まちの政治家は、こんなことしてます


2012年6月16日(土)のフジノ
● 『HTLV−1』を日本から撲滅する為に、発展的な解散へ

 今日は、3カ月ぶりに湘陽かしわ台病院へ向かいました。
 『NPOはむるの会』の総会に参加する為です。

 3月10日の活動日記で記した通り、今日の総会で
 『はむるの会』はNPOとしての解散を決議することになります。

 フジノはNPOの会員では無いので
 本来ならば、総会に参加する資格は無いのですが

 HTLV−1をわが国から撲滅する為に
 発展的な解散をするという決意をした

 山越理事長をはじめとする『はむるの会』のみなさんの姿を
 しっかり見届けたいという想いがあって
 総会の場に立ち会わせていただきました。




 発展的な解散をする理由は、HTLV−1に関わる全国の団体が
 1つの目的のもとに集結する為です。

 新たにNPOとして
 『日本からHTLV−1ウイルスを無くす会(通称スマイルリボン)』が
 立ち上げられることになります。

 これまでは、それぞれに団体を立ちあげて
 それぞれに活動が続けられてきた訳です。

 その1つ1つの活動は
 『はむるの会』を筆頭にとても大切です。

 関係するみなさんにとって
 これまで無くてはならなかった大切な存在です。

 けれども、HTLV−1総合対策がスタートして
 早くも1年半が経った今、
 より実効性ある取り組みによる成果が求められています。

 抜本的な治療のできる薬が無かったような状況を
 大きく変えるチャンスが近づいています。

 そんな今、規模の小さい団体が全国でそれぞれに点在しているよりも
 全国的な団体として1つにまとまることで
 よりもっと大きな力を持てるようになる必要があります。

 (スマイルリボンの組織イメージ:フジノ作成)

 上の図を、フジノの関わりが深い
 精神障がいに置き換えてみるとフジノは理解しやすかったです。

 こんな感じです。

NPO地域精神保健福祉機構
(通称コンボ)



うつ病の当事者&家族の会
統合失調症の
当事者&家族の会
境界性パーソナリティ障がいの
当事者&家族の会

 それぞれが個別に国や地方に働きかけたりするよりも
 大きな1つの窓口として向きあった方が
 成果は得られる訳です。

 さて、『NPOはむるの会』の総会に話を戻しますと...

 3つ出された議案の最後が、自らの解散を決める議案でした。

 やっぱり、みなさんそれぞれの想いがあって
 質疑もたくさん出ました。

 それでも最後の採決では、全員一致で賛成になりました。



 HTLV−1撲滅の道のりは、新しいステージに移りました。

 こうしたNPOなど当事者のみなさんの活動を励みにして
 フジノたち政治家こそ、もっと取り組みを強めねばなりません。

 例えば、今後は総合対策を
 恒久的な取り組みにする為の『法制化』も必要だと考えます。

 それは、肝炎対策基本法が実現したように
 HTLV−1対策基本法を実現させることです。

 フジノとしては、2010年12月の総合対策を打ち出した時の
 総理であった菅直人代議士に働きかけることができないだろうか
 と考えています。

 病を抱えながらも活動を続けてこられた
 当事者のみなさんの活動を絶対にムダにしない為にも

 市議会の内外を問わず、
 できることを全て取り組んでいきたいとフジノは思います。

 『はむるの会』のみなさま、今日はおつかれさまでした。
 総会に参加させて頂きまして本当にありがとうございました!



2012年6月14日(木)のフジノその3
● 委員会での市内視察へ(その3)市立看護専門学校へ

 教育福祉常任委員会の視察の3カ所目の目的地は、
 上町にある『横須賀市立看護専門学校』です。

 1学年40人、3学年合計でわずか120名の学校です。



 2004年4月7日に開校したのですが
 オープン前からたびたび訪れて
 第1期生から各期の入校式、戴帽式、卒業式にも参加してきて
 フジノにはとても馴染み深い学校です。

 委員会メンバー全員での視察としては
 2004年以来8年ぶりとなります(8年前の視察の様子はこちら)。

 (画像:急性期のベット)


 市立看護専門学校には、いくつもの魅力があります。

 その1つ目が、入学金5万円(市外からの入学生は10万円)、
 授業料が年額15万円と格安であることから
 大変な人気で、
 入試の倍率もとても高いのですね。

 看護師不足が深刻である現状をかんがみて
 横須賀市の医療政策の取り組みとして
 このような価格になっています。

 昨年度の卒業生39名のうち
 1名が助産師としてのスキルを学ぶ為に進学した以外は
 38名全員が市内の病院に就職しています。

 まさに、横須賀市内の病院の看護師不足を
 市立看護専門学校が強力にフォローしてくれている訳です。

 市立看護専門学校の大きな魅力の2つ目は
 4年間連続で国家試験合格率100%という成果を上げていることです。

 それは、質の高い教育が成されていると共に
 先生方のきめ細やかなフォローやケアが成されている為です。

 安い授業料で、高い質の教育が受けられる、
 まさに理想の看護専門学校なのです。

 (画像:訪問看護の練習の為の、在宅の環境と高齢の方の人形)


 フジノは、医療政策にも取り組んでいますので
 『看護師不足』に対する提案を
 市議会でたびたび行なってきました。

 例えば、今年3月の予算議会では
 『看護師確保対策』の為に

 市立看護専門学校をさらに活用できないかとの観点から
 次の2つの提案をしました。


 (1)昼夜2部生にして、学生の定員数を増やせないか?

 (2)看護師資格を持ちながら退職している方々(潜在看護師)の
    現役復帰の為の知識や技術を学ぶ研修の場として
    提供できないか?


 下のような質疑です。


 (今年3月2日の教育福祉常任委員会でのフジノの質疑)
 




 (横須賀市立看護専門学校について)

 『定員の拡大』というのも
 ひとつ考えていくというのも必要ではないか、

 『看護師確保対策』という意味でも必要ではないか、

 と思うのですが、いかがですか。












 今1クラス定員が1学年40人、3学年120名です。

 これは厚生労働省とか文部科学省も
 1クラス40名ということで上限が決められていますので、

 1人でも増やせば
 2クラスに教室を分けなければいけないことになります。

 けれども、残念ながら今の看護学校の建物で
 1学年2つに増やすだけの余裕が無い
ので、

 現状、物理的に難しいという状況にあります。


  




 今の御答弁ですと、『昼間部』というのでしょうか、
 昼間の通学生を2クラスにする余裕はない、
 ということと受けとめました。

 それでは

 『昼間部』と『夜間部』というような形をつくる。

 あるいは一般の学生ではなくて、

 退職をしておられる潜在看護師の方々の
 現場復帰のための研修をするためのコースにする。


 いろいろなやり方で、施設を昼間と夜と両方とも
 活用することというのもできると思うのですね。

 そういったこともお考えいただけないかと思うのですが、
 いかがでしょうか。

 









 実は今、看護学生のカリキュラムが増えています。

 平成23年度も増えていまして、今まで以上に実習が多くなったりとか、
 あるいは新しく統合分野というのができて、
 在宅医療ですとか、
 そういった今までなかったカリキュラムが増えて
 教員の負担が非常に増えております。

 平成23年度からは、教員が1人増やせるように
 市としても予算をつけてますけれども、

 現状の教員の人数、マンパワーの中では
 昼間部の指導をするのが精いっぱいというところです。

 もう少し増やしたいということで、
 いろいろな広報とかにも募集をかけるのですけれども、

 なかなかそういった資格のある方の応募が無い
 というような状況の中で、

 現状ですぐにそれ以外に広げるということは、
 難しいかなと思っております。






 長期的な課題として、
 そういった対策を視野に入れていただければ
 というふうに考えています。



 市側の「できない」という答弁の理由は2つで

 (1)教員の確保ができない

 (2)『物理的にスペースが無い』からムリ


 というものでした。

 しかし!

 今日、市立看護専門学校を視察して
 新たな発見がありました。


 建物の4階が全く活用されていないことが分かったのです!

 実は、市立看護専門学校の建物は4階建てなのですが、
 現在は3階までしか使われていません。

 4階にあがる廊下には、立入禁止のロープが付けられています。
 おかしいと思ってフジノは学校関係者に質問してみました。

 今は倉庫のような感じに使っている以外は
 ほとんど何も使っていないとのことでした。

 ここは、もともと国の建物だったのを横須賀市が譲り受けたのですが
 リフォームをして、1階から3階までだけを利用してきました。

 当初の案では、体育館スペースが無いので
 4階を体育館に使ってはどうかという案があったものの
 ボツになりました。

 その理由を横須賀市に尋ねると、

 「4階は耐震化されているものの、
  スポーツを行なうに適した強度ではないらしいと国から聴いたから」

 との回答がありました。

 そこでフジノは畳みかけて

 「国から聴いたというだけでなく、市は強度を調べたのですか?」

 と質問すると

 「市としては調査をしておりません」


 との回答でした。

 つまり、何の調査もしないままに
 国の説明をうのみにして4階を使っていない
のです。

 そこで、フジノは

 ・4階の強度の実際を横須賀市として調査すること

 ・補強すれば授業などができるようになるのかなど調査すること


 を提案しました。

 看護専門学校を運営委託している医師会からも

 「男子看護学生が増えているのに
  更衣室スペースが狭くてどうにかならないか」

 という提案をフジノは受けていたこともあり、

 4階が新たに活用できるようになれば、
 更衣室スペースも作れるし、

 看護師確保対策としてフジノが市議会で提案してきたことも
 増築する必要も無くコストも少なく実現できることになります。

 こうした新事実が発覚させることができ、
 看護専門学校の視察はとても意義のあるものにすることができました。

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 最後にオマケ。

 2004年に委員会で視察した時に出会った赤ちゃん人形。

 当時のフジノは、赤ちゃんの抱き方も分からなくて
 看護専門学校の先生方に教えていただいたのでした。

 (画像:2004年6月のフジノ)


 その赤ちゃん人形と8年ぶりの再会を果たしました!

 今ではフジノも赤ちゃんの抱っこにも慣れて
 今回は看護専門学校の先生方からも
 「フジノ議員、大丈夫ですよ!」と褒めていただきました。



 オープン当初から勤務して下さっている
 先生がいらっしゃるのですが

 「フジノ議員は昔と全然変わらなくて驚きました!」

 と声をかけていただきました。

 「いえいえ、一生懸命若作りをしてはいるのですが
  白髪も増えましたしお腹まわりもすっかり肉がついて
  かなり変わったと思います」

 とお答えすると、

 「違います、政治家としての熱意ですよ」

 とおっしゃっていただきました(涙)。
 ありがとうございます。



 ナイチンゲールさん、どうか横須賀市立看護専門学校の
 生徒のみなさんのことをずっとずっと見守っていて下さいね!



 金曜日を迎えた学生さんたちは、うれしそう!
 どうか実習の疲れをどうか土日で癒して下さいね。

 フジノたち政治家は、みなさんがより働きやすいように
 より良い医療環境で働けるように議会の場でがんばっていきます。

 みなさんは、看護師としていのちを守る最前線の場で
 苦しくつらいこともたくさんあると思いますが

 どうか仲間のみなさんと助け合い、励まし合いながら
 のりこえていってくださいね!

 市立看護専門学校のみなさま、先生方、生徒のみなさん、
 今日は視察を受け入れて下さって、ありがとうございました!


 (その4へ続く)


2012年6月14日(木)のフジノその2
● 委員会での市内視察へ(その2)特別養護老人ホームへ

 教育福祉常任委員会の視察の
 午後の最初の目的地は、長浦の介護老人福祉施設『玉成苑』です。

 (画像:長谷川議員とフジノ、『玉成苑』入り口にて)


 これまで市内北部(追浜・田浦・長浦方面)には
 1ヶ所も特別養護老人ホームがありませんでした。

 今年4月1日に新たにオープンしたここ『玉成苑』が
 北部地域では初の特別養護老人ホームとなります。


 (画像:玄関を入ると広い吹き抜け。開放感たっぷり)


 市内の特別養護老人ホームへの待機者数は
 1400〜2000人という厳しい現状があります。

 高齢の方々の福祉政策を重要課題としてきたフジノにとって
 特別養護老人ホームを増やすことは
 長年の悲願でした。

 市議会でも歴代市長に対して増設を訴えてきました。
 (2008年12月議会2009年9月議会、これ以前にも多数)


 (画像:第4期介護保険事業計画より)

 横須賀市の『第4期介護保険事業計画』
 (2011年度までの3カ年計画)において
 新たに300床を増設することが決められていました。

 計画期間である2011年度中には
 オープンできなかったものの、

 この4月1日、ついに3ヶ所の特別養護老人ホームを
 無事にオープンすることができました。

 太田和の『さくらの里山科』、衣笠町の『ゆうあいの郷衣笠』、
 ここ長浦の『玉成苑』です。


 (画像:入居者のみなさんはレクをしているところでした)


 かつては特別養護老人ホームといえば、
 多床室がメインでした。

 つまり、1部屋に4人が一緒にベットを置いて
 病院のように1人1人の空間は狭く、プライバシーもありませんでした。

 それが今、個室ユニット化の流れの中で
 こちらの『玉成苑』も100床は個室ユニットになっています。

 全ての部屋が『完全な個室』です。

 そして、10室ごとにユニット(グループ)になっていて
 ユニットごとにリビングがあって、
 食事をしたり、レクをしたり、暮らしていきます。

 (画像:玉成苑の間取りの一部より)

 隣のユニットとはドアで仕切られていて
 それぞれ独立しています。

 つまり、10部屋で1つの独立したユニットがあって
 それぞれの独立した生活があります。

 それが1つの建物の中に10ユニットあって
 合計100部屋(100床)という訳です。

 終の棲家は、人としての尊厳が守られなければいけません。
 個室ユニット化は、絶対に逆行させてはならない流れです。

 (画像:ユニットとユニットの間には中庭があります)


 この『玉成苑』の最大の売りは、
 施設長が整形外科のドクターであることです。

 ですから、強みとしては

   1.医療と福祉の連携にとても力を入れている

   2.リハビリテーションに力を入れている


 が挙げられます。

 横須賀共済病院が協力医療機関となっていますが、
 そもそも施設長がドクターであることは大きな強みです。

 施設長は、毎日、全てのユニットを回って
 入居者のみなさんの様子をみてまわっておられるとのことでした。

 これはとても入居者のみなさまには
 頼もしいことだと思います。


 (画像:機械浴のマシン。昔に比べて格段に良くなりました)


 各階には、リハビリの為のトレーニング機器があって

 整形外科のドクターである施設長に加えて
 常勤の理学療法士(PT)の方がリハビリをサポートしてくれます。

 現在は1名であるPTを
 今後さらに増やしていきたいとのことでした。

 特養に入ったらそれきりではなく、
 楽しんでリハビリをしていただいて、少しでもお元気になって頂く。

 これもとても大切なことです。


 (画像:リハビリ用トレーニング機器も各階にあります)


 ところで、館内の廊下に飾られている絵は
 アール・ブリュット(アウトサイダー・アート)で知られている
 有名な方の作品だそうです。


 (画像:アール・ブリュット作品)


 さらに、働いておられる介護職員・事務職員の方々の
 おこさまを保育する保育室も併設されていました。

 現段階では、入居者の方々との交流はスタートしていないのですが
 将来的にはそうした交流も検討しておられるとのことでした。

 高齢の方々にとって、乳幼児の存在は
 ものすごく大きな元気の源です。

 交流が成功することを祈っています。


 (画像:保育室。ちょうどお昼寝の時間でした)


 屋上にあがると、長浦港方面がとても良く見えました。

 入居者の方々がプランターで
 きゅうりやナスなどを育てておられました。



 『玉成苑』のみなさま、今日は視察を受けて下さって
 本当にありがとうございました!

 今回は本当に短い時間の視察しかできませんでしたので
 後日、フジノ個人として改めてお話を伺わせて下さい。

 どうぞよろしくお願いします!

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 すでに繰り返し述べてきたことですが
 改めて今のフジノの考え方を記しておきたいと思います。

 特別養護老人ホームを300床オープンするということは
 『待機者が減る』という意味ではとても良いことです。

 ただ、市内のあらゆる施設・事業所に
 大きな影響が出ているのも事実です。

      特別養護老人ホームが300床オープン
               ↑
      老健で待機していた300人が特養へ
               ↑
    老健が空くのを待っていた在宅の300人が老健へ


 特養への待機をしていた300人は
 これまでは老健(ろうけん)で待機していました。

 それが一気に300人、特養の完成とともに移ったのです。

 老健には300床の空きができる訳ですが
 そこに、自宅で待機していた方々が一気に移ります。

 すると、これまで訪問介護(ヘルパー)などによって
 自宅で介護を受けていた方々が減り、

 訪問介護などの事業所は大きなダメージを受けています。

 さらに、新たに300床の特養が完成したことで
 介護人材が一気に流動化しました。

 訪問介護などの事業所で働いていた方々が特養に移ることによって
 自宅での介護をサポートする事業所は
 深刻な人手不足になっています。

 これからは在宅・地域で誰もが暮らしていく
 地域包括ケアの時代です。

 こうした自宅での介護をサポートする事業所が
 大きな減収によって潰れたりしてしまえば

 まもなくやってくる団塊世代の高齢者化に対して
 対応できる事業所が全く足りなくなってしまいます。

 こうしたことへの政治・行政による対応をしっかり行なっていかなければ
 これから2025年の地域包括ケアの実現が難しくなります。

 かつてはフジノの悲願であった特別養護老人ホームの増設は
 これ以上はもう必要ありません。

 あと、第5期計画(2012〜2014年度)での
 100床の増床までで特別養護老人ホームは打ち止めです。

 ここから先は、良質な高齢者向けの住まいを増やすことこそが
 フジノが考える『優先課題』です。

 (その3へ続く)


2012年6月14日(木)のフジノその1
● 委員会での市内視察へ(その1)夏島小学校へ

 今日は丸一日、教育福祉常任委員会で視察でした。

 これは毎年恒例のもので、6月議会の常任委員会の審議が終わると
 それぞれの委員会ごとに市内の施設を視察して回るのです。

 下の写真のような車2台に5人ずつ分譲して
 朝から夕方までかけて、4ヶ所を訪れました。



 まず、最初の目的地は追浜にある夏島小学校です。
 『ICTを活用した授業』の見学です。



 横須賀市では、学校教育の中で情報教育を推進する為に
 ICTの積極的な活用を進めています。

 今後10年間の目指すべき横須賀市の教育の在り方を定めた
 『教育振興基本計画』(2011〜2021)の中でも

 目標1の施策(4)として挙げられるなど
 とても高い優先順位が置かれています。


 まず、3年生の授業を見学しました。

 これまでの数時間の授業で、実際に追浜地区のまち探検に行って
 みんなで地図を作ってきたところです。

 その地図は、写真や手描きの絵で作ったものですが
 今日は、正式な『地図記号』などをみんなで学ぼうという単元です。



 『地図記号』と『8つの方位』を
 プロジェクターで映しだされた『フラッシュカード』を活用することで

 クイズのように楽しみながらゲーム感覚で記号や方位を覚えていく、
 という授業でした。

 先生が画面に『地図記号』を映しだすと
 生徒たちが一斉に大きいな声で正解を答えました。

 先生がPCのボタンを押すと、すぐに正解が画面に映し出されました。

 こうして、次の問題に移るのですが、とてもテンポよく
 生徒たちもみんな楽しそうに大きな声で回答していました。



 続いては、『方位磁針』(いわゆる磁石ですね)の使い方を
 短い動画を観ながら、一斉に実物を使って学びました。

 先生による言葉だけでは理解しづらい生徒たちも
 動画を観ることで説明の補足がなされて理解が進む、とのことでした。



 ここから先はフジノの感想です。

 決してこのクラスの先生への批判ではありませんので
 どうかご理解いただきたいと思います。

 というのも学校現場(先生方)は、
 文部科学省や教育委員会からICTを導入するように
 指導を受けているからやらざるを得ないのだとは思うのですが

 そのことについてフジノは
 ぜひ先生方と率直な意見交換をしたい、と感じました。

 現場の先生方が
 「導入する必要性を本当に感じておられるのか」を知りたいです。

 例えば、この授業についてのフジノの率直な感想は
 あえてプロジェクターを使ってやらなくても
 先生だけの力でも同じだけの効果は得られる気がしました。

 フラッシュカードは、
 フラッシュカードそのものを使えば良さそうです。

 動画の利用については、1人1人の理解の速度の違いがあるでしょうから
 強いていうならば、1台ずつモニターがあって
 繰り返し動画を観られるならば良いかもしれません。

 でも、決してそういう訳ではありません。

 最終的には、先生が生徒たち1人1人のもとを回って
 見方を教えてあげている訳です。

 ICTが先生の労力を減らしてこどもの学びを促しているのか
 今回のこの授業からでは分かりませんでした。

 カリキュラムにICTをどのように組み込むかというのは
 もう少し検討の余地があるように感じました。

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 続いて、PC教室へ移動して
 4年生の授業『季節と生き物』の単元を見学しました。

 ここでは、生徒たちが野外で撮影してきた植物について
 報告書をまとめる作業をしていました。

 ワードに似た感じのソフトに
 写真を配置して、感じたことを文字入力していました。

 こどもたちによって、
 すでにキーボードでローマ字入力ができる生徒もいれば
 画面上に映しだされたひらがなキーボードを使って
 マウスで1文字ずつクリックして入力している生徒もいました。



 疑問を感じたフジノは校長先生に質問しました。

 「何かを感じた時にそれをキーボード入力が苦手なこどもは
  こころで感じることはたくさんあっても
  表現できなくなってしまうのでは無いでしょうか?

  感じたらすぐに鉛筆で書くほうが
  表現力は育まれるのではないでしょうか?」

 すると校長先生は、このような主旨のお答えをされました。

 「ご心配はとてもよく分かります。
  ただ、そうした表現は別の教科にありますので大丈夫なのです。

  この授業の狙いは、ICTという手段を使っての表現です。

  これからの社会ではキーボードによる入力は
  もはや当たり前に求められるものです。

  小学生のうちにたくさんの試行錯誤をしながらできるようになれば
  もっと大きくなって社会に出た時に、必ず良い方向に向かいます」



 確かに。

 すでに今の日本社会ではパソコンを使えない人は
 基礎的な事務職にも就くことが難しい状況にすでになっています。

 だからこそ、生徒たちの自宅にパソコンがある無いを問わず
 学校でこうした機会を提供して全てのこどもたちが卒業するまでには
 キーボード入力や文書の作成ができるようになれば
 それは大きな力になります。

 現実的な社会の要請に応えている授業だと感じました。

 情報教育というのは、授業にICTを活用するだけではなくて
 また、情報リテラシーを身につけることだけでもなくて

 現在の社会で実際に求められる必要最低限のスキルを
 生徒たちに身につけてもらうことでもある訳ですね。

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 実は、フジノにとって夏島小学校は母校です。

 小学校1年生の4月から5月までのたった1ヶ月間だけですが
 ここに通いました。小学校の校歌は今でも歌うことができます。

 わずか1ヶ月間でしたが、とても良い思い出です。
 久しぶりに母校を訪れることができて、うれしかったです。

 さらに、うれしい驚きだったのは
 ふと図書室を覗いてみたら

 図書館ボランティアの保護者の方々が
 ものすごくたくさんいらっしゃっていたことです。

 これだけボランティアさんがたくさんいらっしゃる学校は
 なかなかありません。夏島小学校は、とても活発で素晴らしいですね。



 校長先生をはじめ、3年生・4年生の担任の先生方、
 生徒のみなさん、今日は視察を受け入れて下さってありがとうございました。

 みなさまにとってより良い学校生活が送れるように
 政治家としてしっかりみなさんの姿を見つめて、
 その声を聞かせていただいて、政策を提言していきたいです。

 どうかみなさんの生の声を、どんどん政治家にぶつけて下さいね。
 よろしくお願いします!

 (その2へつづく

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