まちの政治家は、こんなことしてます


2007年5月12日(土)のフジノ
● このまちで保育園をご利用なさっている方々に質問です

 保育園を現在ご利用なさっている方々、
 保育園をかつてご利用なさっていた方々にご質問です


 これまで横須賀市では、
 市民のみなさまの働き方や暮らしの形の多様性に応じて
 保育の在り方も変化させてきました。

 開園時間を延長したり、病後児保育を行なったり、
 今年度からは病児保育にも取り組んでいきます。

 2007年4月現在、一般的な横須賀市立の保育園は、
 月曜日から土曜日(土曜日は14時半まで)の開園となっています。

 この開園形態は「平日勤務の共働き夫婦」
 想定したものだと思います。

 しかし、保育園をご利用なさっている方々の中には、
 父親・母親ともにサービス業などのシフト勤務で
 両親共に土日休みではない方も
 たくさんいらっしゃるのではないか
と思います。

 そういったみなさまにとっては、
 土曜日は半日のみ開園、日曜祝日は閉じている、という形態では
 対応しきれていない場合があるのではないかと思うのです。

 そこで、保育園をご利用なさっている方々、
 かつて保育園をご利用なさっていた方々にご意見をうかがいたいのです。

 ・両親ともに土日休みではない職業で
  共働きをされている方々は
  現在の保育園の在り方
  (特に、土曜日半日のみ&日曜祝日はお休みということ)について
  どのようにお感じでしょうか。

 ・両親ともに土日休みではない職業で共働きをされている方々は
  現在、土日勤務の際にお子さんをどのように対応されていますか。

 この2点について、どうかお聞かせ下さい。

 頂いたご意見については、市の保育政策に反映させていく為に
 市議会の場(本会議・委員会)での政策提言の参考にさせていただきます。

 ぜひ多くの方々からご意見をお聞かせいただきたいと思います。
 よろしくお願いします。


 メールはこちらにお願いします!
 お電話はこちら、080(6584)0010までお願いします!


 (このアンケートはあくまでも市議会議員・藤野英明によるもので
  個人として行なっているものです。
  横須賀市による公的なアンケートではありません)


● 美術館問題は、終わらない。むしろ、始まったばかり。

 当選して市議会議員になった野村たかひろさん
 まもなくスタートする6月議会について意見交換をしました。

 野村さんは言うまでもなく
 フジノたちと共に美術館建設みなおし運動を最後まで闘い続けている
 『民意が市政に生かされることを願う会』の代表です。

 つい先日、ゴールデンウィーク期間(4月28日から5月6日)の
 横須賀美術館の来場者数・入館者数などが
 教育長から発表されました。

 その発表の仕方に問題がある、ということなどについて
 野村議員とはいくつもの意見交換を行ないました。

 6月議会では、この4年間を通して
 美術館みなおしをはじめとするハコモノ行政に対する
 野村さんの想いを一般質問でぶつけてくれるのを期待しています。

 その後、『願う会』副代表の方とも改めてお話しました。
 今後の運営管理の在り方についてです。

 闘いは、まさにこれからです。

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 インターネット上でのいろいろな書き込みを見ていると
 本当に情けないことに

 「オープンしたんだから、もうしかたがない」

 という言葉があまりにも目立ちます。

 何を情けないことを言っているのでしょうか。

 フジノや『願う会』がこれまで訴え続けてきたことは、
 50億円も借金をして建設をして、
 毎年3億円も運営費用の赤字を出して、
 そこに税金を使うことが本当に正しいことなのか、ということです。

 建設が強行されてしまったら、
 次の闘いは、当然ながら運営費用の赤字を無くすことです。

 すでに、今年1年間については
 予算の段階で4億3200万円もの赤字が出るのです。

 この赤字を1円でも無くすことが
 このまちの経営者である市長・政治家の役目です。

 オープンしたらしかたがない、なんて
 こどもたちや孫たちの世代に対して責任放棄です。
 少なくとも、責任ある大人の発言ではありません。

 フジノはすでに
 美術館の開館前もオープンしてからも何度も
 美術館の副館長(元・美術館開設準備室長です)をはじめ、
 教育委員会の主な方々と
 繰り返し意見交換を進めています。

 運営管理費用の赤字を無くす為の闘いは、
 オープンと共にまさに始まったばかりなのです。

 美術館の主なスタッフや教育委員会の部長をはじめ、
 多くの関係者が

 「ゴールデンウィークはご祝儀的・お祭り的な入場者数の多さであって
  平日になってからが本当の勝負の始まりである」

 という、フジノと同じ認識に立っています。

 行政側も本気で赤字を減らす努力を
 いくつも始めています。

 政治家としてフジノが信頼できる市職員の方々の多くが
 この問題に全力で取り組んでくれています。

 美術館問題は、何も終わっていません。

 行政も政治も必死に
 改善を目指して闘っています。

 だから、市民のみなさまもあきらめないでください。

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 そして、何よりも忘れてほしくないのが
 財政の問題と
 文化の尊さは
 全く別のことである、ということです。

 フジノも横須賀美術館には
 オープンの日に足を運んできました。

 いつの時代もアートはこころに響きます。

 企画展『生きる』は、石内都さんの写真をはじめとして
 本当に素晴らしいものでした。

 すでに小学生くらいのこどもには
 必ず写真の持つパワーが伝わるはずです。

 また、小さなおこさまづれの方々には
 ヤノベケンジさんの作品を単純に楽しんでほしいと思うのです。

 もともと政治家になる前から
 このまちのアーティストの方々と交流を続けてきたフジノにとって
 旧知の方々の作品も多く展示されています。

 フジノは、美術館に足を運んだ後、
 率直に多くの市民の方々と感想を述べ合いました。

 フジノのプライベートの友達や知り合いには
 芸術をこころから愛する人々がたくさんいます。

 そんな方々はもともとフジノの美術館建設反対について
 財政論からの反対であることをよく理解してくれています。

 だから、あえて僕はこころから繰り返したいのです。

 財政的なこのハコモノの問題と
 文化・芸術が持つ尊さとは全く別のことなのです。

 美術館に足を運んでください。
 そして、感じてほしいのです。

 本質的に文化とは、政治によって規定されてはいけないものです。
 政治にはこころを縛りつけることはできません。

 むしろ、アートは政治とは対極にあるものです。
 ぜひ多くの人々に(特に幼いこどもたちに)体感してほしいのです。

 そして、最後に、作品の尊さとは全く別の次元で、
 大切な税金がすさまじい巨額で使われていることを考えてほしいのです。

 アートの持つ力によって自由になったこころこそ、
 現実の財政問題を逃げずに見つめられる強さを持つと信じています。

 美術館問題は、今まさに始まったばかりなのです。



2007年5月13日(日)のフジノ
● 母の日でしたね

 今日は母の日でしたので、
 家族みんなで久しぶりに集まって食事に出かけました。

 僕からは花(赤とピンクのカーネーションにかすみそうです)を、
 家族からはプレゼントを、母さんに渡しました。

 僕は職業柄、なかなか穏やかな日々を
 過ごすことはできないのですが
 少しだけ、母さんと過ごすことができたのはうれしかったです。



2007年5月14日(月)のフジノ
● 市民病院改革が静かに進みつつあります

 政治家フジノのライフワークの1つである
 『市民病院改革』が静かに確実に進みつつあります。

 実は、ものすごく大きなインパクトを持ちながらも
 世の中の9割以上の方々にとっては
 理解してもらえないだろうなあという改革があります。

 それが、市民病院の『退職給与引当金の計上』です!

 ついに今年出される決算(平成18年度分)から
 市民病院は退職給与引当金を計上することになりました。

 ナイス計上!

 市民病院の経営を担当している
 病院管理部の英断に、
 『選ばれる病院』になるのだという
 経営健全化への強い決意を改めて感じさせられました。

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 さてさて、今日の説明はとても難しくて
 会計の知識が無い方には分からないと思います。

 だから、読んでみて分からなくても全く気にしないで下さいね〜。

 ●

 日本では、今から7年前(2000年3月期から)、
 いわゆる『会計ビックバン』と呼ばれる大改革が始まりました。

 これまで日本の会社(=企業)が使っていた会計のルールは、
 国際的なルールとは大きく離れていました。

 これでは世界に通用しません。

 日本企業は世界中で取引をしているのに
 日本だけにしか通用しないルールを使っていたのでは
 相手方に全く信用してもらえません。

 そこで、日本の企業会計ルールを
 国際的な会計ルールに適合させていく為の
 大きな制度変更がいくつもなされました。

 その衝撃のあまりの大きさに
 宇宙が始まった瞬間=ビックバンという言葉をあてたのですね。

 この『会計ビックバン』の一連の改革の中でも

 「企業の業績に与える影響面では最大のものだ」

 と言われてきたのが、『退職給付会計』の導入です。

 これは民間企業で財務・会計の仕事をしている部署の人々には
 当たり前すぎるくらいに
 当たり前のことなのですね。

 でも、会計の知識が無い方(たぶん世の中の9割くらい)にとっては
 全くどうでもいいことなのだろうなあと思います。
 だから、今回の内容が分からなくても
 どうか全く気にしないで下さいね。

 フジノは政治家になる前の
 会社員時代のラスト3年間を財務部で働きました。

 まさに財務諸表を作る部署ですから
 企業会計ルールを必死で勉強しました。

 だからこそ、この重要性を激しく感じています。
 本当はめちゃくちゃ大切なことなのですね。

 この『退職給付会計』をあえて一言で説明すると、

 退職金に関するお金の減少と
 退職金に関して発生する費用を
 財務諸表に適切に計上する為の新しい会計制度


 のことなのですね。

 「新しい」と書きましたがそれは2000年頃の話で
 会計の業界ではもう7年経った今では
 「常識レベル」のお話です。

 しかし、この「常識レベル」の制度が
 地方自治体では全く進んでいないのですね。

 民間企業とほぼ同じ会計ルールをとっている
 地方公営企業があります。

 横須賀市には、病院・上下水道・臨海土地造成の4つがありますが
 水道を除いてはこれまで退職給与引当金への対応が
 できていませんでした。

 例えば、2005年10月の決算特別委員会で
 フジノは市民病院の財務諸表について
 こんな風に発言しています。

 (2005年10月11日・決算特別委員会)




 監査委員から提出されている
 『横須賀市地方公営企業決算審査意見書』の
 病院事業について質問します。

 審査意見として
 是正・改善を要する事項が3点挙げられております。

 (1点目と2点目を省略)

 退職給与引当金の計上について。

 それぞれについて、
 監査委員の是正・改善の意見を受けて
 実際に検討は行われますか。








 是正・改善を要する事項として3点ばかり
 御指摘をいただいておりまして、
 それぞれ検討させていただいております。

 (1点目と2点目については省略)

 退職給与引当金については、
 平成14年度で『繰り延べ勘定』という形で
 措置したところでございますが、
 今後はそういったことはないようにしてまいりたいと思いますし、

 また、退職給与引当金につきましても、
 今後、計上できるようにしてまいりたい
とは思います。

 ただ、平成16年度につきましても
 収益欠損といった状況でございます。

 また、今後、団塊の世代の退職を迎える中で、
 果たして計上できるのかなということもございますが、

 基本的には計上するのが適切であろうと思いますので、
 今後、研究してまいりたいと思っております。



 市民病院も企業ですから
 決算になると財務諸表を作ります。

 それを監査委員がチェックして、意見書が出されます。

 次に、市議会の決算特別委員会で決算をチェックします。

 フジノは政治家になった4年前から
 毎年この監査委員が作った意見書を読んできましたが
 必ず「退職給与引当金を計上すべき」と指摘されてきたのですね。

 そこで、決算特別委員会のメンバーになった2005年(2年前)には、
 この監査委員の意見書に触れて
 退職給与引当金の計上を実際に検討すべきだと述べました。

 それから2年、ついに今年の3月議会で
 退職給与引当金が計上されたのです!

 やった!
 全国に先駆けたすごい試みです!


● もしも民間企業であれば、『粉飾決算』となる現状でした

 さてさて。

 しつこく書いてきた退職給与引当金とは
 いったい何のことかを改めて説明してみますね。

 実は、みなさまがもらうであろう
 『退職金』は『お給料の後払い』なのを知っていますか?

 3〜30年間くらい企業に勤めあげると
 退職する時に退職金をもらいます。

 世間的な常識では「おつかれさまでした」的な
 『退職後の生活へのボーナス』みたいな感じがあるかもしれません。

 でも、会計の世界では、
 今みなさんが一生懸命働いた期間の働きに対応して
 『お給料を後払い』したと考えるのですね。

 だから、例えば今年1年間あなたが働いたとしたら

 (1)今もらっているお給料1年分=A円

 (2)将来に退職金として払うお給料1年分=B円

 という、2種類の支払い義務が会社には発生します。

 財務諸表(いわゆるバランスシートなど)では、
 発生主義、というルールを採用しています。

 発生したらそれを計上することで
 会社の現状を正確に理解することができるのです。
 それが発生主義ですね。

 上に書いたとおりで、1年間あなたが働いたとすると
 A円の支払いとB円の支払い予定が発生するのです。

 だから、バランスシートには、
 この両方(A円というお金の支払いとB円という支払い予定)を
 しっかりと記さなければいけないのですね。

 この両方が記される(=計上される)ことで
 その会社の現在の状態が正確に分かることになるわけです。

 会社は株主に説明責任がありますし、
 法律上も本当の状態を情報公開しなければいけません。

 そして、正確な現在の状態が正確に分からなければ
 今後の経営方針さえ立てることができませんよね?

 という訳で、将来払うことになる退職金(=給与の後払い)が
 今の時点でいくらになっているのかを記すことを
 退職給与を引き当てる、と言います。

 それを省略して『退職給与引当金』と呼ぶのですね。

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 すさまじく長い説明でしたが
 なんとなくは分かってもらえたでしょうか?

 僕の説明はヘタクソなので
 なかなか分からないですよね(笑)。

 ただ、2つだけ知っていて下さい。

 1.民間企業と同じく、地方公営企業(病院・上下水道)も
   会計ルールに基づいて退職給与引当金を計上しなければならない

 2.これを計上しなければ、本当の財政状況は分からない


 これを今まで市民病院はやってなかったのです。

 やっとふつうの会計ルールに
 改善されることになりました。

 これは、逆に言うならば、
 民間企業で会計ルールに従わないで決算をしていれば
 それは『粉飾決算』です。

 実態を表していない財務諸表を発表すれば
 それはウソのものですから、法的に違反していることにもなります。

 例え、完全な民間企業とは言えない
 地方公営企業という特殊な企業であっても
 守るべきルールは同じです。

 やっとふつうの状態に改善されたことになります。


● 市民病院の実態は、24億円の赤字です

 では、ルールどおりに退職給与引当金が計上された結果、
 市民病院の財政の実態はどうなるかというと...。

 24億円の赤字です。
 (06年度決算見込み)。

 これが本当の「財政の実態」なのです。

 退職給与引当金を計上していなかった(=実態を反映していなかった)
 これまでは、こんなに低い数字だったんですよ。

 2005年度決算では、純損失4億8886万円。
 2004年度決算では、純損失2億4605万円。
 2003年度決算では、純損失7303万円。
 2002年度決算では、純損失1億6044万円。

 前の年までは、実態を正確に反映していなかったのです。
 恐ろしいと思いませんか?

 実際には24億円の損失なのに、
 前年までは4億円としか報告されていなかったのです。


 これでは横須賀市は
 夕張市のことを責めることはできません。

 けれども、病院管理部(市民病院担当)は
 本当の意味でウミを出しにかかったのです。

 現実をしっかりと直視しなければ、改革はできません。

 前年が4億円の損失だったのが
 翌年に24億円の損失になってしまえば、
 会計の知識が無い人々にとっては

 「何が起こったんだ!?」

 と、ショックだと思います。

 けれども、財務・会計に関わってきたフジノは
 あえて市民病院と病院管理部を高く評価したいと思います。

 これは、正しいことです。

 やっと本当の財政の実態が
 分かるようになったのですから。

 正確でない財務諸表を見せられて安心するくらいなら、
 厳しい現実でも正確な財務諸表が必要です。

 そうでなければ、何も改善できないからです。

 だから、市民のみなさまも、
 まずは病院管理部の決断を評価してあげてください。

 そして、ここから改革を一緒に進めていきましょう!

 現実を直視すること。
 これがまず何よりも大切です。



2007年5月15日(火)のフジノ
● 「現実が正確に反映されないバランスシート」に価値は無い!

 昨日のこのコーナーは、やっぱりとても難しかったようですね。
 だから、今日はあえて分かりやすく書きます。

 その言葉づかいに納得いかない人(たぶん会計に詳しい人)も
 少しはいらっしゃるとは思いますが、意図的なものなのでご了解ください。

 ●

 『会計』って分かりにくいかもしれません。

 だから『財務諸表(ざいむしょひょう)』って言われても
 「何じゃそりゃ?」って思う人が多いでしょう。

 でも、ひと言でいえば『横須賀市の家計簿』なんです。

 そして、たとえ家計簿を毎日一生懸命つけてるとしても
 そこに『ウソ』が書かれていれば、そんなものは無意味ですよね?

 だって、家計簿のおかげで、

 ・現在の自分ちのお金の支払い/入ってきたお給料

 ・これから毎月支払うローンの金額/ローンの残り金額

 だとか、正確な状況が分かる訳です。

 現在の正確な実態が分かれば、
 将来にどうしていくべきか、を考えることができますよね?


 昨日のこのコーナーでフジノが伝えたかったのは、
 こんな感じです。



 ・市民病院の「家計簿」はこれまで正しくなかった

 ・それをついに今年から正しく直した

 ・その結果、24億円も赤字が出た(実に昨年の6倍!)

 ・ひどい赤字だけど、それでもやっと本当の現状が分かることになった

 ・現状が分かったからには、改善すべき方法もしっかり考えられる!




 これをぜひ覚えておいて下さいね!

 たとえ現実がどれほどひどいものであっても
 事実を隠して見せかけだけよくするのはサイアクです。

 市民のみなさま、横須賀市の現実のひどさを直視していきましょう。
 そうしなければ、本当の財政たてなおしはできません。

 実は、家計簿のウソが他にもたくさんあります。

 今回の市民病院の改善は、
 ほんの第1歩なのです。

 政治家フジノは、横須賀市の財政たてなおしに本気です。

 市民病院については1期目の4年間を通じて
 市民病院の改革を訴え続けて
 『経営健全化計画』を作ることができました。

 あとはこれを実行に移していく、ということで
 とりあえずのめどはついてきたかな、と思っています。

 政治家フジノの、次のターゲットは
 下水道事業の改革
です。

 これは、1期目のラスト1年間からとりかかりはじめました。
 2期目(今期)も『財政の最重要課題』の1つとして
 財政たてなおしに取り組んでいきます。


● 財政をたてなおすには、ハコモノSTOPだけじゃ足りない

 横須賀市には現在3200億円の借金があります。

 これには、市の関係団体などの借金は入っていないので
 実際にはもっと大きな借金(たぶん4000億円を超える)があります。

 赤字財政をたてなおすには、

 (1)支払うお金を減らしていく

 (2)入ってくるお金を増やしていく


 この2つですよね、一般的には。

 2つを同時進行で
 徹底的に行なっていく訳ですが、

 (1)を進める為に政治家フジノ(1期目の4年間)は
 まず美術館建設などのハコモノSTOPをターゲットにしました。

 今すぐこれを作らなければ市民の多くが死んでしまう、みたいな
 本当に今この瞬間に必要なものではないハコモノは
 後回し、あるいは計画を中止する。

 これは当たり前ですよね。

 けれども、(1)と(2)を進めていく前に
 本当はまず最初に
 「第0段階」として必要なことがあるのです。それが、

 (0)おサイフの中身を正確に把握する

 なのですね。

 これは、実はとても分かりにくいことなので
 1期目のフジノは、あえて語ってきませんでした。

 1期4年間で引退するつもりだったフジノには
 市民のみなさまに説明して理解してもらう時間がありませんでした。

 分かりやすい「ハコモノ」や「借金の多さ」などをまず理解してもらうべく
 チラシ・HP・街頭演説などの場で語ってきました。 

 けれどもすでにこれまでも
 会計士や税理士や経営コンサルタントの仲間と共に合宿をしたりして
 決算書と予算書の在り方と問題点を詳しくチェックして
 市議会で取りあげてきました。

 2期目の政治家フジノは、あえてこの分かりにくいことを
 市民のみなさまに理解してもらう努力をしていくことに決めました。

 会計のプロたちだけが理解しているのでは、
 何にも意味が無いからです。

 だって、横須賀市のおサイフの中身とは
 市民のみなさまの税金ですから。

 分かりにくい言葉や分かりにくい概念がたくさん出てきますが
 市のおサイフ=自分のおサイフ、ですからね。

 どうか一緒に現実を知っていってくださいね。


● 監査委員だって本気なのだから、市長は応じるべき

 市民病院が家計簿を正しく書き直したことは
 実は、たくさんの方々の努力のおかげでもあります。

 特に今回、監査委員が果たした役割は
 とても大きかったと思います。

 昨年9月、監査委員4名の連名で
 市長に対して「家計簿を正しく書き直せ」と要望書を出しました。


監査委員から出された要望書1

 これは本当に素晴らしい。

 それから8ヶ月も経つのに
 市長側からは何も回答が出ていません。問題です。

 市長、応えるべきです。

 本気で市長も財政をたてなおしたいなら、
 まずこの監査委員から出された要望書に対して
 誠実な回答を出すべきです。

 つまり、「やります」という回答です。

 市長、あなたは自ら「今年は財政の大底」と
 施政方針演説で述べたのですから、本気で改革をやるべきです。

 この要望書は、財政たてなおしの第0段階レベルの作業です。

 時間はあまり残されていないのですから
 一刻も早くこの重要性を理解して、改善すべきです。


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 市民のみなさま、動きがありましたら
 必ずすぐにお伝えしますからね。



2007年5月16日(水)のフジノ
● ラウンドワン問題(S区問題)、その後を報告します

 ラウンドワン問題を、覚えていますか?

 湘南学院高校(横須賀市日の出町3丁目)の隣に、
 長年にわたって売却できなくて
 不良資産になっている市有地があります。

 これを『S区』と呼んでいます。

 財政状況の悪い横須賀市にとって
 この売却は長年の懸案でした。

 多くの市議会議員が「早く売れ!」と市に訴えてきました。

 しかし、2回にわたって買い手を募集しましたが、ゼロ。

 ようやく3回目の募集に対して
 複数の企業が応募してくれて、審査の結果、
 アミューズメント施設を全国展開している(株)ラウンドワンという会社に
 決定しました。

 応募企業の中で最も財務体質が良く、
 約17億円(試算)の市有地の売却金額を一括で支払える
 唯一の企業でした。

 しかし、隣の湘南学院高校から反対の声があがり、
 市議会に請願が出されて、
 市議会の多数派(これまで「売れ!」と言ってきたのに)が賛成しました。

 こうして、事実上のラウンドワン進出は撤回されたのでした。

 ここまでを、前回(2月23日)
 この活動日記で速報として報告しました。

 今日は、その後についてを報告します。

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 (1)ラウンドワンは進出を辞退しました

 3月13日
 市議会の決定を受けて、横須賀市は『取り消しの依頼』を
 (株)ラウンドワンに申し入れました。

 3月28日
 (株)ラウンドワンから『承諾』の回答を頂きました


 (2)賠償金は支払います

 横須賀市から「進出してください」と応募をかけておいて
 横須賀市から「やっぱり辞退してください」という
 ありえないお願いをしたわけです。

 当然ながら民法上でも、
 市側に賠償金の支払い義務(『契約の破棄』)が発生します。

 賠償金額については6月議会で議案が出される予定ですが、
 基本的にはラウンドワンが営業活動に要した
 『設計軽費』と『実費分』の支払いを行なうことになります。


 (3)次点だった『温泉施設』もできません

 審査結果が(株)ラウンドワンの次に良かった
 次点の事業者(温泉施設の運営をしているところです)にも
 改めて進出の意向を確認しました。

 しかし、正式に辞退の届けを文書で頂きました。

 したがって、温泉施設の進出もありません。


 (4)S区の売却は今後どうしていくのか?

 こうして、またも売却ができなかった市有地S区は、
 それでも売却をめざしています(当然です)。

 現在、横須賀市は新たに4回目の公募を行なう準備をしています。

 詳しい売却の条件については、
 6月議会で報告が出される予定で準備が進められています。


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 以上、途中経過報告でした。

 市民のみなさんの関心を集めた問題であるにもかかわらず
 あまりにも説明責任が果たされていないのを感じます。

 横須賀市はもっと広報すべきですし、
 マスコミのみなさまにもどんどん報道してほしいと感じます。


● S区の売却には複雑な要素がからまっています

 そもそもS区の売却問題とは、
 ここ数日書いている『財政の問題』に深く関わっています。

 かつて横須賀市は、海をどんどん埋め立てて、
 新しく平成町という土地をつくりました。

 しかし、はじめに計画していたようには
 まちづくりが進みませんでした。

 明らかに当時のトップ(市長)の判断が間違っていた、と
 フジノは考えています。

 トップが見通しや判断を誤っても
 それでも行政は前に進まなければいけません。

 だから、これまで必死に土地を売却してきたのです。

 何年にも渡る熱心な営業活動の結果、
 何とかしてあと数年のうちに
 全ての土地が
 売却できる見通しがついてきました。

 その売れ残っている土地の1つが
 このS区なのです。

 土地のことを『固定資産』と呼びます。

 固定資産は、ただ持っているだけで何にも活用できなければ
 かつて世間をにぎわせた『不良債権』になっていきます。

 S区の売却を行なうことによって
 約17億円の収入(あくまでも収入であって利益ではありません)
 がありますから、絶対に売らなければいけません。

 けれども、実際にS区(日の出町)を見て欲しいのですが
 広さもそれほどあるわけではありません。
 企業が進出するといっても、
 大規模なものは不可能な不利な条件の土地なのです。

 これまでは人口政策・住宅政策の観点から
 マンションなどを建てる企業には売却しない方針できました。

 平成町にはこれまでも巨大なタワーマンションがたくさん建設されて
 小学校などの教育施設は定員いっぱいの状況があります。

 マンションを買う世代はこどものいる若い世帯が多いですから
 この特定の地域だけ
 こどもたちがさらに増えてしまえば、
 十分な環境での教育が受けられない可能性があります。

 そんなこともあって、
 S区は住宅としての利用には、販売をしてきませんでした。

 けれども、6月議会に出される新しい条件では、
 売却を優先する為に住宅としてもOKになってしまうかもしれません。

 政治家フジノは『住宅OK』には反対です。

 ただでさえ空き家が多い横須賀市において
 住宅政策として進むべき道は
 「もうマンションは作らせない方針」を打ち出すことだと信じています。

 こうしてまたもや、健全な住宅政策が崩れていく...。


 ・財政の観点からは、絶対に売らなければならない。

 ・企業誘致の観点からは、売りにくい広さなどの不利な条件がある

 ・住宅政策の観点からは、マンションにすべきではないけれども
  市議の中には「住宅もOKにすべき」の声がある

 ・今回の湘南学院高校のように、
  当然ながら周囲の市民の方々にも納得していただける
  売却でなければならない



 こんな状況が、S区問題には存在しています。


● 埋め立ては本当に必要だったのかをあなたにも考えてほしい

 そもそも、こんな状況を生みだしたのは
 海を埋め立てて新たな土地をつくろうと決めた過去の市長の
 大きな判断ミスにあるとフジノは結論します。

 ハコモノ以上に巨大な埋め立て事業は、
 横須賀市にとって大きな失敗だったとフジノは考えています。

 このコーナーに以前にもそう書いたら

 「実際に今暮らしている平成町住民に失礼じゃないか」

 と、批判してきた人がいましたが
 平成町に今暮らしている人とは全くカンケーありません。

 平成町に暮らしている人のことと、
 平成町を造ることを決めた人のことを一緒にするのは
 議論をごまかしています。

 フジノが問題にしているのは
 『行政トップの経営判断』の問題だけなのです。

 ホームズやエイヴィやリビンの買い物客のにぎわいや
 うみかぜ公園で楽しそうに過ごしている親子づれを見るだけでは、
 埋め立て事業は成功したように感じます。

 でも、本当にそうなのでしょうか。

 横須賀市は人口の減少が続いています。

 埋め立て事業によって、
 人口減少が少しでもスピードダウンしたのでしょうか。

 あるいは、税収は少しでも増えたのでしょうか。

 あるいは、もしも埋め立て事業をやらなければ
 財政に与えたマイナスの影響がもっと少なかったかもしれません。


 造ってしまったものはしかたがないのではなく、
 造ったものだからこそ、結果をしつこく分析しつづけていくのです。

 そして、同じ失敗は繰り返さないようにすべきなのです。

 経営トップである市長や、社外取締役みたいな市議会議員だけでなく、
 市民のみなさまにもぜひ一緒に考えてほしいのです。

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 横須賀市の住宅の多くは
 老朽化が進んでいて、10軒に1軒が空き家です。

 空き家が多ければ、治安も悪化します。

 こうした空き家のうち、
 戦前から戦後直後に作られた物件はムリとしても
 半数くらいはリフォームすることによって新たに一戸建てとして
 活用することはできないのでしょうか。

 マンションに住むことと、一戸建てに住むことと、
 どちらも選べるならば、あなたはどちらを選ぶでしょうか。

 今ある住宅物件をもっと活用すること、
 空き家を建て直したり、リフォームをすることの方が、
 マンションを建てることよりもより安く
 市民の方々に住宅を提供できるのではないでしょうか。

 今もどんどんマンションが建てられていますが
 本当に需要があるのでしょうか。

 そんなことをフジノは政治家の立場で問題提起していきます。
 あなたには、このまちの株主として、判断してほしいのです。

 市長や政治家だけにまかせていれば
 どんどん知らないうちに物事が決まっていくでしょう。

 それでは、このまちの将来は他人によって勝手に造られていきます。

 あとで文句を言っても、失われたものは戻りません。
 だから今、あなたに考えてほしいのです。

 ラウンドワン(S区)問題は、
 実は、コップに入った水の、
 そのてっぺんがちょっと揺れただけのことなのです。

 その水の揺れに
 多くの市民の方々が関心を留めてくれました。

 けれども本当は、コップそのものの存在がおかしくはないか、と
 あえてフジノは問題提起しました。

 コップを持っているのはあなた自身なのです。

 でも、あなたは本当に望んで
 そのコップを持っているのでしょうか。

 「難しいことはわかんないから
  だから政治家であるお前に投票して任せたんだろ」

 とは、僕は言わせません。

 あなたも一緒に考えてください。

 このまちのトップとは市長でも市議会議長でもなく、
 本当のトップとは、あなたなのですから。


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