まちの政治家は、こんなことしてます新人議員の活動日記


2006年7月14日(金)のフジノ(その2)
● いま、あえて『美術館問題』について

 追手門学院大学瀧端真理子さん(心理学部・助教授)が
 大阪から横須賀を訪れて
 この3日間、あらゆる方々を取材して回りました。

 瀧端さんは、横須賀の美術館問題を追っていて
 9月には日本社会教育学会で発表するそうです。

 取材した相手先は、賛成派・反対派の両方とも。

 美術館開設準備室にも、フジノのところにも、
 双方を訪れて話をじっくり聞いてくれました。

 フジノは2時間にわたって
 美術館問題についてお話しました。

 美術館問題こそが
 最大の争点だった去年6月の市長選挙で反対派が敗北して
 建設が進んで美術館が完成まぢかの今では
 この問題は
 かなり忘れられかけています。

 けれども、何があっても絶対に最後まで
 この問題をフジノが忘れることはありません。

 何故なら『忘れることなんて許されない立場』だからです。

追手門学院大学の瀧端助教授と  フジノは3年前の選挙の時に、
 美術館反対を
 選挙公報に記した
 たった1人の立候補者でした。

 また「署名活動を始める」と
 市議会の本会議で
 宣言したのもフジノです。

 美術館建設ストップできなかった
 責任をとって
 政務調査費を1年分、
 全額返したのもフジノだけです。

 (写真:右から、瀧端さんとフジノ)
 

 複数の市議会議員の協力を得られて
 『民意が市政に生かされることを願う会』という仲間もできて
 7万人もの市民の方々から署名をいただきました。

 最終的には、市長選挙の争点になったほど
 『市民全体の問題』へと広がりました。

 けれども、客観的な事実として
 「始めたのは僕だった」のです。

 たった1人きりの問題意識がここまで大きく広がっていったのは
 たくさんの方々の協力をいただいたからで、
 本当に感謝しています。

 しかし、建設をストップできなかったことに対して
 言い出しっぺとして
 最後まで責任を負うべき立場だということを
 いつも自覚しています。

 永久に背負うべき責任だと自覚しています。

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 そんな美術館問題ですが
 改めて評価してくれる動きがあることをうれしく思います。

 その評価がどういうものになるとしても
 それはとても良いことだと思います。

 つねに動き続けていかねばならない政治家には
 ある出来事をきちんと評価していく時間は
 なかなかありません。

 ましてや4年間しか任期が無いフジノが
 自分の行なった活動を任期中にふりかえるのは
 物理的に時間がありません。

 研究者の方が第三者の視点で
 きっちりと総括して
 歴史的な評価・位置づけをしてもらえたならば
 それは素晴らしいことだと思います。

 瀧端教授はこの問題を論文にもするとのことなので
 完成したらぜひ読ませてもらいたいと思っています。

 その時には必ずみなさんにも報告しますね。



2006年7月14日(金)のフジノ(その1)
● 『自殺対策準備室』が内閣府にたちあがりました

 先ほど内閣府に確認をしたのですが
 本日付けで新しく『自殺対策準備室』がたちあがりました。

 以前このコーナー

 「自殺対策基本法は成立しましたが、施行されていません」

 と書きました。

 その『施行』に向けて、担当部署となるのが
 今回新しくスタートした『自殺対策準備室』なのですね。

 メンバーはまだ施行前なので5名、
 施行された後には7名くらいになる予定だそうです。

 業務としては、『施行』の為のあらゆる仕事全て、です。

 1.施行の期日を検討する
 2.施行に向けて関係する各省庁と連絡をとりあう
 3.施行の為の『政令』を定める

 などなどです。

 施行されたら『準備室』が取れて名前が変わって
 たぶん『自殺対策室』になるのではないでしょうか。

 室長には精神科医である方が就任されました。
 審議官という位置づけだそうです。

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 国に組織ができあがったことの意味は、大きいです。


 国に組織ができる(内閣府・自殺対策準備室)
  ↓
 都道府県に組織ができる
  ↓
 市町村に組織ができる


 というパターンがありますから、
 やっぱりこの後の動きが活発化していくはずです。

 これからの全国の動きを
 期待しながら見ていきたいと思います。



2006年7月13日(木)のフジノ
● 自殺予防対策の推進に向けて

 近日中に『新しい動き』を報告できそうな感じです。

 国レベルと
 横須賀市レベルの両方です。

 もう少し待っていて下さいね。


● メール・電話などへのお返事が遅れています

 長野県に行っていた3日間も
 もちろんモバイルPCを持っていって
 みなさまからいただいた相談のメールには
 返事を書き続けてきたのですが
 それでも溜まっています!

 事務所の留守番電話や
 携帯電話にもたくさんの相談の電話が入っています。

 この数日中にフジノの知らないところで
 マスメディアに何か活動が報道されたりしたのでしょうか?

 本当にここ数日は
 相談メール&電話が急に増えてしまいました。

 全力を尽くしていますが
 全てには対応しきれていません。

 あらかじめご了承ください。



2006年7月12日(水)のフジノ
● 横須賀市の職員のみなさまへ

 (今日は、状況が分かる人だけに向けて、あえて書きました。
  分からない方は今回はすみません。読み飛ばして下さい)


 本当にとても残念な出来事が起こってしまったことについて
 どうか僕の想いをここに記させてください。

 表現の仕方は法律的には正しくないとしても
 市の職員さんはフジノにとって『同じ会社の仲間』であり、
 大切な存在だとふだんから感じています。

 フジノは仕事をこよなく愛しているので
 同じ仕事の仲間を失ったことに強くショックを受けています。

 仲間というよりは大先輩ですが
 その若さにひどく切なさを感じます。

 たかだか3年間しか市議として働いていないとはいえ、
 僕もみなさんと同じように
 とてもつらい気持ちを感じています。

 本当に、本当に、
 残念としか言いようがありません。

 しかし、3年間しかここで勤めていないフジノとは違って
 長く身近で働いてきたみなさんにとっては
 痛恨の極みだと思います。

 本当に、残念です。

 同時に、僕の力不足を感じています。

 しばしばフジノは市職員の方から個人的にメールをもらいますが
 今回の出来事について複数の方からメールを頂きました。

 なかでも痛烈に胸をうったのは、

 「フジノさんがあと1年でも早く取り組んでくれていたならば...」

 という内容のものでした。

 ...僕も、全く同じ想いです。

 僕はいくつもいくつも提案をしてきましたが
 そんな提案のうちのどれかが
 取り組みの何らかのセーフティネットが
 どれか1つでも良いから届いていたならば、と悔しくてたまりません。

 とても悔しく、とても残念です。

 悔しくて、たまりません。

 本当に、ごめんなさい。

 こんな風に僕が責任を感じるのは
 筋違いなのですが、
 それでも

 「このまちでこの問題には誰よりも熱心に取り組んできた」

 と信じている僕にとっては、
 大きな責任と敗北感を抱かずにはいられません。

 とても残念です。

 かつて僕が感じたような悲しみと痛みを
 今回同じように感じた方々は
 僕が目指している取り組みにどうか力を貸して下さい。

 これから先はもうこんな気持ちを味わうことが
 2度と無いようにどうか力を貸して下さい。

 本当に、残念です。



2006年7月11日(火)のフジノ
● 信州・長野県知事、田中康夫さんと

 最終日の今日は、小布施町を出発して
 長野へ向かいました。

 善光寺と長野県庁を訪れるのが目的です。

信州・長野県知事の田中康夫さんとフジノ  信州・長野県知事の
 田中康夫さんとフジノ。

 県庁の1階には
 あの有名な
 『ガラス張り知事室』が
 あります。

 田中知事の職務風景が
 誰でも見られるように
 なっています。

 「田中さん、小布施町を観光してきました!」とフジノが言うと

 「おっ、ありがとう!」と田中知事。

 明日からは全国知事会、がんばってください。

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 つい先月も新しく発行された著作『日本を』を読みましたが、
 田中知事の在り方をフジノは高く評価しています。

 政策的にも
 いくつもの面で優れています。

 何よりも財政的な取り組みです。

 ・県の借金残高を5年連続で減少させている

 ・プライマリーバランスは7年連続で黒字である

 ・特に平成17年度決算は、基金(貯金)を取り崩さずに黒字である

 さらに、福祉への取り組みも高く評価しています。

 障がいのある方々への福祉、こどもと高齢の方々への福祉、では
 非常に素晴らしい取り組みが行なわれています。

 8月6日には長野県知事選挙があります。

 新しい知事として
 みたび田中康夫さんが選ばれるのかどうかについては
 注目して見守りたいと思っています。



2006年7月10日(月)のフジノ
● 小布施、ブランド力と広報宣伝力

 観光とまちづくりでかねてからものすごく評判の高い
 信州・長野の小布施町にやってきました。

 田中康夫・信州長野県知事が

 「小布施と同じ情熱を
  他の自治体町の首長や議員も抱いたなら
  日本はもっと進化する」

 と記していたことからも注目してきました。

 さらに、小布施町長のお話を聞くチャンスが以前あったのですが
 フジノはそれを逃してしまいました。

 そんなことからも『1度は必ず訪れなければならない場所』として
 フジノには強くインプットされていました。

 今回は家族との旅行で来ているのですが
 計画を立てるのが僕なので
 仕事(視察)をかねて行かれる場所として小布施町を選びました。

 そして、とにかく前評判が高いので
 「実際にはどんなものなのか」を体験しに来たのです。

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 ひと通り、強く宣伝されている名所は観て回りました。

 けれども「もの足りない」というのが本音でした。

 歩道が栗の木で舗装されている、というのも
 まち全体ではありませんでした。

 観光バスがたくさんやってくるスポットの
 ほんの一部の通りは確かにいい感じ。

 でも、まち全体で見れば
 一部の地域に過ぎません。

 小布施というまちは、対外的には観光地なのですが
 まちに暮らす人々は「観光地化させない」と取り決めたという
 気合の入ったまちなのですね。

 ・暮らす人が最も大切にされるべき

 ・暮らす人が暮らしやすいまちであるならばそれは同時に
  訪れる人にとってもやはり過ごしやすいまちである

 そんなイメージにフジノは受け止めています。

 確かにそうなのかもしれません。

 でも、なぁ...。

 予習していったから1つ1つ理屈は分かるのですが
 あくまでもいち観光者であるフジノには
 そんな理屈は
 あんまりカンケーないというか...。

 「もっとすごいと思った」

 これが素直な感想でした。

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 けれども、話はここでは終わりません。

 フジノはこれらの感想を
 小布施の方々とかなりディスカッションすることができました。

 カフェでお茶していたら
 話しかけられて
 いろいろと感想も尋ねられました。

 そこで、素直な感想を言いまくりました。

 ふつうのまちならば
 フジノの批判をガンガンたくさん聞かされて
 アタマに来るのがフツーですよね。

 でも、そういうのは全く無し。

 それどころか、小布施の問題点を話してくれたり、
 今後のビジョンや現在も進めている改善策などを話してくれました。

 それが1つのカフェだけではなくて
 複数のカフェでの出来事なのですから、すごい。

 知らない地元の人にどんどん話しかけられる僕も僕ですが
 そんな見知らぬ観光客とディスカッションできる人々ってすごいなあ。

 結局のところは、小布施町の最もすごいところは
 人材=人財なのだと感じました。

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 これらは全てフジノの印象批評でしかありません。

 けれども、学ぶべきヒントは
 たくさんもらいました。

 悔しいけれど、そんな小布施に
 「また行ってみたい」と思いました。

 小布施、いいまちです。



2006年7月9日(日)のフジノ
● 早めの夏休み、遅めのGW

 今年は正月からずっと休みが無くて
 心身ともに疲れきっています。

 そこで、早めの夏休みとして、遅めのGWとして、
 3日間だけ休みを取ることにしました。

 今日は、信州・長野県の湯田中という場所に来ています。

湯田中駅

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 外は雨なので旅館にこもって
 教育に関する本を読んで勉強しています。

 フジノは

 「教育委員制度は今のままではいけない」

 という『教育委員会廃止論』者なのですが
 この旅行では、あえて正反対の考え方(教育委員制度存続論)の本を
 読んでいます。

 今の制度の中で改革の可能性を探る
 みたいな内容の本です。

 150ページくらいの薄い本なのでざっと読みましたが
 目指すところはフジノと基本的に変わらないなあ、と思いました。

 まあ、目的は同じだけれど
 手段が異なっているということなのですね。

 参考になることがたくさんありました。

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 部屋から見える川を時々見つめながら
 自分の今後について考えてみたりしています。

 小雨になったので
 あたりを1時間ほど歩いてみました。

 本当に小さな昔ながらのスーパーが1軒あるくらいで
 まわりには特にお店も何もありません。

 山魚を養殖している大きないけすや
 町営の温泉の脇にある鳥の飼育小屋をのぞいてみたり、
 川のわきの土手を犬と一緒に散歩している人の姿を
 眺めてすごしました。

 山に囲まれた景色の中で過ごすことは
 横須賀の武山で育った僕にはとても落ち着く感じがあります。

 海も大好きですが
 やっぱり山はいいですね。



2006年7月8日(土)のフジノ
● 清水さん、という存在

 けさの毎日新聞『ひと』欄で
 フジノも所属しているNPO自殺対策支援センターライフリンク
 代表である清水康之さんが紹介されていました。

2006年7月8日毎日新聞ひと欄

 清水さんとフジノと両方を知っている人に
 時々、2人の共通点を指摘されます。

 清水さんは34才。
 NHKを2004年に辞めて、ライフリンクを立ち上げました。

 フジノは32才。
 東宝を2003年に辞めて、市議会議員に転職しました。

 ・年齢が近い、ということ。
 ・マスコミ大手をあっけなく辞めて転職してしまった、ということ。
 ・自殺予防の活動を行なっている、ということ。

 昨日インタビューを受けた朝日新聞・社会部記者の
 上野さんにもその点を指摘されました。

 確かにいくつかの点では
 共通点があるかもしれません。

 でも、実際に清水さんと接しているフジノからすると
 彼のスケールの大きさには全くかないません。

 清水さんはいつも将来のビジョンがはっきりと見えているし
 一方のフジノは目の前の問題を
 やっつけていくことしかできません。

 だから「2人は共通点がありますね」と言われると
 「いや、清水さんとは比べられるのも恥ずかしいです」と
 恐縮してしまいます。

 彼はとてもすごい人です。

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 ただ、そんなちっぽけなフジノではありますが
 清水さんという存在に対してしばしば強く感じることは

 同じ想いの人が
 同じ時代に居てくれて良かった


 ということです。

 このHPを最初から読んでもらえば分かりますが、
 政治家になってからこの3年間、
 いつもフジノは
 同じ想いを共有できる人の存在を求めてきました。

 だから、清水さんという存在がいてくれて
 本当に良かった、と僕はとても強く感じています。


● やるべきことをやる、というだけのこと

 政治家になってからこれまでメールでも電話でも
 あるいはカフェトークをやっていても
 フジノのところに
 「政治家になりたい」という人たちがしばしばやってきます。

 でも、こういう人たちに話を聞いてみると
 「やるべきことがあって政治家になる」のではなくて
 ただ「政治家になりたいから政治家になりたい」という
 薄っぺらい人たちばかり。

 僕はこういう人たちが何よりも嫌いです。

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 やるべきことがあるから、僕はそれをやっているのです。

 やるべきことがあるなら、それをやればいいのです。

 1回しかないこの人生を
 やるべきことがあれば、今すぐにやればいいのです。

 別にわざわざ政治家になんてなる必要は全く無いし、
 今の立場でできることを全てやればいいのです。

 そして、もしも今の立場ではそれができないなら
 それを捨てて、今すぐにそれをやればいいのです。

 NHKを捨てた、東宝を捨てた、
 それは外側の人たちからしたら驚きかもしれない。

 なんて大きなリスクを払ったんだ、と思うかもしれない。

 でも、やるべきことが自分の目の前にある時に
 肩書きとか会社とか何の意味があるのだろうか。

 やるべきことをやるために
 何かを捨てなければ進めなかったから
 ただそれを捨てただけのこと。

 生きていればきっと誰にでも
 そういう瞬間が必ずあるのだと思います。

 僕は、だからそれをやっただけのことです。

 そうしなければ
 この先の人生を送ることができないから。

 ただそれだけのこと。

 政治家だとかNPO代表だとか
 後から付いてくる肩書きなんて、別に問題じゃなくて
 むしろどうでもいいことだと僕は思います。

 大切なのは、やるべきことをやる、それだけ。

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 薄っぺらいニセモノばかり
 たくさん僕の目の前に現れては消えていったから
 もう本当にうんざりしていたし
 ものすごく絶望してきました。

 ただでさえ、自殺予防ということに
 取り組む人々が少なくて孤立してきた日々が続いたのです。

 だから、そんな日々の中で
 本当に運良く出会うことができた
 「やるべきことをやっている」人々の存在には
 とても強く励まされます。

 やるべきことをやっている。
 そして、本物である。

 僕にとって
 清水さんとはそういう存在の1人です。

 ●

 話がぐるぐると回ってしまったけれど、
 言いたかったことは、1つです。

 やるべきことがあれば、やればいい。

 やらなければ
 自分が苦しいだけなんだから。


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