『事実』に
 フジノはとてもうれしさを感じます。

 『ソテリア』の門の前で、
 フジノはうれしさいっぱいですね。
     ↓


 そして、コンボから来て下さったみなさまです!

 左から、山内さん、増川さん、丹羽さん、秋山さん。

 最近、フジノ宛に『WRAP(元気回復行動プラン)』について
 お問い合わせメールをいただくことが多くなってきましたが、

 増川さんはWRAPファシリテーターをして下さっています。

 フジノがWRAP作成の集中クラスを受けた時にも
 増川さんがファシリテーターをして下さいました。僕はとても彼が大好きです。



 玄関のドアを叩くと
 代表の野口博文さんがみずから迎えてくれました!



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 ここまで書いていて、ふと

 「どうして野口さんはソテリアへたどり着いたのだろうか」

 と、思いました。

 実は、フジノはそのことを
 野口さんに直接お聞きしたことはありません。

 大熊一夫さんの著作の最終章の中で、
 野口さんのこれまでがちょっとだけ触れられています。

 野口さんは、大学では教育学を専攻されました。

 卒業後、児童養護施設で働いた後に、
 障がい者職業センターで障がい者職業カウンセラーとして勤務。

 精神・神経センター精神保健研究所に移ってからは社会復帰相談部へ。
 精神医療のモニタリングや『ACT−J』の就労支援を担当した後に、
 さらには司法精神医学の研究部へ配属されたこともあるそうです。

 そして、スイスに赴いての研究。

 そうした日々の仕事のかたわら、
 様々なセルフヘルプ(自助)グループで
 ボランティアをなさってきたそうです。

 こうした野口さんのキャリアから
 フジノが勝手に推測するのは、

 様々な状況によってふつうの暮らしから切り離された人々を見つめながら
 「本当ならば誰もがふつうに暮らしていかれるはずなのに」と
 野口さんは常に考えてこられたのではないか

 ということです。

 本来ならば、親子で共に暮らせるはずのこどもたちが
 様々な理由で離れて暮らさねばならなくなってしまっている
 児童養護施設でのこどもたちとの日々をはじめ、

 障がいがあるというだけのことで
 学校や、地域や、職場や、社会のあらゆる要素から
 どんどん切り離されてしまう日本の現実の中で

 何故、共に暮らし、共に生きていくことが
 この国ではできないのだろうかと

 野口さんは考え続けてきたのではないかと
 フジノは推測してしまいました。

 アメリカのモシャー博士が実践してきたソテリアという取り組みは、
 『専門家による専門性』では『無い』ことを大切にしてきたものだと
 フジノは受け止めています。

 ソテリアでは、人と人とが共に暮らし生きていくことができるはずです。

 何かあったらすぐ入院、何かあったらすぐクスリを増やす、
 そんな在り方とは逆のスタイルがソテリアだとフジノは受け止めています。

 日本では精神科病院をいつもメインに置いて
 クスリを基本にした治療がどーんと大きな位置を占めてしまっています。

 けれども、世界の精神保健福祉を見渡した時には
 日本のやり方は決して常識なんかじゃないのです。

 モシャーさんのソテリア方式を
 あえてこの日本で野口さんが挑戦するということは

 物理的に見れば、最初は4人だけが暮らす
 2階建てのケアホームに過ぎないかもしれません。

 けれどもその一歩は、
 実に大きな未来へとつながっているのだとフジノは思うのです。

 つまり、日本の常識が、実は世界的に見たら
 非常識であることを気づかせてくれることへつながっている、

 そうフジノは願っています。



 ...ソテリアへの思い入れが強すぎて長く書きすぎてしまいました。

 (その2へつづきます)

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