まちの政治家は、こんなことしてます


2009年10月30日(金)のフジノ
● さようなら!障害者自立支援法、つくろう、私たちの新法を!

 今日は、日比谷野外音楽堂へ。

 『さよなら!障害者自立支援法。つくろう、私たちの新法を!
  〜10.30全国大フォーラム〜』


 に参加しました!

 障害者自立支援法の廃止を祝うとともに
 新しい法律の姿をみんなで描いていこうというフォーラムです。

 (プログラムなどはこちら

 今回も、全国から数千人もの方々が
 障がいの種別を超えて、大集合しました。

 今回も、と書いたのは、天下の悪法である障害者自立支援法が
 4年前の10月31日に強行採決で成立してから

 たびたびこの日比谷野外音楽堂では
 怒りの『抗議』の為に何度もフォーラムが行なわれてきたのです。

 全国から数千人もの障がいのある方々が
 この日比谷野外音楽堂に集まって
 怒りの声をあげて、悲しみの涙をこぼしたのでした。

 でも、今日は違います!



 今日の日比谷は、
 かんかん照りと言っても良いくらいの晴天でした。

 しかし、本当に熱かったのは太陽ではなく、
 全国から集まって下さった、障がいのある本人のみなさまでした。

 フジノは今日、「本当に、生きてきて良かった」と思いました。

 政権交代が決ったその日、
 すでに天下の悪法である『障害者自立支援法』の廃止は
 決まったはずだったのに、

 実は、まだ実感が沸いてこなかったのです。

 これまでいつも政府にだまされてきたから
 今回も、もしかしたら新しい政権にだまされるのではないか、と

 本当に国会の場で法律が廃止になったその日までは
 喜ばないようにしようと、こころのどこかで警戒していました。

 でも、今日この日比谷のフォーラムで、ようやく実感することができました。
 やっと本当に終わるのですね。
 新しい法律へという動きを信じていいのですね。

 本当に良かった...。

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 あの小泉元総理のもとで
 財政のことだけしか考えずに作られた障害者自立支援法は、
 世界でも例をみない、ひどい制度でした。

 立場が弱い人々を狙い撃ちにした
 最低の法律でした。

 しかし、この国の人々は、小泉元総理が取った間違った最悪な政策に
 騙されたまま、許してしまうような人々ではありませんでした。

 フジノはそのことが本当にうれしいです。



 尊敬してやまない山井和則さん(厚生労働政務官)
 涙を流している姿に

 フジノも涙が出て、しばらく止まりませんでした。

 やっとこの国の障がい福祉は
 最悪の状況を抜け出すのです。

 マイナスから、ようやくゼロへ。

 これから新しい法律をみんなの手で創っていきましょう!

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 障害者自立支援法の廃止を喜ぶのは
 ひとまず今日で終わり。

 明日からは、新しい法律が本当に在るべき姿になるように
 その為の活動に全力を尽くしていきましょう!



 さよなら!障害者自立支援法。



 新しい法律を、一緒にみんなで創っていきましょう!


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 *後日談:翌31日の東京新聞に記事が掲載されました。

 (2009年10月31日・東京新聞より)



2009年10月28日(水)のフジノその1
● 議員報酬はカットすべきです/特別職報酬等審議会が開かれます

 『諮問(しもん)』という言葉があります。

 市長がなんらかの政策決定をする為に
 有識者たちによるメンバーの会議に対して問題を投げかけて
 その会議から意見をもらうことです。

 さて、横須賀市には
 『特別職報酬等審議会』というものがあります。

 市長・副市長・市議会議員の報酬の金額が妥当かどうか、
 つまり、給与をアップすべきかダウンすべきか
 意見(=答申)を出してもらいます。

 吉田市長は、この特別職報酬等審議会に対して
 次の3つのことを諮問しました。


 (1)市長・副市長の給与は現在の金額で適正か?

 (2)市長・副市長の退職手当(退職金)は適正か?

 (3)市議会議員の報酬(給与)は適正か?



 この件について報じた
 神奈川新聞の記事を引用いたします。

 (2009年10月24日・神奈川新聞より)

 市長や議員の報酬は適正?
 横須賀市長自ら諮問


 横須賀市の吉田雄人市長は
 23日までに、
 市特別職報酬等審議会
 (委員長・小沢一彦横須賀商工会議所名誉会頭、9人)に

 市長・副市長の給与と市議会議員報酬が
 適正かどうかについて諮問した。
 また、市長・副市長の退職手当についての意見を求めた。

 同審議会への諮問は4年ぶり。

 市長の給与は月額114万5千円、
 副市長の給与は同97万4千円。

 議員報酬は同66万2千円。このほか、議員には
 同13万9千円の政務調査費が交付されている。

 市によると、

 人事院が8月に国家公務員一般職の2009年給与を引き下げるよう
 国会などに勧告したのを受け、
 特別職の給与などが妥当かどうか
 客観的に判断してもらうため諮問したという。

 同市議会の山下薫議長は9月、
 吉田市長に対して

 (1)議員報酬は13年間据え置きだが
  期末手当の支給率を削減しているため実質は減額となっている

 (2)各種社会保障費が増加して可処分所得が少ない

 ―ことなどを考慮して
 議員報酬の諮問をするよう求める要望書を提出した。
 諮問にあたっては、この要望書も添えられた。

 (佐藤浩幸)


 (引用終わり)
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 吉田市長がこの3つの『諮問』を行なったことに
 フジノは強く賛成します。

 また、ぜひとも特別職報酬等審議会の答申が
 「3つとも全てダウンすべきだ」となることをフジノは願っています。

 この3つの中で
 特に「市議会議員の給与はカットすべきだ」ということを
 2003年の選挙公約からフジノはずっと訴え続けてきました。

 政治家が自ら痛みを引き受けなければ
 『改革』を実現できるはずがありません。

 また、これだけの財政危機をもたらした責任は
 歴代の市長だけでなく、
 当然ながら政治家にもあるのです。

 政治家が身を切ることで責任を取らなければ、
 市民のみなさまの信頼を得られるはずがありません。

 この訴えは、この活動日記でもくりかえし書いてきただけでなく
 市議会の本会議の場でも訴えてきました。

 どのような結論を出すかは
 特別職報酬等審議会のメンバーが決めることですが
 今こそ「カットすべきだ」と
 フジノは改めて訴えたいです。

 答申がどのようなものになるか、
 ぜひ市民のみなさまもご注目ください!



2009年10月27日(火)のフジノその1
● 父のお見舞い/インフルエンザ予防接種への同意書類に署名

 今日は、夕方から父のお見舞いへ。

 秋の夕暮れはとても早くて、江ノ電の目的地に着いた頃には
 まもなく真っ暗になってしまいそうな感じでした。



 医療費の支払いを兼ねてお見舞いに行っているのですが
 本来ならば6〜10日くらいに支払うべきところを
 今月も遅れに遅れてしまい、
 またも月末になってしまいました。

 父に会いたい、医療費を支払わねばならない、の2つに加えて
 今回はもう1つの目的がありました。

 それは、『季節性のインフルエンザ』の予防接種
 父が行なうことへの同意書に署名をする為です。



 父のような状態に追い込まれている多くの方々は
 ふとした肺炎でもあっけなく亡くなってしまう訳ですから

 インフルエンザに罹患してしまうことは
 致命的なダメージとなります。

 これまで4年半の入院期間も予防接種を毎年お願いしてきたので
 今回も、もちろんお願いすることにしました。

 父の場合ですと、
 熱や血圧などの様々なバイタルが安定している時をみはからって
 予防接種を打つことになります。

 (残念ながら、新聞報道でもみなさまご存知のとおり、
  神奈川県内は新型インフルエンザの接種が遅れていて
  父の入院している病院でもワクチンは未入荷の状態でした)


● 遷延性意識障害の回復治療について学びたい

 今回のお見舞いでも、父に聞いてほしいことがたくさんあって
 1時間ほどの滞在の間、いろいろなことを話しかけました。

 実は、最新の医学では

 『遷延性意識障害』(植物状態)からの回復

 という分野があることを
 マスメディアの方が教えて下さいました。

 これまでは父のように『植物状態』と言われている状態になった方は
 数年間の経過の後に亡くなる、
 つまり回復はしない、と考えられていました。

 しかし、治療の方法しだいでは、回復をするそうです。

 例えば、バッティングセンターで
 バットを振れるくらいまでに回復した方がいるそうです。

 できれば早い時期に、そうした研究・実践をされているドクターにお会いして
 お話をうかがいたいと思います。とても関心があります。

 たとえ父の回復にはもう間に合わないとしても
 同じような状態に追い込まれた方々の為に
 政府がそうした研究を後押しできるのではないかと僕は考えるのです。



 それにしても、

 「中脳と脳幹しか生きていないから
  聴覚も視覚も全く機能していない」

 とドクターに言われながらも、
 家族としてはそれが信じられないというのが本音です。

 精神医学を独学で学んでしかいない僕にだって
 確かに父の脳のMRIを見れば、かなり厳しい状態なのは理解できます。

 それでも、僕が話す内容によって、呼吸が荒くなったり
 まばたきの感じや体の向きの動きの変化が起こるのを見るにつけても
 『内容』に合っている『反応』に見えるのです。

 つまり、感情は確かにそこにある、
 けれどもその感情を表現する手段がない、という印象を強く受けるのです。



 心理学専攻のフジノですから、
 こういう事態に家族が追い込まれた時に
 目の前の現実に反して家族がそういう気持ちになってしまうことは
 しかたがないということは理解しているのです。

 けれども、どうもそういうことではないと感じるのです。

 つまり、家族のひいき目や願望によって、
 父が反応しているように見えるということではない、と感じるのです。



 もしも『遷延性意識障害』の治療やサポートによって
 何らかの改善が見られるとするならば、
 現状よりは父も意思疎通ができるようになるのではないか
 という気持ちにさせられます。

 政治の仕事は、救えるいのちを救うことだけでなく、
 いかに人生の質(Q0L)を守り、高めるか、ということにあります。

 早急に調べてたいと思いました。



 帰り道、外は真っ暗でした。

 そしてこのまま横浜へ。まだ2件、用事があります。

 本日の最後は、高校時代からの親友と
 横須賀市の今後についてどう対応すべきかを話し合ってきます。

 例えば、父のような状態の方々は
 行き場がありません。

 のどに穴をあけて気管切開をしていたり、
 胃に管を通して栄養をとる経管栄養をしていたりすれば、
 まず確実に、特別養護老人ホームは受け入れてくれません。

 横須賀市でも要介護度が高い人を優先して
 特別養護老人ホームに入所できるようにという方針を持ちながらも
 父のような人は受け入れてもらえません。

 慢性期の療養病床に入ることができたとしても
 すさまじい金額の医療費をとられます(父の場合は毎月約20万円です)。

 それでは自宅で介護が可能かといえば、
 不可能です。

 横須賀市内には、24時間対応できるような、
 つまり、夜間も介護に来てくれるヘルパーさんの事業所がありません。

 家族が順番に寝ないで対応していけば、
 必ず家族が倒れていくでしょう。

 うつ病に追い込まれていく、あるいは
 介護苦からの虐待や心中ということも実際に起こっています。

 わが国の介護保険制度は
 かつてスタートした時の理念が全く実現されていません。

 こうした小泉元総理を筆頭にした自民党政権によって
 破壊されつくした社会保障(医療・保健・福祉)が

 政権交代によって
 少しでもまともな方向へ改善されることを
 こころから願っています。



2009年10月26日(月)のフジノ
● 美術館建設みなおし活動の初心を絶対に忘れません

 いろいろなところで、フジノの『政治家引退説』が流れています。
 先日は東京の方からもそのように質問されました。

 実は、そのウワサは
 間違いではありません。

 進退をかけて、吉田市長に伝えたいことがあります。

 当選してからとたんに改革派では無くなってしまったかのような
 あまりにもふがいない吉田市長の姿に対して

 あの市長選挙でフジノは誰よりも
 彼のマニフェスト支援に全力を尽くした責任にもとづいて

 フジノ自らの進退を賭けて

 「吉田市長に改革の初心にかえってほしい」

 と訴える決意が、今、フジノのこころに確かにあります。

 多くの市民のみなさまから

 「期待していただけに絶望も大きい」
 「何が希望だ」

 というお声をいただきました。

 さらに、フジノは複数の信頼できる若手市職員の方々から
 激しい落胆の声もたくさんいただいています。

 一部の部局長が「蒲谷前市長よりもくみしやすい」と言ったのを
 聴いたという証言もありました。率直に悔しくてたまりません。

 市長への当選後、フジノなりにできることはアドバイスしてきましたし、
 スケジュールには載せられないようなサポートもしてきました。
 それらはフジノのできる全力でした。

 しかし、そうしたフジノの声は
 もはや市長のこころには届いていないように感じています。

 この1ヶ月間、毎日フジノは
 これまで支援してくださった
 多くの市民のみなさまに会っていただいているのですが

 一方で

 「フジノ、おまえが投げ出してどうする!」

 「改革派の灯を消すな!」

 というたくさんの声も頂いています。

 (「じっくり見守ってやれ」という声には同意しかねます。
  このまちの危機はじっくり見守るほど時間は残されていません)

 フジノがこの政治生命をどうするか。

 横須賀市議会議員選挙史上、歴代4位という得票数であった
 6901名という有権者の想いをどう判断するか。

 もう少し市民のみなさまの声を聴かせていただきたいと思います。

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 フジノがこころから尊敬してやまない
 元『民意が市政に生かされることを願う会』副代表から
 あるDVDをいただきました。

 2003年7月28日に文化会館大ホールで
 美術館建設見直しを求めて大々的に開催した
 イベントの時に

 上映したDVDです。



 頂いた理由は全く別のきっかけだったのですが
 こころから尊敬している元副代表から
 無言のアドバイスを頂いたように感じました。

 「これを見て、もう1度しっかりしろ」

 フジノが今、何ができるのか、
 必死に考えて行動したいと思います。

 みなさま、ご心配をおかけして本当に申し訳ございません。



2009年10月25日(日)のフジノその2
● うれしかった2つのニュース/横浜市栄区補欠選挙と松下政経塾

 今夜は、うれしいニュースが2つも舞いこんできました。

 カフェトークにたびたび来て下さっていたお2人の方々が
 それぞれに新しいスタートを切ることになったのです。

 お1人目は、藤田みちるさんです。

 横浜市栄区で行なわれた補欠選挙の結果、
 今夜、当選されました!本当におめでとうございます!

 (2009年10月26日・毎日新聞・朝刊より)

 カフェトークの場では『政治』カンケーの話題はNGなので、
 政治的なお話をしたことは全くありません。

 藤田さんは、横浜の緑を守る活動に取り組んでこられました。

 特に、藤田さんが力を入れてきた
 瀬上沢地区の自然というのは

 フジノたちの暮らす三浦半島から続いている三浦丘陵の緑のベルトの
 北の端に位置しています。

 つまり、緑で横須賀も栄区もつながっているのですね。

 だから、フジノも藤田さんが関わってきた活動に
 とても関心がありました。

 市民活動による地道な活動が成果をあげて、
 横浜市の大規模開発計画は撤回されました。

 とても素晴らしいことだと思います。

 こうした活動を一生懸命されてきた方が
 市民の代表に選ばれたことは、率直にうれしく感じます。


 お2人目は、Aくん(大学4年生)です。

 彼は、社会的ひきこもりの状態に追い込まれてしまったこどもたちに
 家庭教師として大学生有志を派遣する活動をしてきました。

 そんな彼は、まわりの大学生たちが就職活動に突入していく中で
 そのまま自分も就職活動へ流されていくことが正しいのか
 とても悩んでいました。

 自問自答の日々の後に、彼が選択肢として選んだのは
 なんと松下政経塾への挑戦でした。

 松下政経塾というのは、卒塾生から国会議員をはじめ、
 数十名もの政治家を輩出していることで有名ですよね。

 しかし入塾試験は、数十倍の難関と言われています。
 合格するのは毎年10名もいないそうなのです。

 その松下政経塾に「合格」したとの連絡をもらいました!
 本当におめでとうございます!

 個人的にフジノは、
 将来、彼に政治家になってほしいと願っています。

 他人の痛み、特に、こどもたちの痛みに寄り添うことができる。
 そして、まわりの流れに抗って、自分の想いを貫くことができる。

 こういう人が政治家になってくれたならば
 きっと社会は良い方向へと変わるはずです。

 本当に将来が楽しみです!


 お2人はきっと希望ある未来へ向けて
 これから毎日、全身全霊をかけて活動していくことと思います。

 フジノもこころから応援しています。
 お互いにがんばっていきましょうね!



2009年10月25日(日)のフジノその1
● バーチャル・セデーション体験@ウェルシティまつり

 今日はなんだかずっと小雨が降ったり止んだりしていましたね。
 メインの移動手段がバイクのフジノにとって、
 小雨が一番悩ましいところです。

 さて、毎年必ず訪れることにしている『ウェルシティまつり』
 今年も行ってきました!


 逸見にあるウェルシティ(すこやかんの入っている建物です)で
 年1回開催されているこのイベントは、
 フジノにとって、特に思い入れがあります。

 『ウェルシティまつり』は

 同時に

 『健康よこすか21まつり』

 でもあるのですね。

 主催も保健所でして
 このイベントでは

 市民のみなさまに
 楽しみながら
 健康になっていただくことを
 目指しています。 

 このイベントの場で、
 政治家フジノのメイン政策である『精神保健福祉の向上』にむけた
 取り組みの1つが行なわれているのですね。

 それは、

 バーチャル・ハルシネーションなどによる『疑似体験』を通じて
 精神障がいや発達障がいに対する理解を深めていただく、


 というものです。



 すでにたくさんの市民のみなさまに
 体験していただいたバーチャル・ハルシネーションですが
 かつて、地方自治体で体験できるのは横須賀市しかありませんでした。
 (本当に全国に先がけて導入したのですよ〜)

 さらに、今年からは新たな取り組みも
 2つスタートしました。

 1つが、『バーチャルAD/HD』です。

 発達障がいの1つである注意欠陥多動性障がい(AD/HD)を
 疑似体験できるマシンがヤンセンファーマ社によって開発されたのですが

 全国の自治体で初めて、横須賀市教育委員会は
 『バーチャルAD/HD』を研修の場で体験する、という試みを
 すでに今年おこなっています。

 なんとそれをさらに拡大して、ウェルシティまつりの中で
 市民のみなさまが誰でも擬似体験できるようにしたのです!

 これは本当に素晴らしい取り組みです。


 そして2つ目が、『バーチャル・セデーション』です。


 100人に1人の割合で誰もが発症しうる精神疾患で
 統合失調症というものがあります。

 日本では、この病気の治療にあたって
 たくさんの種類のクスリを大量にドクターが処方しています。

 これを『多剤大量』と呼んでいます。

 わが国の精神医療はあまりにも遅れていますが
 そのたくさんあるダメな点の1つがこの多剤大量の処方です。

 精神的な病に対して処方する
 クスリのことを『抗精神病薬』と呼びますが、

 抗精神病薬は統合失調症の症状を抑えてはくれるのですが、
 たくさん使用してしまうといろいろな副作用が出てしまいます。

 手が震えて止まらなかったり、いつも眠気がしてしまったり、
 めまいが起こったりふらふらしてしまったり、
 何もする気が起きなくなってしまうことがあります。

 これらは統合失調症の症状ではなくて
 クスリの『副作用』によって引き起こされているのです。

 だから、諸外国の常識として『薬は1種類だけ』です。

 これを『単剤投与』といって、当たり前の原則になっています。

 逆に、日本ではクスリ漬けにしてしまうのです。
 本当におかしいでしょう?アタマにきます。

 さて、そんな多剤大量のクスリ漬けにされてしまった
 この国の精神疾患のある方々は副作用に苦しめられている訳ですが

 まわりのご家族や医療従事者は、副作用の苦しみが分からないのです。
 自分が体験したことが無いから、分からないのです。

 そして、ドクターが処方したものだから
 絶対に正しいものだと信じ込んで

 「クスリをのみなさい。必ず飲まなきゃダメ!」

 と、言ってしまうのですね。

 でも、クスリをのむ側からすると、いろんな副作用が出るから
 なかなかクスリをのみたくないのです。
 ずっと日本ではこんな悪循環が続いてきました。

 多剤大量を日本の精神科医療がやめるには
 ドクターの意識改革だけでなく、
 政府が今の診療報酬をガラッと変えなければいけません。

 けれども、何十年も続いているこの間違ったやり方を
 すぐに変えるのはなかなか難しいようで、

 そこでまずは過剰に処方されたクスリをのみつづけると
 こんなに苦しくなってしまっているんですよ、ということを

 医療従事者や福祉関係者やご家族に擬似体験してもらうことで
 クスリをのんでいる本人の苦しみへ共感・理解をすすめよう、

 というのが『バーチャルセデーション』なのです。

 横須賀市では市民のみなさまに体験してもらう場として
 ウェルシティまつりでコーナーを設置しているのです。

 (自画自賛してしまいますが、他のまちで
  ここまで取り組んでいるところはなかなかありません)

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 とは言っても、決して特別なことをする訳ではありません。

 まずは基礎的な知識を分かりやすく紹介する
 5分ほどのビデオを観ていただきます。

 内容は、上の文章でフジノが説明したようなことですね。



 次に、モニターの付いているバイザーを頭に付けて、
 ヘッドフォンを耳に付けます。



 このモニターの映像とヘッドフォンの音声を聞きながら
 5分間ほど、カンタンな作業をするのですね。

 例えば、電話がかかってくるのでそれをとって会話したり、
 指定された番号をプッシュしたり。

 あるいは、モニターに映しだされる記号を書いてみたり。



 バイザーを付けていなければとてもカンタンな作業が
 全く思うようにできなくなってしまいます。

 『バーチャルセデーション』では、あなたが行なったこの作業を
 100点満点で点数化してくれます。

 ちなみにフジノの場合、バイザーを付けなければ
 100点満点だったのが、バイザーを付けたら44点しか取れませんでした。

 実際、フジノはふだんから服薬をしていますから
 あえて『バーチャルセデーション』を付けなくても
 こうした体験をリアルにしていますから、分かるんです。

 (あ、でも僕の現在のドクターはとても優れている方なので
  多剤大量されたことはありません。
  ふだん僕のクスリは1種類ですし、
  調子が悪くなってクスリが増えた時でも3種類くらいです)

 ともかく、こうした現実を1人でも多くの方々に
 疑似体験していただいて理解してもらうことで

 クスリをのんでいる本人がどうしてそういう行動を取ってしまうのか、

 例えば、いつも眠そうにしていたり、手がガクガクしていたり、
 落ちつきなく歩き回ってしまったり、とか、

 過剰な投与による副作用が原因なんだよ、と知ってほしいのです。

 その為にも『バーチャルセデーション』は
 割と有効なツールだとフジノは考えています。

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 先ほども書きましたが、日本の精神医療が
 この間違った『多剤大量』という在り方を変える兆しが見えてきました。

 例えば、他の国では当たり前に使われているクスリが
 日本ではいつまで経っても承認されないから使わせてもらえない、
 ということがたくさんあります
 (子宮頸がんのワクチンもそうでしたよね?)。

 精神科のクスリでも良いものが諸外国にはあるのです。

 (例えば、専門用語でごめんなさいなのですが、
  最近のデポ剤にはとてもいいのがあります)

 こうしたクスリが少しずつ承認されはじめています。

 また、多剤大量は間違いだから
 そういう治療には診療報酬を下げてしまおうという動きもあります。

 診療報酬が下がってしまえば病院は収入が減りますから
 多剤大量をやめて『単剤投与』にならざるをえません。

 最終的にはドクターの意識が変わることも不可欠ですが
 こんな風に外堀を埋めていくことも大切ですよね。

 ●

 フジノは政治家になって、もう約7年近く経つのですが
 いまだに尋ねられる同じ質問が

 「地方の政治家で無所属では、何もできないんじゃないですか?」

 というものです。

 それに対する7年前からフジノの答えは同じです。

 「いいえ、いち地方議員でも国会議員よりも働くことができますよ。
  人の意識を変えたり、制度を変えるスタートは
  いつだってたった1人の行動で十分なんです」

 これは本気です。

 『バーチャル・ハルシネーション』も
 『バーチャルAD/HD』も
 製薬会社の熱意ある1人の方の行動によって
 開発が進みました。

 もちろん協力者はたくさんいるのですが、
 その方の熱意が実現に結びついたのです。

 全国初で横須賀市がこれらを体験できるように実現できたのだって
 その熱意ある製薬会社の方に
 フジノのしつこいほどの熱意が届いたからこそ
 実現したのです。

 もちろん保健所健康づくり課精神保健福祉班の理解があって
 保健所や健康福祉部や教育委員会などの
 多くの方々の協力と尽力があるからこそ
 実際にはできたのですが

 何よりも大切なのは「精神疾患を理解してほしい!」という想いです。

 必ずこの国から偏見・差別・スティグマは
 無くすことができると信じています。

 信じているからこそ、行動を起こすのです。
 必ず、やればできるのです。

 どうか全国の精神保健福祉関係者のみなさまも、
 いろいろな形でアクションをどんどん一緒に起こして下さいね!

 一緒にがんばっていきましょうね!

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 保健所のみなさま、ヤンセンファーマ社の熊野さん、
 大塚製薬のチームのみなさま、本日はありがとうございました!

 市民のみなさま、どうか来年も開催できると思いますので
 ぜひあなたも来年は体験してみて下さいね。



2009年10月24日(土)のフジノその1
● 自殺多発場所での活動者サミット@虎ノ門・日本財団ビル

 今日は、小雨が降る中を東京・虎ノ門にある日本財団ビルへ。

 『自殺多発場所での活動サミット
  〜自殺のない社会づくりネットワークを目指して〜』

 に参加してきました。

 ものすごく有意義な集まりで、本当に参加して良かったです。



 フジノHPを観て下さっている方からお誘いをいただいて
 この取り組みを知ったのですが
 『自殺のない社会づくりネットワーク・ささえあい』の主催です。

 この団体のHPを見てみたら、
 活動している方々はみなさんフジノが知っている方々ばかりでした。

 代表は、あの茂さんです!

 福井県坂井市三国町の観光名所・東尋坊で
 自殺に追い込まれている方を水際で救う活動を繰り広げている
 NPO『心に響く文集・編集局』代表の茂幸雄さんです。

 事務局長は、福山なおみさん(共立女子大学教授・精神科看護学)です。

 福山さんは、かつてフジノがNPO自殺対策支援センターライフリンクに
 所属していた頃から大変お世話になった、とても優しい方です。

 (今日も、会場で座席にいたフジノを見つけた福山先生は
  ディスカッションの為にステージ上にいらっしゃったのに
  なんとわざわざ手を振ってくださいました!お茶目な方です)



 さらに、今日のメインプログラムである
 『ゲートキーパーの語り合い』(上の画像参照)では
 パネリストが4名いらっしゃいました。

 そのうちのお1人、和歌山県白浜町の三段壁を中心に
 自殺対策活動を行なっている『白浜レスキューネットワーク』
 理事長である藤藪庸一さん!

 フジノの所属する『地域の自殺対策を推進する地方議員有志の会』
 定期的に勉強会や視察を行なっているのですが

 来月の視察先として決定していたのが
 この『白浜レスキューネットワーク』だったのです。

 フジノも体調が許せばぜひ参加して
 三段壁のパトロールに同行させていただく予定です。

 全国でがんばって活動をしておられる方々と
 こうやって顔の見えるつながりが広がっていくことで
 自殺対策は進んでいくのだと感じます。

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 会場には約130人もの参加者が集まりました。

 さらにマスメディアからもとても注目されていて、
 テレビ局も複数きていましたし、新聞社もたくさん来ていました。



 『人のつながり』と『ささえあい』という基本理念に基づいて
 3つのネットワークがさらにつながっていく、

 という方向性は、とても素晴らしいとフジノは思います。

 3つのネットワークとは、これらを指しています。

 ・ゲートキーパーのネットワーク
   自殺防止活動に取り組む人々や団体のネットワーク

 ・フォワードのネットワーク
   自殺を考えたことのある人たちが体験を語り合いながら、
   それぞれが前に進むためのネットワーク

 ・シェルターのネットワーク
   自殺を考えたことのある人たちの生活と自立に
   一緒に取り組むネットワーク

 こうしたネットワークがさらにネットワークになっていくことで
 この国の自殺予防対策は強力に進んでいくはずです。

 今日のサミットに参加して、
 改めて政治家としてどんなことができるかを
 フジノはたくさん考える機会になりました。うれしかったです。

 特に、シェルターの活動を実際にしている方々の
 お話をうかがうことができて、フジノもがんばらなければと励まされました。

 政治・行政が本来なら成すべきことなのに
 民間企業の社会貢献としての活動だったり
 個人のボランティアによって成されているこうした活動を
 もっと政治・行政がしっかりと支援しなければならないと感じました。

 もっともっとがんばっていかなければ、と
 改めて感じました。

 今日は2時間しか眠れず
 寝不足な上に
 雨天のせいもあって、うつな気持ちも強かったのですが

 サミットが終わった後は
 晴れやかな気持ちになれました。

 僕もがんばらなければ!


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