まちの政治家は、こんなことしてます政治家フジノの活動日記


2008年10月18日(土)のフジノその1
● ひとり親家庭の支援、特に母子生活支援施設の今後について

 けさは、9月20日に続いて
 『ひとり親家庭等の自立支援の在り方に関する検討会』でした。

 プログラムはこちらです。
 配布された資料は、こちらこちらこちらです。

 今年度のテーマは『ハード面』での支援について、
 特に『母子生活支援施設』についてです。

 しかし、今日の議論は、全体的に低調でした...。

 あまりのことに、
 フジノはガックリと来てしまいました。

 人事異動で今年から新たに検討会メンバーになった方から

 「そもそも何故、去年は『ソフト面』、今年は『ハード面』と
  あえてソフトとハードを分けて議論することにしたのか理解できない」

 という意見が出ました。確かにその通りです。

 ひとり親のご家庭をサポートするのに
 ソフトとハードを分けて考えること自体がおかしいのかもしれません。

 でも、今年度はハード面がテーマなのです。

 ハード面を議論する中で必要があれば
 新たにソフト面のサポートについても追加していけば良いはずです。

 また、同じく人事異動によって今年度からメンバーになった方から

 「事務局は今後の在り方について
  はっきりとした方向性を持って進めているのか?」

 という質問が出たのですが、
 これに対して事務局(こども育成部)が
 全く答えられませんでした。

 「私自身、異動してまだ半年なので...」

 と、事務局トップが答えに窮する場面がありました。

 これは、事務局も半分以上が人事異動によって
 メンバーが変わってしまったことからやむをえないですね...

 ...なんてことは、絶対にありません!

 この検討会の結論で、母子生活支援施設の在り方が
 大きく左右されるんですよ!

 事務局、しっかりしてください!

 もう、横須賀の母子生活支援施設は老朽化が進んでいて
 しかも耐震基準の前の建設ですから、危険です。

 その上、今の建物を使用したままでは
 耐震補強工事もできないのですから
 (生活の場なので、同時に耐震補強工事はできないそうです)

 放っておいたら、暮らしている親子は
 大地震が起これば大変なことになってしまいます。

 確かに今年、こども育成部は『はぐくみかん』のスタートと共に
 大幅な人事異動や職務の激増もあったようですが

 だからといって、検討会の議論は待ったなしなのです!


● 現場を見るべき、現場の声を聞くべき

 フジノ自身の勉強不足を省みずに
 あえて苦言を呈したいのですが

 議論が低調な理由は、

 事務局を含めて検討会に参加しているメンバー全体が
 『母子生活支援施設』の存在意義を理解していないから


 だと、フジノは感じました。

 そもそもメンバーの中には、母子生活支援施設の利用者はいません。
 (施設で働いている職員さんは1人、メンバーで参加しています)

 そうすると、どうしても切実さに欠けてしまう訳です。

 検討会メンバーみんなで
 母子生活支援施設を見学させてもらってはどうでしょうか。

 あるいは、母子生活支援施設で暮らしている方に
 生の声を聞かせていただいてはいかがでしょうか。

 このままでは、机上の空論、
 リアリティの無い報告書ができあがるだけではないでしょうか。


● セーフティネットを守らなければいけない!

 全国的に、母子生活支援施設の数が減っています。

 大切な場所が財政的な理由から
 潰れていってしまってるのです。

 事務局の方針はハッキリしないのですが、
 どうもうっすらと感じる方向性は

 ・母子生活支援施設に『新たな機能』を持たせる

 ・地域の一般の人々(親子)も利用できるようにする

 などによって、
 いちおう施設そのものは維持していく方針のようではあります。

 でも、フジノの考えでは

 現在の横須賀市の母子生活支援施設(グリーンハイム)は
 予算と人材の少なさや
 施設の老朽化などから
 これ以上、新たな機能を加えることなんてムリです。

 もしも新たな機能を加えたいのならば
 予算をしっかり増やして、人材も確保していかなければムリです。


 一部の検討会メンバーから

 「全ての市町村に設置されている訳では無い上に
  暮らしている母子の大半が横須賀市民では無いのだから
  不公平な感じがする」

 という意見まで出ていました。

 母子生活支援施設に暮らしている母子というのは、
 DVなどの差し迫った身の危険から逃れる為に

 自らの暮らしていたまちではなくて
 他県の施設を利用する場合が多いのです。

 だから、横須賀市の施設には
 横須賀市民の母子は、ほとんどいません。

 逆に言うと、市外の施設に
 横須賀市民の母子が暮らしているのです。

 『お互いに助け合い』なのです。

 それを、他市町村の母子の為に市民の税金を使うのはおかしいと
 廃止してしまえば、結局は、横須賀市民が苦しむことになります。

 助け合いの想いを財政的な理由で捨ててしまえば
 セーフティネットはどんどん機能しなくなります。


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 あまりにも危機感を持ったフジノは
 検討会が終わった後に
 委員長と1対1で意見交換をさせてもらいました。

 「委員長、このままでは
  母子生活支援施設は廃止してもいいという結論になりかねません。
  委員長もそのようなお考えなのですか?」

 「いや、そんな考えはありません。
  母子生活支援施設は必要だと考えていますよ」

 とのことでした。

 ただし、現在のグリーンハイムのままで良いとは思わない、と
 委員長は考えているようでした。

 (これはフジノの推測です)

 また、事務局をはじめとする
 メンバーの方々とも個別に意見交換をしました。

 そこで、1つの結論にフジノは達しました。

 「これは、市民のみなさまの理解が不可欠だ。
  市民のみなさまに問題を広く深く知ってもらわなければいけない」

 そう、思いました。

 だから、フジノは市民のみなさまに
 フジノの想いを訴えます。

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 市民のみなさま!

 99%の横須賀市民のみなさまにとって
 母子生活支援施設は、一生に1度も関わることが無いでしょう。

 けれども、フジノを信じて下さい。

 これは、絶対に無くしてはいけない存在なのです。

 現代の社会では、こどもとの関係をうまく持てない親や夫婦が
 ものすごく増えています。

 そして、それは特別なことではありません。
 どの家庭でも起こりうることなのです。

 そして、配偶者からの暴力(DV)によって
 着の身着のまま逃げるしかない時に
 とにかくシェルターに一時的に避難して

 (でも、すぐにシェルターからは出て行かねばなりません)

 それから生活を立て直していく為に
 お母さんとこどもで暮らしながら生活のサポートを受けられる
 『母子生活支援施設』という存在が不可欠なのです。

 あまりにも追いつめられてしまって
 精神疾患を発症してしまう方々もたくさんいます。

 穏やかで落ち着いた環境の中で
 お母さんとこどもたちが人生を取り戻す為の場所が必要なのです。

 そこに、市税を投入するのは
 ムダづかいではありません。

 ましてや、不公平でもありません。

 これは、いつか必ずあなたの身にも起こりうることかもしれない。
 その時の為のセーフティネットなのです。

 その安心の網を破り捨ててしまえば、
 結局は、このまち全体の安心も崩れていくことになります。

 社会福祉とか社会保障というのは
 一部の人々を助けている特別で特殊なものではなくて
 全ての人がいざという時には対象になるものです。

 だからセーフティネットをしっかりと守ることで
 実は、全ての人々の暮らしが守られていくものなのです。

 いま、このまちの母子生活支援施設というセーフティネットは
 数年前からフジノは問題提起をしてきたのに
 いまだに横須賀市が進むべき方向が定まらずにいます。

 下手したら、廃止なんてこともあるかもしれません。
 それは絶対にマズイのです。

 現状維持は、もうムリな時期に来ています。

 どうか、この問題をあなたも知っていて下さいませんか。

 検討会がこれからあと2回で結論を出します。
 それが十分なものであろうと無かろうと

 フジノはひとり親家庭を支援する政策を重視していますので
 これまでも市議会でとりあげてきましたが
 これからも何度でもとりあげていきます。

 どうか、市民のみなさまの力を貸してください!

 フジノは問題提起を続けます。
 そして、解決策のアイディアもどんどん提案します。

 どうか、市民のみなさまの力を貸してください!

 お願いします。



2008年10月17日(金)のフジノその2
● タウンニュース紙が報じてくれました

 フジノが9月議会で行なった一般質問でとりあげた
 特別養護老人ホームへの待機者が非常に多いという問題

 タウンニュース紙
 今日1面で報じてくれました。

 (2008年10月17日(金)タウンニュース紙・1面より)

 すでに報じてくださった神奈川新聞もそうですが、
 こうした身近で切実な問題こそ、
 マスメディアにとりあげてほしいとつくづく感じます。

 はっきり言って、「国会の解散がいつか」なんてバカバカしい。

 僕たちの暮らしにはもっとたくさん
 目の前にやらなければならないことがあふれてる。

 こうした切実なことこそ、メディアにぜひ報じてもらいたいと願っています。



2008年10月17日(金)のフジノその1
● 九州・久留米市議のお2人とお会いしました

 今日は、夕方から2人の政治家の方とお会いして
 意見交換をしました。

 フジノの父の故郷である九州の、久留米市議会議員である
 永松千枝さん藤林詠子さんです。

 今日は、会派『みらい久留米議員団』
 横須賀市の児童相談所などを視察に来てくれたのですね。



 (写真は、左から藤林さん、フジノ、永松さん、です)

 3人とも『地域の自殺対策を推進する地方議員有志の会』
 所属している同志というか、メンバーなのですが

 フジノが体調が悪いことが多くて
 勉強会や定例会に出席できなかったりなどもあって
 3人が同時に会えたのは初めてでした。

 しかも、人生というのは本当に不思議な縁なのですが

 永松さんの娘さんであるAさんとフジノは
 全く政治とは無関係なところで知りあいなのでした。

 Aさんは本当に素晴らしいアーティストです。
 (公式HPやブログは自力で探してくださいませ)

 かつて窪塚くんと『詩孫』を行なった2年前に出会ったのですが
 僕は別に自分が政治家だなんて
 わざわざ話したくないですし
 Aさんもまたお母さんが
 政治家であることなんて話しませんでした。

 それがある日、何かのきっかけでふと
 政治家つながりであることが分かって
 しかも同じ『有志の会』の仲間であった...。

 本当に人生ってフシギですよね〜。

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 永松議員は残念ながら用事があって先にお帰りになったのですが
 その後は昨夜に続いて、藤林議員と作戦会議です。

 これから藤林議員と協力しながら
 フジノは新しい動きを起こせる気がして、とても楽しみです。

 九州と神奈川と距離がとても離れていますが
 今はインターネット時代ですから、距離の遠さを全く感じませんし。

 昨日と今日と2人でいろいろお話したことは
 来年にかけてきっと形になると思います。

 いずれ発表できる時期がきたら
 ぜひみなさまにお知らせいたしますね。



2008年10月16日(木)のフジノ
● 精神保健医療福祉の超豪華メンバーが集合!@千葉・市川

 今日はあまりに忙しくて、今夜は終電を逃してしまいました...。

 夕方から、千葉県市川市へ行ってきました。

 フジノのこころの師匠である大熊一夫さんが、
 精神保健医療福祉に大きく貢献した人物だけに贈られる
 イタリアのバザーリア賞を受賞したのですけれども
 (これは本当に素晴らしい快挙です)

 その受賞記念の講演会が
 急きょ、開催されました。

 市川駅前
 クリスマスみたい。

 司会は、
 『ACT−J』の
 われらが伊藤先生!

 今日の講演は、大熊一夫さんのバザーリア賞受賞を記念して
 『イタリアの精神科医療改革を知ろう』というタイトルで行なわれました。

 フジノのヒーロー
 大熊一夫さん!

 日本人として
 最高の快挙です。

 世界的なジャーナリストとして
 改めて認められたのを
 実感します。感動です。

 そのバザーリア財団の理事長を務めている
 マリア=グラツィア・ジャンニケッダさんが急きょ来日して下さいました。

 バザーリアというのは人名です。
 フジノのように精神保健医療福祉に関わる人間にとっては
 歴史上の偉人というか、伝説の存在です。

 そのイタリア精神医療改革の父、
 フランコ・バザーリアの

 まさに遺志を継ぐ
 素晴らしい方が

 ジャンニケッダさんです。

 その働きぶりから
 ついたニックネームが

 『バザーリアの娘』。

 (もちろん実の娘では
  ありません) 

 そして、本日のサプライズ。

 フジノがこころからリスペクトしてやまない
 堂本暁子さん(千葉県知事)です。

 フジノの斜め前の席に
 ちょこんと座って

 がんがんメモとって

 自らデジカメで
 撮影をして

 やっぱり堂本さんは
 ジャーナリストだなぁと
 感じました。

 カッコいい方です。

 フジノの目の前の席に堂本知事が座っていらしたので、 
 NPO地域精神保健福祉機構(コンボ)の編集部の方と
 堂本知事がお話しているのが聞こえてしまいました。

 堂本知事は自ら

 「私、こないだマジソン(地域精神保健福祉の拠点です)に
  行ってきたの!その時のことを寄稿しましょうか」

 とおっしゃるので、編集部のAさん(フジノの恩人です)は

 「え、よろしいんですか!?」

 と、うれしい驚き。来年すぐの『こころの元気プラス』に
 ジャーナリスト出身の堂本知事の精神保健福祉についての記事が
 寄稿されることにその場で決まりました。さすが...。

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 4年ぶりにお会いしたのにも関わらず
 大熊一夫さんはフジノのことを覚えててくれました。

 感激です!

 個人として初めてお会いしたのは12年前で、
 政治家として初めてお会いしたのは5年前のことですが

 どれだけ経っても変わらない、僕のヒーローです。


 さらに、堂本知事ともいろいろお話しすることができました。


 ナミねぇや野沢和弘さんなど
 堂本知事の親しい方々とフジノも面識があることから
 うちとけてお話しすることができました。


 写真の方々だけでもすさまじく豪華なのですが
 さらに本当にたくさんの方々とお会いすることができて

 すごく豪華なメンバーがそろった
 勉強会の場でした。

 生きているといいこともあるなぁ。



2008年10月12日(日)のフジノ
● ふれあい運動会へ参加してきました

 決算議会の最終日である14日に
 フジノは本会議で最後に討論を行なう予定です。

 今回の決算(平成19年度分)は特に想いが強いので
 討論の原稿を書くために準備をしているのですが

 全ての決算特別委員会の録画を観て
 いろいろな資料を読み込んで
 いくら調べものをしても終わりがありません。

 何故なら、この平成19年度こそ
 障がいのある方々の福祉を破壊した予算だったからです。

 当時、平成19年度予算議会の直前のフジノは、
 活動日記(07年2月22日)に、こう書いています。


  >今回の予算案は、とても問題が大きい。
  >絶対に許せない福祉の切捨てもある。
  >
  >これをくつがえす為なら、
  >予算議会が終わった後に、過労死してもいい。
  >
  >この命をかけて闘う。


 結局、市議会の多数派は平成19年度予算を可決して
 ついに福祉の破壊が始まりました。

 その平成19年度予算が実行に移された結果を
 議論しているのが今回の決算議会なのです。

 だから、命をかけて闘った予算だからこそ、
 決算議会にも、同じ覚悟で臨みました。

 いろいろな人々との約束を全てお断りして
 フジノができる最後のあがきである『討論』に
 今、全身全霊をかけた想いをこめて原稿を書いています。

 そんな訳で、今日、本当はお昼すぎには行くはずだった
 『第34回横須賀市ふれあい運動会』に

 到着できたのはもう14時頃でした。
 参加者のみなさん、その雄姿を見れずにごめんなさいね。




● 障がいのある方々だけの運動会は、イヤです

 『ふれあい運動会』とは、プログラムのとおりで
 障がいのある方々(こどもから高齢の方々まで)をメインの対象にした
 運動会です。



 フジノは、政治家になる前は
 障がいのある方々のみを対象にした運動会が存在することを
 全く知りませんでした。

 (もちろん、ボランティアさんをはじめ、
  ご家族も参加するので障がいの無い人もいらっしゃいますが
  圧倒的に多数の参加者は障がいのある方々です)

 そして、政治家になってお招きいただくようになってからも
 こうした運動会に参加するたびに『強い違和感』を毎回、感じています。

 その理由は、

 何故、障がいのある方々だけを集めて
 運動会をやらなければならないのか!?


 というギモンです。

 この強い違和感は、何年経っても消えません。


● 障がいの無い方々だけの運動会も、イヤです

 本来ならば、障がいがあろうが無かろうが誰もが
 地域で行なわれている
 住民ならば誰でも参加できる
 『健民運動会』に参加すればいいのです。

 でも、実際に行なわれている健民運動会の場に
 どれだけ障がいのある方々が参加できているでしょうか。

 あなたの暮らしている地域の健民運動会に
 障がいのある方々は参加していますか?

 ほとんど参加できていないのです。

 だから、フジノは同じように
 健民運動会に行っても『激しい違和感』を抱きます。

 パラリンピックのように競技性が強いなら
 障がいの程度によって分けるのはアリなのでしょうが
 健康維持の為に行なう運動会で分けるのは、まちがっています。

 本当ならば、自分の暮らしている地域で
 みんなが一緒に参加できなければいけないはずです。

 確かに、20年ほど前に比べたら
 今の方がだいぶ変わったとは感じます。

 でも、もっともっとたくさんの障がいのある方々が
 地域の健民運動会にふつうに参加できる社会にならなければ
 絶対におかしいとフジノは考えます。

 この意味において
 いつの日か、障がいのある方々むけの運動会を無くしたいです。



 フジノも『宝探しレース』に参加しました。



 賞品として、かがみ田苑で作っているキンチャクをもらいました。
 素敵な色でうれしかったです。


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 15時半の終了まで過ごして、
 何人かの関係者の方々とお話しをして

 (横須賀市職員採用試験のことをお詫びしてまわりました)

 再び事務所に大急ぎで戻りました。

 そして、徹夜で明け方まで討論の原稿と向きあいました。

 フジノが討論なんてやってもやらなくても
 42万人の市民のみなさまには
 何の影響は無いと思われるかもしれません。

 絶対にそんなことはありません。
 必ず命をかけた言葉というものは、未来に続く人々に届くはずです。

 フジノはしばしば過去の議事録を読んだり
 横須賀市議会の歴史を読むのですが、とても励まされます。

 先輩たちの活躍が今のこのまちを創っている、と
 いつも勇気づけられます。

 だから、同じように30年後の横須賀市議会において
 政治家をしている新しい世代の誰かは

 いつの日にか、きっと僕の言葉を読んで
 「闘った人間がいた」という事実に励まされるはず。

 だから、僕はあきらめない。

 1行1行に、いや、1つの単語や1つの文字に
 全身全霊をこめて、討論の原稿を書くんだ。



2008年10月11日(土)のフジノ
● 中学生の主張はリアルで胸にくる

 14日の本会議での採決(賛成か反対かを決めることです)の前に
 フジノは議案に対して、討論という演説を行ないます。

 その原稿が全く完成していないせいで
 昨日もほとんど寝てないのですが、
 朝9時すぎに会場である久里浜の総合高校へ到着!眠い!

 でも、今まで必ず参加してきて
 今回もどうしても見逃したくなかったのす。

 それは、中学生たちによる
 『主張大会』です。

 各中学校の代表が
 自らの想いをステージで発表するのです。

 「こんなイベントに参加するのは
  どうせ生徒会メンバーに入ってて
  先生の言うことは
  何でも聞くような
  マジメで面白みの無い生徒たちだろ」

 なんて思ったら、大間違いです。

 確かに、
 生徒会に入っている生徒も多いですし、
 マジメな生徒も多いです。

 でも、つまんない生徒はいません。
 みんな、熱い想いを持っているんですね。

 例えば、プログラムをごらんください。

  ・私の将来の夢

  ・牙のない羊とロボットたちの世の中

  ・基地の町、横須賀

  ・父親の立場

  ・救いの手

  ・学歴社会について

  ・「命の灯」永遠に

  ・世界の中の日本の立場

 ちょっと挙げてみたタイトルだけでも、『熱さ』が伝わってくるでしょう?

 フジノのメモから
 生徒たちの主張への感想を...。


 常葉中の代表は、
 体育祭を通じて一体感を感じたというものだったのですが

 選ぶ言葉の1つ1つが短いフレーズで
 体育祭のスピード感という内容にとても合った、
 臨場感のある見事な話し方でした。

 岩戸中の代表は、原稿を暗記してきたのか
 手元の原稿には全くと言ってよいほど目を落とさず、
 客席を眺めながらの堂々の主張は見事でした。

 馬堀中の代表は、コミカルな文章を軽快なトークのように読みすすめて
 会場全体を笑いの渦に巻き込みながらも、
 最後はみんなを感動の涙に、という
 すごい構成力&プレゼンテーション技術でした。


 上の台中の代表は、将来の夢として「看護師になりたい」と語りました。

 自分が幼い頃に病院にかかった体験から
 その夢を抱くに至った経緯や、現在の想いを聴かせてくれました。

 彼女の素晴らしかったことは、夢を単なる夢として見ているのではなく
 かなり現実的な職業として調べているところです。

 例えば、

 さしあたって、この数年間は受験との勝負が待っていること、
 (専門学校だけでなく、卒業後には国家試験が待っています)

 就職後のイメージもよく見えていて

 近年は看護師不足も激しい現状から
 人員不足や過労による医療事故のリスクもあることや

 救うことができることばかりではない職業であることから
 死と直面せざるをえない時に自分はどう在ることができるだろうか

 また、死に対する慣れが起こってしまうのではないか

 など、洞察が深い点もとても良く深く考えていると思いました。

 現役の看護師さんや看護学校の学生さんと
 フジノは話す機会が多いのですが、
 決して現役に負けていない洞察力だと感心しました。

 24校の代表に、この主張大会では順位はつけません。
 けれども、前回の大会(2006年)の活動日記でもやりましたが

 フジノが大賞を決めて良いのだとしたら
 ダントツで決定です。

 上の台中学校3年:若菜 洋子さん、『私の将来の夢』

 フジノ的には飛びぬけて
 最優秀賞でした。

 どうか数年後には、実際に夢を実現して
 たくさんの患者さんのこころのケアもできる看護師さんになって下さい!


● 「自殺予防」と「原子力空母の母港化問題」についても語られました

 今回、とても好感が持てたのは
 時事性が高く、同時にフジノの関心も深い問題についても
 真正面から主張していた中学生がいたことです。

 長井中学校の代表は『原子力空母の母港化問題』について、
 不入斗中学校の代表は『自殺予防』について

 それぞれの想いを語りました。

 もちろん14才・15才なりの論理構成ですし
 34才のフジノと20才も離れている訳ですから

 その中学生の主張の全てに共感することは
 当然ムリなのですけれども

 でも、やっぱりうれしかったですね。


 特に、不入斗中の代表の生徒さんには

 自殺の実態や正確な情報をはじめ
 横須賀市が取り組んでいる自殺予防対策の全てを
 フジノからきちんと説明をして、

 ぜひとも一緒に自殺予防対策の仲間になってほしい、と
 強く感じました。

 (帰りがけに本気で話しかけようかと思いましたが
  フジノは次の予定が迫っていたので急いで帰りました。
  でも、後日、中学校宛に資料とか手紙とかお送りしたいなあ...)

 かつてフジノは心理学を専攻し、
 現在では自殺予防対策を中心に精神保健福祉を専門にしていますが

 そうした道に将来すすんでくれたらいいのに、なんて
 勝手に期待してしまいました。


 いずれにしても、時事性のある問題や議論が分かれる問題でも
 先生がそうしたテーマをとりあげることを禁止すること無く
 自由にそれぞれの想いや主張を認めて
 学校の代表として送り出している、

 参加するたびにフジノは
 主張大会の場は本当に貴重な良い機会だと感じます。

 今年もみなさん、本当に素晴らしかったです。

 どうか今の気持ちの中の
 純粋な部分を永遠に持ち続けてください!


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 余談ですが、発表者の何名かは
 「生徒会出身で今年のリーダースキャンプに参加した」
 と語っていました。

 リーダースキャンプというのは
 横須賀市教育委員会が行なっているのですが

 次代のリーダー育成の意味もこめて、
 市内全中学校の生徒会でつくる『連合生徒会』という集まりで
 キャンプを夏にするんです。

 フジノ自身もこの卒業生というかOBです。

 だから、主張大会に限らず、
 リーダースキャンプに参加するような生徒たちは
 僕には直系の後輩のような気持ちがして、かわいくてたまりません。

 以前も書いたのですが、フジノ自身が中学生時代に生徒会長で
 (かなりリベラルな生徒会長で、選挙公約は『校則廃止』でした)

 リーダースキャンプでも生徒会長たちが集まる
 第1分科会の会長をして
 その時に出会った他校の友人と、今でも友人だったりします。

 14才や15才の時に感じた想いは
 34才になっても変わらずに生きつづけています。

 きっと中学生時代の自分が今の自分を見ても
 決して恥じることの無い生き方ができていると思います。

 だから、主張大会に参加した中学生たちに限らず、
 いま14才・15才くらいの中学生たちにいつも僕は強く期待しています。

 ぜひ、夢や希望を持ってほしいです。

 夢を探すこと自体がとても難しいことですから、
 夢がある人はすごいことです。

 夢が見つからなくても、それは別にたいしたことではありません。

 大切なことは、今を全力で生きることです。
 たった1回きりしかない人生ですから、徹底的に全力で生きてください。

 必ず未来はひらけるし、
 僕たち大人もより良い社会になるように全力を尽くしますから。


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 翌日の神奈川新聞には、この記事が載っていました。
 取材に来てくれてありがとうございます!

 (2008年10月12日(日)神奈川新聞より)
神奈川新聞2008年10月12日付け


2008年10月10日(金)のフジノ
● 自死遺族の方々に必要な情報を届けたい、というフジノの執念

 大切な方を自殺によって失った直後のご遺族の方々に
 警察や救急の協力を得て

 自死遺族のわかちあいの会などをはじめとする
 相談先一覧をまとめたクリアファイルやリーフレットを
 お渡ししたい

 という提案を、フジノはずうっと続けてきました。

 初当選した2003年に提案をしはじめたので
 もう5年半にわたって実現を目指してきました。

 大切な方を自死によって失ったご遺族の方々は
 みずからも自死へと追い込まれかねないハイリスクな存在です。

 だから、何としてもフジノは
 自死遺族の方々に
 必要な情報を届けたかったのです。

 この実現にフジノは執念を燃やしていました。

 すでに岩手県ではこれを実行していますし
 効果も高いという成果が出ています。

 けれども、なかなか警察や救急の協力を得られず
 何度も何度も提案しましたが、挫折してきました。

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 そこで、今年に入ってから、発想を全く変えてみました。

 自死遺族の方々にピンポイントで情報を届けるのがムリならば、
 全ての遺族の方々に情報を届ければいいのだ、と。

 こうして、6月議会では
 このような提案を市長に行いました。


 (2008年6月議会・本会議での市長への一般質問)






 (4)死亡届受理の際に
   ご遺族に各種相談先一覧をお渡しする必要性について


 1人の方が自殺に追い込まれると
 亡くなった方と心理的に結びつきが強かった方々は
 少なくとも5人はハイリスクな状況になる。

 つまりご自身も自殺へと追い込まれかねない、
 そうした方々を『自死遺族』と定義しています。



 さて、自死遺族の方々はハイリスクな存在であり
 支援の必要性が高いことから、

 自殺の現場にかけつけた救急隊や警察が
 その場で遺族ケアの為の相談先一覧の入ったクリアファイルなどを
 渡せないかといったことが国レベルでも検討されてきました。

 いのちの電話の番号や自死遺族のわかちあいの場を記すことで
 わが国ではいまだタブー視されて
 語ることすらできない自殺を
 『語ることのできる死』へ変える為に情報をお届けするのです。

 また、経済苦による多重債務などが原因で自死をされた方の場合には
 ご遺族が現実的に対応しなければならない手続きも必要な為、
 法律相談や多重債務相談の窓口なども記して、
 混乱の中にあるご遺族の負担を少しでも減らすのです。

 しかし、残念ながらクリアすべき問題が多く、
 実際にこれを実現できているのは
 岩手県などの一部のまちに限られており、
 本市でも実現していません。

 けれども自死遺族の数は増える一方です。
 手をこまねいている訳にはいきません。
 国の号令を待たずに、本市独自のできることを提案します。

 本市では、市民の方が亡くなると、
 ご遺族は葬儀屋を通じて『死亡届』を市役所に提出します。

 市の窓口サービス課はこの『死亡届』を受理すると
 『死体火葬許可証』の発行と共に
 『死亡にともなう各種手続きのご案内』をご遺族にお渡ししています。

 これは、世帯主の変更や国民健康保険証の返却手続きなどを
 ご遺族にお願いするために分かりやすく記したA4の1枚の紙です。



 全てのご遺族にわたるこの『ご案内』こそ、
 プライバシーや個人情報をおかすことなく
 自死遺族の方々に情報をお伝えできる手段なのです。

 この実現には予算は1円もかかりません。
 『ご案内』のチラシにはまだ空白があり、
 情報を追加するだけで良いのです。

 <質問>
 全てのご遺族が必ず目を通すことになるこの『ご案内』に

 横須賀こころの電話をはじめ、市の法律相談や
 多重債務相談などの各種相談窓口や
 安心して語り合うことができる
 『自死遺族のささえあいの会』などの情報を一覧として記して、
 お渡ししてはいかがでしょうか。

 自死遺族支援の取り組みが存在していることを
 とにかく知って頂くことこそが急務な現状では

 たとえ間接的ではあっても
 全てのご遺族に情報を提供することが
 自死遺族ケアへの有効な手段となりうるはずです。

 ぜひ早急に実行に移していただきたいと思いますが
 市長の考えをお聞かせ下さい。




 死亡届受理の際に
 各種相談先一覧をお渡しすることがいいのではないか

 という御提案でございます。

 各種相談先一覧につきましては、
 自死遺族を含む御遺族すべての方に配付をしても
 受け入れられやすいような内容として、

 心の相談窓口や
 その連絡先を掲載することなどを検討してまいります。



 そうなのです。

 自死遺族の方々にピンポイントで情報を届ける
 ハイリスク・アプローチ(特定の方々をターゲットにする方法)が
 有効なのですが

 いくら有効でも実現に時間がかかりすぎるくらいならば
 フジノはあえてハイリスク・アプローチを
 やめたのです。

 そして、全ての人々をターゲットにする
 ポピュレーション・アプローチへと切り替えて、提案をしたのです!

 この方針転換は、実現可能性が高かった為、
 フジノの提案に対する
 蒲谷市長の答弁は前向きなものでした。


● 5年半の想いが、ついに実現しました!

 こうした6月議会での答弁を受けて

 担当部署である
 保健所健康づくり課精神保健福祉班と
 市民部窓口サービス課が

 すぐに実現に向けて
 内容の検討に入ってくれたのでした。

 そして、ついに実現しました!
 こちらです!

 (『死亡にともなう各種手続きのご案内』の裏面)


 これまで、市民の方々が亡くなると
 必ずお渡ししてきた『死亡にともなう各種手続きのご案内』ですが

 このA4のペーパーの裏面の
 下半分が空白だったのです。

 そこに、上の画像のとおり、
 いろいろな相談機関の一覧を新たに掲載したのです!

 PDFファイル版で見比べると分かります。

 これまでのものはこちらです。
 今回のニューバージョンはこちらです

 フジノの5年間の想いが実現しました。

 良かった...。

 ハイリスク・アプローチから
 ポピュレーション・アプローチへと切り替えたおかげで

 自死遺族の方々だけではなく
 大切な方々を失った全てのご遺族のみなさまが

 サポートを必要だと感じた時に
 相談機関をご利用いただくきっかけになってもらえたら...。

 この『ご案内』が1人でも多くの方々の
 お役に立てることを願ってやみません。


● たった1人きりでも熱意があれば、世の中は変えられる

 6年前に僕が元恋人を喪った時、
 こんなリーフレットは存在していませんでした。

 そして僕は5年半前に政治家に転職をして
 自殺予防の為にあらゆる提案をし続けてきました。

 5年半前、フジノの提案の多くが
 「実現できない」と言われました。

 いや、そもそも

 「自殺という言葉を公の場で連呼しないでほしい」

 とさえ、言われたことだってありました。 

 でも、それから5年半、
 自殺予防対策についてのフジノの提案は
 そのほとんどが実現しています。

 もしも、僕が決心して政治家に転職していなかったら...。

 もしも、僕が1人きりで悲しみにくれたまま、声をあげなかったら...。

 このまちの自殺予防対策は
 これだけのスピードで動いたのでしょうか。

 いや、やはりあの時に
 悲しみを抱えながらも歯を食いしばって
 あえて立ち上がって

 たった1人きり、孤立無援ながらも
 大きな叫び声をあげたからこそ、

 確かに、このまちは動いたのです。

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 日々、たくさんの人々とフジノは接しますが
 あまりにもこの世の中は、あきらめに満ちています。

 独りでは何もできない、とか
 自分だけ努力してもしかたがない、とか...。

 確かにそうかもしれません。

 でも、そんなことはないんだよ、と
 あえて僕は伝えたいです。

 執念を燃やして、訴え続けることで
 決してあきらめずに闘い続けることで、

 世の中は変わると僕は信じています。

 だから、あなたが独りきりだとしても
 絶対にあきらめてはいけない。

 こんなペーパー1枚を実現するのに5年もかかったけど
 だけど、誰も実現できなかったことを僕はやってみせたでしょう?

 だから、あきらめないでほしいのです。
 必ず変えることはできるんです。

 あきらめないで。


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